雲雀丘学園の「アクティブ・ラーニング」

2017年4月7日 金曜日

兵庫県、阪急「雲雀丘花屋敷」駅すぐの雲雀丘学園中学校・高等学校は近年人気が高まっています。こちらの理事長の方は代々サントリー創業家ということですが、そのブランドで人気があるのではなく、大学合格実績も東大現役1、京大現役2、阪大17(内現役14)(2017年度入試速報値)と難関大学も含めて高い数値を出しており、進学校としても定評があります。しかし、こちらの高校のアクティブ・ラーニングもなかなか充実しています。

まず、2016年で既に13年実施されてきた「One Day College」という特別講義は、大学の最先端の先生を招いて行われ、生徒が書いたレポートのうち優秀作品が冊子に掲載されるというものです。ここまで聞くと、いやぁどこでも同じようなものあるんだけどな、という話になりますが、この講義はなんと30種類も用意され、その中から選ぶことができます。

2016年度のテーマは、「医学部で学ぶこと」(関西医大講師)「とっても身近な知的財産権‐携帯電話、アニメ、音楽から‐」(関大法学部教授)「曲線の秘密‐円から楕円へ‐」(大阪市立大研究員)「ポピュラーミュージックから世界を見る」(同志社大学教授)「ビジネスプランを作ってみよう」(日本政策金融公庫所長代理)「カッコいいデザインとは?」(九州大学准教授)「経営(商)学部で学ぶこと」(マサチューセッツ工科大学研究員)などなど・・・・。日本のみならず海外からもすごい研究者を集めてきています。また、これ以外にも環境系、歴史系、工学系など分野の幅が広く、非常に面白い企画となっています。

このテーマ設定だけにとどまらず、この学校では生徒さんのノートと感想、学校の先生のコメントが掲載された冊子が後日作成され、配布されます。自分が参加できなかった講義の内容も知ることができるという仕掛けになっています。併せて他の生徒のノートを見ることで、ノートの取り方の参考にもなるという効果もありそうです。

このイベント以外にも夏休みを利用して大学で研究体験をする企画もあるそうです。

というわけで、大学合格実績が良くなったので人気が出た、というものではなく、やはり生徒さんを育てるためには、大変であってもこれらの教育イベントを数多く企画・運営なさっている先生方の工夫や苦労が評価されたという事でしょう。それもあって中学入試では出願者が昨年より26%も増加(初日比較)しています。こちらのオープンスクールや説明会の予定も学校ホームページで案内しています。一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

城星学園と大阪星光学院

2017年4月6日 木曜日

以前、この欄でも紹介した大阪城の南の文教地区にある「城星学園」中学校・高等学校はキリスト教系の女子校ですが、昨年同じキリスト教系の「大阪星光学院」との人的交流を含む業務提携が発表され、「もしや合併??」と教育業界に激震が走ったものですが、今回は新教頭先生から直接話を伺う機会がありました。実はこの教頭先生自身が大阪星光から異動なさったそうで、なるほど、人的交流というのは先生の事だったのね、と納得です。

その先生が、昨年度の大阪星光学院特別ゼミ(ほしゼミ)の資料をくださいました。このゼミは、実際に病院や研究所に出向いて行う希望者参加の体験型学習です。半年で6回ほど行われています。「放射線治療」「はやぶさの軌道決定」「iPS細胞」「地球工学」・・・このように最先端の研究が行われている施設を利用することがなぜ可能なのかなと思い、よく資料を見ると、なるほど、これらのゼミの講師である研究者は大阪星光のOB達なのでした。理系の内容だけでなく、経営工学など社会科学のプログラムも用意されていました。また、このゼミとは別に高校生模擬裁判選手権の案内もありました。

そして、どうやら城星学園の生徒さんにも、こういったプログラムを提供しようと考えていらっしゃるとのことです。まだ、詳細は決まっていませんが、このような普通の中学生や高校生が触れることができない最先端の研究を見せてもらえるという事になれば、生徒さんにとっては大きな刺激となり、将来に向けた意欲も高まる事でしょう。元々少人数制を活かして理科の実験が多いなど、体験型の授業が多い城星学園ですので、生徒さんたちも喜ぶことでしょう。

因みに城星学園小学校は共学の進学校として有名ですが、そこから大阪星光学院への入学枠というのも検討中とのことで、お互いにメリットがある提携となりそうです。

城星学園中学・高等学校の今年度の入試説明会やオープンスクールの予定も既にHPに公表されています。このなかで具体的な内容が順次発表されていく事でしょう。今後もこの2校の提携が、どのような相乗効果を生むのか注目されるところです。

 

第1回私立女子中学校フェスタが開催されます!!

