全国の私立高校数

2022年4月6日 水曜日

令和3年度の学校基本調査がこの3月にようやく上がってきました。そこで、全国の私立高校の数を見ていると、結構地域差があることに気が付きましたので、日本地図風の図にまとめてみました。

人口密度の低い北海道、案外多いです。しかし東北は少ないです。近畿圏では大阪府と兵庫県、京都府に私学が集まっています。沖縄県は4校。確かに通信制を除くとそうなるのですね。全国一私学が少ないのが徳島県。そんなにニーズが無いとも考えにくいのですが・・・。

私学が少ない地域でもそこの先生方は多彩な教育活動にいそしんでいると思いますが、私学の多い地域は中学生にとって選択肢が多いというメリットもあるわけです。ここに子育て世代が集まってくるのも理解できます。

というわけで、学校の違いをもっと紹介しなければなぁ、と思ったのでした。

コロナ禍と学校のICT活用②

2022年3月30日 水曜日

さて、文部科学省は、土日祝を除いて連続5日以上の休業があった学校(小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校及び特別支援学校)に対してこの1月~2月に同様の調査を行いました。すると、「同時双方向型のウェブ会議システムの活用」を行った学校は69.6%と、この2年間で劇的に増えていることがわかりました。公立の割合が高い小学校に限っても70.6%と高い割合となっており、地方自治体や現場の先生方の努力が感じられます。逆にテレビ放送の活用は24%から12.1%と半減しています。そりゃそうでしょう。言われたとおりに教育番組を見続ける子どもはそれほど多くはないと思います。

というわけで、子どもたちのオンライン授業に対する耐性(?)もかなり向上していると思われますので、中学校、高等学校のICTを生かした教育活動もさらに効果的になっていくことでしょう。

【出典】 新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業期間中の学習指導等に関する調査<結果>(令和4年3月18日)文部科学省

コロナ禍と学校のICT活用①

2022年3月29日 火曜日

年度末になりますと、2020年、つまり2年前の3月の事を思い出します。2月27日夕方に政府から発出された休校要請。それに伴い学校生活は一変しました。部活動も全面禁止。音楽系のクラブが春休み中に予定していた引退コンサートも急遽なくなり、春の選抜高校野球大会も中止。卒業式、終業式も開催できず、その年に異動、定年になる先生方の離任式も無く、いつまで続くのかわからない春休みに突入したのでした。

そのような状況下でも私学を中心に一部の学校ではオンライン授業が行われました。しかし令和2年4月の文部科学省による調査では、双方向web会議システムを使っての授業が行われたのは全国で5%の学校に過ぎなかったそうです。(つづく)

【出典】 新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について(令和2年4月16日時点)文部科学省

【大阪府公立高校が減少!】長尾 守口東 門真西 再編【旧2学区に激震か?】

2022年3月24日 木曜日

大阪府公立高校募集について、コロナ追試の合否発表も終わり(合格者が少なかったのはちょっとかわいそう、というのはまた別の機会に)、2次募集の出願を締め切ったところですが、早くも次年度募集に向けた検討が始まっています。

その中で旧2学区の「長尾」「守口東」「門真西」の3校が3年連続で定員割れだったため、再編対象になるとの新聞報道がありました(3月24日読売新聞朝刊)。守口東は定員割れといっても3年前から順に3人、1人、1人なのでそこは大目に見てよぉ、という気もしますが確かに3年連続定員割れです。

この3校が2校になるのか、1校になるのか、他校との統合になるのか、など詳細はまだ決まっていません。今後の発表に注意が必要です。

【異例づくし】大阪府 公立高校入試 コロナ追試【先生方も大変】

2022年3月22日 火曜日

大阪府公立高校一般入試の発表が17日に終わり、例年なら中3生の進学先がその日でほぼ決まるわけですが、今年はコロナウイルス感染症の流行期が入試日と重なってしまったため、罹患等で当日受験がかなわなかった受験生も数多くいたようです。ただ本年度に限って大阪府教育委員会は救済措置を設定し、その追試験が19日に行われました。

その異例づくめの対応とは・・・

①入試会場は各高校ではなく、府内某所1か所に集めて行われました。

②入試科目は3教科、英語のリスニングもありません。

③採点は受け入れの各高校が行います。19日の午後、各高校が某所から答案を持ち帰って採点を行いました。

④17日の一般入試の発表で募集定員以上の受験があった高校は、既に定員いっぱいの合格者が発表されていますが、今回の追試者は「外数」で入学が許可されます。

つまり、1学級が40名を超える異例の状態が生まれる可能性があります。

その合否発表が本日行われています。

例年ならばちょっとホッとできるこの3連休、実は公立高校の先生方は大変でした、というお話でした。

大阪国際中学校高等学校の新校舎にお邪魔してきました③

2022年3月18日 金曜日

中学生も利用可能な食堂です。座席数はそれほど多くは無いのですが、外にテラス席も設けられており、天気のいい日は気持ちよくランチタイムを過ごせそうですね。放課後は自習用に開放される予定だそうですが、各席にコンセントが付いています。タブレットやパソコンの利用も想定しているのですね。

校舎の真ん中は吹き抜けになっており、各教室の外側に書架が点在しています。校舎全体が図書室というイメージでしょうか(茨木市の追手門学院中高と似ているぞ)。司書教諭は1階のカウンターに常駐し、レファレンスサービスの業務にあたるとの事です(因みに運営は上宮中高・箕面自由中高と同じように紀伊国屋書店に委託するそうです)。職員室は生徒が入りやすいようにガラス張りで、校舎中央には先生が質問を受け付けるオープンスペースも設けられています。

