松蔭中学校・高等学校にお邪魔してきました(その4)

2019年3月7日 木曜日

松蔭中学校の入試では英語を選択することも可能になっています。つまり、ある程度の英語力のある生徒さんも入学するわけです。そこで中1英語を担当なさっている先生は、英語力に差のある生徒さん方への対応がむつかしいだろうな、と思っていましたが、中1段階から二つの「ストリーム」と呼ばれる別カリキュラム集団に分けるという改革を行うそうです。英語以外の科目で入学してきた生徒さんには初歩からの英語を、英語で入学してきた生徒さんにはそれ以外の科目の授業を強化するというのは合理的ですね。それに伴い、高校のコース分けも1年間前倒しされ、英語力がもともとある生徒さんには英検準1級を、そうでない生徒さんにも英検2級レベルの英語力養成を行おうというものです。

途中でコースを変えることができるのか、コース分けの基準は、などといった詳細は今後検討の上、発表されるとのことです。学校HPで説明会の日程などご確認ください。4月、5月の説明会については事前申し込みは不要とのことです。

松蔭中学校・高等学校にお邪魔してきました(その3)

2019年3月6日 水曜日

図書館も行ってみました。生徒さんを本に引き付ける工夫が半端ないです。

手書き手作りのポップで満ち溢れています。文字の本だけでなく、漫画も含めてテーマごとの展示やドラマや映画の原作コーナーなど思わず手に取るきっかけを作る工夫を見て、以前このエントリーで紹介した近畿大学のアカデミックシアターを思い出しました。見学していると司書の先生が「松蔭中高図書館案内」というパンフレットを下さいました。図書館専用のパンフレットがあること自体驚きですが、蔵書も102,365冊、CD1,457枚、レコード2,632枚、雑誌約50タイトル・・・などなど図書館を大学と共用していない中高としてはおそらくトップレベルの点数です。

文庫・新書コーナーも充実しており、岩波ブックレットは刊行されているすべてが所蔵されているとのことで(「ここは国立国会図書館か?」と心の中で突っ込みを入れたあなたは図書館関係者)基本はNDCの分類法に従っていますが、このコーナーは独自の分類番号(筆者を頭文字のアルファベットと数字で表記されたもの)によって整然と配架されています。カード式の目録はありませんが、OPAC端末が導入されていますから不要なのでしょう。これらの膨大な蔵書と最新の検索システムを導入するためにはそれなりの予算が必要だったはずですが、読書量を通して思考力と表現力を育成しようという学校の姿勢が明確に表れているように思えます。ちなみに4名の司書の資格を持つ先生が常駐していらっしゃるとのこと。うらやましい限りです。

50冊以上読んだ生徒さんには「ゴールドカード」と「オリジナルブックカバー」がプレゼントされるそうです。いいなぁ。(続く)

松蔭中学校・高等学校にお邪魔してきました(その2)

2019年3月5日 火曜日

英語教育にも力を入れており、ネイティブの先生も数名いらっしゃいますし、オンライン英会話を行うためのパソコンルームも完備されています。日本語禁止の部屋はカーペットが敷かれていてリラックスできるようになっていますが、この4名はお行儀よく正座しています。

文系のイメージの強い学校ですので、ここまでは想像の範囲内ですが、実は理科の実験室は4つあり、実験助手も常駐でそれぞれ活用されています。

化学実験室には島津のドラフトチャンバーが鎮座。(ここで、「おーっ」と心の中で叫んだあなたは化学系)ガラス棚には色とりどりの金属塩の入った瓶が化粧品売り場のように整然と保管(というより展示?)されています。

地学の部屋には小型プラネタリウム(これは折りたたまれている状態)と天体望遠鏡2種(反射と屈折)と鉱物標本がありました。学校内に合宿所もあるらしく、お泊りの天体観測会も行われたとのことです。学校外に宿泊所を持っている学校は少なくありませんが、寮のある学校を除いて、京阪神の中高で学校内に合宿所があるのは私が知る限り、大阪星光とここだけです。(学校の先生方への業務連絡です。うちにもあるよ、という情報があればお知らせください)

さすが女子校らしく家庭科関連も充実しています。こちらは被服の部屋。ミシンやアイロンが整然と置かれています。

授業中の美術室です。全員美大志願者かと思うくらい真面目に課題に取り組んでいます。こんな整然とした美術の授業を見るのも初めてです。廊下には外部の美術展で入賞した作品が展示されていました。今の美術の先生も精力的に創作活動を続けている芸術家だそうですが、戦前の一時期、かの小磯良平氏もここで講師をしていたそうです。ちなみに校歌の作曲者は「赤とんぼ」「うさぎのダンス」の作曲でも有名な山田耕筰氏というハイスペックぶりです。

やはり伝統校としての蓄積でしょうか、人文科学、自然科学、社会科学、芸術、生活力の何かに重点を置いて伸ばすのではなく、人として全部養成しようという体制が出来上がっています。大切な哲学も中1から高3まで設置されている聖書の授業を通して育成していくという徹底ぶりです。(続く)

松蔭中学校・高等学校にお邪魔してきました(その1)

2019年3月4日 月曜日

神戸市灘区の王子公園から北側は学校が集中している文教地区です。そもそも王子動物園を含む王子公園は関西学院大学発祥の地ですが、その山手に神戸海星女子学院中高大、神戸龍谷中高、県立神戸高校、市立葺合高校が半径500メートルの範囲に集中しています。その中心に位置するのが松蔭中学校・高等学校です。

今年で創立127年。これより古い兵庫県の女子高は神戸女学院と親和女子だけです。つまりこの近辺のどの学校よりも歴史のある学校です。白いワンピースの夏服が有名で、毎年衣替えの頃に新聞に季節ネタとして写真が掲載されることでも有名ですね。

まず、玄関を入ってびっくり。古い建物と聞いていましたが、とてもきれいです。職員室前には広い廊下があります。窓際にはベンチも。質問に来た生徒さんたちもじっくり待つスペースがあります。その前には華道部の生徒さんによる生け花が飾られています。

自習室も御覧の通りです。中学生用と高校生用に分かれており、授業後自由に使えるのだそうです。ところで、お手洗いもすべて改装されており、「音姫」完備とのことです。(続く)

大阪市立 大阪ビジネスフロンティア高校とは?

