20年ぶりの新紙幣と学校【5千円札】

2024年7月8日 月曜日

(続き)

新5千円札=「女子に高等教育の門を開いた」津田梅子

津田塾大学の始祖として知られていますが、日本最初の女子留学生5名のうちの1人でもあります。5名のうち2名は体調不良等でほどなく帰国しますが、残った3名は11年間もの間アメリカで勉学に励みます。

帰国後、華族女学校(現:学習院女子中高)で英語教師となりますが、3年後に再びアメリカに留学し、次は3年間生物学の研究を行います。帰国後には華族女学校の教員に復帰しますが、女子高等師範学校(現:お茶の水女子大学)の教授も兼任しています。その後、最初にともに留学した2名の協力に加え、新渡戸稲造らの支援も得て「女子英学塾」を設立します。その後数度の移転を経て、規模が大きくなっていきました。しかし津田梅子は体調を崩し1929年に64歳で旅立ってしまいます。その4年後には「津田英学塾」と校名を改め、理科を併設して「津田塾専門学校」となり、戦後には私立女子大の最高峰と評される津田塾大学へと発展したのでした。自由で自立した個人としての女性の社会参画を目指し、個性を重視し全体主義を排する教育方針は、校歌、校章、校旗はあえて持たないという形で今でも受け継がれています。(続く)

20年ぶりの新紙幣と学校【1万円札】

2024年7月5日 金曜日

20年ぶりの新紙幣が7月3日に発行されました。そこに印刷される肖像も一新されるのですが、今回の紙幣に登場する方々と学校について調べてみました。

新1万円札=「近代日本経済の父」渋沢栄一

現在のりそな銀行やみずほ銀行のルーツである銀行の設立をはじめとして、多くの銀行の設立やその支援を行い、東京電力や東京ガス、日本経済新聞、キリンビール、サッポロビールの設立にも関係するなど実業家として知られていますが、学校の設立や運営にも協力しています。大倉喜八郎が設立した大倉商業学校(現:東京経済大学)や新島襄の同志社大学、桂太郎の拓殖大学の支援に加え伊藤博文、勝海舟らと共に日本女子大学を創立するなど、一人の人間が行ったとは思えないほど多くの学校の設立や支援を行いました。

(続く)

「幼保連携型認定こども園」で働くためには

2024年7月1日 月曜日

共に未就学児童を対象とはしていますが、文科省が管轄している幼稚園と厚労省管轄の保育園は、その目的もそこで働くための資格も異なっています。共働き家庭にとって保育園は欠かせないのですが、教育機関である幼稚園にも通わせたい、というニーズが高まっていたのですが、平成18年(2006年)の第164回通常国会で成立した「就学前の子どもに関する教育,保育等の総合的な提供の推進に関する法律」を法的根拠として認定こども園制度」が始まりました。

ここで「保育教諭」として働くためには基本的に保育士と幼稚園教諭両方の資格が必要になります。そこでそのニーズはどのくらいあるのかを知るために施設数は現在どのくらいの数になっているのか、政府統計から調べてみました。

すると最多の1985年には全国で15,220園あった幼稚園は、昨年度は8,837園と半減しているのですが、こども園は毎年急増しており、昨年度で6,982園と幼稚園に迫る数となっています。

一方、卒園者の数も同じように政府統計で調べてみました。すると幼稚園では1980年には最多の1,323,137名だった卒園者数が昨年は340,610名、約1/4に激減しています。

というわけで、これから幼児教育の分野で働きたいと考えている皆さんは、保育士と幼稚園教諭両方の資格を取れる学校を選んだ方が良いでしょう。

【関西8大学大研究コラボコーナー】龍谷大学 出願数と合格数の推移

2024年6月24日 月曜日

最後に学部改編や社会学部の移転などで話題を集めた龍谷大学の状況を見てみましょう。

公募も一般も志願者数に関しては右肩上がりの絶好調です。しかし他大学との併願が増えたということでしょうか、公募制推薦手続き率に影響を受ける一般選抜での実質倍率は2019年度から次第に低下しており、今年度は平均倍率が3.04倍と2022年度の2.79倍に次ぐ低い水準となっています。そこで、受験者の学力層の変化が無いと仮定すると、龍谷大学も京都産業大学と同じように難易度が下がっており、逆に言えば今がチャンスだといえるでしょう。

