2016 年 11 月 14 日
みなさんこんにちは。
今年の夏、ふと学生のときに使っていたSNSに久しぶりにログインしたところ、
過去の書きためた文章の中から、みなさんに紹介したいものが見つかったので、今回紹介したいと思います。
私は大学で文学部英文学科に所属していたのですが、卒業までの4年間で「文学」に関する講義を受講したのは8単位くらいで、「読書嫌い」な学生でした(卒業単位の半分は音声学・音韻論で音声実験をし、もう半分は心理学という「文学部らしからぬ」学生をしていました。)が、そんな私でも魅力を感じる作家がいます。
今回は『星の王子さま』で有名なフランスの作家、サン=テグジュペリの有名な一節を紹介したいと思います。
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木が花をひらくためには
木を刈り込むだけでは充分だといえない
春がこなければならない
離陸するためには
飛行機を軽くするだけでは充分だとはいえない
海風が吹かなければならない
人間とはなにか
もっともよくそれを発見することのできるのは
砂漠のまんなかでのことである
人間の偉大さというものは、
人類全体の運命だけから考えられるものではない
ひとりひとりの個人は、またひとつの世界なのだ
肉体を抱くことではない、羽毛とも、光ともいえる
そのからだを借りていた重たさのない天使を抱くことこそ
愛するということだったのだ
われわれが区別されるのは
理屈から生み出される方法によってであり
目的によるのではない
われわれは戦争に際してたがいに敵対しあいながら
そのじつ、おなじ約束の地をめざして出発しているのである
偉大な人というものは
種子をまかれるまえに耕されているものなのだ
人生に目ざめるにはどうすればよいのか
自分自身をあたえることだ
絶対に自分が正しいと主張できる人がいるだろうか
人間の眼にみえる領域とは、微少なものなのである
言葉は不完全な道具にすぎない
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サン=テグジュペリ 『人生に意味を』より引用
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サン=テグジュペリの作品は子どもでも読める作品が多いのですが、その解釈は実に多様で、反戦的意味合いを持つものや哲学的な意味合いを持つものまで多岐にわたります。
受験生に私がこの一節から感じとってほしいことは…
① 人間の真価は,逆境でこそ問われる
→とうとう「アラサー」と呼ばれる世代になってしまいましたが、大学受験で頑張ったことで得られる自信が大人になってからも活きてるなぁと痛感しています。周囲をみても、肝心なときに頑張ることができた人、苦労して壁を超えてきた人は、困難に直面したときの動き方がうまく、人生成功している人が多いように思えます。
② 自分の眼前に広がっている世界は自身が選択して見ている世界であり、全体ではない
→人間も結局は主観的な生き物なので、自分が置かれている状況で物事を判断してしまいがちです。私自身もそういうところが多いので偉そうには言えませんが、やはり年齢が若いみなさんと接していると「もうちょっと視野を広げたらいろいろうまく回るのにな」と感じることが多いです。
特にしんどいとき、道に迷ったときこそ、周囲の信頼できる人の言うことに耳を傾けてみてはどうでしょうか。
「人は一人では生きていけない」「人生は一回きり」これは間違いのないことだと思います。
大学受験も人生の一大イベントです。せっかくなら辛いだけのイベントではなく、今後みなさんの人生の糧となる受験をしてほしいな、と考えています。
私の仕事はみなさんが受験という大きな壁を超えるお手伝いをすること。
何かあったら各教室の頼れるスタッフに気軽に声をかけてみてください。
ハイスクール英語科


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2016 年 11 月 7 日
夏休みが終わってここまでの期間、指定校推薦入試やAO入試の制度を利用して、既に第一志望合格を勝ち取った人がいることは本当に喜ばしいことです。これまで頑張ってきた結果ですね。おめでとうございます。毎年のことですが、そのような情報は少なからず受験生の気持ちに影響を与えるようです。「○○君が、△△大学に合格したのか。自分もAO入試に出願しておいたらよかったなぁ。」その気持ちはわかります。でも、△△大学は、あなたにとって本当に行きたい大学でしたか?早く受験を終えてしまいたいという気持ちは、この時期、特に強くなることが多いです。ゴールは人それぞれ違います。国公立志望者は、ここからがいよいよ本番となっていきますし、私大志望者も公募推薦入試の受験が本格化します。「人は人、自分は自分」と頭では理解していても、やっぱり他人の動向は気になります。これまで共に競い合ってきた仲間が入試を先に終えたことに対して、心の底からおめでとうと言えるような心の余裕があればいいなと思います。
開成ハイスクール西田辺教室では、今年、七夕の際に、願い事を短冊に書いた先生、生徒がいました。その中で、一番印象に残ったことで、大切なことだなぁと思った言葉があります。それは、「みんなから愛される受験生になりたい」です。誰しも受験は孤独な個人戦だと思い込みがちですが、本当は違います。周りにはあなたを支えてくれている多くの人が存在することを忘れないでください。
開成ハイスクール 英語科 濱田健太郎

