京都産業大学 入試におけるコロナ禍対応

2020年10月20日 火曜日

京都産業大学から、このようなリーフレットが届きました。関西8大学(関関同立産近甲龍)の中で、唯一「ワンキャンパス」(キャンパスが一か所に集まっている)という、学部間の移動や部活にも有利な恵まれた環境も魅力の一つです。しかし、春に集団感染が出てしまったためにキャンパス全閉鎖となってしまった教訓を元に、学内にPCR検査場を作ってしまうなど感染防止はどの大学よりも整備されていますが、入試に関しても十分な対策や対応が議論されたようです。

まず、試験範囲に関して、「発展的な学習内容」を避けるとの事です。入試日程の変更もあります。さらに調査書の扱いなど細かいところにも配慮します、とも書いてあります。 その中でちょいと気になるのは試験場で「換気も十分に行います」との内容ですが、一般選抜は1月~2月です。つまりとっても寒いかも・・・。今年は京都産業大学に限らず、どの大学でも同じような対応をすると思います。体温調整が可能な服装やカイロの準備といった防寒対策もお忘れなく。

初の共通テスト やはり第2日程希望は少数派

2020年10月16日 金曜日

今年度(正確には2021年1月)に初めて実施される「大学入学共通テスト」の出願期間は9月28日~10月8日でしたが、その出願者数速報が大学入試センターから発表されました。 それによると、今年の出願者数は535,224名と昨年より2万人減ですが、減少しているのは既卒生で、現役生はほぼ昨年と同数となっています。 今年は3月からの学校休校や、長引く大学でのオンライン授業の影響もあり、大学受験者が減少するのではとの見方もありましたが、少なくとも共通試験受験者層に関しては、ほぼ影響なかったことになります。但し今後の先行き不透明感から早く大学を確保したいということで学校推薦型選抜(かつての指定校推薦)の利用率が上がっているとの情報もありますので、実際の受験者はこれよりも少なくなることも考えられます。 (大学入学センターの発表では高等学校経由出願か、個人直接出願か、という区分けで発表されており、高等専門学校の第3学年などは、個人出願に含まれています。本来既卒生が選択できないはずの第2日程に1名がカウントされているのはそのためです)

また、休校による学習の遅れに対する対応として、1月16日・17日の2日間(第1日程)と30日・31日(第2日程)が選択でき、第2日程であっても各都道府県に試験会場を設置する、との方針が示されていましたが、結果的には私立大学の入試と重なり、国公立大学2次試験の対策期間が半減する第2日程を選択する高校はほとんどなかったようで、その希望率は現役に限ると0.18%に留まりました。 というわけで、自己採点による「センターリサーチ」(今年は「共通テストリサーチ」と名前が変わるみたいです)なども予定通り実施されることになるでしょう。

オンライン 全国統一近大模試

2020年10月9日 金曜日

近畿大学に対応した模擬テストというのは、さすが出願数日本一だけあって複数の事業者から提供されていますが、10月ともなればどの模擬テストもほぼ終了しています。しかし、ここで近畿大学を志望しようという受験生も居るはずだ、というところに目を付けたのが他ならない近畿大学。オンライン模試を自前で開発してしまいました。 オンラインで受験してそれぞれの小問ごとの答え合わせができます。出題そのものは過去問題ですが、オンライン上で回答を行い、科目の組み合わせを選択すると学部ごとの判定結果がその場でわかるというシステムです。

今までに近畿大学対応の模擬テストを受けることができなかった方、受けたけれども、その段階では満足のいく結果が得られなかった方、もっと近畿大学の出題に慣れてみたい方、是非このオンライン模試を受けてみましょう。詳しくは大学ホームページをどうぞ。

【ついに出ました】帝塚山学院大学【出願料無料の共通テスト利用】

2020年10月8日 木曜日

2021年度大学入試にもコロナ禍の影響が出ています。横浜国立大学は、ついには独自の学力検査を取りやめて、「大学入学共通テスト」のスコアと自己推薦書などで判定すると発表しました。確かに大学側としても受験生が発症または濃厚接触者に認定された場合の対応も大変ですし、入試の当日はいくら座席定員を減らすなど試験会場内での対応を考えたとしても、会場までの交通機関や出入り口で多くの人が集まるのは避けられず、感染拡大のリスクが高まるのは間違いないとの判断でしょう。特に併願受験が多い私立大学では、できるだけ学校に出向かずに完結する「共通テスト利用」も増加するのではないでしょうか。

