2023年11月10日
2023年7月12日~16日に今年の司法試験が実施されましたが、その結果が11月8日(水)午後4時に発表されました。全体状況としては4,165名の出願、3,928名の受験、最終合格者数は1,781名で、合格率45.3%となりました。新たな司法試験制度が始まったのは2006年ですが、最初は4割を超えていた合格率が2009年から2018年まで20%台と低迷していましたが、その後次第に合格率は上昇し、今年は過去15年間で3番目に高い水準となりました。
出身または在籍している法科大学院別の数値を元に、ランキング形式でまとめてみました。
今年度の1位は昨年に続いて京都大、マークシート形式の短答式で約9割、難関とされる論文試験でも76.7%の通過率は流石です。
今年の2位は一橋大。こちらも論文試験で高い合格率となっています。実戦的な訓練を積んできた証でしょう。
第3位は慶應義塾大。私学ではトップですね。第4位は東京大、昨年は2位でしたが、短答式で41名も不合格になったのは痛恨だったのではないでしょうか。第5位は昨年7位だった神戸大。こちらも安定の上位ですね。
一方で、1人も合格者を出すことができなかった法科大学院が13(内1大学は出願も0)もあります。今後これらの法科大学院が存続できるのか、心配なところです。
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2023年11月9日
本日11月9日(木)が出願締め切りの追手門学院大学の公募制推薦入試ですが、11月8日(水)の朝段階での速報値が届きました。
募集は学部単位ではなく学科・専攻単位なのですが、全体状況をざっくりみていただくために学部合計の昨年比の表を作ってみました。「昨年比」が大きい方を赤色、少ない方を青色で示しています。
ご覧のように国際学部は既に昨年最終出願数に迫っています。コロナ禍の影響でどの大学も苦戦していた専門分野ですが、ようやく需要が戻ってきたようです。2022年度から新設(というより復活)し、昨年度も多くの受験生を集めた文学部も現時点で8割を超えてきましたので、高い評価を得ているようです。社会学部、経営学部も安定の人気ですね。
一方、昨年新設で話題を集めた法学部とこれまた手堅い人気を誇っていた地域創造は伸びを欠いています。
心理学部は同様に昨年の最終と比べて65.5%となっていますが、受験者の学力層が高いため、実際の合否ラインにはあまり影響がないと考えられます。
週明けには確定値が公表されると思いますので、注目しておきたいと思います。
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2023年11月8日
突然ですが、第3の水ともいわれる「好適環境水」はご存知でしょうか。塩分(塩化ナトリウム)濃度を海水の4分の1ほどに調整し、その他塩化カルシウムや塩化カリウムを加えた水のことなのですが、不思議なことにこの中では淡水魚も海水魚も生きていける、そればかりか海水魚は代謝が上がって成長が早くなる、という魔法のような水なのです。
このような性質を利用すれば、海の無い場所でも魚の養殖が可能になるわけですが、海での養殖と異なり閉じた水域では寄生虫や感染性の病気の心配もないため、抗生物質などの薬剤を使う必要も無く、安心して食べられるお魚を育てることができます。
実際に奈良県でトラフグが、福島県でベニザケが養殖されており、既にスーパーなどで販売されているようです。
この新たな養殖技術を可能にした「好適環境水」を開発したのが岡山理科大学山本俊政准教授だそうです。岡山理科大学の生命科学部ではこのように最先端の食料生産技術が研究されているようです。内陸部でも新鮮なお魚を食べることができるという夢のあるお話でした。
高校生の皆さん、このような最先端の技術も面白そうですよ。
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2023年11月7日
大学入試、中学入試ではインターネット出願が当たり前、という時代になってきましたが、紙の願書にこだわっていた(?)高校受験の世界でも次第にネット出願が普及してきました。四天王寺高等学校からこのようなお知らせが送られてきました。
コロナ禍の影響もあってか、ここ3~4年で各ご家庭のネット環境も急速に普及してきましたので、当然といえば当然の流れですね。
ネット出願の利点は、受験料の支払いのために平日の昼に金融機関の窓口に行く、平日に受験校に提出しに行く、または郵便局の窓口に出向く、といった手間が無くなることでしょう。また、ネット出願なら何時でも入力可能ですので、自宅で家族と相談しながら行うことができるというメリットもあります。既にネット出願を導入している学校から聞いた話ですが、出願「時刻」は夜8時~9時が多いそうです。
因みに大阪府立の「咲くやこの花中学校」、「水都国際中学校」、「富田林中学校」も次年度からインターネット出願を導入します。公立も含めて、高校受験でもインターネット出願が主流になっていくのかも知れません。
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2023年11月6日
近畿圏の私立中学校では「プレテスト」などと呼ばれる各学校独自の小6生対象のテスト会を実施する学校が多いのですが、10月末で全体の半分程度の日程が終了しました。そこで、今年の中学受験生は昨年と比べてどうなのかを占う為に、10月21日までの日程で参加者数を集計してみました。
昨年度と今年度両方の参加者数が判明している学校が、現時点で35校ですが、それを合計すると昨年の5,364名に対し、今年度は5,284名(昨年比98.5%)とやや減少しています。昨年度はまだコロナ禍の影響から自宅受験を併用している学校もありましたが、それが無くなったこともあってか、若干減少となっています。
あくまでも途中経過の範囲内ですが、現時点で智辯学園奈良カレッジ、金光大阪、堺リベラル、履正社、相愛が昨年比で1.2倍を超える人気ぶりとなっております。
また追加情報が判明次第紹介したいと思います。
