城星学園中学校・高等学校にお邪魔してきました

2016年6月10日 金曜日

大阪森ノ宮、玉造駅から徒歩10分ほど、大阪城公園南側に広がる文教地区にあるミッション系の女子校、城星学園を訪ねてきました。夕方のお忙しい時間帯にすみません。

入り口のマリア様の像の前で下校時にお祈りをして帰る小柄な中学生がいました。なるほどそういう決まりになっているのか、と思って後で先生にお伺いすると、そのような決まりはなく、たまたまそういう生徒がいたのだろうというお話でした。その生徒さんは今日の一日に感謝していたのでしょう。

中学校は1学年30名ほど、高等学校は90名ほどのこの学校は、少人数を生かして英語教育を強化していることでも知られています。

古くから受験英語にとどまることなく、コミュニケーション能力を高める仕掛けを持っています。まず、毎朝15分のリスニングの時間を設け、耳を慣らした後、中1で英語漬けの「イングリッシュキャンプ」という合宿を兵庫県で行い、そこで英語劇にも取り組みます。中2ではさらにネイティブと交流する多くの時間を作って対話能力を高め、中3でグアムに修学旅行という段階で、無理なく英語でコミュニケーションをとる能力を高めていっているそうです。

 

高校生ではGTECや英検にも積極的に挑戦させ、成果を上げているようです。それに加えて「英語広場」「数学広場」「美術広場」というそれぞれの科目を自主的に学ぶことができるコーナーを放課後に設置しているそうです。

こんな都会の真ん中ですが、案外広いグランドがあります。体育館もピカピカです。運動部も盛んなようです。写真は写せませんでしたが、日本水泳連盟公認の室内温水プールもあるそうです。


音楽や保育などに進む生徒向けでしょうか、個人レッスン室も整備されています。聖歌隊や吹奏楽など音楽系の生徒も使えるようです。

 

部活が終わった生徒たちが中庭に続々集まっています。その場所には聖人「ドン・ボスコ」の像が立っていて、生徒さんたちを見守ってくれています。なんだか微笑ましいですね。

  また、この学校は生徒さんたちがよく声をかけてくれます。このような家庭的な雰囲気を持つ学校の教育力の大きさが実感できました。


 

親和中学校・親和女子高等学校にお邪魔してきました(部活動編)

2016年6月9日 木曜日

六年一貫の学校は、高校受験に中断されることなく、落ち着いて部活動ができるというメリットも大きいと思います。この学校では9割以上の生徒さんが部活に参加しているそうです。そこで、放課後でしたので部活動をいくつか見せていただくことにしました。

 

まず、コーラス部。ピアノの周りでパート練習をしていましたが、「ちょっと聴かせてもらっていいかな」とお願いすると、さらさらとその場でパートを決めて、アカペラで、しかも素晴らしいハーモニーで校歌を聞かせてくれました。いやいや、その場で「あなたはアルトね」とか言われてなぜ正確な音程で歌えるのか、なぜブレスの深さまで揃っているのか、驚きを隠せません。高校野球の開会式や閉会式、NHK音楽コンクールにも出場していると聞きました。いやぁ、このブログではその素晴らしい歌声をお伝えできないのが残念です。

校舎のあちらこちらから楽器の音も聞こえてきます。器楽部が教室に分かれて楽器ごとのパート練習をしているようです。そこでバイオリンのパート練習にお邪魔しました。8月にドイツ演奏旅行があるそうで、なんとワーグナーの序曲をガンガン弾いています。「楽器は学校で借りているの?」と聞いてみると、「いえ、それぞれ自分で購入しています。」との返答でした。楽器への愛着が生半可ではないことが十分伝わってきました。みなさん本気なのですね。

激しい音がしています。空手部です。顧問の先生とコーチの先生がついています。この時間帯はまだ生徒が少なかったようですが、手が相手に当たる音と踏み込むときの足音が激しく響いています。迫力満点です。

