大学入学共通テスト利用(併用)入試に関する、関西8大学の国語の扱いの違い

2022年10月31日 月曜日

導入2回目を迎えた2022年度の大学入学共通テストでは、数学がいきなり難化し、平均点が大きく下がった(ⅠAⅡB合計200点満点で、117.61点(2021年度)から81.06点(2022年度)、つまり36.59点も下降)ことで受験生も混乱したのは記憶にも新しいところです。これに対する賛否両論はさておき、私はそろそろ国語の現代文の出題傾向も大きく変わるのではないか、と危惧しております。

関西8大学に関して、共通テスト利用(併用)における国語の扱いを表にしてみました。(あくまでも簡略化した表記ですので、受験生は各大学の入試ガイドで確認してください)

もし、現代文が激ムズになったとして、その影響を5段階表記してみました。現代文(近世以降の文章)のみの利用でしかも国語を必須とする割合が高いと危険度が高く、古文+漢文を加えることで変化を小さくする、または国語を使わない日程や方式などの選択肢が広いなど急な難化の影響を避けられる場合は危険度を低く表記してみました。

すると、一番攻めているのは立命館大学。あえて今年から産業社会学部でも国語(現代文)を必須にするなど共通テストの現代文重視を強めています。一方、関西学院大学は国語を選択にし、しかも国語を使う場合でも、従来の現代文のみから古文・漢文の高得点を加えるという計算方法にするなど、リスクを下げる工夫がなされています。というわけで、国語の変化に対応する自信が無ければ、共通テスト利用では関西学院大学、近畿大学がお勧めで、逆に国語の問題傾向が大きく変わったとしてもその対応をしているから他の受験生よりも高得点が取れたよという場合は、立命館大学がお勧めとなります。共通テストまであと76日。個人的には受験生が動揺するような大きな変化が無い事を祈っております。

【2022年11月9日追記】

※大学入試センターから、2025年度大学入学共通テストの試作問題が11月9日に公開されました。国語に関しては大問追加(実用文)と試験時間の10分延長も併せて発表されました。従って、2023年度入試では大問数変更を伴う大規模な変更が行われる可能性は低くなりました。

育英西 中学校・高等学校にお邪魔してきました(放課後編)

2022年10月28日 金曜日

さて、放課後になりました。図書館を見てみましょう。こちらは学習コーナーにもなっていて、自習や調べ学習をしています。この図書館には生徒のノートパソコンから自由にプリントアウトすることができるカラープリンターも設置されています。

職員室前の質問受付コーナーです。たまたま今日は少なかったのですが、多くの生徒が先生に質問や相談に訪れるスペースだそうです。

グラウンドです。強豪ハンドボール部がゴールを自分たちで運んできて設置しているところでした。

体育館です。こちらも強豪バドミントン部とバスケットボール部。指導は先生方が手分けして行っているそうです。

筝曲部です。専門の先生の的確な指導を受けている最中です。このお2人も相当上手なのですが、押し手(音程を上げるために左手で弦を押し込む奏法)の加減について細かい指摘がなされていました。

最後は音楽部(軽音)。即席ライブで元気な演奏を聴かせてくれました。

というわけで、立命館コースがある、それ以外にも関西大学をはじめとして提携枠や指定校枠も豊富といった進路に関する安心材料だけではなく、国際バカロレアの理念を取り入れた教育活動と、それによって自分たちで考えて動ける人へと成長させてくれる学校だということがよくわかりました。入学希望者が年々増えている理由が少しわかったような気がします。すれ違う生徒さん方の自然で気持ちの良い挨拶からも先生方との関係の良さが表れているように感じられました。

育英西 中学校・高等学校にお邪魔してきました(授業編)

2022年10月27日 木曜日

10月24日の日本教育新聞に、国際バカロレア教育・有識者会議が「これまで中心だった高校段階(DP)以外にも、中学段階(MYP)の普及に力をいれていくことで一致した。」との記事がありましたが、国際バカロレアのMYP認定校は日本の一条校(普通の中学校か中等教育学校)では15校、近畿圏では大阪教育大学附属池田中学校と育英西中学校・高等学校の2校しかありません。

そこで、育英西の授業を見たくなってお邪魔してきました。

古文の授業です。高校1年生の10月末、当然助動詞の識別など古典文法を中心に学ぶ時期ですが、おや、4人ずつの班を作って何かしているぞ。

作品に登場する人物の心情を互いに考えて、1枚のプリントに書き込んでいくというグループワークです。生徒たちは活発に意見を出し合っています。古典を学ぶことの楽しさを実感させる実践に感動です。

