個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/1)

2017年2月2日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/1に関関同立大の中で関西大、関西学院大、立命館大の入試が始まりました。
各大学の英語の問題を例年の出題傾向と比較して、確認してみます。
塾生の人はフリーステップの教室または開成NETで、塾生でない人はフリーステップの教室に実際の問題を掲示しています。

2/1 関西大英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰは会話文と文整序、大問Ⅱと大問Ⅲは長文という構成です。ただ、2/1の問題では一部例年と違う部分があります。大問ⅢのAの問題の設問指示文が例年は日本語で書かれていましたが、2/1の問題では英語で書かれています。問題指示文が英語に変わっているので、2/1に関西大を受験した生徒さんの中には驚いた人もいるでしょう。ただ、落ち着いて読めば、例年、日本語で書かれている「下線部の意味に最も近いものはどれか」「下線部の意味の具体例はどれか」「下線部から読み取れるものはどれか」がそのまま英語になっているだけですので、問題の意図は変わっていません。この傾向はおそらく今後も続くと予想されます。見た目が変わっているだけですので、これから関西大を受験する人は過去問でし
っかり例年出題されている設問指示文を確認して、本番で焦らないように備えておきましょう。

2/1 関西学院大英語
例年通り、大問6題構成、大問Ⅰ~Ⅲまでは長文問題、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語句整序、大問Ⅵが会話文という構成です。特に目立った変更はありませんが、2/1の問題では関西学院大の問題としては珍しい問題が散見されました。大問Ⅵの会話文の問題です。
例年、関西学院大の会話文の問題は、会話の流れに合うような内容を選ばせる文脈で考える一般的な問題ではなく、単語の知識、文法・語法、会話表現などを適切に選択させる知識重視の問題です。ただ、2/1の問題では10題中4問程度は文脈に合う内容で正解を選ぶ問題が出題されています。今後、この傾向が続くかはわかりませんが、これから関西学院大を受験する人で特に大問Ⅵの会話文は知識だけで解けると思い込んでいる人は注意してください。長文以外の大問4~6を先に解答して、大問1~3の長文は後回しにする作戦で解く人も多いと思いますが、大問6で思わぬ時間をかけて長文問題にかける時間がない!ということがないように注意してください。

2/1 立命館大学英語
昨年度2016年の入試で大問を1題削除、立命館英語の特徴であった誤文訂正問題の削除など問題傾向に大きな変化があった立命館大ですが、2017年度は昨年度と同じ大問5題構成でした。大問Ⅰ~Ⅱが長文問題、大問Ⅲが会話文、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語彙問題という構成です。特に2016年度の出題傾向と違いはありません。おそらく今後もこの傾向が続くと予測されます。ただ、今出題されている構成は過去問題としては昨年度のものしかないため、数が限られています。これから立命館大学を受験する人で全体の時間配分の調整のチェックなどを行う場合は昨年度の過去問題または2017年度の問題で行うようにするとよいでしょう。

なお2016年に立命館大学の英語の問題で誤文訂正問題が消えたこと、2017年に関西大学の英語の問題で設問指示文が英語に変わったこと、関西学院大学の英語の問題で会話文問題において知識ではなく、読解力が問われる問題が出題されるようになったことは偶然ではありません。当然、現在進行中の大学入試改革、英語の4技能重視への改革が入試問題に具体的に表れてきていることだと思われます。今後、この動きは加速していくことになると予想されるため、「設問指示文が英語に変わる」、「単語、文法、語法知識だけを問う問題が減少する」ことは他大学の問題でも多く見られるようになるのではないでしょうか。