大阪府私立高校 入学者数ランキング2022 (旧2学区)

2022年5月13日 金曜日

この地域の府立高校の平均倍率が低く、併願からの戻りが少なかった旧2学区についてです。まず、表にしてみて気が付きましたが、女子校は1つになっているのですね。

1位 大阪桐蔭高校 679名

中学からの進級289名を含め、安定して600名以上の高校入学を維持している大阪桐蔭。その安定の理由の一つが上位難関公立校の併願という受験生が多いという点です。何と併願合格者の23%にあたる90名も併願で戻ってきています。

2位 常翔学園高校 636名

こちらは併設中学からの進学が90名ですから、高校からの入学者が多数を占めます。以前このエントリーでも紹介したように新たな設備も完成、コース編成もリニューアルして今年も多くの入学生でにぎわっています。

3位 四條畷学園高校 606名

例年400名前後が入学する学校ですが、今年は600名超!専願だけで募集定員を超えている人気ぶりです。元から元気な学校ですが、HPの全面リニューアルでその魅力が伝わったという事でしょうか。さらに元気な学校になっていくことでしょう。

4位 大阪産業大学附属高校 603名

大阪桐蔭と同じ法人のこちらの学校も多くの入学者を迎えました。昨年よりも減少していますが、それでも600名超。 併願者が多い学校で、併願の戻りが少なかったという外的要因が入学者減少の主な原因ですので、人気が減少したわけではありません。アメフトをはじめとする部活も活性化していることでしょう。

5位 大阪電気通信大学高校 481名

普通科と工学科を併せ持つこの学校は専願率が高く、こちらも専願だけで募集定員を超えていました。情報工学を中心に理系人気が高まってきていることも影響しているのでしょうか、ここしばらくは募集定員以上の入学者を迎えています。共学校ですが、女子率はまだ2.5%と少なくなっています。急募、工学系女子!(続く)

大阪府私立高校 入学者数ランキング2022 (旧1学区)

2022年5月12日 木曜日

中間テストの時期が近づいてきました。高校に合格、入学して舞い上がった毎日を送っている皆さん、そろそろ現実に戻ってきてください。

それはさておき、私立高校の入学者数が明らかになってきましたので、入学者数ランキングを作ってみました。高校募集を行っていない学校は併設中学校からの進級者のみになりますが、リストに入れています。

今年の状況をわかりやすくするために、 2015~2021の過去7年間の平均と、2022年度との差も計算してみました。旧1学区の学校ランキングです。

1位 箕面自由学園高校 879名

昨年も765名の入学者を迎え教室が足りない状況だったのですが、今年はどんなことになっているのでしょうか。府立高校の多くが300名前後の定員ですから、その3倍というとんでもない人数となっています。大学進学実績も急上昇中ですが、この人数で部活動もさらに活性化していることでしょう。

2位 大阪高校 765名

高校からの募集のみでこの規模はすごいです。ここ8年間では最高の人数となっています。数多くの大学と連携した探究学習など多彩な学びも人気です。この規模になりますと生徒同士の相互の刺激も期待できますね。

3位 大阪成蹊女子高校 505名

500名超という規模は、女子校で大阪府下最大となっています。60名募集の美術科である「アート・アニメーションコース」を除くと普通科ですが、その中を6コースに分けて行われている女子に特化したキャリア教育が支持されている形です。

4位 履正社高校 469名

併設中学からの進級は34名ですから、ほぼ高校からの募集による入学者という事になります。新校舎の完成、強化クラブに所属する「競技コース(旧Ⅲ類)」の生徒以外の部活動も可能となるなど、ハード・ソフト面でのリニューアルが中学生のハートを掴んだということでしょう。

5位 大阪学院大学高校 458名

昨年から減少はしていますが、安定して多くの入学者を迎えている高校です。2020年に新校舎が完成、JR岸辺駅からのアクセスが良くなりました。阪急京都線の南にある旧校地には総合スポーツ施設の建設が進んでいます。こちらも楽しみですね。(続く)

