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開成教育グループ


‘ブログ’ カテゴリーのアーカイブ

数学と科学・技術 その10

2016 年 5 月 23 日 月曜日

皆さん、こんにちは。新年度を迎えるといろいろと新しいことが始まりますが、4月から「電力の小売自由化」が始まったのを皆さんはご存知でしょうか?電気のことはよくわからない、という人も多いとは思いますが、今回は電気の話をしてみます。ただし、「電力の自由化」は、電気料金の払い先を変えることができる、小売の自由化なので、送られてくる仕組みの部分は以前からと何も変わっていません。今回の記事は「電力の自由化」とは、直接は関係ありませんのでご注意ください。
発電所から各家庭まで電気が送られてきますが、この送られる部分に、実は高校で習う三角関数が応用されているのです。
さて、中学の理科で、電気の流れ方には、「直流」と「交流」があると習ったと思いますが、「交流」という流れ方は、実は「流れていない」ということをご存知でしょうか?実際、交流では、電子(電気の正体)の運動は三角関数を使って、

数式01

のような形で書けることがわかっています。グラフで表すと、

グラフ01

というようになります。x (グラフの縦軸)が電子の位置で、t (グラフの横軸)が時間になっています。数式とかグラフではイメージできない、という人もいると思いますので、実際の動きをアニメーションで表してみますと次のようになります。

黄色い線を中心に行ったり来たりして、少しも進んでいかない=「流れていない」ことが分かります。そして、発電所から家庭までは、この交流の動きで電気を送っているのです。少しも進んでいないのに送られてくるとはどういうことだ、と疑問に思う人もいると思うので、もう少し説明しましょう。実は、場所(発電所からの距離)によって、中心(の色つきの線)を横切るタイミングがずれる、ということが実際に起こっています。次のアニメーションを見てください。

黄色い円と緑の円が、違う場所にある、それぞれの色の線(振動の中心)を横切る時間がずれている、このような動きをしています。目移りする人は、円が一番右に来たタイミングを見てください。黄色と緑でずれているのが分かると思います。なお、緑の円の動きは数式とグラフで表すと次のように先ほどと少し違う=ずれている形になります。

数式02

グラフ02

「え、全然、送られてくる感じがしない」という人が多いと思いますので、実際にずれて動く円(電子)をたくさん描いてアニメーションさせてみます。

何かが左から右に動いていっているように見えませんか?でもよく見ると、一つ一つの円は、上のアニメーションの動きをしていることが分かると思います。実は移動しているのは電子ではなく、エネルギーで、そのエネルギー(電力)を使って、家庭で電気が使えるようになっているのです。このように、物(電子)が直接流れてこなくても、エネルギーを流すことができて、「波」と名付けられています(スポーツ観戦で観客が wave をしていることを見たことがあると思いますが、同じような現象です)。そして、このような「波」を表すのに三角関数が非常に適していて、他に「音」などもこのような伝わり方をしていることが知られています。ところで、「音」を「電気信号」に変えて、再び「音」に戻す装置とは何でしょう?そう、「電話」ですね。このように、現代社会に欠かせない部分に数学は密接に絡んでいたりするのです。

 開成ハイスクール数学科 村上 豊

高3生諸君へ ~飛躍の夏を迎えるために~

2016 年 5 月 16 日 月曜日

5月も半ばを過ぎ、特に高3生は、この時期から夏に向けての過ごし方が、今後の学力の伸長度合いに大きく影響する。目標と志を高く持って勉強を続けていくことが何より大切である。クラブ活動がまだまだ続く、引退はもう少し先、など自分の置かれた条件は様々であろうが、入試の日は全ての受験生にやがて等しく訪れる。所与の条件の中で、自分が志望校に合格するための条件を最大限創出していくこと、そのことがいま切に求められている。

高3になっての初めての全国模試を受験した、という受験生も多いことだろう。もしマーク式の模試を受験したのなら、まずは正確に自己採点を行った上で、早急に模試の解き直しを実行することが肝要である。そして模試が返却されるまでに自分の弱点領域を正確に把握し、少しでもその弱点を克服する勉強を、時間をかけて実行することである。さらに自己採点と返却された模試の得点結果が1点たりとも誤差がないかどうか確認すること。特に国公立大志望生にとっては、二次出願をどの大学にするのかは、センター試験本番の自己採点結果にかかっている。問題冊子に残した解答の記録と、自分が実際に塗りつぶしたマークが完璧に一致する正確さを追求することも、これから模試を受ける際に極めて重要な訓練となる。