こちらも国語の授業です。ここでも協同学習が行われています。

こちらの英語の授業では、ついに生徒が立ち上がっています。これは二人組でじゃんけんで勝った方が立ち上がって、もう一人にプリントからの出題をしているところです。

英語の授業とは別に英語コミュニケーションの授業が用意されています。何とネイティブが2人入っての授業。しかも全員立ち上がって会話の練習をしています。

というわけで、座って先生の話を聞いてノートに写す、といった授業がありません。一部のコース生のみを対象とするDPではなく、全員を対象とするMYPを導入したからこそ、すべての授業がこんなに刺激的になっているわけです。中学生でこのような教育を受けた生徒が中心となって、高校からの入学者にもこの教育方法が定着しているのでした。恐るべし・・・(続く)

【来年一緒に】羽衣学園 中学プレテスト【100周年をお祝いしよう】

2022年10月26日 水曜日

近畿圏では10月~11月といえばプレテストの季節。土日祝は複数の私立中学校でプレテストが開催されており、11月6日(日)も8校での開催が予定されています。その中の1校、羽衣学園についてのお話です。

高石市の羽衣学園(え?堺市では?という疑問がうまれた方、テニスコートやお隣の羽衣国際大学の学生会館は確かに堺市西区ですが、中高の校舎は高石市です)は、1923年開校、つまり来年が創立100周年となります。2013年に共学化して今では中学校は1学年60名規模、高校は500名を超える大きな学校へと成長しました。

90周年事業で建設された新たな校舎で展開される多彩な学習活動も魅力ですが、女子校時代から強豪で知られているホッケー部をはじめとしてクラブも盛んな元気な学校です。

というわけで、今入学すると一緒に100周年のお祝いをすることができます。中学受験の皆さん、いかがでしょうか?

【中3女子】ノートルダム女学院 高等学校 オープンスクール【お急ぎください】

2022年10月25日 火曜日

このエントリーでも数回紹介させていただいた京都市東山のノートルダム女学院中学校・高等学校ですが、昨年度の卒業生数は102名という小規模な女子校です。しかし、学校のHPや動画を見ても、在校生の元気な姿が印象的で、まさに生徒が主役である学校だと感じさせます(先生方の影が薄いってこと?という意味ではありません。悪意のある解釈をしないでください)。

この100名前後の卒業生に対して関関同立の推薦枠が49名分あるという、安心材料もありつつ、京都大学への進学者も毎年いるなど、大学進学に関しても素晴らしい実績が出ています。

本当はこのような学校には中学校から(いや、本当は小学校から)通っていただきたいのですが、中学からの進学は40名強、つまり高校募集のお席も50名強空いております。大学進学も考えるのであれば、この学校を選択するのもお得ではないでしょうか。ひとまずこの学校の雰囲気を実際に訪問して感じるのが一番です。オープンスクールは事前予約制・早い者勝ちとなっております。お申し込みは学校HPからどうぞ。この高校のオープンスクールは今回で最後ですよ。

【締め切り早いですよ】関西学院大学「ランバス支給奨学金」【11月中に申請してね】

2022年10月24日 月曜日

今から133年前の1889年、神戸市の原田の森(現、王子動物園、当時は針葉樹林)に宣教師で医師でもあったウォルター・ラッセル・ランバス(Walter Russell Lambuth)によって関西学院が創立された、というのは知られている話ですが、このW.Rランバスというのは、アメリカで神学博士と医学博士を取得し、その後同じく宣教師の父親と共に67歳で病死するまで日本だけでなく世界への布教に努めたという方でございます。で、この関西学院を創立したのは何と35歳の時。地縁も財力も無い若者が理念と理想だけを武器に融資や寄付を募ったそうですが、今を思えば何というバイタリティーなのでしょう。そのランバスさんの想いを受け継ぐべく、奨学金にもランバスさんの名前がついています。

前置きが長くなりましたが、「ランバス支給奨学金」は世帯収入の基準はありますが、評定3.5以上で申請できるという、まあまあハードルの低い奨学金です。ご覧のように学部によって異なりますが、年間30~45万円の支援が。年間45万といえば、毎月3万7千5百円頂けるというわけですから、バイトを減らしてその分勉強できますね。返還義務が生じる場合などの詳細は学校HPをご確認ください。