グラウンドの向こうではソフトボール部が練習しています。練習試合をしているようですが、守備が本格的です。人数も多いようです。手前は陸上部が使っているそうです。それにしてもこのグラウンド広いです。

卓球部の練習風景も見ました。いちいち球を拾いに行かなくてもいいように、ペアごとにかごいっぱいのピンポン玉が与えられています。ひたすらスマッシュの練習をしています。この集中力、すごいです。

化学実験室では理化部が何か実験をしているそうですので、のぞいてみました。このような理科系のクラブはこじんまりと地味に活動しているものだと勝手に思い込んでいましたが、なんだ、この人数は・・・。しかも全員白衣、このあと防護メガネ。授業並みの人数で実験しています。先生にお伺いすると、「今回の一斉実験はちょっと例外で、活動の多くはいくつかの班に分かれての自主的な実験をするもので、先輩が後輩に教えるなど助け合いながら楽しく実験しています。」とのことでした。

 

こちらは書道部。こちらもまだ生徒さんがそろっていない時間帯でしたが、先に来た生徒さんが黙々と臨書(お手本を見ながら書くこと)しています。後ろには篆刻(作品の最後に押すための、石を削って手作りするハンコ)も置いてありました。本格的です。この日は半紙を使って静かに練習していましたが、音楽に合わせて巨大な作品をほうきより大きな筆で書くといったパフォーマンスもするそうです。ちなみにこの学校、芸術科目(音楽・美術・書道)に専任の先生が二人ずついらっしゃるそうです。

少数派ですが部活に入っていない生徒もいます。彼女らは何をしているかといえば、あれ?勝手に部活(?)しています。中庭ではバトミントンで遊んでいるグループとドッジボールしているグループがいました。つまりみんな学校が大好きなようです。

さて、今回印象に残ったのは、顧問の先生やコーチに教えてもらうのではなく、自主的に自分たちで練習している姿です。今回見せていただいたこれらのクラブでは、先生がその場にいらっしゃっても遠くで見守っているという感じです。このように、自主的に自分たちで何でもやろうとする姿勢が、先輩から後輩に受け継がれているようです。このような力は大学入試だけでなく、社会に出てからもっと生きてくるのかもしれません。

 

親和中学校・親和女子高等学校にお邪魔してきました(進学実績編)

2016年6月8日 水曜日

神戸市灘区にあります親和中学校・親和女子高等学校にお邪魔してきました。阪急神戸線六甲駅からは徒歩15分と徒歩圏内ですが、市バスを使えば学校まで徒歩5分の「高羽町」というバス停まで行けます。今はきれいな校舎ですが、約130年前の明治20年(1887年)に開校した神戸市で最も古い女子校だそうです。

 

御覧のように図書室の閲覧室からは神戸港が一望という素晴らしい環境の1学年は200名ほどの女子校です。


 

最初に今春の大学合格実績をお伺いしました。大阪大学5名!全員現役だそうです。神戸大学6名、うち医学部2名、さすがに理系に強いイメージ通りです。たまたま今年はいませんが、例年京都大学の合格者も出る実力のある進学校です。

国公立は56名、占有率(卒業生に対する国公立合格者の割合)は23%という立派な実績に加えて、関関同立合計220件、神戸薬科・大阪薬科・京都薬科合計で20件、東京女子医大や防衛医大各1名と医学薬学系への合格が目立ちます。女子校としては珍しく1学年の半分が理系だそうです。

3年前から中学入学時から「Sコース」と「総合進学コース」の2コースが設置されていますが、授業時間数などそれほど差は無いように感じました。つまり進学に特化したコースだけ長時間拘束、大量の宿題、テスト攻めにして・・・、という学校ではないということです。もちろん部活OKです。

