2015 年 7 月 13 日
先日、面談の際に、ある生徒が「集中力がすぐ切れてしまう」と言っていました。
今回は、集中力を持続させるのに必須な栄養・料理の話をしましょう。
まず、集中力を持続させるのに重要な栄養素を3つ挙げてみます。
●ビタミンB
糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1をはじめ、ビタミンB群は、スタミナづくりに欠かせません。
「疲れやすい」「集中力が続かない」などで困っている場合は、ビタミンBの不足の場合もあるかもしれません。しかもビタミンB1は、体内で生成されず、食事で直接摂らなければならない栄養素です。ビタミンB1を多く含む食材の代表は、豚肉や大豆です。とくに大豆は、学習能力・記憶力・集中力を高めてくれる食品の代表格です。
●鉄分
体内で酸素の運搬に欠かせないのが鉄分。脳が酸欠状態になってしまっては、どんなに力があっても、栄養があっても、力を発揮できません。鳥レバーや、小松菜、海藻類や貝などに多く含まれています。大豆を入れたひじきの煮物などが定番です。
●カルシウム
脳の神経の興奮を抑え、情緒を安定させる作用をもっています。集中力を長続きさせる効果があるわけです。
カルシウムと言えば、小魚・チーズ・ワカメなどに多く含まれています。ごはんにワカメの味噌汁、焼き魚に菜っ葉のお浸しなどが定番のメニューです。
上記の栄養素は、普段、和食で摂ることが多いですね。
ジャンクフードもたまに食べるとおいしいですが、個人的には和食がおススメです。
●他にも…
チョコレートに含まれる苦み成分、テオブロミンは集中力・記憶力・思考力を高めます。また自律神経の調節機能もあり、リラックス効果も期待できます。またチョコレート特有の香り成分も、集中力の向上が認められています。和菓子の代表と言える「あんこ」は糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1を含んでいます。また、集中力向上に効果があるといわれるポリフェノールまで含まれています。
上手に栄養を摂って、体調を崩しやすいこの季節を乗り切りましょう。
開成ハイスクール英語科 大道英毅

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2015 年 7 月 6 日
そろそろ夏期講習の準備が始まる季節です。みなさん夏期に何を勉強するかは決めましたか?今日は、高校3年生の皆さんに、夏期の計画の立て方について、お話しします。
まずは、第一志望校の過去問を解きましょう。もちろん、この時期に過去問で合格点を取ることはできません。しかし、絶対に今やるべきです。
なぜ私が、そこまで強く主張するかというと、志望校の頻出単元を夏期に極めておくと、秋以降の模試の時期に大きな武器となるからです。
ここからは、今やるべき過去問対策について書いていきます。
①過去問を解いてみて、数学・理科の頻出単元を調べる。
②頻出単元の中で、夏期に重点的に取り組む単元を決める。
の2点です。
①については、過去問(赤本・青本)の傾向と対策に載っています。②については、数学であれば「ベクトル」、化学であれば「気体の状態方程式」といった具体的な単元を決めます。
このようにして決めた単元については、問題集・塾などのテキスト・該当単元の過去問を5問ほどやります。
あとは、秋に行われる模試で、対策した単元が出るのを待つ、ということになります。
さあ、収穫の秋!となるように、今、頻出単元を得意単元に変えておきましょう!
開成ハイスクール数学科 前田佳邦

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2015 年 6 月 29 日

6月3日頃に、例年より四日早く梅雨入りして、もうほぼひと月。今年の梅雨明け予想は、昨年とほぼ同じ7月21日頃だそうですから、あと3週間は雨が降ったりやんだりの日が続きそうです。
雨といえば、子どものころテルテル坊主を作り、軒下にぶら下げたことはありませんか?テルテル坊主の英訳は、そのものずばりを表す言葉はなく、
”a paper doll to which Japanese children pray for fine weather”
と説明的になります。このことからもわかるように、テルテル坊主は中国から日本に伝わってできたもので、英語圏にはないそうです。
一方、雨が降っている時に晴れることを願っておまじないのように歌う次のような童謡があります。
Rain rain go away, 「雨、雨、あっち行け!」
Come again another day. 「また別の日においで」
[ someone ] wants to play 「~が遊びたいんだ」
Rain rain go away, 「雨、雨、あっち行け!」
[ someone ]の部分には、人や動物などの名前が入り、外へ遊びに行くために雨が止むのを心待ちにしている様子が次々とリズムよく繰り返し歌われます。皆さんなら、
We want to study harder 「思いっきり勉強したいんだ!」でしょうか。
梅雨が明けて、すっきりと勉強ができる夏まであと3週間。
Rain rain go away!を唱えて頑張ってはどうでしょう。
開成ハイスクール英語科 松本泰雄

