2023年10月27日
同じことを兵庫県でもやってみました。
リストは創立が古い順に並べています(2校が合体している学校は古いほう優先)。
兵庫県で一番歴史のある高校は篠山鳳鳴高校です。さすが教育を重んじた篠山藩!実はこの学校は藩校がルーツとなっています。
古い方から2番目は姫路西高校、次いで小野高校、神戸高校と続きます。いずれも今でも地域のトップ校ですね。ところで、伊丹高校、尼崎高校、西宮高校は「県立」と「市立」がそれぞれ存在しますが、県立伊丹は県立の旧制中学校を、市立伊丹は市立(創設時は町立)の女学校をルーツにするなど共に伝統校であったため、お互い名前を譲らなかった(?)のかも知れません。因みに県立尼崎高校のルーツは尼崎市立の旧制中学校ですが、途中で県に移管されており、一方の市立尼崎高校のルーツである市立高等女学校はそのまま市が運営したようです。ややこしいところでは、尼崎北高校のルーツの一つは表にある通り「琴浦女学校」という私立の女学校だったのですが、これとは別に大阪市北区玉江町(現在の中之島)にあった1922年創立の私立「中外商業学校」(三木武夫元総理の母校)が尼崎市塚口に移転し、中外商業高等学校となりましたが、1951年に私立琴浦女子高校(当時)と統合し、尼崎市に移管、半年後に兵庫県に移管されるという数奇な運命をたどっています。
大阪では、戦後の学制改革では男子校だった旧制中学校と女子校だった旧制女学校の間で生徒と教員を半分ずつ交換して共学化するという作戦が取られましたが、兵庫県ではそのまま1校に統合した学校も多かったようです。
兵庫県の公立高校を考えている受験生は、これらの歴史も学校選びの材料にしてみてはいかがでしょうか。
カテゴリー: 高等学校・高校入試 |
2023年10月26日
先日関関同立に関する記事を書いたところ反響をいただきましたので、次は「産近甲龍佛」でのランキングを作ってみました。
関関同立のランキングと同じように、高校の規模の影響を補正するため、高校ごとの合格件数を卒業生数で割った「占有率」でのランキングです。
すると、第1位は兵庫県立豊岡高等学校。実は兵庫県で姫路西高校に次ぎ2番目に古い127年の歴史を持つ伝統校です。歴史のある公立校は旧制中学校や旧制女学校をルーツにしている学校が多いのですが、こちらは何と旧制中学校と旧制高等女学校が1948年に合併してできた学校で、SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)にも指定されたことのある進学校です。
第2位も100年以上の歴史のあり、県知事、大蔵大臣も務めた武村正義氏の母校でもある、滋賀県立八日市高等学校。
第3位も旧制女学校をルーツに持つ京都府立城南菱創高等学校。
第4位も今年130周年を迎える奈良県立郡山高等学校。1学年9クラス規模の伝統校です。
第5位の草津東高校は創立45年の新設校ですが、第6位の大阪府立八尾高等学校がこれまた128年前に創設された旧制中学校(大阪府第三尋常中学校)がルーツです。
というわけで、昨日の話にもつながるのですが、伝統校には進学校が多いような気がします。1位の豊岡高校の卒業生は産近甲龍佛のどこに入学することになっても下宿必須だと思うのですが、そのような環境と関係なく、大学進学に熱心な学校もあるのだな、というお話でした。
カテゴリー: 大学・大学入試 , 高等学校・高校入試 |
2023年10月25日
大阪府には全日制の高等学校が254校ありますが、設置者別にみると、府立が154校と最も多くなっています。因みに国立は1つ(大阪教育大学附属は3か所にありますが、まとめて1校というカウント)市立は3校、私立は96校です。
大阪府/大阪府の学校数・生徒等数・教職員数等(きょういくハンドブック) (osaka.lg.jp) 参照。
さて、大阪の府立高校にもそれぞれ歴史があるのですが、戦前(厳密には学制改革前)の旧制中学校(男子校)や旧制女学校をルーツに持つ学校が40校ほどあります。わかる範囲で、まとめてみました。「現校名」に関しては、統廃合が繰り返され、そのまま学校を引き継いだケースだけではありませんが、参考までということでご覧ください。旧制中学校をルーツに持つ学校を水色、旧制女学校をルーツに持つ学校を薄オレンジ色で塗って、創立が古い順に並べてみました。
文理学科を設置している10校に☆をつけています。すると、10の文理学科設置校のうち、旧制中学校をルーツに持つ学校が9校占めていることがわかります。これは全国的にも同じような傾向がみられます。
それはさておき、旧制女学校の流れをくむ学校は、夕陽丘高校の音楽科や咲くやこの花高校の演劇科といった学科や、登美丘高校や佐野高校のダンス部、河南高校の和太鼓部といった部活動など、文化面でも目立っている学校が多いような気がします。戦後80年近くになりますが、校風というものは綿々と引き継がれているのかもしれません。 というわけで、学校を選ぶときにはその歴史にも注目してみましょう、というお話でした。
カテゴリー: 高等学校・高校入試 |
2023年10月24日
昔は各小学校の校庭に、二宮金次郎(尊徳)の銅像またはブロンズ像がありましたが、薪を背負いつつ一心不乱に書物を読んでいる姿、いったいその書物には何が書かれているのかが気になって、像によじ登ったあなた。反省してください。
それはさておき、この二宮金次郎(後に武士の位を授けられて尊徳となります)は農民でありながら小田原藩士服部家の財政立て直し成功をきっかけに生涯に数百もの村の再興を果たした農政家、実業家(というより、このような枠をはみ出した思想家)だったのですが、その「以徳報徳」の思想を教育に生かそうというのが、この報徳学園なのです。
スポーツ強豪校としても有名ですが、この春も京都大学の理系に3名合格するなど、理系進学にも強い進学校としても知られています。
というわけで、男子校の雰囲気を感じるにはやはり学校行事を見るのが一番、ちょうど次の日曜日、学園祭が開催されます。小学生男子の皆さん、予約不要ですので、一度のぞいてみてはいかがでしょうか?