2017年3月29日 水曜日

都心にある私立の女子伝統校が一堂に会するイベントとして「第1回私立女子中学校フェスタ」が、開催されるとのことです。

内容は以下のとおりです。

第1回私立女子中学校フェスタ

日時:
2017年4月2日(日) 10:00~16:00
場所:
十文字中学校
アクセス:
JR巣鴨駅、都営三田駅・巣鴨駅、JR大塚駅より徒歩5分
内容:
生徒によるアトラクション・プレゼンテーション・体験授業・個別相談・女子校あるある座談会など
参加校:
跡見学園、鷗友学園女子、大妻、大妻中野、吉祥女子、共立女子、品川女子学院、実践女子学園、十文字、女子聖学院、東京家政大学附属女子、豊島岡女子学園、富士見、三輪田学園、八雲学園、山脇学園、和洋九段女子
※ご注意:男性のみの入場はお断りしております・上履きを必ずご持参ください(いずれもイベントHPより)

プレゼンテーション会場と個別相談ブース会場にあるスタンプポイントを回りスタンプを5つ集めると、景品と交換してもらえるスタンプラリーもあるとのことです。女子の中学受験生ならびにその保護者の皆さまは、ぜひご参加ください。ただし、春休み中ということもあり、当日は混雑が予想されますので、その点はどうぞお知りおき頂いた上でご来場ください。
また詳細につきましては、イベントHP(http://www.mirai-compass.jp.net/joshifes/)に当日のプログラムと会場別・学校別のタイムスケジュールが掲載されていますので、そちらも合わせてご確認ください。

以下はプログラムからの引用です。
わたしたちは、楽しい催し物を通して少しでも女子校のよさを小学生のみなさんに体感していただくためにこのフェスタを企画しました。アトラクションあり、プレゼンあり、座談会あり、体験授業あり、個別相談ありの充実したプログラムをご用意しました。わたしたち生徒が中心に行う初めての合同フェスタです。どうぞ今日一日様々な学校の会場に足を運んでいただき楽しい一日を過ごしてください。

 

東大ランキング2017 ③

2017年3月24日 金曜日

京大ランキングと同じように現役と既卒の割合も図にしてみました。

いやぁ、ここでも灘高恐るべし。図には表していませんが理Ⅲ合格者も18名と1位です。2位の開成の9人を大きく引き離しています。近畿圏で東大合格といえば、ここに迫る学校はありません。

また、この図を見ると、公立(学校名に★がついた学校)はことごとく中心線より下、つまり現役の合格率が低い学校となっています。全教科が得意科目でなければ勝負にならない東大では、公立の3年間という時間は短すぎるという事なのでしょう。おそらく医学部医学科で集約しても同じような結果になると思います。このレベルの入試では6年一貫教育の優位性が生きてくることがわかります。

今の好況感から、文系への回帰が起こってきています。また、一時は減少傾向にあった「遠距離入試」も回復傾向がみられます。従って東大の文系などは今後さらに難化すると考えられます。安定して東大への合格者を出していた進学校も、今後は厳しい戦いにさらされる事になるでしょう。

 

東大ランキング2017 ②

2017年3月23日 木曜日

京大ランキングで紹介した通り、兵庫の甲陽学院や奈良の西大和学園など関西から東大シフトしている学校もあります。その影響もあるのでしょうか首都圏の学校で合格者数が減少している学校が目立ちます。具体的にどのような学校が増加しているのでしょう。表にしてみました。(単年度で合格者が10名以下の学校では変化の割合が極端になりますので除外して集計しています。)

 

この表では、年度による波を緩和するため、2017年度入試実績(既卒含む)と2016年度入試実績の合計を、2015年入試実績と2014年度入試実績の合計数で割ったものです。つまりこの数値が高い方が東大合格者を順調に伸ばしている学校ということになります。

近畿地方の学校にはピンク色、その他西日本の学校を水色で塗っています。ご覧のように西大和と甲陽が増加率上位に食い込んでいます。併せて★印の付いた公立高校、☆印の国立大附属校も健闘していることがわかります。西日本の学校も4校が増加組に入っていますが、ラ・サール、愛光は伸びているというより、長期的にみると回復してきたという見方ができるでしょう。(続く)

 

東大ランキング2017 ①

2017年3月22日 水曜日

京大に引き続き、東大の状況も知りたいとのご要望を頂きましたので、東大に関しても同じ分析を加えてみました。(サンデー毎日・週刊朝日の数値を参照しています。この数値の元は学校からのアンケートによるものですが、100%回収できているわけではないのであくまでも途中集計としてご覧ください。)

学校の所在地が近畿圏のものには見やすいようにピンク色で塗ってみました。

 

卒業生数に対する現役合格者数の割合でランキングを作るとこのようになります。実人数ランキングでは東京の開成が159名(内現役103名)でダントツの1位ですが、卒業者数が400名近い学校ですので割合にすると2位となります。(続く)

