大学入学共通テスト2022を解いてみた②

2022年1月19日 水曜日

ネット上では数学が難しかったとの書き込みが目につきます。そこで今日は数学を解いてみよう。

【数学Ⅰ・数学A】

第1問 (必答)数式の計算 三角比

中問の(1)(2)これはこんなもんでしょう。テストで三角比の表を使うのは新鮮かも。

(3)の正弦定理までは問題ないとして、後半の条件をどのように数式に置き換えるのかが辛いところですね。時間優先で2つは捨てて先に行こう。

第2問 (必答)2次方程式・2次関数

中問(1)解と係数の関係

(1)は計算問題(2)2つの方程式と解の個数の問題。これも一方が重解になる場合とならない場合に分けて考えるのね。

(3)2次関数のグラフの変化の問題。頂点の座標を平方完成で求める地味な方法を思い出せばできるはず。

(4)必要十分条件

うわ、やだな。こんな聞き方してくるかなぁ。場合分けして考えていたら時間がかかるから、ひとまず一つは適当に選んでから選択問題に進もう。

中問(2)統計

ヒストグラムの読み取りは、手間がかかりますが、度数分布表を作って計算ですね。箱ひげ図の読み取りは良いとして、散布図かぁ。そこはぶっ飛ばして相関係数の計算。単なる小数の割り算の手計算。ああ電卓使いたい。

と、ここまでできっと10点ほど捨ててきたな。

第3問 (選択)場合の数 確率

これは設定が小さい数字なので、樹形図書いても解ける。枝問で稼いでいこう。お?最後の条件付き確率は自信がない。それでも選択問題1つはクリア。

第4問 (選択)整数問題 剰余系

数値を指数で表していますが、実は規則性の問題。

第5問 (選択)平面図形

あ、メネラウスの定理だ。こっちを選択したほうが正解か?いやいや後半は円が絡む。やめた方が良いかな。

ううむ、今年の数Ⅰ・Aは各大問の最後にモヤモヤする問題があって、捨てる勇気が無ければ詰みそうです。私も受験生だったら失敗しているかも。平均点予測は河合塾38点、駿台ベネッセ43点。昨年の57点より大きく下がりそうです。確かに、昨年より難しかったです。点数が取れなかった受験生の皆さん、みんなも取れていないのですからガッカリしなくても良いです。

さて、ここまで本気で解いてみた感想は・・・腰が痛い。目がかすむ。

大学入学共通テスト2022を解いてみた①

2022年1月18日 火曜日

今年の共通テスト、事件や津波警報、大雪など各地でいろいろありましたが、何とか終わりました。今年の問題はどんな問題だろう。解いてみよう。

【英語リーディング】

第1問 実用文

スイーツの材料に使える果物についての話題と、動物園のキリンの赤ちゃんの名前を募集する企画の告知。緊張している受験生をほんわかさせる作戦でしょうか。楽しい設定です。

第2問 実用文

図書館の使い方、各国のペット事情、難しい単語はありません。

第3問 中長文

日本文化に触れたイギリス人ブロガーの記事。イギリスの3つの山に登るチャレンジ体験談。どちらもちょっと字が多いので読むほうも時間との戦いです。

第4問 中長文

学生向けの家電販売のページ。なぜ値段が違うんだろうと思いながら読み進むとわかります。

第5問 長文

テレビを発明した人の伝記なのですが、その内容をまとめたノートの穴埋めをするという形式です。どうやら先に穴あきノートの方を見てから本文を読んだ方が良さそうです。

(実は私はここで時間切れ)

第6問 長文

A:朝型と夜型。これもまとめノートの穴埋めです。

B:プラスチックリサイクルマークについての説明なのですが、本文が長い・・・。

というわけで、速読力が必要だという事を実感できました。キリンの赤ちゃんの話をじっくり楽しんでいてはダメです。

さて、平均点ですが、河合塾は去年+3点、駿台ベネッセは去年並みと予測しています。私も若干平均点上昇かな?と思います。

医学部 医師国家試験 合格率ランキング【過去5年分】

2022年1月14日 金曜日

いよいよ、本格的な受験シーズンに入ってきました。中学、高校、大学の各受験生も大変な時期、というわけですが、実は各種国家試験が行われる時期でもあります。2月の初旬には医師国家試験が開催されます。全国80の大学・大学校に設置されている医学部から全国で1万人弱の医大生が受験します。平均の合格率は9割程度ですので、そんなに難しくない試験なのかな?といえば大間違い。6分野、各75問(合計450問)の択一式(マークシート)の問題を解き続ける(6コマが2日間分けて3コマずつ配置)、というハードなものです。

