大阪府の公立高校改革は成功したのか(その2)

2021年9月30日 木曜日

関西の難関私大、「関関同立」の実績変化も見てみましょう。1位は難関10国立大でもランクインしていた春日丘高校。学区の統合により、TOP10高への流出が考えられそうなものですが、こちらの学力層も多く留まっていることがわかります。ちょっと、本題から外れますが、3位の大教大池田は国公立の実績は下がっていますが、関関同立は倍以上に増えています。9位の槻の木高校は島上高校と高槻南高校を統合し、島上高校の校地に19年前に生まれた学校ですが、そのリニューアルが成功した例だといえるでしょう。ここでも私立高校も負けていません。関関同立の実績も伸ばしてきている私立が4校ランクインしています。

ここでは学校名は出せませんが、逆に減っている学校のリストを作ってみると、英語に強いイメージの学校が目につきます。2001年当時は私立独自の英語教育、国際理解教育の充実が進学実績にも現れていました。今では英検の低年齢化や公立高校でも海外研修を取り入れるなど、相対的にその優位性が下がっているとも考えられますが、大学との協定があるなど一般入試まで頑張らなくても良いシステムが整備され、むしろ大学進学には強くなっている学校もある、という事は付け加えておきます。

このように見てくると、難関国立大に関しては、私立も頑張っています。関関同立に関しては戦い方が違うだけで、公立が優勢なわけではありませんよ、という事ではないでしょうか。というわけで、公立高校第一志望の受験生も、私立も含めて広い範囲から受験校を探してみましょう。

大阪府の公立高校改革は成功したのか(その1)

2021年9月29日 水曜日

マスコミによる進学校比較の記事を時々目にしますが、大阪の高校に関する記事では2007年からの橋下府政の元、2011年の進学指導特色校の指定や2014年の学区撤廃など、一連の改革で大学進学に特化した一部の公立高校に受験学力の高い生徒を集めることができ、大学進学実績向上に成功した、という論調が多いように思います。そこで、20年前の2001年の毎日新聞社「高校の実力2001」のデータを元に、比較の表を作ってみました。

まず、旧帝国大学7大学+東工・一橋・神戸を足した「難関10大学」で比較してみました。実数比較だと学校の卒業生数による影響が大きく出ますので、まず、それぞれの年度の卒業生数で実績数を除した「率」を計算し、その差でランキングを作りました。

北野高校は146→214、豊中高校が0→90。20年前の豊中高校は、大阪市立大が17名、大阪府立大18名の合格実績はありますので、国立大へも何人か合格したと思いますが、少なくともこの資料には難関10大学の実績が記録されていません。3位が天王寺高校。ここまで見ると府立高校は強くなったね、という話になりますが、4位の開明、5位の大阪桐蔭、10位の大躍進している桃山学院などは私立です。つまり、私立もそれに負けずに伸びてきています。また、7位にTOP10高、つまり進学指導特色校ではなく、制服もない自由な校風の春日丘高校がランクインしています。

次年度から移転し校名変更する大阪国際大和田や校名が変更し共学化した常翔学園も、今やトップ進学校の仲間入りを果たしています。

この表には入れていませんが、府立高校でも進学実績を逆にここ20年で落としている学校もあります。TOP10高では、四條畷高校が105名→78名、生野高校が58名→41名と減少しています。

(続く)

関関同立附属校 内部進学率2021

2021年9月28日 火曜日

ここ数年、有名大学附属中高の人気は高まっており、競争率も高止まりとなっていますが、そこから系列大学への進学率はどうなっているのか気になって調べてみました。ひとまず、関関同立の附属高校からそれぞれの大学への進学率が判明している範囲でまとめています。

確かに北海道にある立命館慶祥高校からの立命館大学への入学率は半分以下というのは理解できますが、関西学院千里国際から関西学院大学へ進学したのが半分強、案外低いです。実は海外の大学への進学者も多いのが原因の一つのようです。

一方、東大・東大、難関国立、国公立医学部への複数合格が出ているのは立命館系のみ。特に先に挙げた立命館慶祥高校から医学部に22名も合格しているのは驚きです。

というわけで、「難関大学附属」といっても、系列校に進学する生徒だけではないですよ、というお話でした。

【新規開校】大阪国際中学校【新築物件】

2021年9月27日 月曜日

大阪府守口市に建築中の「大阪国際中学校・高等学校」ですが、ようやく校舎が姿を現しました。完成予想図より落ち着いた色目のタイルが貼られていて、高級感があります。大和田にある今の校舎も特徴的な設計ですが、この学校はこれからの多彩な学びに対応した新たなコンセプトを持っているようです。

(この写真は学校のHPから拝借。一般人はまだここまで入ることはできません。)

さて、順調に工事も進み、そろそろ完成するようです。そこで、11月20日に新校舎見学会が企画されているようです。中学入試を考えている方はプレテストの受験もお勧めしますが、見学会の方はおそらくすぐに定員に達すると思いますので、申し込みが始まったら(【極秘情報】申し込み開始は10月1日!)早めに申し込むことをお勧めします。

新校舎での1期生。良いですね。

【いよいよ開催】開成進学フェアオンライン2021【9月25日~10月3日】

2021年9月24日 金曜日

ことしもついにこの日がやってまいりました。年に一度の大イベント「開成進学フェア!」。今年で32回目となります。2019年までは大阪では「マイドームおおさか」を借り切って4000名以上の方に集まっていただいていましたが、今はもうそんなことはできません。それどころか、マイドームおおさかは集団接種会場となっています。というわけで、オンラインでの開催です。