立命館宇治中学校・高等学校 オープンキャンパス

2022年5月10日 火曜日

コロナ禍による休校期間中でも、オンラインで授業や校内イベントをやり切った京都府宇治市の「立命館宇治中学校・高等学校」から、今年もオープンキャンパスのご案内が届きました。ここしばらくは定員を絞って複数回に分けての開催でしたが、今年は中高1つずつの設定となっています。この学校は特に、特色のある教育内容、充実の学校施設など、行かなければわからないことが多いと思いますので、志願者はもちろん、少しでも興味のある受験生は参加してみては如何でしょうか。5月26日から受付開始となっています。詳しくは受付開始の頃に学校HPをご覧ください。その前に全体説明を聞いておきたい中学入試を考えていらっしゃる方は、5月21日にオンライン説明会もありますので、そちらもご覧ください。

令和4年度全国学力・学習状況調査の調査問題に見る「学力」の変遷

2022年4月22日 金曜日

国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Researchのホームページに全国学力・学習状況調査の問題が掲示されていたので見てみました。知識の比重の高い理科の問題を見てみました。

おお、大学入学共通テストも大好き(?)な会話形式・・・

(2022年度 全国学力調査 中学理科 より抜粋)

実は学力調査の理科の問題は10年前から会話文形式なのです。大学入学共通テストよ、ようやく追いついてきたかぁ。

(2012年度 全国学力調査 中学理科 より抜粋)

しかし、同じ会話文形式ですが、実は必要とされている力が異なります。2012年は単に知識を聞いているだけです。一方今年の理科は実験・観察の手法についてその操作から得られる情報を整理して考えるという思考力を測る内容となっているのです。

他の教科でも知識や技能を測るだけではなく、その問題内の条件での思考力・判断力の比重が上がっています。というわけで、求められる「学力」の変化に伴い、高校の入試問題も次第に変わっていくことでしょう。

大阪偕星学園は丸ごと進学校になっていたのだった

2022年4月20日 水曜日

大阪環状線、桃谷と寺田町の間にある、「大阪偕星学園」に関するお話です。その昔「此花学院」という、卒業すれば就職することが支配的な学校は、9年前に校名変更し、校内予備校も導入して進学校として再出発しました。特進コースは大学受験に特化、進路探究コースは保育やITビジネスなどの目標に応じた選択授業、スポーツコースは全国レベルの戦績を誇るなどそれぞれ成果を出していたのですが、近年では大学進学に関して特進だけではなく、学内全体に裾野を広げる作戦で、どのコースからも大学進学実績が出るようになったようです。2022年度入試でも国公立合格者が3名となる一方で産近甲龍52名、摂神追桃97名等中堅私立大学の実績が大幅に増え、しかもどのコースからでも合格が出るようになったそうです。スポーツコースでも戦績を追い求めるだけではなく、スポーツを通して人間教育を、さらに大学の推薦入試を、という方向に舵を切ったとの事で、全校一丸となって進学校に生まれ変わろうとしているのが感じられます。

こちらの学校では9月10月11月にオープンスクールも開催されますが、それよりもありのままの普段の学校の姿も見てほしい、という思いからでしょうか、毎日学校見学・個別相談も行っています。予約制となっておりますので、学校のHPからお申し込みください。

都道府県別 高校の規模

2022年4月14日 木曜日

大学入試改革から高校改革、という話になった時、大阪の学校関係の方から「東京の学校の先進事例を見てきたのですが、どうもうまく取り入れることができないのです」というお悩みを聞きました。その違いはなんだろう、と思い、人口統計と学校統計を掛け合わせて、「高校1校、1学年あたりの平均生徒数を計算してみました。(人口統計は都道府県別では5歳区切りのデータしかありませんので、15~19歳人口を取り出し、それを5で除して1歳あたり平均何万人いるかを計算し、それを全日制の高校数で除しています。寮のある学校や広域通信制に在籍する生徒もいるわけですが、今回は考慮せずに計算しています)

すると、大阪は332人、東京は260人というわけで、東京のほうが人口が多いですが、それ以上に学校数が多いので、1校当たりの人数は大阪よりも2クラス近く小さいことになります。

