追手門学院中学校 入試関連イベント

2017年3月2日 木曜日

中学校入試がやっと終わったと思ったら、すでに次の学年に向けての説明会を開催する学校も出てきました。その中で、なんと追手門学院はこの時期に11月までの入試関連イベントをまとめて広報しています。

まだ新中学1年生が入学していない3月末の「ミニオープンスクール」から始まり、夕刻に開催される「イブニング説明会」などがすでに計画されています。追手門学院中学校を志願する小学生はもちろん、併願も含めて受験する可能性がある小学生は、この日程をカレンダーや手帳に転記しておきましょう。

合否を占うプレテストも複数の中学校で日程が重なる場合があります。したがって1月の入試本番だけでなく、プレテストのスケジュール調整も重要となります。そういった意味でも早めに日程を発表してくれる学校はありがたいですね。

 

 

金曜日の答え

2017年2月20日 月曜日

では、金曜日の問題の答えです。

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1 「うつ」

a 「打つ」、つまり打ち水をすることですね。単に水を撒くだけでなく、その場を清めるといった宗教的なイメージになります。
b 印をつけることも「打つ」といいます。鏨(たがね)を槌(つち)で叩いて石に印をつけるイメージから、文章に読点を付けるときも「打つ」といいます。
c 本来は芝居の準備をする、つまり舞台を打って作ることを「打つ」といったようですが、「ひと芝居打つ」=(人をだますための演技をする)といったよくない使われ方もします。
d 周りにおもりの付いた投網(とあみ)を投げ入れる動きが水面に網を打ち込むように見えることから「打つ」といいます。川や浅瀬で行われる漁法ですので、その様子を一般の人が目にする機会も多かったのでしょう。

2 「かかる」

a 「掛かる」とは支えられる状態を示します。つまりお医者さんに支えられるというイメージの言葉ですね。
b 芝居を興行することを「芝居がかかる」といいます。感情表現などが大げさであたかも演技しているとして「芝居がかった口調で・・・」という使い方を思い出していただくとわかりやすいと思います。映画が大衆化されたのは20世紀ですが、芝居と同じイメージで「掛かる」を使ったのでしょう。
c 動物を捕まえるためのわなにはいろいろな種類があります。落とし穴にクマやイノシシが落ちても、「掛かる」というイメージがつかめないのですが、スズメなどの小鳥を捕まえるための「カスミ網」というわな(今日では特別の許可を得た人でなければ使うことはできません。)に足が網に絡まった小鳥がさかさまにぶら下がっている様子を「掛かる」と表現したものです。そもそも落とし穴のような大規模なわなを日常的に作る事はなかったようです。
d お金が掛かる、時間が掛かるという使い方も aの支えられるイメージからきた言葉でしょう

3 「つる」

a 専門的な言葉で「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」と呼ぶそうですが、この痙も攣も「つ(る)」と訓読みします。何かで吊り上げられたかのような不随意性から「つる」という和語があてはめられたのでしょう。
b 「人につられる」という場合は、「連られる」と慣習的に書かれますが、「釣られる」の方が正しいようです。つまり、影響を受けて引っ張られるイメージです。
c これはまさに「釣り上げる」という使い方です。魚釣りは一般的ですが、土に穴を掘って暮らしている虫を、草の茎などを差し込んで釣り上げるという伝統的な遊びもあります。同じ方法で釣れる貝類もあります。
d これは「吊る」ですね。この「吊」という漢字はもともと「弔」の俗字で棒に蔓状のものが巻き付いて下にたれている状態を表す象形文字だそうですが、いまでは「吊」をとむらうという意味では使いません。
4 「とおる」

a 「その理屈は通らないな」と否定表現でしばし使われる言葉です。
b 議会などで案が可決されることを「通る」といいます。これも正当性が認められるというイメージからの言葉です。
c まんべんなくゆきわたるという意味でつかわれますが、肉の塊など大きな食材の中心部まで加熱されている状態が外からの熱が到達したというイメージから「通る」と使ったのでしょう。
d これも伝達したという結果よりも、その途中をイメージした使い方です。声の質を「よくとおる声」と表現したりします。

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どれだけの知識を持っているかというより、どのように思い出すのかという能力が試される良い問題だと思います。国語の学習では読解力、表現力に力点が置かれがちですが、正確な言葉の知識を的確に取り出す能力も大切だと教えてくれるような問題でした。

 

頭の体操?(中学入試問題より)

2017年2月17日 金曜日

今日は中学入試問題を一つ紹介しましょう。
灘中学校一日目の国語の3番です。

このような問題です。頭の体操のような問題ですが、受験生にとっては焦る問題だと思います。幅広い語彙力が要求される問題だといえるでしょう。

解答は月曜日に公開します。しばらくお楽しみください。

 

今年も開催!! 神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

2017年2月14日 火曜日

神戸海星女子学院・松蔭・親和・甲南女子という、神戸市の東に位置する女子中高一貫校4校が今年も合同説明会を開催されることになりました。

神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

日時:2017年3月9日(木)10:00~11:40(9:30受付開始)
場所:東灘区民センター うはらホール(JR・六甲ライナー「住吉」駅 南へ徒歩約2分)
※ご予約は不要

