箕面自由学園中学校が変わります

2019年5月7日 火曜日

阪急箕面線、「桜井」駅から徒歩7分。箕面市と豊中市の市境に北と南が侵食されて、その一帯だけが高台として残った沖積台地があります。かつては日当たりが良かったため果樹園としてつかわれていた見晴らしの良い安定した地盤の上に、72年ほど前の小学校移転から始まり、今では「箕面自由学園」の幼稚園、小学校、中学校、高等学校の建物が広いグラウンドを囲むように点在する総合学園に発展しました。学校名に「箕面」とついていますが、実は門とホールだけが箕面市で、幼稚園も含めて校舎はすべて豊中市に入っています。

こちらの中学校から併設の箕面自由学園高等学校に進級できるだけでなく、他の高校へ受験して出ることも推奨されており、大阪府立の最難関校への合格実績も有名でしたが、箕面自由学園高等学校の大学合格実績の向上に伴い、6年一貫をメインに考える、との方針変更の情報が入りました。その一つとしてSTEM(科学・技術・工学・数学といった理系分野)教育の強化も構想しているようです。

そういった背景を知ってからこのチラシを見ると、「なるほど~」とお感じになると思います。

これから変わる箕面自由学園中学校について聞いてみてはいかがでしょうか。お申し込みは、学校のホームページからどうぞ。

清教学園にお邪魔してきました(やっぱり部活はすごいぞ編)

2019年4月25日 木曜日

この日、高等学校は「文化部発表会」という文化部の新入部員を獲得するためのイベントが近くのホールで行われているとのことで、こちらにも途中からお邪魔してきました。客席の前の方は今年入学した1年生が座っています。舞台に参加する多くの3年生部員はここで引退とのことで、気合十分です。もちろん生徒さんだけのイベントですので一般公開はされていません。というわけで生徒さんの生の姿を見ることができました。

4人だけの演劇部。設定に無理のある学園ものですが、今年のセンター試験の英語に登場した謎のキャラクターを登場させるなど、進学校でなければ受けないネタも含めてギャク満載で面白すぎます。しかも照明やBGMの切り替えなど芸が細かい。

全国大会レベルのダンス部はストリートダンス系が主体ですが、ともかくレベルも高く、場面転換や背景の映像などの効果技術や現代舞踊を取り入れた構成ももはやプロ級です。

次の吹奏楽部のために、舞台上にひな壇を組むなどのセッティングに時間がかかる場面では、その時間を利用して生徒会はクイズ大会を行って会場を盛り上げています。なかなか賢いな。

大阪府大会常連の吹奏楽部はオーボエ・ファゴットといったダブルリードもそろっており、安定の大編成。サックスのシンクロ度も高く金管の音程も良く、やはり演奏レベルは相当なものです。

 

というわけで、一部を見ただけですが、いずれの部活もそろってレベルが高いわけです。また、単に上手というわけではなく、生徒の「工夫」が随所に見られました。多くの学校の文化祭のように一部の生徒が一部の興味のあるイベントを見に行くというのと違い、全生徒が全クラブの出し物を見るというこの発表会が、互いのレベル向上にも繋がっていると考えられます。

少し前にこのエントリーで紹介したように、清教学園高校の併願合格者のほとんどがTOP10高(文理学科設置の府立高校)という強気の出願をしていました。言い換えると併願でもほとんどの受験生が清教学園高校に行ってもいい、行きたいと考えているわけですが、その秘密は何だろうと不思議に思っていました。また、それほど長時間拘束、大量の宿題があるとは聞かないのに大学進学実績が高く維持されているのも不思議でした。もちろん先生方の努力によってレベルが高く工夫された授業がおこなわれているとは思いますが、それに加えて中学校でも高校でもそれぞれ生徒のモチベーションを引き出し、その原動力を生かして個々人の能力を高める舞台装置がすでにできている学校だということを実感したのでした。学校パンフレットの表紙にもある「一人ひとりの賜物を生かす」というキャッチコピーの意味が少しわかったような気がしたのでした。(終わり)