大学ごとの合格者数は厚生労働省のHPに公開されています。それを元に過去5年分の大学ごとの合格者数÷受験者数で、合格率を計算し、ランキング形式にしてみました。(画像クリックで別ウインドウで開きます)

1位は私立、というより実態は公設民営の自治医科大学。 新型コロナ対策有識者会議の尾身会長はここの1期生です。 各地方自治体や遠隔地勤務等、地域医療に9年間従事する事で返済が不要になる奨学金も魅力です。全寮制で密度の高い教育が行われています。その成果でしょうか、ここ5年間で不合格者はわずか2人。驚異の合格率です。

2位も私立の順天堂大学。巨大な附属病院も有名ですが、私立の医学部としては学費が安い(新設の国際医療福祉大学医学部に次いで2位の安さで、年間約350万円。これは地方の国公立大学に行って独り暮らしをするのとそんなに違いはない金額)ので、特に首都圏の医学部志願者は国公立の併願として受験する大学です。こちらも5年間での不合格者がわずか17名となっております。

大学入試の難易度なら文句なしの京都大学と東京大学といった最難関校が上位に来るのか、といえばそういうわけでもなさそうです。(それぞれ40位と57位)

受験生も大変ですが、大学入学後も戦っている人たちがいるというお話でした。

【共通テストコロナ欠席】文科省 国公立大に異例の要請

2022年1月13日 木曜日

今週末、大学入学共通テストが迫ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の第6波による感染者数も増加し受験生に影響する可能性も高まってきました。このタイミングで1月11日、文部科学大臣は新型コロナウイルス感染症への罹患等で共通テストを欠席した受験生に対し、国公立大学は2次試験だけで合否を判定するように要請する、と記者会見で発表しました。

共通テストに関しては、新型コロナウイルス感染者は別室受験も認めない、という昨年末の発表から、一転して個別試験を容認するよう方針変更し、今回はそれすらも受験できなかった場合に備え、国公立大学に異例の要請を出すようです。

今の感染者数程度に抑えられていればこの救済の対象となる受験生はそれほど発生しないと思いますので、調査書等他の資料も参考に個別に合否判定するのでしょうが、2次試験の科目数の少ない大学では、苦しい判断を迫られることになるかもしれません。しかし、このような救済措置が現時点で発表されたことは、受験生の不安の緩和につながるでしょう。

当グループでは教室内での感染防止のため、消毒と換気を徹底しておりますので今日も寒い教室で受験生は戦っております。

【大学入試】英語外部検定利用は 果たしてお得なのか???

2022年1月12日 水曜日

英語の外部民間資格・検定(以下外部検定と表記)の大学入学共通テストへの利用は無くなりましたが、英語の外部検定を大学入試に個別に利用する動きは広がりつつあります。立教大学は昨年から、自校作成の英語の入試をほぼ取りやめ、外部検定か共通テストの結果を英語の成績として利用しています。

立教大学のこの新方式初年度の2021年度入試、英語の外部検定を取得していない受験生が避けることで出願者は減少するという世間の予測を裏切って志願者は44,099名(4,282名増)、受験者は42,363名(4,610名増)と大成功を収めました。(2020年度一般入試(全学部+学部個別)と2021年度(2月6~11日)日程の合計を比較)

定員の一部を「英語4技能テスト利用方式」として募集をしている早稲田大学の文化構想学部と文化学部(実は商学部も募集していますが、2021年度入試が最初ですので、5年間推移の取れる2学部のみ)の過去5年分の入試統計から受験者数÷合格者数で、受験倍率を計算してみました。すると・・・