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2015 年 6 月 22 日
こんにちは。
以前にこのブログで、「『できる』という確信をもって問題に取り組む姿勢が大切である」という趣旨のことを述べましたが(2015年1月12日に掲載)、このことと、「自分は間違えるはずがない」と思い込むことは全く別物です。後者は、「過信」と言い換えてもいいでしょう。
自信の無さは、取り組みを消極的にさせ、疑心暗鬼を生み、ブレが生じ、解答に悪影響を及ぼしてしまいますが、その対極である「過信」もまた、大きな弊害を伴うものとして、注意しなければなりません。
「自分は間違えるはずがない」という「過信」は、過去の誤りを教訓とし、そこから何かを学び取る、という視点を欠落させます。また、問題演習や実際の試験で正答を得るには、その過程において、自分の解答を冷静かつ客観的に「自ら」チェックすることが必要ですが、「過信」はそのチェック機能を停止させてしまいます。事実、「過信」の持ち主は、解答時間が短く、然るべき「見直し」を怠っている場合が多いようです。
「自分にはできる」という確信のもと、しかし「間違える可能性がある」ことを常に前提として問題に対処するという、この二律のバランスを保つことが肝要なのです。

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2015 年 6 月 15 日
授業中、問題が解けなくて、落ち込んでしまうこともありますよね。「全然アカン」「このままじゃ合格できない」とマイナス思考が止まらなくなってしまうかもしれません。でも、考えてみてください。授業で扱う問題がすんなり解けたら、授業は必要ありませんよね?参考書でも同じことが言えます。参考書に載っている問題は、おおむね大学入試の過去問から抜粋していますから、なかなかスラスラと解けないものです。
もう分かりましたね。まずは解けなくてもいいのです。解けないから授業で扱うのだし、参考書にも載っているのです。だから、解けなくても落ち込む必要はありません。「よし!次は間違えないようにするぞ!そのためには…」と前向きな姿勢で取り組めばいいのです。そして、一度間違えた問題をまた間違えたときは、思い切り悔しがってください。解けたときは、思い切り喜んでください。そうやって「感情」をぶつけて勉強することが、長期記憶へとつながるという研究結果もあります。人間には感情があって当たり前。勉強に関わる様々な感情と、上手に付き合っていきましょう。
開成ハイスクール英語科 津留天然

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2015 年 6 月 8 日
みなさん、こんにちは。
今回は、複素数から話を始めたいと思います。少し準備が長いので、結論を知りたい人は、最後の方を先に読んでください。さて、複素数とは、高校で初めて習う数で、二乗すれば、なんと-1になる数 i (虚数単位といいます)を使って書ける数のことです。不思議に思う人もいるでしょうが、まずはこの数を使ってお絵かきをしてみましょう。お絵かきといっても、数学を使ったお絵かきなので、ある程度のルールをもった書き方をします。
まず複素数として、z=-3+2i を考えてみましょう。この複素数に対して、座標 (-3,2) に点を書きます。次に z=-2+2i を考えましょう。同様にして、座標 (-2,2) に点を書きます。さらに z=-1+2i を考えましょう。そして座標(-1,2)に点を書きます。こうすることで、平面上に横一直線に並んだ点が書けます。

「だから、どうした。当たり前ではないか」と思う人もいるかと思いますが、では次のようにしたらどうなるでしょう。今は、複素数 z を考えましたが、zの2乗 を考えたらどうなるでしょう。

と計算できるので、(5,-6),(0,-8),(-3,-4),⋯ と点を書いていきますが、ではどんな絵が現れるでしょう。実は次のようになります。

なにか、くねっと曲がった曲線が出てきましたが、これは放物線になることが分かっています(高校数学でよく見かける放物線が横倒しになっています)。では次に、上のアニメーションでは、虚数単位 i の前の係数を 2 にしていましたが、1にしたり、0.5にしたり、0.1にして、同じことをしてみるとどうなるでしょう。次のように多数の放物線が一度にかけてしまいます。

それぞれの点がギュッと集まってきて、そのあと散っていく様をみると、何か可笑しいですね。いや、可笑しいどころか、何がしたいのかわからないし、そもそも「数学と科学・技術」という題名はどこにいったの?と思っている人もいるでしょうか?では、最後に二次方程式の解の公式みたいなものを使ってみましょう。

