関関同立に強い高校

2017年4月12日 水曜日

今回は関関同立の合格者数の合計数でのランキングを作ってみました。250名以上の実績のある上位53校です。

(数値は週刊朝日を参考にしています。関西学院大のみ実人数での発表で、他の3大学については合格回数の合計数です。)

この数値ですと、大規模校の方が有利になりますので、卒業者数で割った「占有率」でランキングを作ってみました。こちらは上位50位までです。

一人で2合格以上するために、上位の方では100%を超える数値となっています。もちろん、このランキングの上位に位置していない学校には、国公立大学をメインに考えていて関関同立受験をしない生徒が多い学校も含まれていますから、学校の受験学力の優劣を表すものではありません。しかし、このランキングに入っている学校は少なくとも難関大学を目指す生徒が集まっている進学校だといえるでしょう。

学校選びの御参考になさってください。

 

【スクープ】堺リベラル中学校が高等学校を併設!!【新規開校】

2017年4月11日 火曜日

大阪堺市堺区浅香山の閑静な住宅地の中にある女子校「堺リベラル中学校」を運営する愛泉学園が、次年度から「堺リベラル高等学校」を新規設置するという情報が入ってきました。(設置認可申請中)

しかし、この学校をご存知の方からすると、それって「香ヶ丘リベルテ高校」の事じゃないの?となるはずです。学校名は違いますが、場所も運営法人も同じ学校です。しかも5年前に堺女子高校から校名変更したばかりですし・・・。
そこで、学校の先生に突っ込んで聞いてみました。すると・・・。

現在、「香ヶ丘リベルテ高校」には表現教育科と普通科がありますが、その中の表現教育科を独立させて、「堺リベラル高校」とする。今の表現教育科の来年の2年生、3年生はそのまま「転校」させる、とのことです。つまり来年開校なのに3学年が一気に揃うという珍しい現象になりそうです。校地は今の学園の中に併設となる見込みだそうです。そういえば去年訪問したときに学校の一部が工事中でした。こういう事だったのか・・・。

香ヶ丘リベルテ高校の表現教育科というのは、声優やミュージカル、ダンス、軽音楽といった授業に加えてスピーチやプレゼンテーションなど、社会で生きていく力の養成も行っている面白い学科です。中身も本格的で、たとえばダンスの授業では、HipHopやJazzなど様々なスタイルを身に着けるだけでなく、振り付けを自分たちで作ってみる、見せ方を考えるなど、基礎から実践まで体系的なカリキュラムが組まれています。実際ここから芸術系の大学進学や、プロとして活躍している人がいるというのも納得できます。

ところで、併設されている堺女子短期大学には美容や保育の専門分野がありますが、香ヶ丘リベルテ高校の普通科の方にもファッションビジネスや保育進学のコースがあります。さらにそれ以外に資格取得を目指すライフデザインコースや、スポーツや特技が生かせるフィジカルコースなど6コースが用意されています。社会での活躍を早い時期から想定した教育がなされています。もちろん大学への進学希望にも対応しています。

府立天王寺高校に3名、生野高校文理学科1名、住吉高校5名、泉北高校2名、清風南海高校3名、四天王寺高校2名、大阪女学院高校4名、関西大第一高校1名・・・。

実は堺リベラル中学校からの合格実績です(学校HPより)。この学校は「サンライズコース」という外部進学向けのコースと「サンシャインコース」という香ヶ丘リベルテ高に進学するコースに分かれています。(名前もおしゃれですね。)「サンライズコース」の徹底した反復学習や公立入試対策授業、外部模試への受験を薦めるなどの取り組みが形になって表れているようです。従って、今後は堺リベラル中学校に入学すると、「堺リベラル高校」「香ヶ丘リベルテ高校」「外部難関校」と3つの選択肢が用意されることになります。さまざまな目的や進路希望にきめ細かく対応できるというわけです。

堺リベラル中学校としては開校8年目にして大きな改革となります。どのような形でプレスリリースされるのか、注目したいところです。

 

雲雀丘学園の「アクティブ・ラーニング」

2017年4月7日 金曜日

兵庫県、阪急「雲雀丘花屋敷」駅すぐの雲雀丘学園中学校・高等学校は近年人気が高まっています。こちらの理事長の方は代々サントリー創業家ということですが、そのブランドで人気があるのではなく、大学合格実績も東大現役1、京大現役2、阪大17(内現役14)(2017年度入試速報値)と難関大学も含めて高い数値を出しており、進学校としても定評があります。しかし、こちらの高校のアクティブ・ラーニングもなかなか充実しています。

まず、2016年で既に13年実施されてきた「One Day College」という特別講義は、大学の最先端の先生を招いて行われ、生徒が書いたレポートのうち優秀作品が冊子に掲載されるというものです。ここまで聞くと、いやぁどこでも同じようなものあるんだけどな、という話になりますが、この講義はなんと30種類も用意され、その中から選ぶことができます。