受験者数が年々増加しており、それに伴って倍率も上がっています。昨年文学部は一般方式を超えています。しかし、入試は抽選ではありませんので倍率だけでは難易度の差はわかりません。そこで、合格最低得点率も発表している明治大学について調べてみました。まず、経営学部・・・

確かに検定利用の合格最低得点率が、一般方式よりも低くなっていますが、その差は少なくなり、2021年度にはあまり差が無くなってきています。次に商学部を見てみます。

何という事でしょう。2020年度入試から、検定利用の方が高い得点率でなければ合格できなくなっています。配点が違うので単に難易度が逆転していると判断するのも性急なのですが、少なくとも検定を持っている方が絶対にお得!という時代が終わったようです。外部検定取得者が増加しているにもかかわらず、大学側が検定利用による募集枠を広げていないため、逆に利用するほうが損をするという現象となっています。

というわけで、検定利用型の出願を考えている受験生は、それ以外の方法も併せて出願することをお勧めしておきます。

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報④

2021年12月21日 火曜日

一応昨日でこの公募推薦シリーズを終えるつもりでしたが、近畿大学と追手門学院大学の結果が入ってきたので、追加で紹介しておきます。

【近畿大学】

東大阪の10学部+医学部だけでグラフ化してみました。

まず、今年学科から学部に昇格した「情報学部」、なんと24.33倍!!! 大変なことになっています。今年は情報系の学部を志願する人が増えていますが、その分学部新設や定員増が行われているので心配ないよ、と思っていたのに、近畿大学の情報学部に対する期待感からでしょうか、いい意味でそれを裏切ってくれました。経営学部も7.84倍。昨年は5.84倍まで下がり、お得感が出たためでしょう、一気に反発です。国際も含めて2倍を割った学部はありませんでした。さすが近畿大学!

【追手門学院大学】

昨年13倍を超えた心理学部、反動で落ち着きましたが、それでも7.71倍。今年も受験生には厳しいです。一方、新設の文学部も4.34倍となかなかの人気です。心理、社会に続いて3番目の狭き門となっています。実は人気の地域創造が今回では最低倍率となりましたがそれでも2.37倍。以前狙い目として紹介した経済学部も2.46倍と落ち着きました。とはいえ追手門学院大学も近畿大学同様2倍を割った学部は皆無だったのでした。

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報③

2021年12月20日 月曜日

【関西外国語大学】

関西外大の志願者数は、コロナ禍の影響もあって、2年連続前年比15%前後の減少(2020年度を1とすると2022年度は0.71)と続落しています。その結果、いずれの学科でも志願倍率が低下しています。つまり航空業界、観光業界への就職に強い関西外大はコロナ禍の影響をまともに受けてしまったわけですが、語学のスキルを軸に、幅広い異文化理解の教育リソースは大変魅力ですので、今年は超狙い目だといえるのではないでしょうか。

【武庫川女子大学】

日本最大の女子大学である武庫川女子大学の状況も見てみましょう。短期大学を除く10学部の出願数は2020年度10,309件→2021年度8,238件(20%減)→7,874件(4.1%減)と連続して減少しています。2021年度の激減から食物栄養や教育のように反発して上昇した学部もありますが、看護や薬といった難易度の高い学部でも倍率が低下しています。募集人数としては少ないのですが、音楽の倍率が最も低くなっています。実はこの傾向はその他の音楽系の大学や学部でも見られており、演奏の機会が少なくなったコロナ禍の影響がここにも表れているのかもしれません。

というわけで、いくつかの大学の公募推薦入試の状況を見てきましたが、全体的には今年の公募推薦入試は多くの合格者が出たという意味で、それほど厳しい戦いではなかったといえるでしょう。しかし合格者数が増えても複数の大学に合格した人が増えただけなら入学者は増えないわけですから、まだまだ一般入試の枠には余裕のある大学もあると思います。