なるほど、それで私学でもコース制が無い、またはコース数が少なく、その改編もまれ、という事になるわけですね。というわけで、規模だけで考えれば大阪の学校が参考にすべきなのは、愛知や神奈川、埼玉の高校なのかもしれません。因みに全国で一番規模が小さいのは島根県で1校1学年平均140名となっています。人数の少ない学校の方が、目が行き届くようなイメージもありますが、例えば部活動で集団競技のチーム編成が難しく、教職員の人数も少ないことから、先生方の負担も大きくなるなどの問題もあるわけです。人口減少が進んでいる地域では、地理的な要因もあり1校当たりの規模を大きくすることは容易ではありませんが、ICTも活用した他校との合同展開授業など、今だからこそできる教育活動が求められているのかもしれません。

【春の入試イベント】大阪女学院中学校高等学校 学校説明会【学校外】

2022年4月8日 金曜日

大阪上町台地の閑静な文教地区に位置する大阪女学院は緑豊かな余裕のある校地も自慢です。この写真は中高の玄関前から南西方向に撮影したものです。さすがに生徒さんの配置は写真のためだと思いますが、平日の昼休みにお邪魔した時には屋外でお弁当を食べているグループ、ベンチでギターの練習をするグループなど、まるでドラマの1シーンのような光景が見られました。

それはさておき毎年恒例となりました大阪女学院の春の学校外での説明会、今年は江坂と西宮で開催されます。略地図上の黄色い丸が会場の場所を示しています。西宮会場の「なでしこホール」は阪急西宮北口駅から1分もかかりません。いずれも申し込み制となっています。詳しくは学校のHPをご覧ください。

全国の私立高校数

2022年4月6日 水曜日

令和3年度の学校基本調査がこの3月にようやく上がってきました。そこで、全国の私立高校の数を見ていると、結構地域差があることに気が付きましたので、日本地図風の図にまとめてみました。

人口密度の低い北海道、案外多いです。しかし東北は少ないです。近畿圏では大阪府と兵庫県、京都府に私学が集まっています。沖縄県は4校。確かに通信制を除くとそうなるのですね。全国一私学が少ないのが徳島県。そんなにニーズが無いとも考えにくいのですが・・・。

私学が少ない地域でもそこの先生方は多彩な教育活動にいそしんでいると思いますが、私学の多い地域は中学生にとって選択肢が多いというメリットもあるわけです。ここに子育て世代が集まってくるのも理解できます。

というわけで、学校の違いをもっと紹介しなければなぁ、と思ったのでした。

コロナ禍と学校のICT活用②

2022年3月30日 水曜日

さて、文部科学省は、土日祝を除いて連続5日以上の休業があった学校(小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校及び特別支援学校)に対してこの1月~2月に同様の調査を行いました。すると、「同時双方向型のウェブ会議システムの活用」を行った学校は69.6%と、この2年間で劇的に増えていることがわかりました。公立の割合が高い小学校に限っても70.6%と高い割合となっており、地方自治体や現場の先生方の努力が感じられます。逆にテレビ放送の活用は24%から12.1%と半減しています。そりゃそうでしょう。言われたとおりに教育番組を見続ける子どもはそれほど多くはないと思います。

というわけで、子どもたちのオンライン授業に対する耐性(?)もかなり向上していると思われますので、中学校、高等学校のICTを生かした教育活動もさらに効果的になっていくことでしょう。

【出典】 新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業期間中の学習指導等に関する調査<結果>(令和4年3月18日)文部科学省

コロナ禍と学校のICT活用①

2022年3月29日 火曜日

年度末になりますと、2020年、つまり2年前の3月の事を思い出します。2月27日夕方に政府から発出された休校要請。それに伴い学校生活は一変しました。部活動も全面禁止。音楽系のクラブが春休み中に予定していた引退コンサートも急遽なくなり、春の選抜高校野球大会も中止。卒業式、終業式も開催できず、その年に異動、定年になる先生方の離任式も無く、いつまで続くのかわからない春休みに突入したのでした。

そのような状況下でも私学を中心に一部の学校ではオンライン授業が行われました。しかし令和2年4月の文部科学省による調査では、双方向web会議システムを使っての授業が行われたのは全国で5%の学校に過ぎなかったそうです。(つづく)

【出典】 新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について(令和2年4月16日時点)文部科学省