ランバスさんのお墓は六甲の再度公園近くの神戸市立外国人墓地にございます。奨学金が頂けることになった学生は、年に8回ある一般公開を利用してお参りしておきましょう。

【龍谷大学も】龍谷大学 入試説明&入試直前英語対策講座【近畿各地をまわります】

2022年10月21日 金曜日

龍谷大学は学部学生数(短大除く)が12,094名、卒業生数は約19万5千人、227万冊の蔵書数を誇る図書館(いずれも2022年度)など、いまやマンモス大学の一つですが、2023年度に心理学部を開設、2025年には社会学部のお引越しとさらに成長が続いています。共通テスト導入初年度から共通テスト利用の出願方式を複線化するなど募集面でも改革が続く龍谷大学なのですが、広報面でも隙がありません。12月末までに近畿各地での13回(今から参加できるのは7回)の入試説明会が用意されています。しかも龍谷大学は英語対策講座もセットと手厚くなっております。こちらも受験生の皆さんは利用させていただきましょう。入試課の皆さん、ご苦労様でございます。

【近畿各地に】関西大学 入試説明会【入試キャラバン隊がまわります】

2022年10月20日 木曜日

「今年の受験生はパンフレット請求のタイミングが遅い」との情報が複数の大学関係者から寄せられております。2020年度から続いていたコロナ禍による学校行事の中止や縮小が緩和され、現高3生が、今になってようやく高校生生活を楽しめるようになってきたのも原因の一つかなと私は考えています。その気持ちも理解はできますが、ちょっとまて。現実を見よう。大学入学共通テストまであと85日、私大入試まで100日ほどですよ。そろそろ本気出しましょう。

関西大学は毎年学内外での入試説明会を開催していますが、今年も11月末までに15回の入試説明会を計画しています(このチラシは11日程が紹介されていますが、その後追加されているようです)。関西大学を考えている受験生の皆さん、是非入試説明会に参加し、どの方式で出願するのが自分に相応しいのか判断する材料にしましょう。詳しくは大学HPをご確認ください。

入試センター入試広報グループの職員の皆さん、ご苦労様でございます。

【大阪府立高校も】大阪府立今宮高等学校 オープンスクール【募集がんばっています】

2022年10月19日 水曜日

まだ今宮駅から北の大阪環状線も無かった (湊町どまりの関西本線のみ) 116年前に作られた旧制中学校をルーツに持つ大阪府立今宮高等学校はかつて定時制も併設していましたが、今は全日制の過程だけの高校となっています。全国大会常連のダンス部、水球部に加え、バドミントン、ソフトテニス、硬式テニス、吹奏楽、書画部、能楽部、軽音エレキ部など部活動も盛んですが、2022年度入試で、国公立に32名、関関同立に79名など、大学進学実績も立派です。総合学科ということで、2年生から「理数系列」「人文系列」「ヒューマンライフ系列」の3系列に分かれて学ぶことになっています。

この今宮高校から手作りの温かみのあるオープンスクールの案内が届きました。総合学科に興味のある方はどうぞ。

【国立大並みの学費で】金沢工業大学 特別奨学生制度【最先端のキャンパスで学ぶ】

2022年10月18日 火曜日

先日紹介した「国際高等専門学校」と同一法人の「金沢工業大学」についての話題です。1957年に設立された「北陸電波学校」をルーツに持つ65年の歴史のある工業系の学校ですが、1965年に大学に昇格、その後学部の改編やキャンパスのリニューアルが繰り返され、今では工学部、建築学部、情報フロンティア学部、バイオ・化学部、の4学部に加え、工学研究科、心理科学研究科、KIT虎の門大学院(東京にあるMBAや知的マネジメント修士(MIPM)が取得できる社会人向け大学院)という文系分野も含む大学院を擁する総合学園となりました。

このように勢いのある大学なのですが、やはり私立大学ですから、そこそこの学費となります。自宅から通えないとなると生活費も必要ですから、ちょっとご家庭のご理解が得られにくいかも知れません。

そこで、今回このような思い切った奨学金が発表されました。条件はありますが、年間90万円前後の割引で、国立大学並みの学費にしてくれるといううれしいお話です。

数年前の日本経済新聞に、受験から卒業まで、大学に進学~卒業するためには生活費も含めてどのくらい必要なのか、という記事がありましたが、それによりますと、自宅外の国公立大学の場合は平均で991万円ほど、私立大学理系学部に自宅から通ったとすると約922万円という試算でした。つまりあまり差がありません。従って、近畿圏在住の受験生は、近畿圏の私立大学と地方も含めた国公立を併願というパターンも多いわけですが、ここで地方の国公立並みの学費で通える金沢工業大学という選択肢が一つ増えることになります。

興味のある方は大学HPを調べてみましょう。