開智中学校・高等学校「S1類」初の卒業生の進路は・・・

2017年6月14日 水曜日

和歌山市の開智中学校・高等学校は、阪和線の六十谷(むそた)駅の近くにある1学年250名程度の進学校です。S1類という進学に特化したコースを設置したのが3年前、というわけで初めての卒業生の大学合格実績が出ました。この年度の卒業者数は273名です。

 学校ホームページより

過年度生も含んだ合格実績数ですが、国公立合計143名!学年の半分以上が国公立に合格できたという快挙です。現役に限っても6割以上が国公立に合格したとの事です。十分な授業数と朝7時から解放している自習室など、大学進学に対応した環境も備わっていますが、薬学部や医学部など難関学部への合格に向けては先生方の個別の対応がなされたと考えるべきでしょう。

 

関関同立の指定校推薦枠が30名以上あるそうですが、ほとんど使われずに返しているとの事です。学力をつけて一般入試に向けて戦うという進学校として正しい姿勢を貫いている学校なのでした。

 

 

ノートルダム女学院中学校・高等学校オープンスクール

2017年6月13日 火曜日

京都のミッション系の女子校、ノートルダム女学院は、中学校からは120名以上の募集ですが、高校からは30名程度の募集といった、中・高6年間を通して学ぶ生徒の割合が高い学校です。京都に暮らしている人にとっては馴染みのある白川通りの「錦林車庫」のバス停に夕方になれば茶色い制服の御嬢さん方が横一列に整然と並んでいる光景を見ることができます。

それはさておき、この学校、大学への推薦枠を豊富に持っている事でも知られています。2015年実績として、同じキリスト教系の関西学院大学へは20名の、同志社大へは7名、上智大へ4名の指定校推薦枠があったそうですが、昨年度、関西学院大学の「協定校」になりましたので、もっとその枠は拡大されそうです。それ以外でも、関西大10名、立命館大8名、さらに薬科大で12名、歯科大で8名など難関大の推薦枠も持っています。というわけで、この学校で上位にいればこれらの大学が待っているというわけです。

元々英語教育が熱心な学校ですが、昨年度から新設されたグローバル英語コースは、英検準1級取得を目指すという目的がはっきりしており、そのためのカリキュラムが用意されています。さらに2018年から3コース制となって、指定校推薦に加えて、一般入試でも戦えるように、新たな大学入試にも対応するという計画です。

詳細についてはひとまずオープンスクールに参加して、説明を聞いてみましょう。茶色い制服の試着もあるようです。

(画像をクリックするとPDFが開きます)

ところで、この学校、ミッションスクールなのに座禅体験が行われているそうです。教会が怒ってこないのか大丈夫なのでしょうか。気になる方は直接お聞きください。

 

 

【スクープ】初芝立命館高校 コース変更!【立命館が滑り止めに?】

2017年6月12日 月曜日

今春の入試まで、「立命館コース」「グローバルSコース」「グローバルAコース」の普通科3コースおよび体育科の4類型で募集していた初芝立命館高校ですが、次年度からの募集から普通科の区分けを変更するようです。

「立命館コース」はそのまま残りますが、その上に「アドバンスト英数コース」という難関国公立や医歯薬系を目指すコースを増設するようです。もちろん難易度は「立命館コース」よりも上に設定されるため、岸和田や三国丘志願者もこのコースで出願しておいて、このコースでの合格通知が来れば安心して公立トップ校に出願、立命館コースに回された場合は、泉陽や鳳を受験するか、そのまま立命館大学進学が可能な立命館コースに入学するか、という選択が可能となります。

また、「グローバルS」と「グローバルA」も差が大きく、併願受験した場合の、公立出願のための指標としては使いにくかったのですが、こちらも「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」と細かい区分けに改善されるようです。もちろん入学後の生徒に対しても学力的にフィットしない生徒を減らし、進学実績の向上につなげようという意図があるようです。

中学校は今までと同じく、「アドバンスト立命館コース」「立命館コース」「セレクト・アカデメイアコース」としての募集ですが、高校入学時に「アドバンスト英数コース」に進むという選択肢が増えますので、例えば立命館大学に無い医学部に進みたいぞ、という場合には、頑張ってアドバンスト英数コースに進めば学校が受験対策をしてくれるというわけです。

大学と連携している高校は、学力的にトップの層を連携クラスにするのが通例ですが、今回の変更で、立命館大学への連携枠が2番目の位置づけとなるわけです。しかも今回の変更の提案は、大学側から示されたともいわれています。同じような連携枠を持つ高校のみならず、連携校に対する大学の姿勢にも影響を与える改革だといえるでしょう。

学校説明会などでの今後の詳しい内容が発表されると思います。気をつけておきたいと思います。

 

 

関西大学 併設中学校・高等学校 合同説明会開催!

