大学選びの指標 学部系統別「進路決定率」

2016年2月2日

今回は「進路決定率」なる用語とデータをご紹介致します。

大学選びにおいて重要視される指標として代表的なのは「就職率」であることは誰しもがお認めになるところではないでしょうか。最近では「就職希望者数を分母とした就職率」を示す「就職決定率」という用語が広まり、そちらでの情報公開や比較が一般的となっています。

しかしながら、大学卒業後の進路は「就職」の他にも「大学院進学」もあり、特に理系学部の卒業生は大学院へ進学する割合が高くなっています。

就職決定率の数値ではこの大学院進学者を横においた計算となっています。

今回ご紹介する「進路決定率」というのは、「大学卒業者における就職者と大学院進学者の割合」を示すものであり、就職or大学院進学どちらであったにしても進路が決まった、という率を示しています。

次にご紹介するグラフでは、2015年度卒業生の進路決定率を学部系統別にご紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。


※旺文社「大学の真の実力 情報公開BOOK」より

薬学部・歯学部を除く理系学部の進路決定率が大変高くなっているのがわかります。特に理、工、農・獣医畜産・水産といった系統は卒業生のうち1/3~1/4が大学院へ進学しており、これが全体の進路決定率を押し上げている要因になっています。

一方で文系学部では、大学院へ進学する者は1割どころか5%前後しかいない学部・系統が圧倒的に多く、言い換えれば卒業者のほとんどが就職という道を選んでいます。よって、世間一般の就職(新卒採用)状況の良い・悪いが進路決定率の高い・低いに大きく影響を与えてきます。

大学をお選びになる際、特に理系学部を選ぶ受験生の皆さんは、就職率と合わせて大学院への進学者数や進学率なども調べておきましょう。