そんな中で、大阪府堺市泉ヶ丘にある、韓国語・韓国文化が学べることでも知られている「帝塚山学院大学」は共通テスト利用の検定料が全額免除と発表されました。基本はネット出願ですので、調査書と大学入学共通テスト成績請求票、角2封筒があれば出願可能です。受験料は無料!というわけで共通テストを受験予定の皆さんはさしあたり出願しておきましょう。共通テストをがんばるだけで合格通知が送られてきます。一応念のための確認ですが、現在では帝塚山学院大学は全面共学ですので、男子も大歓迎されておりますよ。

【7年ぶりの】京都学園中高 京都先端科学大学 法人合併【復縁?】

2020年10月7日 水曜日

昔むかし、和歌山に辻本光楠(こうなん)さんという農家の四男さんがおったそうな。広い世界を知るために単身アメリカに行ってみたところ、何者かに襲われて片腕が無くなるほどの大けがをして帰国。後遺症に苦しみながらも英語を学び続けて立派な教育者になったそうな。その方が京都大学の近くに商業学校を作ったのが95年前。その3年後、花園妙心寺の塔頭(たっちゅう)が持っていた竹林を借りる形で右京区に移転してきたのが、今日の京都学園中学校・高等学校です。校地の一番奥がテニスコートなので、その塔頭の庭にはテニスボールが時々飛び込んできますが、和尚さんは特に気にしていないご様子。実はこの和尚さんは京都工芸繊維大学で蚕の研究をしていた農学博士でもある方ですが・・・(脱線しましたので軌道修正)それはさておき、実は2014年までは当時の京都学園大学も同じ法人「京都学園」が運営していたのですが、何があったのか6年前に中高だけが独立し、学校法人「京都光楠学園」となっていました。

一方、亀岡にあった大学の方はその後大きく姿を変えていきます。2015年の太秦キャンパス開設と併せて学部の増設、改組など拡大路線に走り始め、本部機能を京都市に移転、2018年には日本電産会長の永守氏が理事長に、2019年には法人名も「永守学園」、大学名は「京都先端科学大学」に変更。カリキュラムも大幅変更、英検2級以上持っていれば授業料免除+100万円/年プレゼントといったゴージャスな奨学金を用意するなどでも注目を集めています。 このように6年間の間に大きく進化した大学との協力関係は中高の充実につながるとの考えでしょうか、再び法人が統合されると発表されました。大学側も附属校を新設する構想がうわさされていましたので、一気に大学附属校を手に入れたことにもなります。中学からの10年一貫人材育成プランもかんがえていらっしゃるかも・・・。楽しみです。

【本格的な理系の】追手門学院大学 心理学部 心理学科 人口知能・認知科学専攻【専攻誕生】

2020年10月5日 月曜日

以前このエントリーにも書きましたが、データサイエンス系の学部新設が関西圏でも続いております。そんな中、追手門学院大学も2021年4月から新たな専攻を作るわけですが、既存の心理学部・心理学科の中の「専攻」という小さな単位での募集ですから、基本は文系かな?と思っていたのですが、その「専攻」のためだけのパンフレットを見てあらびっくり。プログラミング演習や統計数学などの理系科目が満載ではありませんか。それに入試科目も数学と英語が基本となっています。

だったら学費も理系並みかと思えば、他の文系学部と同じ金額ですから、これはお得です。というわけで、文系のイメージが強かった追手門学院にも理系ができました。 実は新たな学部や学科を作るには許認可が必要なので、さしあたり「専攻」の形になったという事情もあったようです。40名の学生に11名の教員という手厚い指導でのスタートですが、今後どのように発展していくのか楽しみです。

