2016年度大学入試 国公私立大 系統・分野別志望動向

2016年1月4日

2016年度大学入試では、年明け早々から私立大一般入試の出願が開始となり、その後1/16土・17日でのセンター試験、2月からの私立大一般入試本番・・・、と怒涛のようなスケジュール進行となってまいります。

「入試本番」を迎える直前となったこの時期に、今シーズンの動向について確認をしておきたいと思います。分析の基となる資料は、「河合塾 第3回全統マーク模試」の受験生諸君の志望データとしています。

下の図では、系統・分野別志望動向について、国公立大(前期)と私立大に分けてご紹介をしています(画像をクリックすると拡大します)。

国公立大(前期) 学部系統別志望動向
・全体の志望指数は「103」と前年を上回っているものの、第3回全統マーク模試の受験者数増加率「106」ということを考えると、国公立大志望動向としては「低調」と考えることが出来るが、昨年(2015年)度よりセンター試験の理科が新課程移行により科目負担増となったことで、特に国立大志望指数が低く(102)なっている
・「近年の文系学部の人気薄」からの反動もあるが、何よりも「景気の回復と就職状況の良化」により、文系学部が大幅に人気を戻している
・好調な文系とは対比的に、理系(理・工・農)で志望者が減少しているが、これはやはり「センター理科の科目負担増」が第一の原因で、次いで「景気の回復と就職状況の良化で、『資格志向』で進学先を選ぶ必要が無くなった」ということも考えられる
・「総合科学課程」の人気が極端に低いなど、教育の2系統も人気が無いが、教育学部の定員を削減する大学が多かったり、「総合科学課程」を廃止・閉鎖する大学が出てきているなどしていることが要因

国公立大(前期) 分野別志望動向
・人気面では不調となっている理系(理・工・農)だが、分野別に見ると工学系の「建築・土木環境」が「105.3」と高い指数をつけているが、2020年の東京オリンピックに向けて建設業界が活況となることに期待が寄せられているから、と思われる
・同じく理系で極端な人気薄となっている分野は理学系内の「化学(93)」「生物(96)」「物理(97)」
・全体的に高い人気となっている文系の中で、これまで数年に渡り不人気傾向が続いていた反動もあって、「法・政治系統 政治・行政」が前年比119と大幅な人気増となっている

私立大 学部系統別志望動向
・私立大全体の志望指数が「109」となっており、国公立大と比べて志願者が集まっている様相
・「近年の文系学部の人気薄」からの反動もあるが、何よりも「景気の回復と就職状況の良化」により文系各系統の人気が高めで、反対にここ数年で人気を集め続けてきた理系各系統は文系よりも低い人気となっている、という点は国公立大の動向と同じ
・人気傾向の文系各系統にあって、ひときわ志願者を集めている系統が「法・政治(113)」「経済・経営・商(115)」で、いずれもここ数年は不人気が続き、レベル的にも「お手ごろ感」が強くなっている所