生徒の自主学習のための環境も整っています。9万冊以上の蔵書の詰まったこの立派な図書館では閉館時間まで司書の先生がいらっしゃいますので、資料探しで困ったとき助けていただけると思います。図書の整理法は一風変わっていて、基本はNDC(日本十進分類法)を使っているのですが、岩波文庫など国語の先生の要請で同じシリーズのものを一か所に集めておくなど、授業と連動した柔軟な対応になっています。読書については、校内読書感想文コンクールを40年に渡って実施しているそうで、文部科学省の賞状も飾ってありました。それ以外にも読書指導や読書感想文の外部への発表も行われているようです。国語力を中学の間に固めることが、理系進学にも生きてくることをこんなに昔からの実践で証明しているわけです。この写真の生徒さんたちは1冊の本を手に取って二人でその本の意味を議論し始めました。勝手に「アクティブ・ラーニング」できる力がついているようです。

もう図書館は閉館の時間なのに、案内してくださっていた日本史の先生が生徒の質問に対応しています。大学入試に向けた社会の勉強法を聞いているようです。ここの生徒さんは先生との心理的距離が近いように感じられました。このように先生にいつでも質問できるような環境も大学合格実績につながっていることでしょう。


 

今年で7回目 「大阪キリスト教 学校フェア」が開催

2016年6月7日 火曜日

毎年恒例、「大阪キリスト教 学校フェア」が今年も開催されます。大阪府内のキリスト教学校が一堂に会し、キリスト教学校の教育を一般にお知り頂くために開催されているイベントです。

詳細は下記の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

「大阪キリスト教 学校フェア」

日時:2016年6月19日(日)10時30分~16時00分
場所:阪急うめだホール(阪急うめだ本店9階)
内容:ブース形式での進路相談、各学校の生徒による演奏会や発表会

「大阪キリスト教 学校フェア」は今年で7回目の開催となります。1回目・2回目の開催は7月末の土曜日を使って実施をされていましたが、第3・4回は実施時期が大幅に早まって6月の第一日曜日になり、第5回目からは6月の第三日曜に開催されています。いずれにしても、ここ数年間は6月の大阪府内にあるキリスト教学校の恒例イベントとして定着してきています。

会場についても、第1・2回は東梅田教会、第3・4回はYMCA会館、第5・6回は太閤園での開催でしたが、今回の第7回からは阪急うめだホールに変更となりました。

「大阪キリスト教 学校フェア」、今年はどのような動員になりますでしょうか。

 

浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました(学校生活編)

2016年6月3日 金曜日

この学校は生徒の自主的な学習を支援する設備にも力が入っています。

まず、職員室前の「学習室」というガラス張りの部屋は、隣のガラス張りの職員室前にあり、先生に質問をして個別に教えてもらうためのものですが、グループ学習を行うことも可能です。3万冊以上の図書を収納する図書室も立派です。普通は進路指導室にひっそりと収納されている大学入試の過去問や学習用図書も、この学校では開架されています。隣にはそれぞれLEDスタンドがついたブース形式の自習室があります。

 

本館は8階建ての建物ですが、その6階部分が「天空レストラン」と呼ばれる食堂になっています。見晴らしがよく、座席レイアウトも含めてホテルの設備のようです。しかも焼き立てパンのコーナーやソフトクリームなどが買えるカフェテリアも併設されていて、営業時間もお昼だけではないそうです。そこから東館の屋上に作られた空中庭園にでて一休みする事もできます。(ここはさすがに安全面を考えて、お昼だけの解放だそうです。)

芸術科目にも力を入れています。音楽室が3つあって一つは吹奏楽専用となっています。吹奏楽部も地区大会では金賞の常連です。

 

今回はお話を聞いただけでしたが、千早赤阪村に廃校になった小学校を利用して作った「多聞尚学館」という300名収容の立派な合宿施設があります。新入生のオリエンテーションや勉強合宿などに活用されていて、おもしろい事にその合宿の保護者参観まで実施されています。