カテゴリー: 中学校・中学入試 |
2023年10月23日
ことしもそろそろ大学入試が本格的になる季節となってまいりました。今年の大学受験生もそろそろ本気モードになってきていると思います。大学受験の世界では、大学入試センター試験が、大学入学共通テストに代わるなどその環境は変化していますが、関西の難関4私大「関関同立」はこれらの影響を受けず、高い人気を誇っています。
そんな中で、多くの推薦枠を持っている付属や系属校・系列校の高校や中学校は志願者が集まり難易度も高め安定なのですが、それ以外の高校からの関関同立の合格状況はどうなっているのでしょうか。といわけで、近畿2府4県の高校をランキング形式で紹介します。「大学入試全記録『高校の実力』完全版」(毎日新聞社)に掲載のデータを参考に作成しましたので、各高校がHPなどで公表している数値と異なる場合があります。ご了承ください
高校の卒業生数による影響を補正するために、合計合格者数を卒業生数で割った「占有率」でのランキングです。私立大学は一人で複数回合格できますので、上位では占有率が100%を超えています。 合格総数が卒業生数を上回っている、つまり占有率が100%以上の62校を紹介しておきましょう。
ご覧のように、上位11位は公立高校が占めています。大阪府立茨木高校は同志社と立命館でも多くの合格者を出し1位。大阪府立豊中高校、西宮市立西宮高校と続きます。4位が兵庫県立尼崎稲園高校。普通科ですが単位制で、最後の半年は受験準備に時間をかけることができるというメリットを生かして堂々のランクインです。
公立としては珍しく5万冊以上の蔵書がある図書館と50mの競技用公認プールも完備、俳優の堤真一氏の母校でもある西宮市立西宮東高校が5位。部活動も盛んですが、難関私大にこんなに多くの合格しているのですね。
付属・系属校の生徒ではないけど関関同立を目指している中学生諸君、ひとまずこのリストにある高校を目指しましょう。
カテゴリー: 大学・大学入試 , 高等学校・高校入試 |
2023年10月20日
そもそもですが、大学というのは教育機関ですが、研究機関でもあります。その研究機関としての評価は、わかりやすいところでノーベル賞や、数学でいえばフィールズ賞のような世界的な評価を表す賞もありますが、それほどではなくてもその大学の研究室から発信された学術論文が、世界でどのくらい引用されたか、などで研究の質を知ることもできます。
それも含めて得点化して「世界大学ランキング」というのを作成している組織がいくつかあるのですが、大きいところでは「Times Higher Education(THE)」「Quacquarelli Symonds (QS)」「Academic Ranking of
World Universities(ARWU)通称:上海ランキング」などがあります。その中でも権威が高いTHEのランキングはよくマスコミにも取り上げられています。
さて、近畿大学のTHE世界大学ランキング2024では1001~1200位と、世界の中ではまだまだのように見えるのですが、日本最高位が東京大学の世界29位、以下、第2位が京都大学の55位、第3位が東北大学の130位、第4位が大阪大学の175位、第5位が東京工業大学191位と国立大学が続きます。初めて私立大学が出てくるのは601~800位の慶應義塾大学と順天堂大学で、801~1000位に早稲田大学、東京医科大学、と東京の私立大学に占められています。というわけで、近畿大学の1001~1200位というのは、西日本で最高位、ということになります。
この度、近畿大学の生物理工学部のHPに、研究成果が学術調査機関から評価された、とのニュースが載っていました。
生命情報工学科 浅居正充教授らの論文が、学術調査機関 Advances in Engineering 社の “Key Scientific Article” に選定されされました。 | TOPICS | 近畿大学 生物理工学部・大学院 生物理工学研究科 (kindai.ac.jp)
これは光の干渉に関する基礎研究なのですが、この知見を利用すると透明人間(?)が作れるかも、といった夢のある内容です。近畿大学から、今年も楽しそうなオープンキャンパスのお知らせが何度か届きましたが、このように日々最先端の研究もおこなわれている真面目な大学なのですよ、というお話でした。
カテゴリー: 大学・大学入試 |
2023年10月19日
NHKニュースウェブ(奈良県 高校授業料実質無償化 大型公共事業見直しで財源活用|NHK 奈良県のニュース )に奈良県の高校授業料支援に関するニュースがありました。