清教学園にお邪魔してきました(部活もすごいぞ、もとい、部活「で」すごいぞ編)

2019年4月24日 水曜日

授業は基本6時間、たまに7時間の日もあるようですが、授業後は9割近い生徒が部活に参加しています。(私立では驚異的な数値です)そこで14年前に作られた体育館を見せていただきますと・・・

バスケットの公式コートが2面取れる広さもさることながら、トレーニングセンターにはトレーニングマシンがずらりと・・・。ここは体育大学ですか、という充実ぶりです。ほかに柔道場も武道場もあり、外にはテニスコートがあり、と充実の環境です。確かここは進学校だったはず。大丈夫か?との疑問に応えるかのように、部活ごとの進学実績の資料があり、チラッと見せていただきました。すると例えば野球部は約半数が国公立合格。全員関関同立以上合格とのこと。野球部の合宿では勉強道具持参となっていて、夜は先輩後輩一緒に勉強会を開催しているそうです。インターハイなど全国レベルの大会に複数のクラブが出場していますが、部活がすごいだけでなく、部活によって学力も含めて生徒を成長させる仕掛けになっているところが、すごいぞ、というわけでした。2019年入試でも国公立大学(省庁大学校除く)現役合格者数が卒業生の34.2%となっています。(参考までに2018年度データですが、岸和田が41.8%、泉陽が30.2%、富田林は15.5%ですので、この数値の高さがお分かりいただけると思います。)(続く)

清教学園にお邪魔してきました(施設編)

2019年4月23日 火曜日

さて、厚かましさついでに施設を見せていただきました。まず、「リブラリア」という名前の図書館外観です。カフェではございません。

6万冊以上の蔵書を誇る図書館。司書の先生常駐で新しい本も多く、学校も図書館に力を入れているようです。その書架の上に何やら論文集がずらり。こちらは中学生が総合学習で作成した課題研究です。テーマは様々ですが、手に取ってみてみるとともかく深い。巻末を見ると多くの参考文献が明示され、しかもインタビューやフィールドワークに実際に出かけた跡も。このレベルのものを中学校のうちに作成できるとは感心至極でございます。

その上のフロアは自習室。中学生は18:00、高校生は19:00まで利用可能です。同じような自習室がほかにもありますが、いずれも監督の教員が付くとのこと。生徒の自主性を重んじる校風ではありますが、ルールはきっちり維持される体制になっています。

キリスト教(プロテスタント)の学校ですからチャペルがあります。高い天井と700席の重厚な木製の椅子が落ち着いた空間を作り出しています。パイプオルガンもスタインウェイのグランドピアノも燦然と鎮座しております。いいなぁ。(公立高校の生徒目線・・・)

(続く)

清教学園にお邪魔してきました(中学生歓迎編)

2019年4月22日 月曜日

南海高野線 河内長野駅から通学専用歩道である「しらかしの道」を通って徒歩10分。落ち着いた戸建て住宅地の中の「清教学園」にお邪魔してきました。

この春、中学校173名、高等学校212名の新入学生(高校1年生は進級生が159名いますので合計371名です)を迎えられたそうですが、今日はその歓迎行事が行われています。

まず、中学生は「新入生歓迎スポーツ大会」。4つのチームに分かれて綱引きやドッジボールの試合が複数同時進行で行われています。4月には入学者向けのオリエンテーション合宿やガイダンスが行われ、何となく緊張感の漂った学校も多いのですが、清教学園では生徒にルールをたたき込むというのではなく、まず生徒さんが学校に慣れることを目指しているようです。

今日は天気も良く、いい思い出作りができたことでしょう。(続く)

(グランド 4階からの遠景写真)

相愛中学校 オープンスクール(小学生限定♪)

2019年4月16日 火曜日

以前にこのエントリーで紹介しましたが大阪地下鉄御堂筋線「本町」駅下車出口すぐ。雨の日も傘をささずに登校できるという通学が便利な学校、相愛中学校のオープンスクールのお話です。