堺市にも広いグランドを設置したそうで、この設備もクラブなどに活用されているようです。

校舎内のトイレはセンサー式の照明で便器はシャワー式、それに加えて廊下の端にも手を洗ったりすることができるような流しがあります。このように一部の生徒だけの為の設備ではなく、どの生徒も使う設備も充実しているこの学校は、設備の良さだけではなく、生徒を大切にしようという先生方の考え方が現れているようにも感じました。

 

浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました(神道-日本文化編)

2016年6月2日 木曜日

毎年初もうでに行き、地鎮祭や上棟式では神主さんをお願いし、受験前、出産時などには神社のお守りを身に付ける人が多い日本ですが、不思議な事に神社神道系の中学校・高等学校というのはあまりありません。全国でも「皇學館中学校・高等学校」、「國學院高等学校」、「國學院大學久我山中学校・高等学校」、「國學院大學栃木中学校・高等学校」、「浪速高等学校・中学校」の5校しかありません。しかも関西ではこの「浪速高等学校・中学校」しかありません。この神社神道の考えを生かした教育を受ける事ができるのはここしかないという訳です。

学校の正面左手に「学院神社」があります。この立派な鳥居は伊勢神宮の倭姫宮の明神鳥居を譲り受け移築したものだそうです。毎月1日にはここに全校生徒がお参りします。因みに古い社殿は東日本大震災で流失した岩手県大船渡市の神社に寄贈したのだそうです。

神社といえば日本文化と関わっています。日本文化といえば・・・というわけで、まず立派な和室がありました。家庭科で利用されているようですが、床の間が付いた本格的な形式です。建物内のベンチにも畳を利用しているものが随所に置かれています。芸術科目の一つとして書道も重視しているようです。もちろん茶道の部屋もあります。

武道は空手を採用しているようですが部活としても全国優勝レベルという素晴らしい戦績を残しています。剣道や弓道といった部活も強豪です。もちろん硬式野球やサッカー、ボクシングなど伝統的な日本の武道以外にも強いクラブはたくさんあります。

さらに特徴的なのは雅楽部と神楽部でしょう。神楽部は大阪天満宮の先生から直接指導を受けている本格的なものです。雅楽部は2012年の近畿高校総合文化祭(和歌山県大会)で奨励賞を受賞したというレベルで、昨年の「開成進学フェア」で実際に演奏をして頂きましたが、周りの空気感を変えてしまうような緊張感あふれる凛とした演奏が印象的でした。いずれも学内行事等での奉納演奏を担当しているそうです。

道徳教育も神社神道の考えを基礎として、他者とのつながりをテーマにした授業が中学校で行われています。この実践を元に道徳教育研究会がこの学校で開催されたほどです。

このように芸術、部活、道徳教育、学園生活の中に日本文化を重視する仕掛けが織り込まれているこのような学校は類を見ないものです。大人が見ても実際の住まいや生活から薄まりつつある文化を再確認できるような学校でした。

 

浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました(ICT編)

2016年6月1日 水曜日

創立90周年を記念して校舎の建て替え工事が完了した浪速高等学校・中学校にお邪魔してきました。最寄駅は南海高野線「我孫子前駅」ですが、地下鉄御堂筋線「あびこ駅」、JR阪和線「杉本町駅」「我孫子町駅」、のどの駅からも徒歩圏内ですので、大阪市内のみならず、北摂方面からでも十分通学可能な利便性の高い立地です。

遠くから見える立派な建物が中央館という8階建ての建物です。平成27年8月に竣工したそうです。この建物の2階部分が玄関になっています。

玄関を入ったところに「コスモススペース」という名前のオープンスペースがあります。ミーティングテーブルやプロジェクターがありますが、無線Lanの設備もあり、生徒は借りたiPadで調べものもできるという場所でもあります。アクティブラーニングのためにミーティングテーブルやパソコンを用意している学校も増えてきましたが、このように人数やスタイルに合わせて柔軟にレイアウトが変更できるスペースが玄関前にあるのが斬新です。