また、追加の情報が入りましたらここで紹介したいと思います。

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報②

2021年12月17日 金曜日

【摂南大学】

摂南大学は日程が二つあるのですが、今回紹介するのは結果が判明しているA日程のみです。まず、志願者数は2020年度16,111件→2021年度14,389件→2022年度14,101件と2年連続減少していますが、合格者数は4,951件→6,295件→8,313件と大幅に増加しています。その結果平均倍率は3.25倍→2.29倍→1.70倍と大幅に低下しています。

その中でも経営学部は3.66倍、安定の看護も3.30倍と高い倍率を付けましたが、農は1.09倍と、龍谷と同じく最も倍率の低い学部となりました。農学部といえば環境や食と直結する専門分野ですが、人は必ず食事はしますので、受験生の皆さん、狙い目ですよ。

【神戸学院大学】

神戸学院大学の出願数の推移ですが、2020年度6,667件→2021年度5,724件(14%減)→5,312件(7.1%減)と2年連続減少、それに対し合格数は1,557件→1,875件→2,717件と増加し、結果的に倍率は2.46→3.05→1.96と他大学とは少し違う動きが見られます。特に2021年度入試で7.85倍となった経営と隣接分野の経済は、今年はその揺り戻しでしょうか、大きく志願者が減っています。また、他大学では人気の法が、今回の結果では低い倍率となっていますので、一般入試での狙い目になるのではないでしょうか。(続く)

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報①

2021年12月16日 木曜日

最後の大学入試センター試験が行われた2020年度入試では、制度変更を嫌った受験生による「超安全志向」、コロナ禍の影響を受けた2021年度入試では、先行き不透明感から「早期決着」と大学入試の世界では2年連続で安全志向が続きました。そこで、今年はどうなるのだろう、という話になるのですが、9月以降のコロナ禍の鎮静化も手伝って、難関大学の秋のオープンキャンパスや説明会が大盛況と、強気の出願が増えるのでは、との説もあります。ところで、近畿圏では「産近甲龍」と呼ばれる規模の大きな大学群を中心に、公募推薦(学校推薦型選抜 公募制)が行われましたが、その結果をいくつか紹介してみたいと思います。

【京都産業大学】

京都産業大学の公募制推薦の出願数は、2020年度13,079件→2021年度12,154件(7%減)→2022年度12,332件(1.5%増)と推移しているのに対し、合格者数は2020年度2,523件→2021年度2,981件(18%増)、2022年度3,993件(34%増)と早めの入試で積極的に合格通知を出す傾向が見られます。その結果平均倍率は2020年度の5.18倍から2022年度の3.09倍まで低下しています。とはいえ、就職状況と研究実績で定評のある京都産業大学ですから、どの学部も2倍を下回ることはありません。

【龍谷大学】

龍谷大学の公募制推薦の出願数は、2020年度15,671件→2021年度17,644件(13%増)→2022年度20,350件(15%増)と続伸しています。それに対して、合格者数は2020年度2,885件→2021年度3,886件(35%増)、2022年度5,115件(32%増)とそれ以上の伸びを記録しています。その結果平均倍率(短期大学部除く)は2020年度の5.47倍から2022年度の3.98倍まで緩やかに低下しています。但しほとんどの大学で志願動向がマイナスとなっている「国際」が3.68倍と高止まり、「経営」では何と8.56倍という高倍率を維持するなど、龍谷大学の勢いを感じます。一方理系の2学部では志願者減がそのまま倍率低下につながった形です。(続く)

【教員志望者に】高野山大学 文学部教育学科 特待生制度【朗報】

2021年12月13日 月曜日

高野山大学と聞くと、あの和歌山の高野山の上、標高800メートル以上にある大学かぁ、通学は不可能だな、と思っている皆様、実は教育学科は大阪府河内長野市にあるのですよ。正確には協定校である大阪千代田短期大学(ちよたん)のキャンパスを間借りして開講しています。最寄りの千代田駅まで、南海難波駅から29分ですから大阪市内からでも通学できます。(駅から大学まではスクールバスで12分です)

さて、その教育学科からこのようなご案内を頂きました。何と入試成績上位者にはこのような手厚い優遇制度があります。しかも複数回チャレンジが可能な制度となっています。教員志望の方、利用してみては如何でしょうか。