今年の特設サイトでは訪問した学校数に応じて「コイン」がたまる、という仕掛けを用意しています。このコインを換金することはできませんが、集めた枚数上位500位に入ると、100名に抽選でクオカードが当たるというお楽しみ企画となっております。明日13:00から特設サイトオープンします。このイベントはお申し込み制となっておりますので、まだの方はこちらからどうぞ。

【近畿圏】⇒開成進学フェア2021オンライン (kaisei-group.co.jp)

【首都圏】⇒開成進学フェア オンライン2021 | イベント・トピックス | 個別指導学院フリーステップ[関東] (kaisei-group.co.jp)

麗澤瑞浪中学・高等学校 学校見学会

2021年9月22日 水曜日

以前このエントリーでも紹介した、岐阜の「瑞浪麗澤(みずなみれいたく)中学・高等学校から、学校見学会のご案内を頂きました。

このコロナ禍の休校期間中でもオンラインで授業を行い、今年も多くの国公立大学合格者を輩出しています。しかし、この学校の魅力はそこではなく、1学年の約6割の生徒が暮らす寮生活の充実でしょう。栄養面、安全面でのサポート体制はもちろん、夜間の学習サポートやバーベキュー大会やボーリング大会といったお楽しみもあります。中学生男子は3~4人の大部屋で毎日が修学旅行。(女子と高校男子は個室)その中で協調性も身に付くという仕掛けです。

今年の見学会も授業やランチを体験できるイベントとなっています。ひとまず広大な校地を見に行ってみましょう。

大阪薫英女学院高等学校 オープンスクール

2021年9月21日 火曜日

昨年このエントリーで、鉄分(鉄道ファンの要素)を少し含んだ紹介をさせていただいた、【ことしもやります】薫英女学院中学校高等学校「留学フェア」【30年の歴史】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp) 大阪府摂津市の薫英女学院から、オープンスクールのご案内を頂きました。で、そのチラシの裏側を見ると・・・「関関同立実績、大阪の女子校トップ」と書いてあります。その昔、立命館のほぼ英語で勝負がつくE方式という入試があったころは立命館だけで200以上の合格数を誇っていたのですが、近年では関学、同志社という、むしろそれよりも難易度の高い大学へのシフトを行っているようです。英語で記述が勝敗を分ける同志社に強いというのは、流石です。

それよりもインパクトがあるのは、昨年度の卒業生のうち、英検1級が4名!ほぼ全員が英検2級以上に合格しているというデータです。薫英女学院ですから、駅伝チームも女子バスケットボールチームもいる中で、この割合はすごいです。

その他、海外留学や新コースの設置など、熱い話題が聞けそうなオープンスクール。面白そうですね。お申し込みはQRコードか学校のHPからどうぞ。

京都産業大学 公募推薦入試対策講座

2021年9月17日 金曜日

コロナ禍の影響で中学校、高等学校では学級閉鎖や休校が散発的に発生しています。またワクチンの集団接種が進む大学でも、まだオンライン授業が大半で、いつもなら学生でにぎわう大学周辺も寂しい限りです。このような状況ですが、おそらく入試は予定通り行われるようです。

大学受験生の皆さんは本気を出している頃だと思いますが、公募推薦入試を考えている受験生はこちらの対策講座に参加してみては如何でしょうか。人が多いところに出かけるのもちょっと心配という方向け(?)にWEB配信もあるようです。詳しくは大学HPをご覧ください。

大阪高等学校 オンライン保護者対象学校説明会

2021年9月16日 木曜日

大阪市東淀川区、阪急京都線相川駅からすぐの大阪高等学校は、日本大学大阪中学校(漫画家の水木しげる先生も卒業生)をルーツに持つ男子校でしたが、13年前に共学化して今では1学年500名近いマンモス校となっています。大学などへの進学実績も向上していますが、特徴的なところでは2年前から始動した探究コースで、様々な地域問題、社会問題に向き合う教育実践が行われています。

さて、残念ながらまだまだ気の抜けないコロナ禍ですが、そんな中でもこのように特色のある取り組みを知りたいという保護者の方は少なくないと思います。まさにそれに応えるかのように大阪高等学校はオンラインでの保護者向け説明会を行います。申し込み制となっていますので、このチラシのQRコードからどうぞ。

東大谷高等学校 入試に英語リスニングを導入

2021年9月15日 水曜日

以前このエントリーでも紹介した、大阪府堺市、泉北高速鉄道泉ヶ丘駅近くの東大谷高等学校についてです。大阪大谷大学との連携で、「9年一貫の薬剤師育成プログラム」や「7年一貫教員育成プログラム」に加えて、関西大学との「高大接続パイロット提携」など、高校卒業後の進路についても手厚い制度を持っている学校です。国公立をはじめとする難関大学への進学を実現する「特進コース」。ネイティブの先生らによる生きた英語に加え、第2外国語の学習もできる「国際コース」。私大や各種高大接続プログラムが用意されている「進学コース」と目的とその手段が明確な3コースに分かれていますが、いずれのコースでも、「キャリアデザイン」や「探究」、「ICT」に関する、先生方の熱意溢れる取り組みに加えて、これからのグローバル化に対応する「本物の語学力」の取得を目指しています。

という流れで、今年度入試から英語に「リスニング」を導入するということになったようです。そもそも大阪府の公立高校入試ではがっつりリスニングがあるわけですから、今までなかった方が不思議なような気がします。

学校からサンプル問題も送られてきました。今年の受験生にとっては初めてという事で、どのような出題になるのか心配になるかもしれませんが、そこはさすが東大谷、一歩先まで準備されています。

というわけで、高校3年間のみならず、生徒さんの受験前と卒業後の人生までしっかり考えてくださっている東大谷高等学校なのでした。