令和4年(2022年) 最後のブログ

2022年12月29日 木曜日

早いもので、ついに2022年の最後のブログとなりました。今年も本ブログをお読みいただいた皆様、ありがとうございました。

高校では新指導要領(新課程)が導入され、今の1年生が新しい教科書を使う初めての学年となりました。色々と話題になっている「情報Ⅰ」という科目も2年生に回す学校もあるなど、それほど大きな混乱は無いように感じられます。しかし、彼らが迎える2025年度入試に関し、大学共通テストには「情報Ⅰ」が新設、地歴では日本史でも世界史でももれなく「歴史総合」が出題範囲となり、数学では文系でも数Ⅰ・A・Ⅱ・Bに数学Cの一部が追加されるなど、受験生の負担が増加する見込みです。履修内容や試験範囲の増加に対する賛否はさておき、難化した大学入学共通テストや出題範囲が増えた私立大一般入試を回避、つまり一般学力選抜をしない高校生が増加するのではないかという懸念もあります。新課程でレベルの上がった英語の教科書を使っている現在の中学生をみていると従来よりも学力差が広がったと感じている当社の教員も多く、大人の責任として、その格差に対する対応はもちろん、広がってしまった学力格差が今後の社会にどのような影響を及ぼすのかも考えておく必要もあるでしょう。

一方、海外に目を向ければロシアによる軍事侵略という、現代では考えられない蛮行が今も進行しておりますが、各国の環境問題に対する考え方にも影響を及ぼしています。たとえば原発を全廃し環境負荷の小さい天然ガスにエネルギーを依存することで環境問題の先進国とされていたドイツでは、ロシアからの天然ガス供給停止に対応すべく、原発全廃を延期し、エネルギー自給率を上げる方向で世論が動いています。経済性と環境負荷に加えて、自国防衛という3つの要素から最適解を求めなければならないという難しいかじ取りを強いられています。実学というものは、無駄を省き、人々の生活を豊かにしようとするものですが、何を犠牲にして、何を我慢すべきか、そもそも国家とは何か、などと考える局面ではむしろ形而上学的な思考も必要とされることでしょう。

今年のブログを読み返してみましたが、あまりに薄い内容で、ガッカリします。目先の入試に向けた情報や対策も重要ですが、そもそも何のために勉強をすべきなのかを考えさせられるような、実のある内容を掲載しなければならないなと思いつつ、引き続き出来る範囲での情報提供も行ってまいります。皆様に於かれましても、来年はさらに良い年になるように願っております。引き続きよろしくお願い申し上げます。<m(__)m>

次回の更新予定は2023年1月4日となります。

京都府 令和5年中学校卒業予定者の進路希望状況

2022年12月28日 水曜日

昨年も紹介した京都府の今年度卒業予定の中学生の進路希望状況が、今年も京都府教育委員会から発表されました。

卒業予定者総数は昨年よりも204名減の22,211名とほとんど変わらないのですが、私立高校希望者は7,544名と昨年よりも148名増えています。学習すべき内容が大きく増加した指導要領の改訂で、高校の教育力がより重要となってきていますが、私学の手厚さが見直されているということでしょうか。

一方、通信制への進学希望者が451名(2021年度)⇒570名(2022年度)⇒760名(2023年度)とここ2年で約1.7倍と存在感が増してきています。

【年末年始といえば】第102回 全国高校ラグビーフットボール大会 近畿圏出場校【花園】

2022年12月27日 火曜日

年末年始といえば、お家でゆっくり過ごそうかな、という方もいらっしゃるとは思いますが、熱く戦っている高校生もいます。今年で102回目となる「全国高等学校ラグビーフットボール大会」(通称:花園)は本日から始まります。

近畿圏からの出場校は以下の通り。初戦日も入れてみました。

【和歌山県】 近大附和歌山(2大会連続4回目)12月27日

【滋賀県】 光泉カトリック(4大会連続12回目)12月28日

【大阪府1】 常翔学園(8大会連続41回目)12月30日

【大阪府2】 大阪桐蔭(2大会連続16回目)12月30日

【大阪府3】 東海大大阪仰星(4大会連続22回目)12月30日

【兵庫県】 報徳学園(7大会連続48回目)12月30日

【京都府】 京都成章(9大会連続15回目)12月30日

【奈良県】 天理(4大会ぶり64回目)12月30日

近大附属和歌山と光泉カトリック以外はシード校という強豪ぞろいです。因みにラグビーはケガが多いためかラグビー部そのものが無い学校も多く、初出場校が生まれにくいといわれていますが、今年は北海道の立命館慶祥高校が初出場です。こちらは初戦が12月28日。こちらにも注目です。