 

京大ランキング2017 ②

2017年3月21日 火曜日

近畿圏では公立高校の躍進も目立ち、その動向が注目されていましたが、そこに注目してみましょう。かつては中高一貫の私立進学校に比べて、公立高校は入学してから3年間という時間の制約があるため、現役合格は厳しいとのイメージがありました。昨日に続いて現役と既卒の占有率の相関図を作ってみました。

 

近似線の上は現役より既卒の割合が高いことを示しています。すると同じ公立でも二通りあることが判ります。

 

堀川・北野・西京は現役の比率が高いのに対し、膳所・天王寺・茨木・奈良・長田などは既卒と比較して現役の実績が低めになっています。深い思考力や相当量の記述力が必要とされる京大に現役で合格するためには旧来の知識重点型の学習では厳しいわけですが、堀川や北野ではそのレベルの入試も意識した授業内容になっていると考えられます。西京は中学校も併設していますので、6年間という時間を有効に活用した実践もプラスに作用していると考えられます。いずれにせよ、大学進学に関して公立高校が伸びている、と単純に考えるのではなく、公立の間にも大きな違いがあると考えるべきでしょう。

高校選びの参考にしてみましょう。

 

京大ランキング2017 ①

2017年3月20日 月曜日

京大の2017年度入試の高校別合格者数が判明しました。(サンデー毎日・週刊朝日の数値を参照しています。この数値の元は学校からのアンケートによるものですが、100%回収できているわけではないのであくまでも途中集計としてご覧ください。)

※このランキングは2017年の実合格者数が15名以上の44校についてまとめています。それ以下の人数の学校では人数の増減が大きな割合になってしまうため、今回の集計から除外しています。

まず、週刊誌報道では現役と既卒を合計した人数によるランキングが発表されていますが、実数では学校規模の影響を受け、既卒者も合計すると学校というより予備校による成果も加味されるため、現役合格者数の卒業者数に対する割合で独自にランキングを作成してみました。

公立高校は学校名の後ろに★印をつけています。

1位は東大寺学園。既卒を併せた実人数では洛南が67名で全国トップですが、卒業者数が東大寺の2倍以上ですから、占有率としては低くなってしまいます。京大現役合格者数は例年安定して17%ほどで推移しています。

2位は甲陽学院。京大合格者数についてはここ数年わずかに後退していますが、東大合格者が3割増と東大にシフトしています。かつてはこのあたりの順位にランクインしていた西大和学園も今年度は14位に後退していますが、同様に東大合格者を3割以上増加させています。

3位は灘。単に現役合格が多いだけでなく、医学部医学科に21名合格と、全国の高校でぶっちぎりの実績です。ちなみに医学部医学科の合格人数2位は洛南の12名、二桁合格はここまでで、3位以降は一桁の人数です。
4位・5位と公立が続きます。(続く)

 

大阪私立 女子中学校フェア2017開催されます

2017年3月3日 金曜日

毎年恒例の「大阪私立 女子中学校フェア」が開催されます。大阪の女子中学校14校合同の説明会です。個別に相談できるブース形式の「説明コーナー」や、在校生が参加する「交流コーナー」も人気ですが、毎年入場が困難になるほど人数があつまるのは「学校紹介パフォーマンス」です。それぞれの学校の在校生がダンスや合唱など普段の練習の成果を披露してくれます。生徒さんたちが生き生きと主体的に活動している姿を目の当たりにできる絶好の機会です。どの学校がどの順番に出演するのかはまだ決まっていないそうですが、各校の違いを見るためにも早めの時間に来場し、いくつもの学校のパフォーマンスを見比べるのもお勧めです。

共学校の方が良いという女子小学生もいらっしゃるとは思いますが、ひとまず学校選びの選択肢を増やすためにも、このフェアに参加し、女子校の魅力も知っておくのはいかがでしょうか。

 

追手門学院中学校 入試関連イベント

2017年3月2日 木曜日

中学校入試がやっと終わったと思ったら、すでに次の学年に向けての説明会を開催する学校も出てきました。その中で、なんと追手門学院はこの時期に11月までの入試関連イベントをまとめて広報しています。

まだ新中学1年生が入学していない3月末の「ミニオープンスクール」から始まり、夕刻に開催される「イブニング説明会」などがすでに計画されています。追手門学院中学校を志願する小学生はもちろん、併願も含めて受験する可能性がある小学生は、この日程をカレンダーや手帳に転記しておきましょう。

合否を占うプレテストも複数の中学校で日程が重なる場合があります。したがって1月の入試本番だけでなく、プレテストのスケジュール調整も重要となります。そういった意味でも早めに日程を発表してくれる学校はありがたいですね。