大阪薫英女学院にお邪魔してきました

2016年9月29日

大阪府摂津市にある薫英女学院、今年で創立85年を迎えた女子中学、高校です。JR岸部駅、モノレール摂津駅からも歩けますが、阪急京都線正雀駅からですと、わずか徒歩5分です。

 

大学でも英検など英語の資格やスコアが有利になる入試制度が多く、英検取得や留学に力を入れている私立中学・高校も増えてきました。英検は日本でしか通用しないなどのデメリットを強調し、TOEFLの受験を薦めている学校もありますが、受験料の安さや、一度取得すると期限がないというメリットから、人気の高い検定でもあります。しかし文部科学省の統計では準2級以上を取得している高校生はわずか10.1%しかいないそうです。しかし、薫英女学院は14年連続で高校在学中に英検1級合格者を複数輩出するなど、20年近く前から英検取得の取り組みを続けている「英検強豪校」なのです。

 

特に中学から入学した生徒のうち、準2級を取得した生徒は94%に上るそうで、一部のトップがすごい、という学校ではなく、全員がすごいという学校なのです。

 

その秘密を探るべく、学校にお邪魔してみました。すると、まず入口に大きな垂れ幕が・・・。女子駅伝、バスケットボールなどスポーツ・特技コースの生徒の戦績もたたえられていますが、その横に英検1級合格の文字が・・・。このように学校全体が英検取得を応援しています。

 

校内には英検の合格者の掲示物が廊下に大きく貼りだされています。歴代の英検1級取得者も名を連ねています。まさに殿堂入りといった感じでしょうか、生徒さんたちはこの掲示を見て、自分も続こうと気合を入れるのでしょう。

 

ブース形式の自習室も完備されています。これ以外にも図書室など自習スペースが用意されています。ちなみに自習室には留学準備コーナも用意されており、学校ぐるみで留学も応援している姿勢が感じられます。

 

休憩時間に入りました。廊下を移動する先生方の姿がありますが、外国の方が数人歩いています。生徒や他の先生と英語で談笑しています。まるで外国に来たようです。きれいな金髪の生徒が・・・。交換留学生も毎年受け入れているとのことです。

実は来週末が今年度第2回の英検の試験日です。そこで、昨日からこの学校はすべての授業を5分間短縮授業にし、放課後に英検対策を行っています。

その英検対策というのが面白いのです。もちろん先生が工夫した小テストでステップを刻んで成長させる仕掛けもあるのですが、自習時間はクラスみんなで「楽しく」自習をするのです。お互いに単語テストを出し合うグループや黒板に問題を書いて、先生の真似をする生徒、判断が難しい問題の決め手を討議するグループ・・・。ともかく一人ひとりが英検に向かっているのではなく、クラス全員で合格するぞ、といった自習が行われます。

特に中学から入学した生徒は中3の1月から1年間の留学を経験しているので英語の感覚にも相当敏感になっていますが、それ以上に異文化の中で戦ってきた自信でしょうか、討議するときもきわめてアクティブに、それでいて明るく対決することができるようになっています。

英検取得なら「薫英女学院」を超える学校は無いでしょう。もちろん英検がゴールではなく、それ以上にチームで成果を掴むという体験から多くのことを学ぶことでしょう。卒業生が生徒の相談相手や授業補助として数名働いていることからも、もはや先生の頑張りだけでなく、みんなで協力して勉強するのが学校の文化となっていることがよくわかります。

校舎にカメラを向けると窓から手を振る生徒さんたちの姿が。勉強ばかりで疲れている時間帯だと思いましたが、とても皆さん楽しそうで元気なのでした。

英検取得と留学をお考えの女子は、一度考えてみられては如何でしょうか。高校からの募集人数も多い学校ですが、1年間の留学から帰ってからも2年間の大学受験準備期間が取れる6年制の方が、大学進学には有利だと思われます。