2017年6月8日 木曜日

私立中学校・高等学校への進学のための学校選びの一つに、大学併設の中学校・高等学校の選択肢があります。以前からのニーズとして今なお強い人気があるようです。特に近年は、少子化により各大学が魅力をアピールして生徒獲得に熱が入っており、併設の中学校・高等学校からも進学しやすい条件をつくり出しています。

例えば、関西大学併設の中学校・高等学校では、単に関西大学に進級するだけでなく関西大学への進級を担保に国公立大学を受験することもできます。併設私立中学校⇒併設私立高校⇒国公立大学の道も開けています。

昨今、変わりつつある中学・高校入試の入り口だけでなく、出口(大学進学)もしっかり見据えて学校選びをしなければならないと思います。

関西大学 併設中学校・高等学校(関西大学第一/関西大学北陽/関西大学中等部・高等部)合同説明会が、7/8(土)に開催されます。是非、ご参加・ご参考にしてみてください!

 

 

宇宙に一番近い学校

2017年6月2日 金曜日

いきなりですが、公立の中学校・高等学校なのに、男子校、しかも全寮制という学校が九州にあります。2015年に開校した「鹿児島県立 楠隼(なんしゅん)中学校・高等学校」はこの春、初めて全学年が揃ったという新しい学校です。

 

(Google Mapより)

まず特徴的なのは7時間授業が行われるうえに、全寮制ですので、寮にも学習室があり、先生方が夜も学習指導を行っていることです。つまり365日学習合宿をおこなっているような学校です。さらに英語や中国語漬けの語学キャンプも行っているようです。

中学校は1学年60名、高校からは30名募集ですので、来年度の高1が90名になるはずですが、これだけの人数が寝食を、それも3食を一緒にいただくという世界です。

この学校がある鹿児島県肝属郡(きもつきぐん)肝付町(きもつきちょう)にはJAXA(宇宙開発事業団)の内之浦宇宙観測所というロケット発射設備があります。その縁で、この学校は「JAXA県教育委員会提携宇宙航空教育推進モデル校」となっており、実際にその観測所を訪問するなど、宇宙事業への関心を高める取り組みがなされているようです。また、大学の先生による宇宙物理の講義が行われるなど、単に体験で終わることが無いような工夫がなされています。

 

大学入試実績は2018年度入試からなのですが、最初の3年間は高校から入学した30名による実績となります。中高一貫含めて1学年90名が揃うのは2021年度入試からになりますので、その実績が楽しみであります。

このようにまだ、今のところ進学に関する実績が無い状態でも、2017年度入試では、出願者数:143名(県内:77名/県外:66名)で倍率:2.38倍となっています。実際には出願はしなかったけれども、この学校の教育に関心を持っている人も結構多いようです。

寮費は月に6万円前後必要なようですが、3食+大きなお風呂、お洗濯のサービスと先生の補習がついていると考えると安いかもしれません。

学校説明会が日本各地で開催されます。関西では大阪梅田で6月10日 午後2時から、京都で6月11日 午前10時からです。

宇宙物理学者や宇宙飛行士を目指す小学生は是非、ひとまず説明会に参加してみましょう。

(下の画像をクリックすると、PDFが開きます。このチラシの裏面に説明会場が記載されています。)

 

 

 

堺リベラル中学校・高等学校 入試関連イベントのご紹介

2017年6月1日 木曜日

以前、このブログで紹介したように「堺リベラル中学校」に高等学校が設置されるという紹介をしましたが、どのような学校になるのかを紹介する、生徒・保護者向けのイベント一覧が届きました。

(画像をクリックするとPDFが開きます。)

中学受験生向けには「夏の勉強会」や「プレテスト」といった受験向きのイベントが多数用意されていますが、今回設置される高校に関しては、どのような学校になるのかといった説明会に加え、オープンキャンパスや校外ライブ(!)など、体験型のイベントが用意されるようです。チラシによるとランチの試食もあるようですが、この学校のランチは、ホテル・ハイアットリージェンシー大阪が監修しているというぜいたくなもので、お値段は一食あたり390円と大変お得になっております。