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2016 年 10 月 31 日
こんにちは。
みなさんは普段、授業や自学習での問題演習に、どういった態度・姿勢、どの程度の気力・集中力で取り組んでいますか。
みなさんが、その持つすべてを駆使し、最高のパフォーマンスで問題に対すべきは、もちろん「入試本番」ですね。しかし、それを可能にするのは本番での「意識」ではなく、つまり、当日の気合や意気込みなどといったもので、実力をすべて発揮できるものではありません。
入試当日のパフォーマンス、その度合いを決するのは、良くも悪くも、問題に対する「平素からの取り組み方」です。そう、毎日の姿勢が、当日にそのまま表れるのです。だからこそ、本番で、全てを出し尽くす最高のパフォーマンスを可能にするには、普段の演習において、それがいかなる時や場所であろうと、「常にすべてを出し尽くす構え」で臨まなければなりません。一方で、常々「ただ問題を解いているだけ」「何となく解いている」「与えられた課題だから解いている」―もちろんこれも、正解を得るために真剣に取り組んでいるに違いないのでしょうが、普段のこうした対し方が入試の本番で通用するはずもなく、また、「自分は本番だけは違う」など、望むべくもないでしょう。
目の前の問題に正答することへの強いこだわり―どんなレベルの問題であろうと、いつ何時であろうと―その集積こそが、入試当日の成果として表面化するのです。
開成ハイスクール 英語科

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2016 年 10 月 24 日
A: Could you unlock the car for me?
B: It’s a piece of cake!
A:「車のロックを開けてくれない?」
B:「お安い御用さ!」
It’s a piece of cakeは直訳すると「それは、一切れのケーキだ」で、「簡単なことだ」という意味になります。また、同じような意味の表現として、as easy as pie「パイみたいに簡単だ」という表現もあります。要するに、パイもケーキも食べるのは簡単だということなのでしょうか。
日本語にも食べ物を使って簡単であることを表す表現に「それは、朝飯前だ」というものがありますが、これは「朝食をとる前に簡単に済ませられる」とか「空腹な時にでもできる」とかいう意味のようです。
また、意味は通じても使う人は減っていると思いますが、「お茶の子さいさい」という表現もあります。「お茶の子」は、①お茶菓子、②仏事に配る菓子・供え物、③(お茶菓子が腹にたまらないことから)容易にできること、という意味で、「さいさい」は、はやしことばの「のんこさいさい」をもじったもの(『日本国語大辞典 2』、『暮らしのことば新語源辞典』より)。この表現もお菓子なら簡単に食べられることに由来しているようです。
英語では、ケーキやパイ、日本語でもお菓子を使って「簡単なこと」を表しているのは興味深いですね。おそらく、その背後には何らかの共通性があるのでしょう。例えば、お菓子は子どもが好むものであり、そこから子どもでも食べられる、子どもでもできる簡単なことといった発想があったのかもしれません。
さて、受験生にとっては、入試までもうあと数か月、現役生はこれから力が日ごとについていきます。「試験どう?」”It’s a piece of cake!”「楽勝さ!」と言えるように頑張りましょう。
開成ハイスクール 英語科 松本泰雄