秋からは本格的な入試演習問題を行っていくことになるので、どっしりと腰を落ち着けて基礎学力を形成する時期が今から8月までの3か月半の時期である。私が担当している国語に関して言えば、9月になっても、現代文の基本的な読解法が身についていない、また、受験生が当然知っておくべきである基本の文語文法や古文単語、漢文句形がほとんど分からないという状況では、入試演習を行っていく上での前提を欠くことになる。

学力も含めて自分の置かれている立ち位置を客観的に把握し、そして飛躍の夏を迎えるためにやるべき課題を鮮明にし、その克服に向けた努力を全力で開始すること。全ての受験生に今そのことが強く求められている。

 開成ハイスクール国語科 森脇庸介

高校1年生諸君へ「GW明けの注意点」

2016 年 5 月 9 日 月曜日

4/29(金)~5/8(日)まで、巷では「10連休」と騒がれたGW(ゴールデンウィーク)。さすがにすべてが休みだったという高校生はいないでしょうが、学校から大量の宿題を課せられ、「この期間に勉強する習慣がついた…」という人がいれば立派なものですね。逆に、休みが続くと生活リズムを崩してしまった人もいるのではないでしょうか。

規則正しい生活は、学力向上の礎です。特に高校1年生の皆さんにとって、初めての定期試験を控え、クラブ活動も本格化していく中、まずは自分の生活サイクルの確立が求められます。起床から睡眠まで時間管理をし、週末土曜・日曜日のスケジュール管理までできるようにしましょう。その際、明らかに無理な計画立ては禁物です。体調を考慮し、現実的な学習計画を立て、それを実行しましょう。

高校入学から1ヶ月。高校生活にも慣れてくると同時に、油断が出始める時期にもなります。特に、迷った時や悩める時は、今一度、高校入学時の「初心」を自分に問いただしてもらいたいものです。一歩ずつ成長していく皆さんを、今後もバックアップしていきます。

 

 

 

 開成ハイスクール数学科 中澤宏尚

レイコー

2016 年 5 月 2 日 月曜日

5月を迎え、ポカポカ陽気の日が多くなりました。そんな日は「アイスコーヒー」が一番!

さて、日本では一般的な「アイスコーヒー」ですが、これにはいくつか秘密があります。

 

その① アイスコーヒー[ice coffee]は英語として通じません

ice coffeeを注文して出てくるものは・・・ おそらく、「熱いコーヒーにアイスクリームが入ったもの」だと思われます。正しくはiced coffeeです。

 

その② アイスコーヒーは日本発祥?

熱い飲み物を冷まして提供するという発想が日本式だと思われます。真夏に熱いお茶を出されたら嫌ですよね!緑茶は、夏には冷たくして提供されます。その発想をコーヒーにも取り入れたと考えられています。関西では「レイコー」と言いますね(死語?)。ですから、iced coffeeが英語として正しくても、日本のような冷たいアイスコーヒーが出てくるのではなく、熱いコーヒーに氷を入れて冷ましたもの(ぬるくて薄いかもしれない)が出てくる可能性があります(今では、日本式のアイスコーヒーもかなり浸透しています)。また、アイスコーヒーと言えば、ブラックが基本ですが、地域によってはミルクの入った状態で出てくることもあるようです。この辺りは注意が必要でしょう。

 

その③ ホットコーヒーも…

つまり、coffeeとは温かいものが普通ですから、日本のような「ホットコーヒー」という概念があまりありません。当然「ホット1つ」と注文しても、何もでてきません。「ブレンド」も同様です。むしろ「coffee」と伝えることが重要!「cappuccino」や「black coffee」というように、好みの種類で伝えると、なおよしです。

 

このように、英語と思っている単語が実は違っていて通じないということはよくあります。これらの言葉は一般的に和製英語と呼ばれています。実際に英語を使うときにも当然注意しなければなりませんし、入試でも同様です。

例えば、「あの店でブランドもののバーゲンをしているよ」という問題の場合…

ブランドもの → brand things  バーゲン → bargain

としてしまうと、すべて不正解。いずれも典型的な和製英語(カタカナ語)です。

ブランドものはquality-brand [brand-name] goods。バーゲンセールはsaleです。

(例)That store is holding a sale of brand-name goods.

