【ついに公立高校入試にも】東京都立高等学校 インターネット出願導入

2021年12月15日 水曜日

東京都教育委員会は令和4年度東京都立高等学校入学者選抜においては、都立高校186校のうち、20校でインターネットを活用した出願を実施する、と発表しました。

(導入する20校[50音順]=足立、足立西、五日市、江戸川、清瀬、工芸、小松川、駒場、小山台、第五商業、立川、豊島、練馬、晴海総合、福生、松が谷、三田、目黒、雪谷、若葉総合)

全国的に公立高校の出願に関しては中学校で作ってもらった調査書や紙の願書を持って、指定された期間に受験校まで提出しに行く、という昔ながらの方式なのですが、一方で大学入試や私立中学校入試ではもはや「web出願」「ネット出願」と呼ばれるインターネットを利用した出願が一般的になっています。ネット環境や情報機器では氏名や地名などで入力できない文字があるなど、「紙出願」の方が、優れている部分もありますが、インターネット出願をすでに導入している学校では、入学許可後に学籍簿を作成するため、正式な表記の文字を提出してもらう対応をするなど、その欠点を補うノウハウも蓄積されてきました。それよりも志願者が実際に学校まで出向かなくても良い、24時間出願可能、受験料もカード決済、受験票もおうちでプリントアウト、など出願する側はもちろん、それを処理する学校側も事務的な負担も一気に下がるというのは大きなメリットだと思います。

今回はまだ、試験的な導入ですが、今後さらにこのような動きは広がっていくことでしょう。

【最新】追手門学院中学校 TW入試って何?【斬新】

2021年12月14日 火曜日

2年前に茨木市の総持寺駅から徒歩圏内に移転した追手門学院中学校・高等学校は、同じ法人のプログラミングロボットによる実践で有名な追手門大手前とまた異なった最新の教育が魅力ですが、2022年度からは高等学校に従来の「表現コミュニケーションコース」に代えて「創造コース」という探究学習をさらに強化したコースを設置します。そちらの入試は英数国の3教科に加えて特色入試というのを行うのですが、そこに「TW入試」と書いてあります。なんじゃ、こりゃ。

そこで、調べてみると、TWとはチームワークの略で、グループワークを行って共同発表し、その振り返りを提出、という90分ほどの試験となっています。

このTW入試、中学校入試でも一部の日程に取り入れられることになったのですが、中学受験の小学生が共同レポートを作成して発表するのは大変そうだなぁ、と思っていたところ、学校側からサンプル問題が送られてきました。

サンプル問題によると・・・

①3人でチームを組む

②協力しながら「ミッション」に取り組む

というものです。学校側が示したミッションの例は「レゴで一番高いタワーを作成せよ!」というものですが、どのような形を目指して、どのような役割分担で作成するのか、という打ち合わせがポイントとなりそうです。

③完成後、振り返り

ここで他のチームの作品を見ながら個人で振り返りを行い、紙に書きます。次にチームで振り返りの話し合いを行います。

④今度はチームを変えて2回戦

5分間の作戦会議ののち、5分間制限でより高いタワーを作ります。

⑤完成後、振り返り

終わったら、次はチームで話し合いをして、最後に個人で振り返りながら紙に書きます。

入試という緊張感のある中で、初めて出会う受験生と共にチームワークを行うというのはどんなものかわからなかったのですが、今回の例では、普通の小学生でも抵抗なく取り組める内容を想定しているという事がよくわかりました。当日はどのような「ミッション」が待っているのか、受験生の皆さん、お楽しみに。

【教員志望者に】高野山大学 文学部教育学科 特待生制度【朗報】

2021年12月13日 月曜日

高野山大学と聞くと、あの和歌山の高野山の上、標高800メートル以上にある大学かぁ、通学は不可能だな、と思っている皆様、実は教育学科は大阪府河内長野市にあるのですよ。正確には協定校である大阪千代田短期大学(ちよたん)のキャンパスを間借りして開講しています。最寄りの千代田駅まで、南海難波駅から29分ですから大阪市内からでも通学できます。(駅から大学まではスクールバスで12分です)

さて、その教育学科からこのようなご案内を頂きました。何と入試成績上位者にはこのような手厚い優遇制度があります。しかも複数回チャレンジが可能な制度となっています。教員志望の方、利用してみては如何でしょうか。

近畿圏 2022年度中学入試を占う

2021年12月10日 金曜日

いよいよ近畿圏の私立中学校入試が 1か月後と迫ってまいりましたが、7月22日から11月23日の間に行われた134件のプレテストの動員数を元に全体状況を占ってみたいと思います。