各教室には電子黒板が準備されています。このような最新の機器を利用しにくいといわれる国語の授業がいくつかの教室で行われていましたが、有効に利用されていました。平均年齢34歳と、先生方も若い方が多いのでこのような新しい授業スタイルも柔軟に取り入れられるのかも知れません。

大画面で一斉に動画が鑑賞できるシアターもありました。面白いのが前半分のスペース。カーペットを敷き詰めたフラットなスペースになっていて、多くの生徒を収容する事も可能です。

化学室です。実験室としての設備に加え、ここにも大型モニターが設置されています。後ろの席の生徒でも先生の実演などを見ることが可能です。

このように新たな設備をそろえました、というだけでなく、それを使って効率的な授業を展開しているのが印象的でした。今年の卒業生のうち、六年一貫の25名中5名が国公立に合格したそうですが、このような充実した設備での学習によって、今後の実績が期待できます。

 

高槻中学校・高等学校にお邪魔してきました

2016年5月31日 火曜日

高槻中学・高校がなにやら騒がしいので覗いてみました。

あ、建物が消えている。

医大体育館横の建物が消えて、基礎工事が行われています。確かに来年から共学化するのでトイレや更衣室を改装するのかと思えば、何と思い切って校舎が立て替わっています。今の高校の校舎もそのうち消えるらしく、新たに図書館と講堂など大型施設ができるようです。

テニスコートも囲まれている。

ここにはアリーナ棟という多目的ホールを建築するそうです。テニス部かわいそう、と思ったら、グランドの向こうにテニスコートが4面新設する工事が行われていました。

工程表と完成予定図面も戴きました。今の小6が入学する頃には半分完成し、次の年度にはほぼ残り半分が完成するようです。医学部への進学者も多く、理系の生徒が多い学校ですが、物理・化学・生物・地学(!)の実験室が計7教室、準備室が4室並んだ最新鋭の校舎が作られるそうです。

来年から共学化する高槻中学・高等学校ですが、設備もさらに充実させて受け入れ態勢万全なようです。ちなみにこの学校は昔からプールがありませんので、水泳の授業が男女一緒ならいやだなというご心配もございません。

女子の受け入れ人数は決まっていますが、部活への参加など、細かい内容を現在検討中との事です。また新たな情報が入りましたらお知らせしたいと思います。

 

神戸学院大学附属高等学校の学校説明会に行ってきました。

2016年5月30日 月曜日

5/18(水)朝はまだまだすがすがしい空気の中で、海の眺めもすばらしい神戸ポートライナーに三宮駅から乗って約10分、[みなとじま]駅で降りるとすぐそこに高校の校舎が見えました。駅から徒歩約2分!あっという間に学校に到着しました。この地には大学キャンパスもあり登校時にはポートライナーも満員になるそうですが、電車は2~3分間隔で運行されており、便利であるとしか言いようのない感じです。また、埋め立て地である広大な敷地は平たんでした。今春の教育改革(2コースから4コースへ)と校地移転があいまっていいタイミングだったようです。
校内は緑あふれる空間も演出されていました。

 

説明会の内容は、まず[進路状況]からの説明。大学の進路は卒業生の42%が神戸学院大学、2%国公立大学、38%が他の私立大学、短大へ2%、専門学校へ7%などとなっているそうです。他の私立大学へは指定校もあり産近甲龍への進学が多くなっています。