添付しておりますPDF文書内には、次のような紹介文があります。
神戸市東地区の灘区・東灘区は、長い歴史と伝統をもつ私学が六甲山麓に集まる、学びの環境がととのった地。そのなかで仲間との出会いと素敵な女性へと成長する場を提供してきた、女子中高一貫校四校が女子教育の魅力と各校の特色を紹介します。

神戸市東地区の女子中高一貫校「神戸海星女子学院・松蔭・親和・甲南女子」の4校が、女子教育の魅力と各校の特色を各校による学校紹介を公演形式で行われるこの催しは見逃せません。お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。

 

帝塚山学院中の説明会が、追加で行われます

2017年2月13日 月曜日

こちらのエントリー「早くも来年度入試の説明会が始まります!!」でご紹介したとおり、3月4日(土)に帝塚山学院中の説明会が行われることになっていましたが、定員に達したとのことで第2回目となる説明会が追加開催となったようです。内容は初回と同じものになるとのことですので、初回にお申し込みができなかった方はこちらをお申込みされてはいかがでしょうか。

日時・場所:
3月7日(火) 13:30~15:00(13時受付開始) スイスホテル南海 8階白鳥

内容:
・新時代の女子教育とは
・平成29年度中学校入試報告

申込方法:
・帝塚山学院中ホームページより専用申込フォームにて申込
・添付のPDF裏面に必要事項を記入し、FAXにて申込

前回も申し込み開始から早い段階で定員に達したようですので、ご興味のあるみなさまはお早めにエントリーされることをお勧めします。学校を身近に感じる機会にされてはいかがでしょうか。

 

大阪市立 咲くやこの花中学校の合格発表がありました

2017年1月30日 月曜日

1月28日(土曜日)に、大阪市立 咲くやこの花中学校の合格発表が行われました。

以前、このコーナーでも紹介したように、公立の中高一貫校は大学合格実績が高いところもあり、人気です。

大阪市立咲くやこの花中学校も、今年度入試で競争倍率5.58倍と厳しい戦いでした。

20名定員のコースが4つあり、合計80名の定員ですが、開成教育グループからは44名が合格しました。

各コースでの、開成教育グループ生の占有率は御覧の通りです。特に言語コースは75%が当グループ生で占められています。

競争倍率の高い入試ですが、塾生と塾生外とで合格率にどの程度差があるのかも調べてみました。

体育実技で適性検査が行われるスポーツコースでは、塾生と塾生外とでの差はありませんが、特に言語コースでは塾生外と塾生の合格率の違いは4倍以上と圧倒的な差になりました。

「読解・作文力検定」や「漢字検定」といった国語関連の検定をはじめとして、言語教育に厚みと強みのある開成教育グループならではの結果だといえるでしょう。

残念ながら不合格の生徒も出てしまいましたが、この入試に向けて身に着けた読解力や表現力といった国語の力は、次のステージでもかならず生きてくることでしょう。

 

大阪・兵庫・奈良 私立中学校入試出願者数について②

2017年1月30日 月曜日

前回(大阪・兵庫・奈良 私立中学校入試出願者数について①)の続き

5位の育英西は立命館コースもある女子校ですが、京大への合格者も出るなど進学実績も評価されたようです。自己推薦や英検重視など多彩な入試方法も支持されたかたちです。そういえば昨年の学校説明会も大変賑わっていました。

6位の関西大学中等部は、大学の付属校ということで、電車で10分ほどしか離れていない立命館中学と比較される学校ですが、2016年度入試では2015年入試より大きく落ち込み、お得感が出ていました。つまり今年の増加は揺り戻し現象だといえますが、ICT化をはじめとした充実の設備やハイレベルな理科教育も評価されているようです。

7位の園田学園も女子校です。屋上庭園付き6階建ての新校舎が間もなく完成という施設面も追い風ですが、茶道・華道・書道・着付け・短歌俳句など女子校ならではの文化教育やマナー教育と、小規模だからこそできるきめ細かな進学指導が評価されたかたちです。

8位の雲雀丘学園は東大・京大・阪大等難関国立大への合格実績も出しており、兵庫県で進学校としての評価が定着してきました。阪急電鉄の駅からも近いため、広い範囲から受験者を集めています。

このように昨年より大きく出願者が増えた学校は、それぞれ理由があるようです。もちろん前年度に大きく増加しため、今年度は上昇率で上位にランクしていないなど、今回紹介できていない中にも、人気のある素晴らしい学校はたくさんあります。今後の学校説明会などでは、今回紹介した学校の状況も参考にしつつ聞いてみられてはいかがでしょうか。

 

大阪・兵庫・奈良 私立中学校入試出願者数について①

2017年1月27日 金曜日

1月14日から、近畿では私立中学校の受験が行われましたが、その確定出願者数が明らかになってきましたので昨年の出願者数と比較してみました。その中で昨年度より大きく出願者数伸ばした学校を2回にわたって紹介します。(現時点でまだ確定出願者数を発表していない学校もありますので、すべて紹介できているわけではないことをご了承ください。また、今回は京都の中学校の情報が集まっていないため、大阪・兵庫・奈良の学校に限って紹介させていただきます。)