生徒の健康を考えたという独自のレシピで開発したオリジナルのカレーもあります。試食してみたところ、これが辛すぎず、甘ったるくはなく、さっぱりとしているのに具はしっかり入っているというとてもおいしいカレーでした。

というわけで、元気な女子校を全身で体験していただきたいイベントのご紹介でした。

 

私立中学校の「推薦入試」

2017年5月26日 金曜日

来年度の私立中学校の募集要項がそろそろ発表される季節になってきました。最近は学力テストだけでなく資格や特技によって評価される入試も増えてきました。帰国子女枠や、資格による推薦入試は珍しくありませんが、今日は自己推薦型の入試をいくつか紹介しましょう。

平安女学院中学校の「課外活動重視型自己推薦型入試」
今まで取り組んできた課外活動(バレエやピアノなどの習い事も含みます)を事前に申告し、認定されると入試では作文と面接のみ課されます。英検、漢検も含まれます。英検の級が低いからダメかな?という場合は、小学校の通知表も加味して判断してもらえます。

武庫川女子大附属中学校の「M方式」
こちらも事前エントリー方式です。
「小5、小6において、児童会、学習、スポーツなどでの活動が顕著であり・・・」という条件です。認定されればこちらも作文と面接だけです。
大阪の金蘭会中学校も「K方式」という同様の入試を行っています。

と、このように女子校の多くが採用していますが、共学校でも常翔啓光学園や初芝立命館、早稲田摂陵なども事前エントリー型の入試を行っています。
しかもこれらの入試は事前エントリーを通過すればほぼ合格できているようですので中学受験の学習をする代わりにスポーツなどに打ち込んでいた受験生にとっては美味しい話です。中学校に入学すれば受験勉強をしてきた生徒と机を並べることになりますので学力が不要なわけではありませんが、ぜひ受験の参考にしてみてください。

 

神戸龍谷高校が変わります

2017年5月24日 水曜日

1921年、成徳実践女学校として設立されたこの学校、名前の通り女子校として81年間運営されてきましたが、2002年に「神戸龍谷高等学校」と校名を変更して特進文理コースを共学にしました。その後ほとんどのコースが共学となったうえに、校名に「女子」とも入っていないので、普通に共学の学校と思われがちですが、創立当時の伝統を守り続け、今でも女子だけのコースが2クラス分存在しています。女子バスケットに詳しい方は草彅結の出身校といえばピンとくるかと思いますが、そのバスケットボールをはじめとして、少林寺拳法やテニスなどの部活でも女子が活躍しています。

この学校が、ついに全面共学化することが決まったようです。

 

このわかりやすいチラシがすべてを物語っていますが、表にまとめてみますと、このようになります。コース名を黄色に塗っているところは次年度入試から新設されるコースとなります。まず、今年度も一番人気の特進グローバルコースに理系のクラスも作って「特進グローバル理系コース」を誕生させます。また、今年度までの「特進文理コース」(共学)と「進学GRコース」(女子)は併せて、「龍谷総合コース」となり、全面男女共学となります。校名からわかるように、この学校は龍谷大、京都女子大の系列であり、指定校推薦枠も数多く持っています。このコースはその指定校推薦の利用を想定しつつ、授業時間数を削減して部活動も頑張ってもらおうというコースになりそうです。

 

一方、中学から入学した6年一貫生から国公立に11名、高校から入学した特進文理Sや特進グローバルコースから、同じく14名が国公立に合格しており、大学入試の実績も次第に上昇しています。上位のコースでは指定校推薦が使えないという高校もありますが、神戸龍谷高校の場合はどのコースからでも基準を満たしていれば指定校推薦を使うことができるようですので、高校入学時・中学入学時にそこまで考えなくてもいいという点で選択の幅が広い学校だといえます。

新コースの詳細については、今後の説明会で明らかにされるでしょう。今回はひとまず概要の紹介をさせていただきました。

 

ついに大学入試センター試験から英語が消える???