2016年度のテーマは、「医学部で学ぶこと」(関西医大講師)「とっても身近な知的財産権‐携帯電話、アニメ、音楽から‐」(関大法学部教授)「曲線の秘密‐円から楕円へ‐」(大阪市立大研究員)「ポピュラーミュージックから世界を見る」(同志社大学教授)「ビジネスプランを作ってみよう」(日本政策金融公庫所長代理)「カッコいいデザインとは?」(九州大学准教授)「経営(商)学部で学ぶこと」(マサチューセッツ工科大学研究員)などなど・・・・。日本のみならず海外からもすごい研究者を集めてきています。また、これ以外にも環境系、歴史系、工学系など分野の幅が広く、非常に面白い企画となっています。

このテーマ設定だけにとどまらず、この学校では生徒さんのノートと感想、学校の先生のコメントが掲載された冊子が後日作成され、配布されます。自分が参加できなかった講義の内容も知ることができるという仕掛けになっています。併せて他の生徒のノートを見ることで、ノートの取り方の参考にもなるという効果もありそうです。

このイベント以外にも夏休みを利用して大学で研究体験をする企画もあるそうです。

というわけで、大学合格実績が良くなったので人気が出た、というものではなく、やはり生徒さんを育てるためには、大変であってもこれらの教育イベントを数多く企画・運営なさっている先生方の工夫や苦労が評価されたという事でしょう。それもあって中学入試では出願者が昨年より26%も増加(初日比較)しています。こちらのオープンスクールや説明会の予定も学校ホームページで案内しています。一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

城星学園と大阪星光学院

2017年4月6日 木曜日

以前、この欄でも紹介した大阪城の南の文教地区にある「城星学園」中学校・高等学校はキリスト教系の女子校ですが、昨年同じキリスト教系の「大阪星光学院」との人的交流を含む業務提携が発表され、「もしや合併??」と教育業界に激震が走ったものですが、今回は新教頭先生から直接話を伺う機会がありました。実はこの教頭先生自身が大阪星光から異動なさったそうで、なるほど、人的交流というのは先生の事だったのね、と納得です。

その先生が、昨年度の大阪星光学院特別ゼミ(ほしゼミ)の資料をくださいました。このゼミは、実際に病院や研究所に出向いて行う希望者参加の体験型学習です。半年で6回ほど行われています。「放射線治療」「はやぶさの軌道決定」「iPS細胞」「地球工学」・・・このように最先端の研究が行われている施設を利用することがなぜ可能なのかなと思い、よく資料を見ると、なるほど、これらのゼミの講師である研究者は大阪星光のOB達なのでした。理系の内容だけでなく、経営工学など社会科学のプログラムも用意されていました。また、このゼミとは別に高校生模擬裁判選手権の案内もありました。

そして、どうやら城星学園の生徒さんにも、こういったプログラムを提供しようと考えていらっしゃるとのことです。まだ、詳細は決まっていませんが、このような普通の中学生や高校生が触れることができない最先端の研究を見せてもらえるという事になれば、生徒さんにとっては大きな刺激となり、将来に向けた意欲も高まる事でしょう。元々少人数制を活かして理科の実験が多いなど、体験型の授業が多い城星学園ですので、生徒さんたちも喜ぶことでしょう。

因みに城星学園小学校は共学の進学校として有名ですが、そこから大阪星光学院への入学枠というのも検討中とのことで、お互いにメリットがある提携となりそうです。

城星学園中学・高等学校の今年度の入試説明会やオープンスクールの予定も既にHPに公表されています。このなかで具体的な内容が順次発表されていく事でしょう。今後もこの2校の提携が、どのような相乗効果を生むのか注目されるところです。

 

大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較②

2017年4月5日 水曜日

さて、それでは今年学年占有率が10%を超えた13校の過去4年間の推移を見てみましょう。

御覧のように、北野高校が2年連続で伸ばし、2年連続で首位だった茨木高校を抜いてトップとなっています。また、昨年度少し後退した長田高校も今回伸ばして占有率を15%台に乗せています。(前日の表もご参照ください)しかし、全体的にみると、北野高校以外は合格者数55~40名付近に集まってきており、いずれの高校も熾烈な争いになっていることがわかります。

今年から後期入試がなくなった大阪大学ですが、逆に「世界適塾入試」という特殊な推薦入試を始めています。東大や京大の推薦入試と同じように広い範囲から志願者が集まることから、一つの高校から大量合格するのも難しくなるかもしれません。阪大への合格を勝ち取るには高校入学後も幅広い学習が必要となるでしょう。

 

大阪大学2017年度合格者数 高校別実績比較①

2017年4月4日 火曜日

昨日から実質新年度が始まりました。各学校も新たな入学生を迎え、少し落ち着いた時期を迎えます。

さて、大阪大学の高校ごとの合格者数も次第に明らかになってきました。まず、合格者数を卒業生数で割った「占有率」でのランキングを見てみましょう。

 