単語を覚えるときには、まったく新しい単語だけでなく、知ったつもりになっている単語についても注意を払うようにしていかなければなりませんね。

開成ハイスクール英語科

最初が肝心

2016 年 4 月 25 日 月曜日

みなさん、こんにちは。
4月も終盤にさしかかり、まもなくGWを迎えますが、高校によっては、中間テストへ突入する時期が近づいて来ました。
新高1生のみなさんにとっては、何もかもが初めてで、慌ただしい毎日だったでしょうが、そろそろ新しい環境にも慣れてきた頃ではないかと思います。
「○曜日の授業は予習課題が多いから、部活がオフの△曜日の夕方にやっておかないといけない」「家で勉強しても、なかなか集中できないから、◇曜日は自習室に行こう!」など、意識的に自分に適切な負荷をかけて生活を送ると、学力のみならず、計画力や実行力といった自己管理能力も身につけることができ、自分を成長させることができます。

開成ハイスクールの生徒たちの多くは、部活に完全燃焼しつつ、大学受験で国公立・関関同立への合格通知を手にしています。
入試で成功する生徒に共通して見られる傾向は、「自分に甘えていない」という気質であると私は考えます。それは、周囲から口うるさく言われて身につくものではなく、自分が変わることで身につけられるものです。何事も最初が肝心!!

各教室では、まもなく定期テスト対策に入ります。最初の定期テストの結果が、良くも悪くも3年間続くというのはよくあることです。私たちも精一杯バックアップするので、頑張っていきましょう!!

 

開成ハイスクール英語科

高校生活のスタート「出遅れるわけにはいかない」

2016 年 4 月 18 日 月曜日

この春、見事に高校に合格した多くの新高校1年生諸君は、開成ハイスクールで既に高校生のカリキュラムを学校より先行して消化しています。特にこの時期は、次の目標、つまり大学受験を明確に意識している生徒ほど、スタートダッシュが上手くいっているようです。今後も気を抜くことなく、このペースを維持して頑張ってもらいたいものです。

言うまでもなく、大学受験は全国区での戦いになります。近畿地方は全国でもハイレベルな地区になりますので、かなり気合を入れていかないといけません。

私が本当に心配しているのは、春休みを満喫し、新たに部活が始まってから、生活リズムを作っていこうと悠長に構えている生徒さんのケースです。そんなことでは、受験で勝利するためのリズムを作ることは困難になります。GW前の今なら、まだ差は少ないです。今からでも遅くありません。今まで頑張ってきた高校受験のリズムを取り戻し、アップグレードして、大学受験に向けての勉強をスタートさせましょう。

 

開成ハイスクール英語科 濱田健太郎

成績アップの基本原理

2016 年 4 月 4 日 月曜日

大学受験や定期テストに向けて、最も有効に活用しなければならないのは「時間」という資源である。その「時間の有効活用」には、「計画性」が不可欠である。

まず、「何をいつまでに」という目標を設定し、それに基づき「どのくらいの量をどういうペースで」を考え、さらに、日々の達成課題を明確に設定する。これが「計画性」である。

この当たり前の原理こそが、効率的な、そして確実に成果の出る勉強法の基本であり、これを踏襲することにより、日々の取り組みが、その効力を最大限に発揮するのである。

諸君が取り組むべきは、最終目標から逆算した日々の目標の達成であり、その毎日の「成功体験」の積み重ねが、大きな目標達成へと直結するのだ。

さらに、模試や定期テスト、また日々の演習の結果を踏まえ、反省点を明確にし、それに対する改善策を具体化し、それを日々実践する。これも当たり前のことである。成績アップし続ける人は、間違いなくこの「基本」に忠実である。しかし、これを実際に行っている人は少ない。だから、同じ反省の繰り返しで、一日が、そして一年が無為に過ぎてしまうのだ。

一日の終わりに確認してほしい。今日の取り組みが、目標達成に一歩近づくものであったかを。もしそうであれば、その達成感を大いに味わい、そうでなかったなら、明日こそは目標達成に大きく前進する一日とする、という決意を新たにしてほしい。

 

開成ハイスクール英語科

春休みの過ごし方 ~新高3生諸君へ~

2016 年 3 月 28 日 月曜日

高校生の皆さんはもう春休みですね。年度末ということで、まとめの学習の時期かもしれません。さて今日は、新3年生に向けて、春休み(とはいっても短いですが)の過ごし方についてアドバイスします。
「受験生として1年をスタートする前に、総復習をしておきたい」と考えている人が多いのではないでしょうか。

 