2019年2月18日 月曜日

大学進学を意識するのなら、普通科のほうが、というイメージからか、今では普通科の高校が大半になっていますが、商都大阪の名門「天王寺商業」「市岡商業」「東商業」を統合し、天王寺商業の校舎を利用して2012年に「大阪ビジネスフロンティア高等学校」が誕生しました。学科としては普通科ではなく「グローバルビジネス科」という商業系の学科のみとなっており、生徒たちは簿記など商業系の資格取得やビジネスソフトを利用した情報処理、ビジネス英語など、実社会で必要とされるスキルを磨いています。ところが、実は商業系の学科というのを生かした大学への提携枠というのがあり、国公立大学も含めて大学進学実績も出しています。

(↓こちらは2018年度入試での合格実績です)

 

 

今、ホームページを見てみると、大阪市立大学合格6名の文字が飛び込んできました。前の年は大阪市立大7名ですので、安定してこの程度の大学合格実績を出しているということです。さらに卒業生が公認会計士試験に5名合格、といったチラシも送られてきました。

というわけで、大学進学を目指していても、普通科ではなくあえて実業科に進むという選択肢もあります、というお話でした。

大阪 私立高校 1.5次入試があります

2019年2月12日 火曜日

2月9日(土)を解禁に、京阪神の私立高校入試が始まり、合格発表が行われていますが、その結果が思わしくなかった方、または入試当日体調不良などで欠席してしまった方、ご心配はいりません。1.5次入試という、今からでも出願できる入試があります。インフルエンザにかかってしまった受験生の救済という目的もあり、昨年度からさらに実施校が増えています。大阪の男子校では4校、女子高では15校、共学校では45校で実施され、出願については早いところで13日、遅いところでは18日(常翔啓光)19日(大阪学芸の国際)が締め切り日となっています。

必要な方はすぐに学校や塾の先生に相談してみましょう。

私立高校と競争倍率

2019年1月23日 水曜日

今日は高校入試に向けたお話です。大阪では私立中学校入試が続いていますが、実はそろそろ私立高校の出願が始まっています。中学校校長会による希望調査や出願速報もそろそろ新聞発表される時期ですが、毎年外部募集人数よりも専願希望者がオーバーしている学校があり、「ということは、併願で受験しても全員落とされるのでしょうか・・・」とのご心配の声を頂きますが、そんなことはありません。各学校の発表する「募集定員」というのは募集の目安で、ある程度それ以上の生徒を受け入れることができる余裕があるものです。実際昨年も募集人数以上の生徒が入学した私立高校もありました。というわけで、一部の超難関校は例外ですが、一般的に高校入試は難易度が例年から大きく変化するものではありませんので、いつもの実力が出し切れるように頑張りましょう。

高校国語の学習指導要領も変わります②

2019年1月9日 水曜日

もう一つの特徴は、国語力を「話す力・聞く力」「書く力」「読む力」に分け、それぞれに標準指導時間が示されたというところです。その時間の割合は、「話す力・聞く力」が約13%であるのに対し、「書く力」が約40%、「読む力」が約47%となっています。今回の改訂ほど明確ではありませんでしたが、旧指導要領では「書く力」が3割弱、「読む力」は約45%でしたので、今回の改定では特に「書く力」の強化を目指していることがわかります。

というわけで、2022年に高校に入学する今の小6生(新中1生)は「書く」ことを得意になっておいた方が高校生活を楽しむことが出来そうです。でもどうすれば書く力が身につくのでしょうか。どのような勉強をしたらいいのかわからない、というご心配は無用です。開成教育セミナーの「作文添削教室」

https://www.kaisei-group.co.jp/seminar/course/grade_write/

を利用すれば、正しい作文力を段階的に習得することができます。いかがでしょうか。

高校国語の学習指導要領も変わります①

2019年1月8日 火曜日

高等学校の学習指導要領改訂についてです。2016年12月に答申された次の学習指導要領は、2017年3月に修正され、現在教科書検定の準備作業に入っており、2022年度入学生から順次適用される予定です。

学習指導要領の改訂は、新たな科目の増設や統合などを伴います。

その中で、今までは変更の少なかった国語もリニューアルされます。まず、現行の「国語総合」が「現代の国語」と「言語文化」という必修科目2つに分かれ、それぞれで単位認定されます。また、「現代文」も「論理国語」と「文学国語」に分かれることになりますので、論説文での失点を物語分で取り返す、という作戦が通用しなくなります。(続く)

帝塚山学院中学校高等学校 今年最後の入試相談会

2018年12月20日 木曜日

今週末、こちらも今年最後の説明会です。入試本番まであと1か月ですので、メインは個別相談です。既にプレテストを受験した生徒はその成績も見てもらいながらのお話です。最終受付は19:00ですから、お昼に塾に行っている生徒も参加することができます。受験の下見も兼ねて、もう一度行ってみては如何でしょうか。事前申し込みは不要ですが、上履きは必要だそうです。