となる点を書いていきます。複素数のルートって何、という疑問はここでは深入りできないので、省略します。この形だと次のようなアニメーションができます。

真ん中にある茶色い丸はわかりやすくするために書いているので無視してください。動いている点が今考えている物です。10種類の動く点があるのがわかると思いますが、どのように見えるでしょうか?実は、この点の動きは、左から右に水が流れているときに、真ん中に丸い丸太を置いた時の水の動き(流れ)になる、ということが分かっています。その昔、鴨長明は「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と詠みましたが、そんな水の流れが、想像上の数と思われていた複素数と結びつくなど誰も想像しなかったでしょう。そう、勉強することは、人間の苦心に満ちた文化を学ぶことでもあるのです。
開成ハイスクール数学科 村上豊

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2015 年 6 月 1 日
6月に入りました。この時期は、特に学校でイベントが開催されることが多いようです。体育祭や文化祭、部活動の大会、もちろん定期テストもあり、大変忙しいことでしょう。その中で今日は、体育祭について私の思い出を交えながら話そうと思います。
高校1年生のある日、体育祭のメインイベントであるクラス対抗リレー(4人出場)に誰を出場させるかを議論していました。話は進み、50m走のタイム順で選ぶことになりました。たまたま足が速い人が少なく、あまり運動が得意でなかった私が出場することになりました(同タイムの陸上部の人がいたのになぜか私が選ばれました)。当時、私は運動部に所属しておらず、ましてリレーは1人200m走らなければならないので、50mのときとは勝手が違い、体育祭当日までかなり不安でした。
迎えた当日、まずは予選。運が良かったのか、対戦相手に問題が生じたのかは分かりませんが、残りの3人の活躍もあり、1位で通過。まさかの展開にクラス中が大興奮。そんな中、続いて決勝。予選を勝ち抜いただけあって対戦相手も強豪ぞろいです。そしてレースが始まり、3走目の私は順番を待ちながら戦況を見つめていました。1、2走目が快調に飛ばし、1位で私にバトンをつなぎました。バトンを受け取り、無我夢中で走りましたが、あっという間に私は2人に抜かされてしまい、最終走者のがんばりで、辛うじて2位という結果に終わりました。
必死で謝る私に対して、残りのメンバーは「よくがんばった」「部活もしていないのにこれだけ走れるのはすごい」と、ねぎらいの言葉をかけてくれました。まだ高校生活が始まって2か月しか経っていませんしたが、絆が深まり、仲間がいる心強さを感じた瞬間でした。
話は長くなりましたが、自分が落ち込んでくじけそうになったとき、仲間の存在が大切になります。もちろん壁は自分で破っていかなければなりません。しかし、1人では破れない壁も仲間と一緒なら壊せるかもしれません。また、その仲間は時としてライバルにもなります。互いに切磋琢磨しながら成長することもできます。
勉強も然り。周りの友達を、勉強面でも助け合い、競い合える仲間として意識し、大切にしてもらいたいと思います。
開成ハイスクール数学科 鈴木悠太

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2015 年 5 月 25 日
4月からスタートした新学年での高校生活も早2ヶ月が過ぎようとしています。高校入学から大学受験(センター試験)までおよそ1000日。来るべきその日に向け、各学年の皆さんに、この時期の注意点について助言させていただきます。
高校1年生の皆さんのなかで、初めての定期考査を経験した人も多いでしょう。その結果は、すべて高校入学から今日までの努力の成果です。今回、納得のいく結果が得られなかった人は、自身の取り組み方を反省して次回に挽回すべく、是非とも質のよい勉強環境を構築しましょう。そして、特にスポーツ系のクラブ活動は気温の上昇と共に体力的に厳しくなります。体調管理にはくれぐれも留意して下さい。
高校2年生は、夏休み(夏期講習)から、いよいよ受験へ向けて本格始動することになります。そこで、できれば夏までに、志望大学を定めておく必要があります。ぜひ、自身の進路に関して、より一層真剣に考えてください。目標設定が早ければ早いほど、受験への明確な目標が立てやすくなるのは必然です。
高校3年生の多くは、5月に全国模試を受験されたはずです。全教科型模試の難しさを痛感したかもしれません。成績データが届いた際に、志望校判定に一喜一憂せず、自分の不得意科目、苦手な単元、理解出来ていない問題を「直視」することが何より肝心です。模試が「解けない問題を明らかにしてくれた」ことに感謝して、その克服に努めれば、この先の苦しい受験勉強も着実に前進できることでしょう。
皆さん一人一人が現状の自分に満足することなく、日々向上していけるよう願っています。
開成ハイスクール数学科 中澤宏尚