この134件のうち、今年の動員数がわかっている学校が109件、そのうち昨年の動員数が判明しているのが103件ですので、この103件の数値を比較してみました。(数値はエデュケーショナルネットワーク様の資料と当社独自の調査を元にしています)

まず、昨年のこの103件の合計延べ動員数21,063名に対して、今年は20,711名。昨年は「おうち受験」を行った学校も多かったので同一条件とは言いにくいのですが、1.7%減の微減となっています。昨年よりも動員が多くなったのは51件で、この中で最も伸びが大きかったのが近畿大学付属の「学校実施」で、昨年よりも191人増えています。但し「おうち受験」の方は184件マイナスでしたので、トータルでは7名増といったところです。純増で大きかったのは関西大学北陽の111名増、常翔啓光学園の70名増、滝川の50名増、初芝立命館の45名増と続きます。新規開校の大阪国際中学校は10月に154名、11月に146名と合計で延べ300名を動員しています。次年度から共学化の大阪信愛は7名増と今のところそれほど大きな動きにはなっていません。

コロナ禍の影響による経済状況の悪化が中学入試に悪影響が出るという説と、休校期間中の対応が、公立よりも私立学校の方が充実していたので、私立中学志願者が増えるという説がこの業界では話されていますが、結論から申し上げますと今のところ「かわらない」と判断できるのではないでしょうか。ここ数週間鎮静化が見られる新型コロナウイルス感染症が今後拡大することなく、無事に入試が行えるように祈っております。

首都圏の難関大学に強い関西の私立高校はここだ②

2021年12月9日 木曜日

次はMARCHランキングです。10%以上にランクインしているのはご覧の9校となっています。なんと2位は女子校である甲南女子です。立教大学に3年間で23人というのは関西最多となっています。甲南女子はキリスト教系でもないのに・・・。逆にキリスト教系の洛星がそれとは関係のない中央大学に強いという、これまた不思議です。(またの機会に、もう少し掘ってきます)一方、公立高校のランクインは大阪教育大学附属池田のみ。公立高校から首都圏の私立大学というのはまだ少数派であるようです。首都圏大学のキャンパスライフを夢見ている中学受験生、高校受験生は今回紹介した学校がお勧めとなります。受験校選定の参考にしてみてください。

ところで今年の大学入試では関西からの首都圏受験が回復するのでしょうか。2022年度入試でのランキングもどうなるのか楽しみです。

首都圏の難関大学に強い関西の私立高校はここだ①

2021年12月8日 水曜日

昨年はコロナ禍の影響で、住所地から大きく離れた大学を志願する受験生が減少したといわれていますが、超難関大学に関してはその傾向は当てはまらなかったと思います。早稲田・慶應義塾・上智・東京理科の4大学は私立大学でも全国区の知名度と難易度を誇ります。その4大学の合格者数を卒業生数で割った「占有率」で、関西圏の高校のランキングを作ってみました。単年度の波を補正するため、2021年度~2019年度入試の3か年を加算しています。(元データはサンデー毎日の「大学入試全記録」(毎日新聞社刊)を参考にしていますので、学校HPの数値とずれている可能性があることはご了承ください)

占有率が10%以上の学校はこの通りです。

東大+京大合格ランキングと似たような結果となっていますが、ちょっと意外なのが9位の須磨学園。東大京大ランキングで22位、関関同立でのランキングでは33位なのですが、ここでは9位。1位の西大和(東大京大5位、関関同立53位)と並んで東京シフトを敷いているようです。女子校では神戸海星女子学院が唯一ランクインしています。(続く)

【全体的に回復】甲南大学 公募制推薦 志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月7日 火曜日

昨日紹介した神戸学院大学は公募推薦で6000名以上が出願する規模の大きなものですが、甲南大学は公募推薦の選抜が2段階で、面接も課されるなどハードルが高く、全学合計で今年も出願数は1,146名と小規模な公募推薦入試となっています。昨年はその前年と比べると8%以上志願者が減少した1,082名でしたが、今年は約6%増と回復基調となっています。

さて、全体的に見ると、理系学部が弱めとなっています。フロンティアサイエンス、理工、知能情報のいずれの学部も2年連続減少となっています。甲南大学の理工学部には「2教科判定方式」という判定方式もありますので、不得意教科があって甲南大学は難しいかな、としり込みをしている受験生は一度調べてみると良いでしょう。

回復基調にあるとはいえ、法学部以外の文系学部も2020水準にはまだ戻り切っていませんのでまだまだお席が空いている状況です。関西屈指の就職率を誇る甲南大学の学生になるチャンスはまだまだありますよ。

