【情報分野の】立命館大学 2学部移転【大坂の陣】

2020年8月26日 水曜日

立命館大学が2024年度から、情報理工学部をびわこ・くさつキャンパスから、映像学部を衣笠から「大阪いばらきキャンパス」に移転すると発表しました。滋賀県民からは学生の流出を心配する声も上がっていますが、情報理工学部はそもそも定員規模が小さく(一般募集で266名)、院生まで含めても、びわこ・くさつキャンパスで学ぶ約1万5千人のうちの2400人程度ですので、草津のマンションの大家さん、ご心配なさらなくて結構です。さらに映像学部は一般募集で86名定員とその3分の1以下ですので、学生移動に伴う周辺環境への影響はあまりないと思います。

滋賀や京都では募集に苦しんでいるので大阪に移転するの?という疑問に対しては以下のグラフをご覧ください。どちらの学部も安定してなかなかの高倍率を維持しています。

それよりも、「情報系」の学部が大阪に出るという意味の方が大きいわけです。情報系といえばビッグデータとディープラーニングをベースとするAI技術が世界的に加速しているわけですが、それに伴い、その人材育成が急務になってきた今、東京では文系のイメージが強い立教大学が「人工知能科学研究科」という情報系の大学院大学をこの4月に開設しました。一方関西では26年前から関西大学の総合情報学部が文理融合型の情報を扱う学部として、茨木のお隣の高槻市に開設されていますが、この世界的な流れに対して近畿大学が反応し、情報系の新学部設置の計画を発表しています。また、認知科学といった隣接分野ではありますが、同じく茨木の追手門学院大学も心理学部の中に人工知能を研究する新学科設立の計画を発表しています。

そこに立命館大学が情報理工と映像をセットで大阪に移転させて来るのですから大変なことになります。短期的には情報系を志望する学生の取り合いになることでしょう。しかし長期的には大阪がAI人材育成の一大拠点となるかもです。

ところで、みんなでパソコンつけたら大阪の電力使用量が一気に上がるような気がします。因みに富山県の黒四ダムで発電された電気は大黒部幹線と呼ばれる送電線で大阪まで送られていますが、その送電線の最終地点は関西大学総合情報学部の隣の変電所ですので、いざとなったら大阪の電気とめたろか、という関大発のギャグも生まれたりして・・・。