簡単にまとめると、県内の高校(公立も私立も)に通う、世帯年収910万円未満のご家庭には63万円か、学校の学費の低い方を公費負担。所得制限以上でも条件によっては最大年額5万9400円支援。というわけで、助かるご家庭も多いと思います。どこからお金がでてくるのか疑問でしたが、大型公共事業の見直しで生まれた財源を活用、つまり地方債など将来に残る借金では無いのでひとまず安心。
一方、大阪府の大阪府民に対する、世帯年収制限の無い支援策に参加する奈良県の私立高校に関する情報はまだ入ってきていません。また、気を付けておきます。
カテゴリー: 高等学校・高校入試 |
2023年10月18日
埼玉県の男女別学の県立高校に対し、県の第三者機関が早期に共学化するべしとの勧告を出したというニュースを見ました。近畿圏では和歌山の海南市立海南下津高校(2024年3月閉校)以外の公立高校はすべて共学となっていますので、埼玉や千葉に、今もなお男子校、女子校の公立名門校が残っているのは不思議な感じがします(GHQによる戦後処理に関し西日本と東日本で差があったことも一つの理由ですが、その歴史はここでは割愛します)。
一方私立に関しては、近畿圏でも男女別学の学校が少なくありません。しかし、共学化する動きは続いています。
さて、大学も例外ではなく、女子短期大学が4年制大学に昇格するタイミングで共学化する流れもありましたが、最近では神戸親和大学や鹿児島純心大学のように4年制の女子大学が共学化するケースもみられます。
そこで、女子大の生徒募集状況は本当に厳しいのか?という疑問を感じたので、強い味方、旺文社の「大学の真の実力情報公開BOOK」で全国69の女子大のデータを調べ、地域別に集計してみました。
各地域の各年度、上から「入学定員」「入学者数」「充足率」の順に並べ、2018年からのデータを作ってみました。2018年の中国・四国はデータが揃っていませんでしたので率は出していません。
まず、全国の数値をみると、充足率が次第に下がってきているのがわかります。特に2023年度入試では、平均充足率が86.1%と厳しい状況となっています。
薄く緑色でセルを塗っているところは全国平均を下回っている地域です。このようにみると、首都圏は下がってきているとはいえ、まだ充足率90%を維持していますが、それ以外の地域は軒並み平均以下となっています。
というわけで、冒頭のニュースに絡めて考えると、首都圏は公立も含めて男女別学の高校が多いので女子大への入学者数の減少は緩やかで、その他の地域の高校は共学校が支配的なので女子大がピンチになっている、という仮説も成り立ちます。
というわけで、首都圏の女子大関係者の皆さん、埼玉県に男女別学を無くさないように陳情に行きましょう。
カテゴリー: 大学・大学入試 |
2023年10月17日
金木犀の花が香る季節となってまいりました。「金木犀」と聞いて堀内孝雄の「君のひとみは10000ボルト」の歌詞を思い出したあなた、谷村新司の訃報に気落ちなさったことでしょう。
それはさておき10月末から11月は、関西大学入試センターの入試広報グループの皆様にとっては大変お忙しい季節となっております。というのは近畿各地での合計15回もの入試説明会があるからです。年に1回の「関西8大学大研究」や「開成進学フェア」ごときで大変だぁ、とか言ってちゃダメですね(反省)。
今回は事前申し込み不要、参加費無料となっておりますので、ご都合の付く日を見つけて、最寄りの会場に行きましょう。会場によっては「二十一世紀(?)のジャンヌダルク」が駆けつけてくれるかも。
カテゴリー: 大学・大学入試 |
2023年10月16日
大阪環状線 寺田町駅近くの興國高等学校は生徒数が2000名超のマンモス男子校で、スポーツの強豪としても知られています。普通科が「アドバンス」、「アスリートアドバンス」、「アカデミア」、「キャリアトライ」のコースに分かれ、それに普通科ではない「ITビジネス科」の合計5つの学科とコースが設置されています。つまり教育目標やカリキュラムの異なる5つの教育機関の集合体のような学校です。
今年も11月に「KOKOKU体験フェスティバル」が開催されます。
授業体験が8種類、運動クラブ体験が19種類、文化クラブ体験が7種類の合計34種類から選べます。しかも体験後には食堂で丼やうどんのご提供があるようです。お申し込みはお早めに。詳細・申し込みは学校HPをご覧ください。 オリジナルTシャツのプレゼントもありますよ。
カテゴリー: 高等学校・高校入試 |