新センター試験 「年複数回実施」を見送りへ

2016年2月8日

過去、当ブログでも何度もご紹介をしております「2020年度からの新大学入試」に関する続報です。

センター試験に代わるテストとなる「大学入学希望者学力評価テスト」は「年複数回の実施」と予定されていたのですが、文部科学省はその方針を「見送る」方向で検討している、という報道がこの程ありました。

以下、これに関して報じられた新聞記事の引用となります。


センター試験後継、年複数回実施見送り 文科省検討(2016年1月27日産経新聞 より)

現行の大学入試センター試験に替えて、平成32年度から導入予定の「大学入学希望者学力評価テスト」について、文部科学省が「年複数回実施」を当面見送る方向で検討していることが27日、関係者への取材で分かった。高校の授業日程への影響や試験会場となる大学側への負担が大きいためとしている。

評価テストでは、現在のような一発勝負からの脱却を図り、年複数回の試験実施が検討されていた。ただ、マークシート式以外に、思考力や判断力をみる目的で新たに取り入れる記述式問題は採点に時間がかかる。

文科省は記述式の採点期間を問題数などによって10~40日程度と試算。記述式は国語と数学で先行実施するが、マークシート式をセンター試験と同様に1月中旬とした場合、記述式は前年12月ごろに行うことが想定され、複数回実施となると、さらに同年の夏や秋に日程を確保する必要があるという。かねて高校や大学側から複数回実施は困難との声が出ていた。

これらの検討案は1月29日の有識者会議で示され、是非などが議論される。


上記の記事から主だった部分を抜き取ると以下のようになりますでしょうか。

・「大学入学希望者学力評価テスト」について、文部科学省が「年複数回実施」を当面見送る方向で検討している
・理由の1つ目は「記述式の導入で採点に時間がかかる」
・理由の2つ目は「高校の授業日程への影響や試験会場となる大学側への負担が大きい」

年明け前の12月はおろか、夏や秋にも同テストが実施されるとなると、高校での行事と重なったり、そもそも試験範囲を全て学習し終えていない、というようなことが起き得ます。その点から考えますと、今回は一旦「見送り」として、充分検討することが必要であることは誰の目から見ても明らかではないでしょうか。

 

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