2017年5月18日 木曜日

「文部科学省は16日、大学入試センター試験に代わって2020年度に始める新テスト「大学入学共通テスト(仮称)」の実施方針案と問題例を公表した。国語と数学は記述式問題を3問ずつ出題。英語は20年度にも共通試験を廃止し、民間の検定・資格試験に移行する。「知識偏重」から脱し、思考力や表現力を測る入試への一歩とする。」(17日 日本経済新聞)

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新テストについて、また少し動きが見られました。今回のプレスリリースでは新テストの名称が、「大学入学希望者学力評価テスト」という寿限無的な名前から、「大学入学共通テスト(仮称)」と変わったところと、数学や英語の問題例が示されたところが新ネタですが、NHKニュースでは、「センター試験から英語がなくなる」という表現がなされたそうで、確かに英語で民間試験を利用ということは、国として問題作成を放棄することだなぁと改めて感じました。当然ですが大学入試は指導要領とシンクロしており、スポーツに例えればルールがあって、それを身に着けた選手を、審判が判断するというのと同じようなものだと思うのですが、指導要領と関係ない文脈で作られた検定試験で合否を決めるというのは、いきなり審判から「おれがルールブックじゃぁ」といわれるようなものかもしれません。と、愚痴っていても仕方がないので、学校も英検やTOEFLに対応できる授業に切り替えなくてはいけません。(開成教育グループでは昔から英検の準会場となるなど英検に対して積極的に取り組んでおります。)それはさておき今までに発表された内容も含めて、簡単にまとめてみました。

英語については(A)案と(B)案がまだ決めきれていないとのことで、6月に発表される見込みです。ところでその(B)案の2023年というのはなんだろう、4浪までOK?? という意味ではございません。

先に述べたように、指導要領とテストは関連しますので、改訂された指導要領で学ぶ高校生が受験を迎える2024年には教科、科目も含めて大きな変更が見込まれます。特に「理数探究」という科目が高校で設置されますので理科と数学を融合した合科型のテストも導入されるようです。(実はこの科目名は「数理探究」と高大接続システム改革会議最終報告では表記されていましたが、数理=数学の理論、という意味もあるので、中教審としては 理科+数学=「理数」とするようです。)このように大きく大学入試が変わるのは実は2024年、つまり今の小5も大きな影響を受けることになります。小5以下の保護者の皆様、大学受験は高校になってから考えようとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、中学校、小学校のそれぞれの段階での学習も重要になってきます。一日も早く、変化への対応力の高い開成教育グループにお越しください。

あと3年後(またはあと7年後)に迫った新テスト、また新たな内容が判明しましたらここでお知らせしていきたいと思います。

 

光泉中学校・高等学校の説明会に行ってきました

2017年5月15日 月曜日

月10日、滋賀県草津市の光泉中学校・高等学校の入試結果説明会が学校内で開催されました。180名ほどの塾関係者が集まっていました。

キリスト教(カトリック)の学校として、生徒の人格形成を「心の教育」として取り組んでいる例が紹介されました。なかなか生徒さんたちの満足度が高い学校のようです。

中学校からは3分の1ほどが県立高校などに進学するそうです。膳所や石山、守山、彦根東といったトップレベルの高校にも15名進学しています。中高併設校の場合、外部への進学をあまり良しとしない学校も多いのですが、この学校は教育成果の一つとして説明してくださったのでした。

一方、高校から大学への合格実績も立派なものです。大阪大3、神戸大4をはじめ、難関私立の関関同立にも合計で170名、中でも同志社大46名というのは過去最高なのだそうです。

光泉高校はⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類とコース分けがなされていますが、国公立を目指すⅢ類から実際に国公立には実人数で3分の1ほど、関関同立まで含めると半数近くが合格している計算になります。東京大に合格した生徒が一人います、というのではなく、みんなで合格実績を出しているという点で、安定した進学校だといえるでしょう。

さて、Ⅲ類の中に、今年度から「World Level」というプログラムを設け、希望者を募集し始めました。普通科の約2倍の英語授業数や海外研修プログラムが用意されており、海外の大学に進学することを目的としています。今年度は初年度という事で5名が応募したそうですが、2名が正式にこのプログラムに参加することになったそうです。

英語のコミュニケーション力のみならず、プレゼンテーション能力も養われるハイレベルな教材を使った授業が既に始まっているそうです。

その他、放送や将棋、ラグビーフットボールやテニス、硬式野球などの部活の成果が紹介された資料も配布され、学校全体の元気良さが印象付けられた説明会でした。