【教育・看護系】大阪信愛学院大学(仮称)オープンキャンパス【その2】

2020年10月2日 金曜日

こちらも教育・看護系のオープンキャンパス案内です。大阪の「大阪信愛学院短期大学」が4年制で共学の「大阪信愛学院大学」に昇格するお話は7月にこのエントリーでお知らせしましたが、9月30日現在、設置認可申請中という状況です。ということは・・・(ここからは小声で)このタイミングでまだ申請中という状況では学校推薦型選抜(指定校推薦)ができない理屈ですので、一般入試の枠が広がり、今年はチャンス!と考えられます。 次のオープンキャンパスは10月11日。詳しくは学校のWEBサイトをご確認ください。

【教育・看護系】奈良学園大学 入試対策講座【その1】

2020年10月1日 木曜日

奈良学園大学は、1984年には奈良産業大学の校名で経営・経済系の大学として設置され、その後法学部を増設といった文系の大学でしたが、社会ニーズの変化に対応すべく校名変更し、2014年に人間教育学部、保健医療学部看護学科を設置、さらに昨年リハビリテーション学科も設置したという、現在成長中の大学です。

現在は奈良県中部、JR大和路線王寺駅の隣、三郷駅が最寄りの三郷キャンパスと近鉄けいはんな線学研奈良登美ヶ丘駅近くの登美ヶ丘キャンパスに分かれていますが、三郷キャンパスの「人間教育学部」は2022年4月から登美ヶ丘に移転、統合という計画になっています。但し三郷キャンパスには立派な体育館や野球場がありますのでスポーツ施設として引き続き使うのかもしれません。 少し先ですが、12月にこちらの一般選抜対策講座が予定されています。詳しくは学校HPをご覧ください。

【私が高校生だったら】JAPAN e-Portfolioが運営停止【あばれるかも】②

2020年9月25日 金曜日

(昨日の続き)JAPAN e-Portfolioのための研修に参加し、ICT機器を生徒に購入させて準備してきた先生方のご苦労と、その先生の言葉を信じて先生と一緒に受験生が準備や記録を重ねてきたデータが、この9月11日に宇宙に消えていきました。(まあ正確にはPDF保管はできたのですが、出願する学校に合わせて選んでプリントアウトして添付するという余計な作業が発生する上に、調査書は担任先生の手作りに逆戻りです)

まあ、採用していた大学は少なかったとはいえ、AO入試(総合型選抜)の出願期間の直前に、いきなり梯子を外されたようなものです。大学側も募集要項の訂正(出願書類や形式の変更)をホームページに発表するなど、対応に追われています。新たな今の大学1年生と異なり、今の高3生にまつわる混乱状況は、明らかに人災です。 今回の大学入試改革の理念や理想はさておき、具体的な導入についての詰めが甘すぎるような気がします。

【私が高校生だったら】JAPAN e-Portfolioが運営停止【あばれるかも】①

2020年9月24日 木曜日

今年、大学に入学した学生の中には、入学式もガイダンスも無い。キャンパスにもまだ入れない。さらにクラブ・サークルにも参加できない・・・。オンライン授業だけなら大学の近くに住む意味も無く、家賃も惜しいので実家に帰ってひきこもり、という寂しい青春を送っている人が数十万人いるわけですが、大学入試改革元年に当たってしまった今の高3生も大変な学年になってしまいました。 昨年11月に、英語の外部検定利用の中止が発表され、12月には大学入学共通テストへの記述問題の採用見送りが決定され、そのための準備を高校入学時(またはもっと前?)から行ってきた現高3生は、「そんなんだったらもっと今まで通りの勉強に時間とお金を費やしたのに、どうしてくれるのよ!」という気持ちだと思うのですが、この8月7日にはついにもう一つの大学入試改革の柱である「高大接続ポータルサイト『JAPAN e-Portfolio』(文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性等分野)の取組の一つ)の運用中止が発表され、2021年度入試への利用ができなくなりました。今まで推薦型の入試で特に重視されてきた、担任が記入する調査書の代わりに、電子的に保管・評価された学びの履歴に置き換え、そのデータは出願された大学側が参照できるというシステムだったのですが、採用しようという大学が2018年12月段階で全国774校(大学校含む)中111校(文科省発表:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/143/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/02/20/1413594_001.pdf)にとどまり、特に東大・京大をはじめとして国立大学87校中67校も採用見送りなど、大学からの運営協力費を集めることもできなくなったというお粗末ぶりで、ついに文科省からタオルを投げられた形です。(続く)