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2016 年 10 月 17 日
みなさんは普段、どのくらい睡眠時間をとっているでしょうか。
最近では、子供も大人も就寝時間が遅くなったり、不規則になったりする傾向がありますが、心身を健康に保つためには、十分な睡眠をとるべきです。
睡眠は、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の異なった2つの睡眠状態で成り立っています。
ノンレム睡眠は、「脳の休息と体のメンテナスのための睡眠」です。ノンレム睡眠中の脳は完全に休んだ状態になり、起きている間に得た情報の中から不要な情報(怖かったことや不愉快なことなど)を眠りながら緩和・消去しています。また、起きている間に傷ついた体のメンテナンスも行われています。傷ついた細胞の修復や疲労の回復、体の成長などを担う「成長ホルモン」は睡眠中にしか分泌されませんが、その分泌量は眠り始めて最初のノンレム睡眠に最も多く分泌されます。
それに対して、レム睡眠の最大の特徴は、眠りながら非常に速い速度で眼球が動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が見られる点で、この頭文字から「REM Sleep(レム・スリープ)」と呼ばれています。
レム睡眠中の脳は、起きている時以上に活発に活動しています。起きている間に得た大量の情報から必要なものと不要なものを眠りながら整理し、必要な記憶の定着や記憶を引き出すための索引作りを行っていることが、近年の研究で明らかになっています。つまり、昼間に体験した出来事や、学習によって得た知識などの大切な情報を、レム睡眠中に整理しながら記憶として脳に焼き付けているのです。脳が活発に動いているので、この時に目覚めると気分がすっきりします。
私たちの睡眠は、これら性質の異なる2種類の睡眠で成り立っており、約90分周期で一晩に4~5回、一定のリズムで繰り返されています。
睡眠直後の3時間はノンレム睡眠の割合が多いため、ホルモンの分泌や疲労をとるためには、最低でも3時間の睡眠は必要です。しかし、13~18歳の心身ともに成長する時期は、睡眠も多く取る必要があります。
それらを含め、学生にとって理想の睡眠時間は6時間か、7時間半といったところでしょうか。起床したい時間から逆算して何時に寝れば睡眠時間を快適に保てるか考えることも必要ですね。
人間の頭が働くのは起きて約3時間後だと言われています。特にテスト当日は、1時間目が始まる前に脳を最高の状態にしておくべきだと思います。1時間目が8時半に開始するとして、起きるのは5時半、6時間睡眠をとるのであれば23時半、7時間半睡眠をとるのであれば22時に寝れば、翌日のテストはいい状態で臨むことができるでしょう。
不規則な生活をおくっているのであれば、まずは生活習慣を見直してみることから始めるべきです。
テスト前日に徹夜するのは、無意味だといってもいいでしょう。テスト直前期は体調管理も必須です。慌てることがないよう、常に日頃の学習を大切にしたいですね。
開成ハイスクール数学科


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2016 年 10 月 10 日
いきなりですが、皆さんにお願いです。次の100個の「ハイスクール!」(7文字)

の中から、

コレと同じ色の「ハイスクール!」を見つけてもらえないでしょうか?
さて、みなさんはどのような解き方を考えるでしょうか?
一番素朴なやり方は、左上から順番に、一つ一つチェックしていくというのがありそうですね。探しているものの最初の色は赤紫色だから、一つ目は違うな、その下も違うな、上から7番目のものは、2文字目まで色があっているけど、その後が違うな、と上から下へ、下までくれば隣の列へ、と探していくと、左から2列目の上から15行目に同じ色のものが見つかるのがわかりますよね。「やったー」ですね。「それじゃ、今度はこの順番のものをさがしてください」と言われたらどうでしょう。

「よし、やるぞ」と思ってくれた方、ありがとうございます。そうですね、左から4列目の上から4行目に欲しいものがあります。しかし、さらにまた、別の色が示されて、「次、これお願い!」と言われたらどうでしょう。

いい加減、目がチラチラしてきて、つらくなってくるでしょうか。まだ付き合ってくださった方、ありがとうございます。答えを言うと、実はそんな色順のものはありません。「えっ!!」と思うかもしれませんが、容赦なく、さらに「今度はこれを見つけてください」と言われたら、いい加減うんざりでしょうか。