【乱高下】神戸学院大学 公募制推薦 志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月6日 月曜日

神戸学院大学の公募推薦出願状況も見てみましょう。

学部ごとの変動が大きいので、昨年比だけではなく、この大学についても2020年度入試の志願者数を1とした3年変動のグラフで説明します。

G・C(グローバルコミュニケーション)といった国際系の学部が続落しているのは他大学と同じ状況ですが。まさかの法学部が続落しています。旺文社の「蛍雪時代2022年度用・大学の真の実力 情報公開BOOK」で法学部の就職状況を調べてみると、昨年公務員になったのは卒業生449名中56名と、割合にすれば関西学院大学や甲南大学とほぼ同率となっていますので、もっと評価されるべきだと思います。一方、昨年倍率が跳ね上がった人文と栄養は揺り戻しで急落しています。これらは一般入試で狙える学部となるのではないでしょうか。逆に昨年の急落から反発した心理は昨年比では増加していますが、2020年水準と比べるとほぼ変わりませんので、過度に心配する必要は無いでしょう。

一般入試出願の参考にお使いください。

私立大学等 経常費補助金について

2021年12月3日 金曜日

私立大学の経営に関する不祥事が報道されると、「大学は税金から補助金をたくさんもらっているのにけしからん」と関係者以外も憤るという図式になっていますが、実際どの程度の金額が使われているのか気になったので調べてみました。

まず、2020年度に補助金の交付を受けた大学は577校(大学院大学含む)で、交付総額は291,330,742(千円)つまり3000億円近くが支出されています。まとめると結構な金額ですね。一番交付額が多かったのは早稲田大学で約93億円、2位が日本大学の90億円、3位が慶應義塾大学の82億円と続きます。4位の立命館大学は関西では1位の60億円。医学、歯学、薬学、保健と医療系の学部しかない昭和大学が5位の59億円と続きます。

さて、学生1人がどれほどの恩恵を受けているのかがわかるように、2020年度の学部学生数で補助金の合計を割ってみました。すると、1位の早稲田大学は一人当たり約24万円。学生全員が毎月2万円ずつ頂いている事になります。ありがたや。そう考えると2位の日本大学は医学部もあるのに一人当たり約14万円ですので、補助金が多いとはいえません。5位の昭和大学は189万円ということは、もし補助金が無くなったら学費が189万円値上げになる理屈ですので大変です。もっとインパクトがあるのが日本医科大学。一人当たり389万円は大きいです。私立の医学部は学費がとっても高いのですが、実は国も頑張って補助しているわけです。

逆に一人当たりの金額が低い大学も見つけてしまいました。

秋田県のノースアジア大学の補助金は757万円、学生数は792名と一人当たり年間9千558円ほどです。大阪経済法科大学も4237万円の補助金に対して学生は5354人ですから、年間1万2千円。月1000円ずつのお小遣い程度となっています。就職支援や資格取得で定評のある学校ですので、もっと国も支えてあげてほしいものです。

因みに東京大学の「国立大学運営費交付金」は822億円、学生は27,011人ですので、学生一人当たり304万円となっております。13億円と国立で最も交付額が少なかった鹿児島の鹿屋体育大学でも学生数は768人(2021年度)ですので、一人当たり169万円となります。そう考えると私学の補助金なんてかわいいものに見えてきます。景気対策も大切ですが、私立大学に対する補助金のための予算を増やしましょうよ、という議論も国会でしていただきたいものです。

(私立大学の補助金に関しては、「日本私立学校振興・共済事業団」のホームページ令和2年度 私立大学等経常費補助金交付状況の概要|私学振興事業(助成業務)|私学事業団 (shigaku.go.jp)から引用。国立大学の運営費交付金については、文部科学省のホームページ【資料1-2】国立大学法人運営費交付金の配分状況 (mext.go.jp)を参考にしています。大学の学生数については旺文社の螢雪時代編集部『大学の真の実力 情報公開BOOK』及び各大学のHP等を参考にしています)

【今年も好調】追手門学院大学 公募制推薦(前期)志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月2日 木曜日

今はまだ安威キャンパスと総持寺キャンパスに分かれていますが、総持寺キャンパスへの統合を目指して新たな建物も建築中で、利便性と学習環境もさらに充実していく追手門学院大学についてです。

昨年度入試日程の変更で大きく志願者数を伸ばしました。移転によって通学圏が広がったことも手伝って合計すると2022年度入試では2020年度入試の1.26倍の志願者を集めました。特に調子が良いのが社会学部。根強い人気の地域創造も続伸しています。経営学部は昨年の揺り戻しで減少しましたが、それでも2020年の1.3倍以上の志願者です。このグラフには表れていませんが、新設の文学部も1400名以上の志願者を集めました。

ここでコロナ禍の影響で国際学部だけ大きくマイナスになっていますが、逆に言えば一般入試も含めて今後の入試での狙い目となることが考えられます。若干続落の経済学部も併せてお勧めしておきます。