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2023年11月2日
その次の日に行われる合唱部門についても紹介しましょう。
あれ?単独出場ではなく、ことごとく府県合同となっています。舞台人数はわかりますが、どの学校が参加しているのかがわかりません。そこで、その内訳も調べてみました。
各府県で国立⇒公立⇒私立 で同じ設置者の中では50音順に並べてみました。どの学校から何名という資料は無いので、多い順ではありません。
すると、大阪ではほとんど私立が占めているのに対し、他の府県では公立高校から多く参加しているようです。地域性が出ますね。
高校で合唱をやりたいな、という中学生は、これらの高校に入学すると、来年ステージに立てるかも。因みに2024年の会場は福井県となっています。
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2023年11月1日
11月になりました。文化の秋です。というわけで、近畿の高校の文化部が集う総合文化祭に関する話題です。
書道部門の展示は10日(金)からスタートですが、11日に開会式が開催されます。会場となる三重県の高校による演奏やパフォーマンスも披露されます。
さて、今日は器楽部門の出場校を紹介しましょう。
2016年の開成進学フェアのミュージックフェアにも出演していただいた京都聖母学院のハンドベル、期待できますね。兵庫県からは雲雀丘学園のギターマンドリン。大阪からは府立清水谷の管弦楽。1校単独の割には人数が多いですね。
こちらは18日(土)に披露されます。(続く)
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2023年10月31日
この20%以内に滋賀県で入っているのは17位の膳所のみ。和歌山からのランクインはありませんでした。大学合格実績を公表した事の無い神戸女学院は当然この表にはありませんが、多くが国公立の医学部を目指しているとの事ですので、もし数値がわかったとしても、それほど高順位ではないかも知れません。
東京都立でのランクインは唯一日比谷のみ。つまり東京では私立の中高一貫校が強いということですね。
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2023年10月30日
「大学入試全記録」(サンデー毎日臨時増刊)という本が市販されていますが、高校ごとの大学合格実績が事細かく表になっています。こんな本、塾関係者以外の誰が買うのだろうと思うのですが、毎年発刊時期から2~3か月で書店から無くなってしまうので、結構売れているようです。塾関係者ってそこらへんに案外いっぱいいるのか?それはさておき、そのデータを元にランキングを作ってみました。で、今まで大阪だけ、東京だけ、といったランキングだったのですが、大阪の学校と東京の学校を比べてみたいと思い合わせてみました。いつものように学校の規模による優劣を補正するために、合格実績÷卒業生数=「占有率」を計算し、それでのランキングにし、20%以上の学校のみ紹介します。高校募集の基準偏差値(開成公開テスト併願Bライン)をSSとして記入していますが、元データが少ない東京すべてと近畿圏で高校募集を行っていない学校は空欄になっています。
1位は灘。7割が旧7帝大、で残り3割のほとんどが国公立の医学部だそうですので、なんという恐ろしい学校でしょう。
2位は筑波大付駒場。実数では開成や麻布が上に来ますが、卒業生数160名に対してこの実績ですので、占有率ランキングでは上位です。
3位は甲陽学院。こちらも高校募集がありませんので、SSは空欄ですが、中学入試では灘と同じ日程であるため併願できず、受験者層を分け合っている学校です。
4位東大寺学園。制服の無い自由な校風が灘と似ています。大阪・京都からの通学者も多い学校です。次年度から高校募集が無くなります。
5位大阪星光学院。ミッション系の男子校ですが、200名弱の規模でありながら、京都大・大阪大への合格者数は高め安定です。と、ここまでの近畿圏の4校はすべて男子校に占められています。(続く)
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2023年10月27日
同じことを兵庫県でもやってみました。
リストは創立が古い順に並べています(2校が合体している学校は古いほう優先)。
兵庫県で一番歴史のある高校は篠山鳳鳴高校です。さすが教育を重んじた篠山藩!実はこの学校は藩校がルーツとなっています。
古い方から2番目は姫路西高校、次いで小野高校、神戸高校と続きます。いずれも今でも地域のトップ校ですね。ところで、伊丹高校、尼崎高校、西宮高校は「県立」と「市立」がそれぞれ存在しますが、県立伊丹は県立の旧制中学校を、市立伊丹は市立(創設時は町立)の女学校をルーツにするなど共に伝統校であったため、お互い名前を譲らなかった(?)のかも知れません。因みに県立尼崎高校のルーツは尼崎市立の旧制中学校ですが、途中で県に移管されており、一方の市立尼崎高校のルーツである市立高等女学校はそのまま市が運営したようです。ややこしいところでは、尼崎北高校のルーツの一つは表にある通り「琴浦女学校」という私立の女学校だったのですが、これとは別に大阪市北区玉江町(現在の中之島)にあった1922年創立の私立「中外商業学校」(三木武夫元総理の母校)が尼崎市塚口に移転し、中外商業高等学校となりましたが、1951年に私立琴浦女子高校(当時)と統合し、尼崎市に移管、半年後に兵庫県に移管されるという数奇な運命をたどっています。
大阪では、戦後の学制改革では男子校だった旧制中学校と女子校だった旧制女学校の間で生徒と教員を半分ずつ交換して共学化するという作戦が取られましたが、兵庫県ではそのまま1校に統合した学校も多かったようです。
兵庫県の公立高校を考えている受験生は、これらの歴史も学校選びの材料にしてみてはいかがでしょうか。
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