仏の顔も三度まで、というくらいですから、「いったい、いくつあるんだ、あるかどうかもわからないのを探すのはもう嫌だ」と思っても仕方がないでしょう。根気のある人はまだ付き合ってくれているかもしれませんが、どうももう少し別の方法を探した方がよさそうです。実際、色の並び方は7の7乗で823543通りもありますから、せっかく探しても100個の中には見つからない可能性が高く、しかし、人間ですから、見落としている可能性もあって、その結果、何度も探し、何度もチェックする羽目に陥りそうです。よりうまいやり方が必要ですね。どんなやり方がいいでしょうか?
一つの答えを書く前に、こんなことがなんの役に立つのかを伝えておきましょう。現在は、情報化社会と言われていて、情報をいかに利用するか、ということが大事になってきています。その中には、情報をいかに手早く手際よく見つけるか、という問題も含まれています。上の例では、100個の色データでしたが、世の中には、何千、何万というデータが飛び交い、その中から、必要なものを検索し、調査、利用するということが行われています。人間の手でデータを一つ一つ調べていたらキリがありませんね。ですから、コンピュータでの処理が行われています。けれど、コンピュータにどのように処理するよう命令するのでしょう。実は、この命令の仕方として、高校数学で習う「集合論」のアイデアが使われることがあります。集合というと「ものの集まり」と習ったと思いますが、うまい「ものの集まり」を見つけてくることで、問題を解決します。最初の問題を例にして説明しましょう。色全部をチェックするのではなく、最初の色だけに注目しましょう。最初の色が赤紫色ですから、そういうものだけをまず全部集めてきます。この段階で、次の17個が抽出されます。

次は、二つ目の色が薄い藍色のものをさらに抽出します。集合論では、 A∩B とか書くものですね。

わずか6個に絞られました。こうして、順繰りにたどっていくことで最終的に欲しいものが見つかるのです。集合論でいう、 A∩B∩C∩… ということをしていくわけです。最終的な結果は、次のようになります。

おや、どうやら探していたものは2つあったようです。
人間の手で上の抽出作業をすると大変で手間がかかりますが、コンピュータはこの種のことを容易く疲れることなくやってくれます。そして、このように「問題を切り分けて処理する」ことで、たとえ、複雑な問題に変わっても(たとえば、「一文字目は水色か緑色で、4文字目は黄色以外のものを探して来い」等)、同じようなやり方でできるのです。もう少し身近な例で考えるなら、皆さんがネットで検索するときを想像してみましょう。キーワードを複数指定したり、除外したいものをマイナス検索したりすることがあると思いますが、それは「集合論」の言葉でいうと、「かつ」や「補集合」にあたるものになっているのです。
さて、このように、科学・技術の中にはいろいろな数学的考え方が隠れていることがあります。人間は、慣れ親しまないと物事を理解できない面がありますから、高校の間、勉強をおろそかにしないようにしてください。いずれ、困難な問題や、より高度な問題に直面したときに、それに立ち向かい、解決していくための基礎体力になります。
開成ハイスクール数学科 村上豊