統計上の誤差を避けるため、2017年度入試で合格者の実人数が20名以上の37校だけを取り上げています。学校名の後ろに★印が付いているのは公立の高校です。

トップの大阪府立北野高校をはじめとして、公立高校の躍進が目立ちます。トップ10校の中に、公立が7校ランクインしており、近畿各地域のトップ校の名前が並んでいます。

このランキングだけを見ると、中高一貫の進学校である私立高校の割合が低いように見えますが、国公立の医学部や京大・東大といったさらに難易度の高い大学へも分散していますので、この指標だけで学校の教育力を測ることはできません。とはいえ、公立高校同士で考えると、高校入試の難易度との相関があるようです。


(続く)

 

東大ランキング2017 ③

2017年3月24日 金曜日

京大ランキングと同じように現役と既卒の割合も図にしてみました。

いやぁ、ここでも灘高恐るべし。図には表していませんが理Ⅲ合格者も18名と1位です。2位の開成の9人を大きく引き離しています。近畿圏で東大合格といえば、ここに迫る学校はありません。

また、この図を見ると、公立(学校名に★がついた学校)はことごとく中心線より下、つまり現役の合格率が低い学校となっています。全教科が得意科目でなければ勝負にならない東大では、公立の3年間という時間は短すぎるという事なのでしょう。おそらく医学部医学科で集約しても同じような結果になると思います。このレベルの入試では6年一貫教育の優位性が生きてくることがわかります。

今の好況感から、文系への回帰が起こってきています。また、一時は減少傾向にあった「遠距離入試」も回復傾向がみられます。従って東大の文系などは今後さらに難化すると考えられます。安定して東大への合格者を出していた進学校も、今後は厳しい戦いにさらされる事になるでしょう。

 

東大ランキング2017 ②

2017年3月23日 木曜日

京大ランキングで紹介した通り、兵庫の甲陽学院や奈良の西大和学園など関西から東大シフトしている学校もあります。その影響もあるのでしょうか首都圏の学校で合格者数が減少している学校が目立ちます。具体的にどのような学校が増加しているのでしょう。表にしてみました。(単年度で合格者が10名以下の学校では変化の割合が極端になりますので除外して集計しています。)

 

この表では、年度による波を緩和するため、2017年度入試実績(既卒含む)と2016年度入試実績の合計を、2015年入試実績と2014年度入試実績の合計数で割ったものです。つまりこの数値が高い方が東大合格者を順調に伸ばしている学校ということになります。

近畿地方の学校にはピンク色、その他西日本の学校を水色で塗っています。ご覧のように西大和と甲陽が増加率上位に食い込んでいます。併せて★印の付いた公立高校、☆印の国立大附属校も健闘していることがわかります。西日本の学校も4校が増加組に入っていますが、ラ・サール、愛光は伸びているというより、長期的にみると回復してきたという見方ができるでしょう。(続く)

 

東大ランキング2017 ①

2017年3月22日 水曜日

京大に引き続き、東大の状況も知りたいとのご要望を頂きましたので、東大に関しても同じ分析を加えてみました。(サンデー毎日・週刊朝日の数値を参照しています。この数値の元は学校からのアンケートによるものですが、100%回収できているわけではないのであくまでも途中集計としてご覧ください。)

学校の所在地が近畿圏のものには見やすいようにピンク色で塗ってみました。

 

卒業生数に対する現役合格者数の割合でランキングを作るとこのようになります。実人数ランキングでは東京の開成が159名(内現役103名)でダントツの1位ですが、卒業者数が400名近い学校ですので割合にすると2位となります。(続く)

 

京大ランキング2017 ②

2017年3月21日 火曜日

近畿圏では公立高校の躍進も目立ち、その動向が注目されていましたが、そこに注目してみましょう。かつては中高一貫の私立進学校に比べて、公立高校は入学してから3年間という時間の制約があるため、現役合格は厳しいとのイメージがありました。昨日に続いて現役と既卒の占有率の相関図を作ってみました。

 

近似線の上は現役より既卒の割合が高いことを示しています。すると同じ公立でも二通りあることが判ります。

 

堀川・北野・西京は現役の比率が高いのに対し、膳所・天王寺・茨木・奈良・長田などは既卒と比較して現役の実績が低めになっています。深い思考力や相当量の記述力が必要とされる京大に現役で合格するためには旧来の知識重点型の学習では厳しいわけですが、堀川や北野ではそのレベルの入試も意識した授業内容になっていると考えられます。西京は中学校も併設していますので、6年間という時間を有効に活用した実践もプラスに作用していると考えられます。いずれにせよ、大学進学に関して公立高校が伸びている、と単純に考えるのではなく、公立の間にも大きな違いがあると考えるべきでしょう。

高校選びの参考にしてみましょう。