 

近畿では、解禁日初日(14日)の午前中に最も多くの中学校の入試が行われるため、受験生が分散して競争率は下がります。従って受験生はこの日に第一志望校を受験するケースが多く、合格すれば入学する率も高くなります。そこで、この日の入試の出願者数に着目して表にしてみました。

この表は昨年と比較して出願者の増加割合が高い順に並べています。

1位の城星学園は、以前このブログでも紹介した女子校ですが、昨年度の初日受験者は少なすぎました。今年の出願者数は昨年比2倍以上となっています。これでもこの学校の良さが正当に評価されているとはいえませんが、回復基調です。大阪の最難関男子校である大阪星光学院と提携するというニュースも好材料となったようです。(但し、この提携は人的な交流を行うというレベルで、共学化するというわけではありません。)この学校の聖歌隊は昨年8月の24時間テレビ「全国高等学校合唱選手権」において合格出場校、5校の中の1校に選ばれ日本武道館で演奏を披露するなど、元気な学校です。

2位の金蘭会は大阪市福島区の女子校です。吹奏楽も大阪府大会常連校ですが、バレーボールが全国レベルで有名、シンクロナイズドスイミングで活躍する生徒さんもいるなど、スポーツも盛んな女子校です。大阪では今年度から女子校が2校共学校になったため、女子校を志向する受験生の動きから、伸び率1位、2位とも女子校が占めています。

3位の履正社豊中は3か年と6か年と二つのコースがありますが、3か年のコースが大きく伸ばしました。難関高校合格実績が評価されているようです。新校舎が間もなく完成というのも好材料だったようです。

4位の関西学院大学千里国際の帰国生枠も大きく増加しています。この学校に限らず、帰国子女枠を持っている中学校の多くが受験生を増やしています。子どものいる家庭では、海外転勤といえばお父さんが単身赴任、というケースが多かったのですが、最近では国際感覚を養うために、あえて子どもも連れて行く家庭が増えているようです。つまり帰国子女枠の盛況は今後も続くと思われます。インターナショナルスクールを併設しているこの学校でさらに国際感覚を磨きたいという受験生を集めているようです。(続く)

 

今年の中学入試問題から(香川誠陵)

2017年1月24日 火曜日

昨日に続いて、中学入試問題を紹介します。今日は香川誠陵中学校です。

円の問題なのに、円の半径が書いていません。ここで受験生は何度も問題を読み返したことでしょう。

三角形ABCの面積がわかっているだけです。

さて、解説です。まず、補助線を引いてみましょう。

すると、線からはみ出ている部分と、線より引っ込んでいる部分が一緒だということに気が付きますので、そこに移動させて考えます。すると、面積を求めるべき部分は次のようになります。

この青い線を引いている矢じりのような形は三角形ABCの2/3となりますので、答えは20㎠となります。

算数は「ひらめきだ」という人もいますが、円の補助線は、半径と接線というのが受験算数の基礎となりますので、図形問題の解き方の復習をしていた受験生であれば解けていたはずです。学校がどのような生徒を求めているのがわかるような問題でした。

 

今年の中学入試問題から(同志社女子中)

2017年1月23日 月曜日

先週末から続いていた関西地区の中学入試も、ひとまず落ち着いてきました。

やはり今年度も厳しい戦いになった中学校が数多くみられましたが、その中で受験生の手が思わず止まってしまうような問題を紹介しましょう。

今回は京都にあります「同志社女子中学校」前期日程の算数より、問題2の問4です。図形の問題です。

これだけの条件でADの長さを求めなさい、という問題です。

三角形ABCは正三角形の半分ですから、ABの長さはACの長さの2倍になっているというのは中学受験でよく使うネタですので、そこはわかっているとしましょう。ただし、中学生で習う(1:2:√3)や、AB:AC=BD:CD は使えません。

さて、解説です。

三角形ADCに注目します。この三角形も正三角形の半分ですので、DAはDCの2倍です。そこでDCの長さを①として、DAに②と書き込みましょう。

次に三角形ABCに着目して、∠ABCが30°と計算し、書き込んでおきます。

三角形ABDに着目すると、30°の角が二つありますので二等辺三角形だとわかります。そこで、DAとDBが同じ長さなのでDBにも②と書き込みます。

そこで、BCの10㎝は①+②の③だとわかりますので、①は10/3ということになります。

問題で聞かれているのはADの長さなので、DCの2倍、すなわち20/3(6と2/3)㎝となります。

このように二等辺三角形に気が付くところがポイントですが、緊張している受験生にとっては気が付かないことで焦ってしまう問題だといえます。同志社女子中では、算数の第2問はこのような小問が6題並んでいますが、一つ2分くらいで解かなければ全体の時間が無くなりますので、解法が浮かばなければ、悩むのをやめて次の問題に移るという思い切りも必要になります。

中学入試を勝ち抜くためには、十分な知識量や技能も必要ですが、その場の判断力や、わからなかった問題のことで悩まないという強い精神力も必要とされるのです。

また、面白い問題を紹介していきたいと思います。