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2016 年 10 月 3 日
いよいよ10月になった。来年1月14日と15日実施のセンター試験までほぼ3か月。また公募推薦入試を受験する生徒にとっては、過去問演習に全力で取り組むべき時期となっている。これまで地道に勉強を続けてきた全ての受験生にとって、これからの勉強はただ一点、本番で「結果を残すこと」のみに結実させていかなくてはならない。
一部の私大入試を除き、高校のいわゆる評定平均値は合否結果に全く関係がない。合格判定は全て当日の得点のみによってなされる。全国から受験生が集まり、しかも現役・浪人を問わず、入学を希望する者全てに門戸を開いている大学入試は、非常に厳しいものであるが、一方で極めて公平でもある。受験生一人ひとりが置かれてきた環境、歩んできた歴史は当然のことながら千差万別である。しがしながら大学側はそうした受験生の個々の状況を斟酌したりはしない。「当日の試験で合格最低点をクリアーした者に合格通知を与える」だけである。
どんな世界であれ、最後は「結果」が要求される。それまでどれだけ努力を積み重ねたとしても当日「結果」が出せなければ、合格という評価を得ることはできないのである。我々教える側は、これからの時期、個々の受験生の状況を充分に把握しながら、試験当日「如何に結果を出させるか」のみに意識を集中させる。
「結果」を出すために必要なことは何か。それは試験当日に普段の力を100%発揮できる準備をこれから全力で行っていくことである。自分の持てる力を全て発揮できれば、少なくともボーダー圏に入っている大学には必ず合格する。しかし少なからずの受験生が、試験当日押し寄せる凄まじいまでのプレッシャーの中で、自分の力が発揮できず、悔しい結果に終わるという事例が存在するのも、また厳しい現実である。
これから必要なことは、試験当日、完全に力を発揮するための「ルーティーン」の確立である。ラグビー日本代表の五郎丸選手や、40歳を過ぎて未だメジャーリーグの第1線で活躍するイチロー選手が実践する「ルーティーン」が一時期よく話題にされたが、これは受験にも大きく当てはまる。
センター試験の国語を例に説明する。80分で「評論文」「小説文」「古文」「漢文」の大問4題を解くことになるのだが、当然全てを等しく20分で解く必要は全くない。80分で全ての問題を解くことのみが要求されているのであって、時間配分は全て個々の受験生に委ねられている。漢文を15分で解いて、その分評論文に25分かけるということも当然許容される。さらには解く順番も全て受験生が自由に決められる。ここで大切なのは、普段から「解く順番」や「時間配分」の試行錯誤をする中で、自分にとって最良の「ルーティーン」を確立することである。
自分の目指す目標点をクリアーするための過去問演習を通して、成功体験を積み重ねることが今後何よりも大切である。そしてその経験をそのまま試験当日に実践すれば、必ずや目標点を達成できるはずである。これは国語のみではなく全ての教科について言えることである。試験当日「結果」を残せるというイメージトレーニングを、これからの日々の勉強を通して、しっかりとやり遂げてほしい。
「大きな試練は人間を強くもし、優しくもする」
来春このことを全ての受験生が実感するであろう。最高の結果を出せるように、残された時間を全力で過ごすことが、今強く求められている。
開成ハイスクール国語科 森脇 庸介


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2016 年 9 月 26 日
日照時間が短くなり、涼しく感じる気候となりました。現役受験生にとっては飛躍の秋。それをサポートする「志望校突破ゼミ」が、いよいよ開講されました。京大・阪大志望者を対象とした英作文・数学Ⅲ講座。センター試験受験者を対象としたリスニング・数学ⅠAⅡB・漢文講座。関関同立大志望者を対象とした英語長文・英文法・現代文・古文講座などが設置されています(教室により設置講座は異なります)。
平常授業でも入試問題を取り扱いますが、この「志望校突破ゼミ」でさらに多量の問題演習に取り組むことが、得点力向上の大きな糧となり、また「勉強のスタミナ」が定着することは間違いありません。
数学講師としてこの「志望校突破ゼミ」を担当する中で、センター試験対策講座では「最短かつ最速の解法」を示し、受講生一人一人の「時間内処理能力」を磨きあげること、また、数学Ⅲ講座では「正確な計算力を定着させ、いかに正答を導くか」を示し、「数学力の揺るぎない自信」をつけさせることを主眼に置いています。
この講座を終えた時に、受講された皆さんがこの上ない満足感・達成感を得られるよう、我々講師陣も全力を尽くします!
開成ハイスクール数学科 中澤宏尚

