【えらいことに】常翔学園 2019年度大学合格実績【なってます】

2019年4月3日 水曜日

その昔、大阪工業大学高校という男子校で、漫才の西川のりお師匠もそのころに卒業したはずですが、50年近く前に共学化しています。その後2003年から普通科のみ、つまり進学校として特化し始め、2008年からは「常翔学園」と改称、2010年には新校舎完成、2011年から中学募集を開始、ICTを活用した公開授業を行うなどここ10年間に急速に進化を遂げています。

今年(2019年度入試)は中学募集3期生を含む大学合格実績の速報が届きました。

まず、中学3期生の82名の実績から・・・

 

京都大学1名、大阪大学3名、医学部医学科2名を含む、なんとほぼ半数が国公立に合格しています。初年度の国公立14名も立派な数値だと思っていましたが、2期生、3期生ではその2倍以上と急激に伸ばしてきています。

高校からの入学者を足すとなんと国公立合格127名と初の3桁。省庁大学校を除外しても90名を超えています。阪大の7名のうち、3名は「世界適塾入試」という推薦入試での合格とのことですから、一般入試に向けた厳しい指導というより、生徒の興味関心を最大限伸ばすという教育活動も併せて行われたということでしょう。

もはやルーツである大阪工業大学や同じ法人の摂南大学・広島国際大学の付属高という位置づけではなく、独立した進学校への変身に成功した一つの例だといえるでしょう。

大阪TOP10高と併願私立高校④

2019年4月2日 火曜日

今回は「近畿大学附属」です。

こちらはコースが多いので、縦長になっています。

近畿大学附属高の「スーパー文理コース」もなかなか評価の高いコースとなっています。合格者の9割ほどが、TOP10高に出願しており、残念ながら全員とはいきませんでしたが、高い合格率となりました。一方、特進文理Ⅰの合格者は5割以上がTOP10高に挑みましたが、特進文理Ⅱでは3割弱、進学の2割が生野高校を受験して合格しているのは例外として、特進文理以下のコースからは出願すらされていません。つまりTOP10高受験に関しては特進文理以上の合格というのが、ひとつのラインになっていることがわかります。大学の人気の高まりもあって、付属高であるこの学校も多くの受験生を集めていますが、データを見ると依然併願校としての使われ方がなされていることがよくわかります。

 

大阪TOP10高の併願といえば、男子なら清風や明星、女子なら四天王寺、共学校では清風南海や大阪桐蔭も挙げられると思いますが、手持ちのデータでは併願者が少なく、ご紹介できません。今後、数年分のデータを累積するなどして分析してみたいと思います。(終わり)

大阪TOP10高と併願私立高校③

2019年4月1日 月曜日

今回は「清教学園」です。

いや、さすがでございます。清教学園の場合は合格通知が来たらそのままTOP10に出願するのが当たり前、という高校ではありますが、合格コースが文系であってもほぼTOP10受験というのは、受験生にとって清教学園の合格通知というのは相当な価値があるということでしょう。ウチの生徒に限って言えば、この割合を超えるのは奈良の西大和だけでした。(西大和の場合は不合格者でもTOP10に出願して合格しています)このような受験者層が集中するというのは、進学校としても安定した実績を上げているなど、地域からの信頼が厚いということでしょう。(続く)

大阪TOP10高と併願私立高校②

2019年3月29日 金曜日

関西大倉高校は前回の桃山学院と異なり、合格コースによるTOP10出願率に大きな差があります。

特進S合格ならほぼ9割以上がTOP10に出願であるのに対し、総合での合格の場合は1割も出願できていません。つまり受験生にとって合格コースの違いが公立出願に大きな影響を与えたわけですが、同じ関西大倉でもコースによる難易度の違いが大きいと考えられているようです。居住地にもよりますが、このように差が大きい学校を併願受験する場合は他府県の別日程の私立も受験もおすすめです。(続く)

大阪TOP10高と併願私立高校①

2019年3月28日 木曜日

大阪府の公立高校の合格発表も終わり、データの集約がほぼ終わりましたので、その結果をもとに、併願私立高校の合格コースと公立の出願校の相関について考察してみます。

今日は「桃山学院高校」についてです。公立高校合否との相関データも作りましたが、私立高校のコースのブランド力を見てもらうために、あえて出願割合で算出しています。もちろん元データは開成教育グループの塾生のみですので、五ツ木模試など他の業者による調査結果とは多少割合が異なることはご承知おきください。

グラフの色塗りにグラデーションをかけている(下半分が白くなっている)のはTOP10高です。S英数の合格通知が来た受験生は全員がTOP10に出願したということがわかります。これが英数の場合は8割弱、文理、国際(AとBを合わせています)でも4割以上の合格者がTOP10に出願しています。地域的に高津、生野への出願割合が高くなっています。(続く)

首都圏高校・中高一貫校 難関国立大占有率ランキング

2019年3月25日 月曜日

今年もそろそろ週刊誌に大学の合格実績の高校ごとのランキングが発表される時期になってきました。今回は首都圏の学校についてのランキングです。東大の合格者数では圧倒的な強さを誇るのは「開成」です。受験の世界では最難関である東大理科Ⅲ類に10名(うち9名が現役!)をはじめ、理科Ⅰ類に79名、文科1類に29名など合計で187名の大量合格を果たしています。ただし、卒業生が400名を超えていますので、卒業生数が163名の筑波大附属駒場の東大合格者数は113名と少ないのですが、占有率(合格者数/卒業生数)に直すと、筑波大付属駒場のほうが上になります。(といってもどっちもすごいんですけどね)東大だけでランキングを作ると上位の数校しか意味のないランキングになるので、東大を含む旧帝国大学7校に一橋、東工、神戸を加えた10大学の占有率でランキングを作ってみました。