【2023年度は】滋賀県立中学校 志願倍率確定【去年より増えてます】

2022年12月26日 月曜日

2023年度(令和5年度) 滋賀県立中学校入学者選抜の出願数が確定しました。

今年は3校併せて621名と過去最低だった昨年よりも50名増加しています。ことしも県立守山中学校が最高で、4.31倍という狭き門になっています。

入試は1月14日(土)朝9時集合で、作文、適性検査と続き、最後の集団面接終了予定時刻は16:10。午前8時ころ開戦し15時頃終わったとされる関ヶ原の戦い並みの長き戦いとなっております。受験生の皆さんは実力を出し切っていただきたいと思います。合否発表(公式には「入学許可予定者の発表」)は21日(土)午前10時です。

【早くも2024年度入試向け】帝塚山学院中学校ミニ説明会【つまり現在の小5以下対象】

2022年12月23日 金曜日

来月の今頃、近畿圏の私立中学校では合否が確定しているのだろうなぁ、と思いながらカレンダーを眺めていたら、帝塚山学院中学校から保護者向けの「ミニ説明会」のご案内が届きました。見ると2024年入試、つまり今からだと再来年の入試に向けた説明会です。中学入試は終わっているとはいえ、高校入試前後の超御多忙の中、実に早い募集イベントスタートです。

平日の午前中を使ったキャラバン説明会が7回も用意されています。個別相談もできるようです。小3~小5女子の保護者の皆様、昨日紹介したような多くの受験生を集めている帝塚山学院の人気の秘密を探ってみましょう。

【続報】近畿圏 中学入試プレテスト 動員状況

2022年12月22日 木曜日

前回速報をお伝えしてから3週間。かなり順位も変わっていますので、紹介しましょう。

まず、今年度動員数ランキング(2回以上実施の学校は複数回の合計)

1位:帝塚山学院 1,170名 昨年よりも58名減ですが、1,000名超です。

2位:大阪桐蔭 1,101名 昨年よりも155名減。昨年は首位でしたが、今年は惜しくも2位。それでも余裕の1,000名超です。

3位:常翔学園 1,088名。速報では暫定首位でしたが、恐らく3位で確定でしょう。

4位:関西大学北陽 988名 昨年よりも30名減で1,000名を割りましたが、根強い人気は変わりません。

5位:清風南海 950名 こちらも例年通り上位です。

6位~10位はご覧の通りです。

次は伸び率ランキング

前回ランクインしていなかった学校だけ紹介します。

2位:神戸山手女子 179.17% コース改編をはじめとして、教育内容のリニューアル進行中。グローバル教育と探究活動を軸に、進学実績にもこだわる学校へと変貌しつつある注目校の一つです。

6位:大谷(京都) 143.37%。実数で100名以上の伸びです。高校入試でリスニングを導入する事でも話題になっていますが、中学からの6年間を、2年+3年+1年と区切りをつけたコース編成で従来から行われている先取り学習ももちろん人気ですが、オンライン英会話やAIを利用した個別学習システムなど最新の技術を積極的に取り入れる柔軟さも好評なようです。

7位:京都橘 141.86% こちらも元気な進学校で、高校募集も好調な学校です。女子バレーボール、男女サッカー、は全国レベル、吹奏楽部(特にマーチング)はもはや世界レベルと部活動も活発ですが、進学実績も伸びてきているだけでなく、拡大路線を続ける京都橘大学も存在感を増してきており、注目度が上がっているのも納得です。

9位:初芝立命館 138.78% 立命館大学に進学するコース(昨年は提携枠で立命館大学に118名合格)ももちろん安定の人気を集めていますが、国公立に22名(内現役21名)などそれ以外の大学への合格実績の高まりも注目されています。

10位:城南学園 129.03% 保育園から保育系の大学院まで備える総合学園ですが、中学校は内部進学も含んで50名募集という規模の女子校です。学力養成に加え、人間力養成として、ピアノの個人レッスン、茶道・華道・筝の授業や、体育では弓道を取り入れるなど特徴的な教育も行われています。

というわけで、これらの学校は今年の注目校ということになるのでしょうか。もちろん伸び率の方は昨年比較ですので、規模の大きな学校は上位ランクに出てきにくいわけですが、逆に規模が小さくても注目すべき学校という意味で挙げさせてもらいました。今後の動向に注目です。

【コロナ禍ですし】学習塾の中学入試当日の入試応援について【ご近所の目もありますし】

2022年12月21日 水曜日

12月1日のお願いが通じたのか、中学入試当日の学習塾の応援についていくつかの学校からお知らせが届きました。場所や動線に関して細かく指示していただいている学校もありましたが、対応はざっくり以下の3通りに分類できます。