4月からはこの新しい校舎で授業が始まります。今回はこの学校の看板の一つであるIB(国際バカロレア)などソフト面を紹介できませんでしたので、また授業が始まってからお邪魔したいと思います。ともかく、この度は新校舎の落成おめでとうございました。

大阪国際中学校高等学校の新校舎にお邪魔してきました②

2022年3月17日 木曜日

特別教室は平屋の別棟が点在している形になっています。音楽棟は2つの音楽室と準備室から成り、実験棟は物理、化学、生物の実験室と、各準備室といった配置です。校舎との間には屋根付きの通路があり、雨の日でも移動に支障が出ないようになっています。

物理教室です。ご覧のように木製のトラスが天井を支えています。木材のにおいが心地よいです。

化学実験室の中には化学の実験で有害なガスが発生する可能性があるときに使う「ドラフトチャンバー」という機器と、薬品を浴びてしまったときに使う非常用シャワーの設備がありました。併せて200万円超だと思われますが、ここまで備えている学校は少ないと思います。このこだわりは化学のすごい先生がいらっしゃるという事でしょう。帝国女子薬科専門学校(現大阪医科薬科大)の附属校だった歴史を感じる一幕でした(そういえば今、大阪医科薬科大と同じ法人の高槻中高の化学実験室には緊急シャワーは無かったような気が・・・)。

調理実習のための調理室にはガスコンロが設置されています。安全性や設置コスト、手入れを考えるとIHだと思いますが、中華や炙り料理を作るにはガスが必須ですので、そこにこだわったのでしょう。

炉を切った茶室にも転用できる和室が2間用意された「作法室」も別棟になっています。こういう伝統も大切にする姿勢が形になっているわけですね。(続く)

大阪国際中学校高等学校の新校舎にお邪魔してきました①

2022年3月16日 水曜日

4月から開校の「大阪国際中学校・高等学校」の校舎が完成しました。パナソニックの工場跡で今まで大阪国際滝井のグラウンドとして使われていた土地に真新しい校舎が経っています。設計は安井建築設計事務所との事、JR神戸線からも見える大阪市西淀川区の江崎グリコの本社や東大阪のサクラクレパス大阪工場、大阪総合保育大学を設計した会社ですね。

入り口には「人間をみがく」という校訓が刻まれたモニュメントがあります。徳島県鳴門市にある大塚美術館でも使われている陶板を使ってくみ上げられたものだそうです。今の2校の伝統を示すパーツも組み合わさっています。(その中に「帝女」の文字が・・・。そういえば帝国女子という校名でしたね、その昔)

真新しい校舎は靴を脱いで、と思いましたが、下足箱がありません。実は一足制(土足のままで教室まで入る方式)なのです。従って傘立ても各教室に設置されています。

教室は部屋ごとに樹木の名前が付けられています。またその名前の木材で作られた扉が1枚ずつ設置され、その樹木の説明が書かれていたりします。校舎全体が図鑑のようになっています。

ここで問題です。この教室の写真に違和感はありませんか?

答えは教室の右手に窓があるという配置です。学校では右利きが多いために左手に窓が来るように教室配置を行うのが一般的ですが、十分な天井照明があるからでしょうか、利き手がどちらでも差が無いよというメッセージでしょうか、あえてこの配置です。因みに今年は車いすの新入生がいるそうですが、エレベーターも完備されているので問題ありません。(続く)

三田松聖高等学校でしゃべってきました

2022年3月15日 火曜日

このエントリーで5年前に「兵庫県で初年度納入金が最も安い高校」として紹介させてもらった三田松聖高校で、進路ガイダンスが開催されました。広大な校地でのびのびとスポーツに励む生徒が多い学校ですが、大学進学に特化した4つのコースを編成するなど、大学受験にも力が入っているようです。今日は前半では大学生になった先輩5名(女子3名、男子2名)へのインタビュー形式でのトークショー、後半は開成教育グループ入試情報室による講演の2部構成となっています。今日は1年生と2年生の特別進学コースと大学進学コースの生徒さんが集まってくれています。

先輩方のトークはなかなかリアリティーのある内容でした。受験勉強を始めた時期や、勉強の仕方や部活との両立、英検などの民間検定への取り組みや反省点など、これから受験を迎える高校生にとってはとても刺激的な内容で、生徒さんたちもメモを取りながら聞いていました。その後、今の大学入試の近況と勉強法についての講演を入試情報室から行いました。こちらも熱心に聞いていただきました。こちらとしても立派な施設で話をさせていただき、ありがたかったのですが、終わってからも質問してくるなど積極的な生徒が多いのが印象的でした。

年度末の忙しい時期であるにもかかわらず、次の週には学校から大学見学のツアーも企画されているそうで、大学進学に向けたモチベーションアップにも丁寧に取り組まれている学校だなと感じました。

大阪府私立高校「戻り率」2022

2022年3月14日 月曜日

17日(木)は大阪府公立高校入試の合否発表です。合否発表ですから不合格もあり得るわけです。残念ながら公立不合格となって併願合格していた私立に入学手続きを行うことを私立高校側からの視点で「戻り」と呼び、併願合格者のうちの「戻り」の割合を「戻り率」といいます。さて、とある私立高校の先生から「今年は募集が好調だったのであまり戻ってくると教室に入りきらなくて困ります」という、うらやましいお悩みを聞いてしまいました。そこで、どのくらい戻ってくるのかを地域と偏差値帯に分けて試算してみました。

空欄になっているところはこの偏差値帯合計では募集定員よりも受験者の方が少なかった学校群となります。難関校は志願倍率も高いのでこのように戻り率も高くなる傾向になります。ところが旧3学区の45~49だけは例外的に高くなっています。これはここに当てはまる高校は、いずれも人気の山本と阪南の2校しかないためです。

というわけで私立高校の教職員の皆様、何かの予測にお使いください。