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2016 年 9 月 19 日
こんにちは。
「今日はなぜか机に向かう気がしない。」「テキストを開いても、問題を解く気力が湧かない。」受験生には、そんな時もあるかもしれません。原因は様々あれど、そのような状態を長引かせるわけにはいきませんね。さて、どうしたものか。いくつか提案させていただきます。
①思い切って、まる1日自由に過ごす
しばらく何もせずにダラダラ過ごし、それでも途中から不安になって、その日の課題を半分程度こなして1日を終えると、不安は多少解消されるので、その日にできなかった部分があることを、つい忘れてしまいます。そうした不安の解消の仕方は、その中途半端な姿勢がクセになり、次の日もまた同じように過ごすことになる恐れがあります。ならばいっそのこと、その日は全く勉強から離れ、好きなことをして気分転換をした方が、気力を充実させ、明日以降の再起につなげることができると思います。
②好きな科目だけ勉強する
「これをやっている時は楽しいし、気分が乗る」そんな科目はありませんか。今日はとにかくその科目だけを勉強する、という方法もあります。これだと、受験勉強の流れを1日分、全く停滞させるということにはなりませんので、生産的な方法だと言えます。勉強のおもしろさ、醍醐味を思い出すことにもなるでしょう。私の場合は「英作文」の課題でした。さらにこれを利用して、毎日の受験勉強はいつも「英作文」から始めていました。好きな課題に取り組むことで気分を高揚させ、それを次の科目へつなげていく、という寸法です。
③志望大学と触れ合う
志望大学を身近に感じることも、気力を取り戻すのに有効です。何と言っても、その大学に合格するために、受験勉強と毎日向き合っているのですから。改めて、大学のパンフレットを眺め、読む。そこに通っている自分の姿を想像してみる。時間が許せば、実際にその大学へ出向いてみるのもいいでしょう。キャンパスの雰囲気をじかに味わい、大学生になったつもりで歩いてみる。その大学に合格することを、既成事実にしてしまうのです。ワクワクしますよね。その気持ちが、日々絶え間ない努力を要する受験勉強の目的を思い出させてくれるのです。
④親と話をする
あなたのことを一番心配し、大切に思っているのは、あなたの親です。受験勉強の忙しさから、つい会話も疎かになっているかもしれませんね。こういう機会だからこそ、自分の大学進学について、どんな思いを抱いているのか、素直な気持ちで聞いてみるといいでしょう。親のその「思い」に触れ、感じ入ることで、倦んだ気持ちが消え去り、すがすがしい心持で、また前向きに取り組むことができるようになるはずです。この私にも、とてもいい思い出があります。
受験勉強のルーティーンによって枯渇してしまうこともある気力を、うまく回復させる術を身につけておくことも、重要なテーマだと思います。上に述べたことがその一助となれば幸いです。
文化人類学が教えるところの「ケ」と「ハレ」をうまく制御し、日常を生きる力とする。受験勉強は、まさに人生修養そのものですね。
開成ハイスクール英語科


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2016 年 9 月 12 日
秋になりました。食欲の秋ですね。
ということで、今回は、「食べ物」に関するお話を。
皆さんは英語を学習していて、不思議に感じたことはありませんか。
豚=pig 豚肉=pork
牛=cow / ox 牛肉=beef
羊=sheep 羊肉=mutton / lamb
鹿=deer 鹿肉=venison
あれ、動物の呼び名と肉の呼び名で、単語が変わるぞ?
これを説明するには、イギリスの歴史を学ぶ必要があります。
もともとイギリスは、アングロサクソン人が支配していました。しかし、11世紀中ごろから約300年間、フランス(ノルマン人)に征服されます。いわゆる、ノルマン・コンクエスト[The Norman Conquest of England]です。日本は直接外国に占領された歴史がありませんから、なかなか実感がわかないと思いますが、外国(別民族)による支配を受けると、言語や文化に大きな影響を受けます。アングロサクソン人が話していた英語(古英語)が、ノルマン人の支配により、フランス語の影響を受けることになりました。
当時、動物(家畜)を育てていたのが、支配されること(=召使)となったアングロサクソン人であり、その肉を食べたのが、支配層であるノルマン人(=フランス人)です。ノルマン人には肉食の文化があり、アングロサクソン人には肉食の文化があまりありませんでした。
つまり、生きている状態(=家畜)でその動物を見ているのは、英語を話すアングロサクソン人であり、肉となった状態で見るのは、フランス語を話すノルマン人であったということです。ですから、動物・家畜を表す言葉は古英語由来のpig / cow / sheep / deerとなり、肉を表す言葉はフランス語由来のpork / beef / mutton / lamb / venisonとなるわけです。
では、鶏[chicken]はどうなの?
鶏=chicken / hen[雌鶏] / cock[雄鶏] 鶏肉=chicken
昔のイギリスでは、肉といえば「鶏肉」が主流であったため、chickenだけは、そのまま残ったといわれています。それ以外の「牛」「豚」などについては、その肉を食べる習慣自体が、フランスから流入してきたため、フランス語のほうを用いるようになったということです。ちなみに、動物と肉で単語を使い分けること自体が、言語的に見ても稀な現象です。フランス語では当然、「豚」と「豚肉」は同じ単語を用います。
さて、高1、2年生のみなさんの中には、これから志望校・学部を決める人もいるかと思います。今日お話しした内容は、「英語学」を専攻すれば、大学で学ぶことができます。「英語学」ってどんな学問だろう?と疑問に感じている人がいたら、参考にしてみてください。
開成ハイスクール英語科


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