その心構えは素晴らしいことです!そして総復習も大事です!しかし、その前にひとつだけやってみてほしいことがあります。

それは、受験に使う科目について、自分に欠けていることをリストアップしてみる、ということです。

いきなり総復習と言っても、範囲が広すぎて、どこから手をつけたらいいのか分からない、という人が多いと思います。

そうなると、とりあえず手を付けたものの、先が見えずに途中で違うところにも手をつけ始めてしまって、収拾がつかなくなる、という事態に陥ります。

だから、まずはこれまでやってきた範囲の中で、自分が「要復習」だと思う範囲に優先順位をつけていくのです。具体的なやり方は以下の通りです。
1.これまで使ってきた教科書や問題集の目次を開く(主に数学、理科、社会)
2.覚えていなければならない公式や文法事項などで、覚えきれていない部分をリストアップする
3.リストアップしたものにある程度の優先順位をつける
4.すべてを春休みに終わらせることは無理であるとしても、最低限一つのことは春休み中に終えるようにする
5.そのリストは、これからクリアするべき課題として、いつまでに達成するのか計画を立てる
リスト作成や計画立てがなかなかできないひとは、担当の先生に相談するのがいいでしょう。

必ずや、適切なアドバイスをしてくれるはずです。

開成ハイスクール英語科 松本泰雄

国公立大学合格発表

2016 年 3 月 21 日 月曜日

受験の最大のイベント、合格発表がありました。
今年、私は、大阪大学の合格発表に行ってきました。大阪大学では、去年からホームページでの合格発表と合わせて、大学キャンパスでの合格発表も追加されました。
駅から大阪大学まで歩いている間も、周りの受験生の緊張が伝わり、私まで緊張してしまいました。

合格発表は9:00からです。私は8:45くらいに会場に到着しました。会場には受験生と保護者の方、新入生を部活に勧誘するための在校生がたくさんいました。
9:00になり、受験番号が発表されると、「うわ~」という声とともに合格者が生まれました。

幸いにも、発表を見に来ていた私の生徒は2名とも合格していて、一緒に喜びを分かち合うことができました。毎年、合格発表に行くと日々しっかり指導をしていかないといけないなと感じます。今後も毎年、合格発表会場に足を運びたいと思います。

これから受験生になるみなさんも、第一志望の大学で、キャンパスでの合格発表がある場合は是非参加して下さい。合格の場合は、一生の思い出になるでしょうし、万一、不合格であっても、人生の糧となるはずです。みなさんが思っているよりも合格発表会場はいいものですよ!

開成ハイスクール数学科 前田佳邦

 

数学と科学・技術 その9

2016 年 3 月 14 日 月曜日

数学と科学・技術 その9

みなさん、こんにちは。今回あは「楕円」について書くことにします。「楕円」は数Ⅲの最後の方に出てきて、数Ⅲを選択していない人には、なじみのないものかもしれませんが、下の図のような、卵(を横倒しした)のような形のものです。

「円」のような丸い形ですが、大きな違いがあります。「円」は、中心からの距離が一定の点の集まりとして有名ですが、「楕円」には中心の変わりになるものとして、焦点というものが2つあります。数Ⅲでは、「楕円」を、焦点からの距離の和が一定、と定義して話が進んでいきます。「焦点」は上の図で、黄緑色をしています。
さて、数学では「定義」を決めて、様々な「性質」を導く、ということが主眼になりますが(そして、そのような順番で教えられますが)、数学の応用を考えるときは、定義ではなく、そこから導かれてきた、「性質」がよく利用されます。ここでは、「楕円」の性質として、2つの「焦点」の性質に触れることにします。
「楕円」の左側の焦点から光が出ているとしましょう。そして「楕円」の縁にあたり、反射して進んでいったとします。ただし、反射するときは、反射の法則(入射角=反射角)に従うとします。さて、この光はどこに到達するでしょう?答えは、下の3つの図を見てみてください。

やや真ん中あたりで反射した場合も、手前のほうに光が進んでいった場合も、奥のほうに光が進んでいった場合も、すべて右側の「焦点」を通っていることがわかります。「楕円」には、このように「焦点」から出た光は、すべてもうひとつの「焦点」を通る、という「性質」をもっています。そしてこの性質を使って、片方の「焦点」に熱源を置いて、もう片方の「焦点」に試料を置くことで、試料を無駄なく高温に加熱することができるのです。まさに、「焦点」は「焦げる点」ですね。他にも、片方の「焦点」に音源をおき、もう片方に手術台をおいて、超音波を人間の器官に当てて治療するという技術もあったりします。
数学の勉強は、なかなか応用にたどりつかないので、退屈に感じる人もいるかと思います。しかし、本当に大事なものというものは、容易に身につくものでもありません。大学進学の後も、若い時分に力を込めて勉強したことを、やがて社会に還元できるよう、自身に磨きをかけていってください。

開成ハイスクール数学科 村上 豊