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2015 年 5 月 18 日
そろそろ今年度最初の定期テストがやってくる頃です。とくに1年生にとっては高校に入学して最初のテストということになります。定期テストで高得点を目指すのは当然ですが、その際、ありきたりのことですが、やはり注意してほしいことがあります。それは、テストのためだけの勉強をしないことです。
どうしても目の前のテストが気になりますね。科目数も多く、試験範囲も広くなります。ということで、きちんと理解せずにテストの問題だけ解けるようにすることになりがちです。つまり、なぜそのように解くのかを考えずに、ただ単に解法を丸暗記したり (そうしないといけないものもありますが)、問題集からそのまま出るからといって答えだけを覚えてしまうこともあるかもしれません。しかし、定期テストの勉強は、それまでに学んだことをきちんと復習する最大のチャンスであり、それだけ時間をかけて復習する意義は十分にあります。結局、ここでやっておかないと、例えば数学のように過去に勉強したことにさらに積み上げていく場合、また一からやり直しといった事態を引き起こしかねません。
大学入試というのは、試験範囲が教科書の最初から最後まで及ぶ定期テストみたいなものなので、3年生になって、受験勉強が本格化する際に、やはり1、2年の内容のすべてをやり直さなければならないことになります。これはかなりの負担となります。というわけで、すべての科目でやるのは難しいかも知れませんが、少なくとも受験を想定している科目については、先を見越した勉強をしてください。
具体的にどうしていいかわからない人は、開成ハイスクールのスタッフに相談するといいでしょう。どうしても目先のことにとらわれがちですが、この差はいずれ大きくなっていきます。今だけの勉強ではなく、1年先、2年先を見越した取り組みをしてください。
開成ハイスクール 片岡尚樹

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2015 年 5 月 11 日
英語を指導する中でよく耳にするのが、生徒たちの「英単語ってどうやって覚えたらいいのですか?ひたすら書くしかないのでしょうか」という発言です。このブログを読んでくれている皆さんの中にも、単語や文法項目の暗記に苦戦した経験がある、または現在苦しんでいる人がいるかも知れません。
最初に断言しておきますが、 「書く量」と「記憶の定着」は必ずしも正比例するものではありません。 (書く作業を全くしなくていいと言っているわけではありませんよ)
どういうことかというと、 「人にはそれぞれ自分にあった認知スタイル(=暗記方法)があり、様々な暗記方法には得手・不得手がある」ということを、知っておかなければならないのです。
暗記における認知スタイルは、大きく3パターンに分類できます。
(1) 文字型
(2) 映像型
(3) 音声型
(1)文字型というのは、いわゆる活字を読むことによって暗記をスムーズに行える傾向にある人たちのことです。(2)映像型というのは、見やすいフォントや場面の映像を脳内に想起させることにより記憶定着が促進されるタイプの人たちを指します。(3)音声型はその名の通り、事柄を歌にしたり、音読することによって暗記が促される人たちのことです。
一般的に、人はこれらの(1)~(3)のパターンのどれか(またはそのうち複数)に属しているので、自分に合った暗記方法を学習にとりいれることで、学習効率が飛躍的にアップする、というわけです。自分に合ったパターンがわからなくとも、可能な範囲でこれらすべてのファクターを学習にとりいれることで、自然と暗記効率が上がるものです。
その中で最も簡単、かつわずかなコストで実践が可能な「音声型」のアプローチに着目して欲しいのです。例えば英単語やグラマー・リーダーの重要例文の暗記に関して、ただテクストを黙読し、書きとるだけでなく、書籍に付属のCDを聞いて書きとってみたり、CDを聞きながら黙読するだけで飛躍的に暗記しやすくなります。また、単にCDを聞くだけでなく、耳で知った正しい発音で音読をすることにより、さらに暗記しやすくなります。
人間は、使用する感覚器官(いわゆる五感)を多く使うほど記憶の定着率が高くなるという実験結果が多くの心理学研究者により報告されています。また、ヒトは進化の過程から考えて聴覚に対して極めて鋭敏な感覚を備えているといわれています(嗅覚なんかはイヌよりも遥かに鈍感ですよね)。
学習に嗅覚と味覚を働かせるというのは現実的でないことを踏まえると、残りの3つの感覚器官をフルに取り入れるのが理想ですね。ノート等に「書く」作業により【視覚】と【触覚】を使用しますが、これに音読・リスニングを加えると、【聴覚】はもちろん、発音による唇の動きという【触覚】を働かせることができます。
言語学習における「音声」活用の効果・重要性を再認識し、暗記をより効率よく進めてもらいたいものです。
開成ハイスクール英語科


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