高校入試については、合否判定得点は《総合点》で判定されます。
《総合点》=評定値×3+学力試験+α項となります。α項は、専願のみに20点と中学校でのクラブ活動や資格保持者などに最高10点が加点されるものです。
募集状況は、専願者が増えた(不合格者も少し多かったようです。)ということです。入学者数は・・・
・特進サイエンス(理数)コース:39名/特進アカデミック(文理)コース:40名/特進グローバルコース:39名/総合進学コース:239名 合計357名となりました。
教育方針については、5つの項目を掲げ、取り組んでおられます。
①:高大連携教育 ②:教育の情報化 ③:きめ細やかな教育 ④:国際的視野 ⑤:社会との出会い
具体的には、オープンスクールや説明会などに参加してみてください。
来年度入試については、210名募集で、試験科目は、特進サイエンス(理数)コースで英数国理の4科目、他のコースは、英数国の3科目となっています。(特進グローバルコースは、英語200点満点)

今回の説明会でのポイントは、来年度より[中学校募集開始]です!男女60名(30名×2クラス)で、中高完全一貫校とします。6年間この2クラスで進みます。(高校からの入学者と混じらない。)進路保証とグローカル(グローバル+ローカル)人材の育成を目指し、5つの学びのポイントで学習指導していくとのことです。
①:中高大連携教育 ②:サイエンス教育 ③:ICT教育 ④:社会連携教育 ⑤:国際理解教育
●入試科目:算国理(小6・3学期末までの教科内容で出題)、Web出願 となります。

★中学校・オープンスクール:8/28(日)
★高等学校・オープンスクール:7/17(日)、8/27(土)

 

大阪府立富田林中 大注目の大阪府立初の併設型中高一貫校

2016年5月24日 火曜日

2017年より新たに大阪府立としては初となる併設型の中高一貫校となる、大阪府立富田林中の保護者・生徒対象の説明会に行ってまいりました。

当日は朝早くから説明会会場の富田林高校に500人を超える参加者が集まりました。説明会への参加は事前にWebでの申し込みが必要だったのですが、申込み開始から数日のうちに定員に達してしまうほどだったようで、みなさんの注目度の高さ、期待感がうかがえます。

同校は、南河内の誇りを胸に抱き、世界とつながり、国際社会で活躍する人材の育成を目指し、その上で、
・グローバルな視野とコミュニケーション力
・論理的思考力と課題発見、解決能力
・社会貢献意識と地域愛
という三つの資質能力を育むことを目標とされています。その目標を達成するべく、全講義室にタブレット端末をはじめとするICT機器を完備することになっています。またすでに富田林高校がユネスコスクールであることも活かしながら積極的に海外との交流を行い、先進的な英語教育を行う予定となっています。

中高一貫による6年間の教育の流れですが、中高の6年間を2年ずつ3つの期に分け、Ⅰ期は「基礎期」として学ぶことの意義・方法の理解・修得を図っていきます。Ⅱ期は「充実期」とし、授業を中心に高い学力や広い視野を身につけ、高校から入学してきた生徒と切磋琢磨していきます。Ⅲ期は「発展期」ととらえ、進路を見据えて自らを鍛え、高い志を実現できるよう取り組んでいきます。そして、イングリッシュキャンプをはじめとするさまざまな学校行事を可能な限り中高共催することで、中学段階から知的な刺激を与えていきたいとのことです。ちなみに気になる?!修学旅行の行き先は海外(台湾)となるとのことです。

予定されている教育課程ですが、毎日「7限×45分授業」となり、国語・数学・英語の授業は毎日あります。これにより、一般的な6限×50分授業と比べ、各教科とも回数・総時間を多くとることができ、目標にかかげるた一つの論理的思考力と課題発見、解決能力を育むための実験・演習授業に時間をかけることができるとしています。また放課後(15:35~)のクラブ活動を行う時間を確保できるので、充実した学校生活を送ることができるとのことです。

授業の具体的な内容としては、
・国語 中3で高1の古文文法を学習する
・数学 中1から積極的に高校の内容に踏み込んだ授業を行い、中3の早い段階から高1内容の授業を行う
・英語 中2で英検3級、中3で英検準2級程度を上回る英語の運用能力を身につけられるよう指導する
ということで、いずれも高いレベルの学習内容が設定されています。