①ご自由にどうぞ

関西大倉、清風、浪速 など

②人数制限有り

四天王寺(5名以内)、大阪女学院(3名以内)、開明(3名以内)、清教学園(2名以内)、香川誠陵(2名以内)、金蘭千里(最低限で)、大阪府立水都国際、咲くやこの花(適正な人数で)など

③今年もご遠慮願いたい

同志社、立命館、高槻 など

もちろん、今後のコロナだけでなく、インフルエンザなどの感染症の広がりによっては③に移行する学校も考えられます。特に指示をいただいていない学校でも、人数も絞り込んで、道に広がらないなど、ご近所にも一層の配慮が必要でしょう。ともかくスムーズに入試が行われることが最優先ですので、学校のご迷惑にならないように気を付けます。

【激震】早稲田大学 2025年度入試方針発表【新課程がっつり】

2022年12月20日 火曜日

新課程入試初となる2025年度入試の動向が気になるところですが、早稲田大学は2025年度入試の変更点を発表しました。

①基本的に全学部が新教育課程に対応した出題範囲で試験を実施する

⇒例えば今の高校1年生は、2年生からの歴史の選択で日本史か世界史のどちらかを選択することになっても1年生で必修科目の「歴史総合」を学んでいますので、共通テストはその範囲に関しては日本史・世界史融合問題となるわけですが、早稲田は歴史に関しては「世界史探究」「日本史探究」の範囲のみと発表しています。但し、地理に関しては「地理総合」も範囲に含まれるようです。

数学の試験範囲は文系であっても数学C(ベクトルのみ)が含まれることになります。

★但し、2025年度入試のみ、旧課程と新課程の共通範囲からの出題となります。つまり1浪(現高2の学年)までは救済されることになります。

②共通テストの「情報Ⅰ」の利用する学部、方式を設ける

⇒政治経済学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部の4学部とスポーツ科学部の共通テスト+競技歴方式で共通テストの「情報Ⅰ」を選択科目に含める、とのことです。必須ではありませんが、選択できるということは、当然共通テストの「情報Ⅰ」に向けて準備をしてこの科目を受験することが求められているということになります。

③社会科学部と人間科学部では一般選抜を共通テスト+学部独自試験方式に変更

⇒センター試験、共通テスト利用に積極的な早稲田が、さらに共通テスト利用に重心を移したかたちです。

④商学部で一般選抜の英語4技能テスト利用型の募集を停止、一方で文化構想学部や文学部では、英語4技能テスト利用方式の募集人数を増加。

⇒学部間で英語4技能テストへの評価が分かれています。

⑤国語の出題範囲は「国語表現」以外の5科目です。

⇒新たな教育課程の国語では、「現代の国語」「言語文化」が共通必履修科目で、「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4科目は選択となっています。早稲田は「国語表現」以外の5教科を試験範囲として発表しました。つまり「文学国語」も含まれますので、要注意です。

他大学の、今後の議論にも影響を与えそうな内容となっています。これから各大学からも順次発表が行われると思いますが、試験範囲や共通テスト利用についてなど、詳細情報にも注意しておきましょう。

近畿大学 公募推薦 得点率ランキング(理系)

2022年12月19日 月曜日

前回と同じように理系の学部、学科、コースについてのランキングも頂いておりますので紹介します。

東大阪のキャンパスが上位に集まる傾向がありますが、知名度抜群の水産学科もなかなかハードルが高いようです。因みに同じ理工学部の中だけでも得点率は49.5%から65.5%と結構幅があります。一般入試の出願のご参考にどうぞ。

近畿大学 公募推薦 得点率ランキング(文系)

2022年12月16日 金曜日

近畿大学の学校推薦型選抜(一般公募)の合否発表が行われましたが、同じ試験が行われた中での得点率ランキングのリストを頂戴しましたので紹介します。〇で囲まれているのが順位です。

まず、問題が同じ、法学部と経営学部でのランキングです。

法学部が1日目は1位、2日目も2位と高めですが、正直あまり学部学科間での差はありません。ところが、それ以外の文系学部を見てみると・・・

数学が選択できる経済学部だけ別扱いになっています。12月3日を見ると、国際学部の中国語コースの得点率54.0%だったのに対し、文芸学部の英語英米文学専攻、総合社会学部の心理系専攻では共に72.5%と大きな開きがありました。この序列は一般入試でも同じような傾向がありますので、複数の専門分野で迷っている場合は、順位に差がある学科や専攻を併願で受験すると良いでしょう。