どの学部が特に狙い目なのか、詳しくは7月14日に開催します「2024関西8大学-早慶上理・GMARCH大研究」でお伝えします。お楽しみに。(ここで学校の先生方への業務連絡です。このイベントでは教員対象説明会も予定しております。7月14日(日)10:30~11:30となっております。進路指導の先生方、高3の担任の先生方はよろしければお越しいただければと思います。よろしくお願い申し上げます。)

【関西8大学大研究コラボコーナー】甲南大学 出願数と合格数の推移

2024年6月21日 金曜日

これまでは記述問題があり、しかも面接が必要だった甲南大学の公募制推薦入試ですが、本年度入試からオールマーク、面接廃止と受験生にとっては大きく受験しやすくなりました。その結果平均倍率は4.73倍と2022年度の3.12倍と比較すると大きく難化したことがわかります。その影響でしょうか、一般選抜での志願者数も増加し、結果的にそちらの平均倍率も上昇しています。2025年度入試では日程変更もありますので、実質倍率がどのように動くのか予想が付きません。受験生は要注意です。

【関西8大学大研究コラボコーナー】近畿大学 出願数と合格数の推移

2024年6月20日 木曜日

出願件数では今年も日本最多となった近畿大学ですが、公募・一般どちらでも出願数が増加しています。公募制推薦での合格者数は1万3千件を超える規模になり、平均競争率は3.75倍となりました。平均倍率が8.83倍だった2019年度入試と比較すると、半分以下となっています。但し、これも全体的に楽になったわけではなく、建築や総合社会、文芸、情報は高め安定。医学部は毎年難化が続き、ついに今年は9.26倍となっています。これらの学部を考えるときには併願作戦が重要になりますね。

【関西8大学大研究コラボコーナー】京都産業大学 出願数と合格数の推移

2024年6月18日 火曜日

関関同立の4大学と異なり産近甲龍の4大学は年内に行われる公募推薦による募集枠も大きいので、併せて推移のグラフにまとめてみました。

学部の改編や増設で受験者数を順調に伸ばしてきた京都産業大学ですが、その動きが止まった2021年度入試から出願数が減少しています。この分公募制推薦での合格者を増やして年内に入学者を確保する作戦に出るかとも思われましたが、それほど合否ラインを下がるということはありませんでした。従って一般選抜での平均倍率が下がったのですが、情報理工学部は4.65倍、現代社会は3.76倍と高い倍率になるなど専門分野による差が開いたイメージです。

【関西8大学大研究コラボコーナー】同志社大学 出願数と合格数の推移

2024年6月14日 金曜日

他の3大学とは受験者層が少し異なる同志社大学では、出願者数は2021年以降増加が続いていますが、2023年度まではそれに伴って合格者数を増やしてきたようです。しかし、今年は受験者数の増加に対し、合格者は減少。狭き門となりました。細かく見てみると難化したのは理系学部で、文系学部はあまりラインが変わっていないようです。文系の受験生は過度に怖がる必要はありません。

【関西8大学大研究コラボコーナー】関西学院大学 出願数と合格数の推移

2024年6月13日 木曜日

かつては推薦による入学者が6割を超えていた関西学院大学ですが、2021年度から一般選抜で入学者を確保する方針に転換し、一般選抜でも多くの合格者を出すようになりましたが、それに伴って一般選抜の出願者数も増えてきています。従って合格最低得点率もあまり変化していません。次年度も昨年並みの合否ラインとなるのではないでしょうか。

【関西8大学大研究コラボコーナー】関西大学 出願数と合格数の推移

2024年6月12日 水曜日

7月14日に当社主催による「関西8大学大研究」が開催されます。大学受験生は是非来場して大学の入試担当者からの説明や、フリーステップ教育技術研究所による出題傾向分析のセミナーなどを聞いていただきたいですし、教員対象説明会も開催しますので進路指導や高校3年生担任の先生にも参加していただければと思います。

今回はそこで使用する予定の資料をちらりと見ていただきます。

今回は関西大学の全体状況です。

出願数と合格者数を2018年からまとめたグラフです。割合としては小さいのですが2019年度から毎年出願者の減少が続いています。一方で合格者数は減少していませんので、単純に考えると受かりやすくなっているはずです。そう思って細かく見てみると、外国語学部部の合格最低得点率は例年の62~64%から62%弱に下がっていますが、商学部はほぼ変わらずと学部によって動き方が違うようです。詳しくは7月14日をお楽しみください。