また2020年からの大学受験改革で求められる新しい学力を育成するため、各教科での学習だけにとどまらずに、さまざまな体験、フィールドワークを行っていきます。そしてその体験を通じて、論理的思考力や自ら課題を発見し解決していく能力を養い、学力の向上へとつなげていくと説明されていました。それにより、同校1期生が大学受験を迎えた際の合格実績目標として、京大・阪大・神大の合格者数で合計30名とされています。今春、富田林高校の実績では合計7名(浪人含む)となっています。掲げられている目標はたいへん高いものと言えますが、それだけ中学校開校に期待をし、力を入れていかれるのだろうと思われます。

2017年入試に向けての情報についてです。細かな要項は7月頃に公表予定となりますが、発表されている内容をここに記載します。
・出願期日   2017年1月5日(木)、1月6日(金)
・適性検査日  2017年1月21日(土)
・合格者発表日 2017年1月28日(土)

・募集人員   1学年・3学級・120人
・通学区域   大阪府内全域とし、保護者のもとから通学すること。
・提出書類   出願時に提出する入学志願書には小学校校長の押印が必要。
ただし調査書は必要なし。
・適性検査等  適性検査Ⅰ(国語的問題・45分100点)、
適性検査Ⅱ(社会・理科融合的問題・45分100点)、
適性検査Ⅲ(算数的問題・45分100点)、作文(400字程度・30分・60点)
・選抜方法等  適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの成績および作文を選抜資料とし、
360点満点で選抜を行う。
・合格者の決定 1.総合点の高いものから、男女別に原則として募集定員の
45%にあたる者をそれぞれ合格とする。
2.残りの10%ついては、男女別を問わずに総合点の高いもの
から順に合格者を決定する。
3.入学辞退者が出た場合は、繰上順位に従い、順次入学の
意思を確認する。繰上順位は上記1・2で合格とならなかった
者のうち、男女を問わず総合点の高い者から決定する。

適性検査の内容は、小学校の学習指導要領に即して作られ、基礎的・基本的な知識や技能をみる問題と、身に付けた知識・技能を活用する力や論理的思考力をみる工夫をこらした問題を、総合的にバランスよく出題するとしています。なので単なる知識を問う問題というよりは、与えられた文章や問題をしっかりと読んだうえで、何を問われているかを正しく理解する力が問われる問題となりそうです。またそのような問題に対し、自分の考えや考え方を表現する力が必要となると思われます。
作文の出題方針も、中高一貫校で6年間学び続けていくことができる意欲・適性および自らの考えや意見を論理的かつ適切に表現する力をみる、としています。単に400字程度の文章を時間内に書くことができれば良いということではなく、まず設題の内容を理解し、それに対しどのような考えをなぜ持ったのかということを書ききる力が必要となってくると言えるでしょう。

最後に、事前に学校側へ寄せられた質問に対する回答がありました。ここまでにご報告できていない内容について紹介します。
・私立中学校等との併願を考えているが、富田林中学校に合格したら、必ず入学しないといけないのか?
⇒合格者は「入学確約書」か「入学辞退届」のいずれかを出すことになります。
「入学確約書」を提出すると、文字どおり入学が確定します。
・高校へ進学する際、内部進学者も試験があるのか?
⇒原則、全員が高校へ進学し、テストは不要となります。
・富田林高校以外の高校への進学は可能か?
⇒富田林高校への進学が前提ではありますが、制度上可能です。
とのことでした。

入試の要項はもちろんですが、受験を考えているみなさんは、どんな制服になるのかなども気になるところではないでしょうか。今後も、6月25日(土・すばるホール)、7月30日(土・すばるホール)、11月上旬(予定・富田林高校)の日程で説明会が行われる予定となっています。是非一度、足をお運びいただければと思います。

以上、大阪府立富田林中学校説明会についてでした。