すると御覧のように7位に西大和(奈良)、11位の北嶺(北海道)、33位の海洋中等(愛知)、35位の愛光(愛媛)といった寮のある地方校もランクインしています。また、公立の中高一貫校(都立小石川中等教育や茨城県立並木中等教育など)も上位に来ています。かつて東大合格などのエリート養成は私立の独断場でしたが、公立も頑張っていることがわかります。もちろん県立浦和や県立千葉など近郊のトップ校は今も昔も健在です。

これらのデータも首都圏での中学校選びの参考になるのではないでしょうか。

 

(元データは『週刊朝日』平成31年3月29日増大号)

大阪府 公立高校一般入試2019概況(旧4学区)

2019年3月14日 木曜日

学区全体倍率は昨年とほぼ変わりのない1.18倍ですが、上位行の競争率が上がって、難易度と競争倍率がほぼ比例する地域となりました。(難易度と競争倍率の相関係数が、この4つの旧学区の中では最大となっています)御覧のように鳳と泉陽が若干シーソーのように逆の動きを見せていますが、競争率高目で安定しています。泉北は隔年現象で厳しい倍率となっていますが、昨年人気を集めて厳しい倍率になった堺東は一気に揺り戻しで落ち着いた倍率になっています。また、この学区全体で中間集計から最終集計までの間に競争倍率が0.5も上がっています。

御覧のように、旧4学区は最終日に出願する人数が多いことがわかりますので、中間発表から大きく数値が動く可能性のある地域でもあります。次年度の受験生はこのことも含んだうえで、出願の作戦を考えるとよいでしょう。

この4日間で紹介した全校を加えると競争倍率は1.20倍から1.19倍とわずかに減少しています。旧3学区の出願数減少がその最大の原因となっています。さて、来週19日が発表、そこからあわただしく入学に向けた手続きが始まります。第一志望の学校や学科に合格できた人も、そうでなかった人も、ここからがさらに新たなスタートラインです。新しい友だちづくりや部活での活躍も大切ですが、制度変更される大学入試に向けて、勉強も頑張りましょう。

大阪府 公立高校一般入試2019概況(旧3学区)

2019年3月13日 水曜日

こちらの地域では昨年に続いて混戦模様です。トップ校の天王寺も倍率が上がっていますが、100名以上不合格校が6校(昨年は9校)に対し、定員割れが8校(昨年は募集停止となった長野北と柏原東を除くと3校)と極端な動きがみられます。その中で、中間発表時点でまさかの定員割れとなった夕陽丘は、最終集計で何とか定員を超えましたが、それでも1.03倍と、昨年の1.58と打って変わって落ち着いた倍率になりました。一方、高津、布施、花園は3年連続で募集定員超100名以上の安定した人気を誇っています。

この地域では出願数合計が昨年より10%近く減っており、全体倍率は1.21倍から1.17倍と落ち着いています。(続く)

大阪府 公立高校一般入試2019概況(旧2学区)

2019年3月12日 火曜日

こちらの地域では大きな変動がみられます。上位3校の安定的な人気は変わりませんが、昨年落ち着いた倍率になった大阪市立東高校が一昨年水準に揺れ戻され、一方で南がまさかの定員割れです。専門学科のみのためこのリストにはない、大阪市立西高校と旧1学区の扇町総合と2022年に合併されることがすでに発表されていますが、その影響もあるのでしょうか、定評のある英語科・国語科という学科を持つ南だけが定員を割っています。

2年連続で激戦となった枚方と旭は少し落ち着いた動きとなっています。旧2学区の全体倍率は昨年の1.19倍から1.18倍とほぼ変わりません。(続く)

大阪府 公立高校一般入試2019概況(旧1学区)

2019年3月11日 月曜日

今朝は大阪府立高校の一般入試が行われています。その出願は3月5日に締め切られましたが、その次の日(3月6日)に大阪府教育委員会より公表された志願者数を元に、今年の大阪府立高校の状況を見てみましょう。

大阪府は学区制がありませんが、学校数が多いため、旧4学区に分けて紹介します。

 

※従来の学区に属さない普通科単位制の学校などは所在地で各学区に割り振っています。また、工業科など専門学科のみの学校は省略しています。

まず、各学区で入試難易度順に学校を並べ、その横に出願途中の中間集計と、最終集計を並べています。右端には直近3か年の出願者数から募集定員を引いた、理論上の不合格者数を並べています。

まず、昨年度は1.13倍と落ち着いた倍率になっていた北野高校が、1.33倍と厳しい倍率になっています。それも含めた上位3校は、中間集計から最終締め切りまでの間に、それぞれ3名ずつの追加出願しかなく、初日に志願者のほぼ全員が出願したことがわかります。豊中高校は理論上の不合格者は151名とかなり厳しい戦いになりそうです。

昨年度は200名近い不合格者が出た春日丘高校は多少落ち着きましたが、それでも旧学区内最高の1.51倍となっています。このように高倍率だった学校の揺り戻しもありますが、総じて黄色で塗ったセルが上に移動している、つまり上位校ほど厳しい戦いになっていることがわかります。全体倍率は昨年の1.24から1.22と若干落ち着きを見せています。(続く)