(画像をクリックするとPDFが開きます。)

小学生女子向けの体験イベントがいくつも用意されています。在校生のお姉さん方と一緒に130年の歴史を誇るこの学校の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。事前申し込みが推奨されていますが、当日参加も可能とのことです。但し「制服マスコット作り」は既に定員に達しているようです。詳しくは学校HPをご覧ください。

立命館 附属中高合同説明会・相談会

2019年4月10日 水曜日

本日立命館から届いたチラシとポスターを紹介しましょう。

立命館附属の3校は(本当は北海道にもあるので4校)それぞれ特徴がはっきりしています。新校舎ぴかぴかの「立命館中高」、国際バカロレアのコースを持つなどグローバル教育にも強い「立命館宇治」、元平安女学院大学の広々としたキャンパスを持つ「立命館守山」。立命館大学への推薦枠があるというところは同じですが、それぞれの学校が目指している部分はかなり異なるように感じます。

もちろんそれぞれの学校のオープンスクールに参加することをお勧めしますが、その前にこの3校の違いを知っておくというのもお勧めです。

というわけで、「令和」になって2回目の日曜日は「みやこめっせ」に行ってみましょう。

出口APU学長のお話も、とても楽しみです。

現役で医学部に入りたい方にお勧めの高校は③

2019年4月9日 火曜日

(11位から25位まで)

4位 愛媛の愛光高校 2002年から共学化しましたが、寮は男子のみ。それでも首都圏入試・大阪入試で全国から優秀生を集めてのランクイン。「愛光医会」という愛光出身の医師によるOB組織(校舎の建て替えが行われますが、彼らの寄付もあるのか?)もあるほど、伝統的に医学部に強いです。それに続く旧制松山中学だった県立トップ校「松山東高校」は現役8名(2.3%)と大差がついていますから、愛媛では独走状態です。

5位 鹿児島のラ・サール高校 7割近くが寮生であるこの学校は、他学年も混ぜた8人部屋という毎日合宿状態が特徴で、新入学生もいつの間にか自然に自主的に勉強する姿勢(文化?)が身につくというわけです。進路先もその寮生活で実家に帰ることを考えなくなるのか全国に散らばるというのが特徴的です。

6位 北海道の北嶺高校 こちらも寮のある男子校です。寮では夜間も講習会が開かれていますが、加えて現役医学部生(または院生)のチューターが20名以上在籍し、勉強のサポートをしてもらえます。卒業生123名と規模の小さい学校ですので、チューターの人数を見ればいかに手厚いかがお分かりいただけると思います。

つづいて東京の桜蔭、筑波大駒場、兵庫の白陵、京都の洛南と都市部の学校が続きます。ベスト25まで見ますと、国立大付属を除いて公立高校は入っていません。このデータだけ見ると、現役で国公立医学部合格となると、寮生活や中学時代の学習の重要性も見えてくるような気がします。というわけで、特にこれから中学受験というご家庭は参考になさってください。

現役で医学部に入りたい方にお勧めの高校は②

2019年4月8日 月曜日

まだ、2019年度入試の集計ができていないので2018年度の実績値を元にランキングを作ってみました。現役合格数を卒業生数で割った値で並べています。(データは「サンデー毎日」掲載の数値を元にしています)

(1位から10位)

 

1位 兵庫県の灘高校 浪人を含むと4割ほどが国公立の医学部です。それ以外の大半は東大が京大に合格しています。先生から聞いた話ですが校内のネットワークがダウンした時、生徒が自主的に接続機器のプログラムを書き直して復旧させたそうです。頼りになるなぁ。

2位 愛知県の東海高校 あの、ほぼタレント化した予備校講師の出身校ですが、名古屋大学医学部での圧倒的なシェアで2割近くが現役で国公立医学部合格。卒業生数が灘の2倍近くですので実数では全国一位です。

3位 福岡の久留米大附設高校 こちらは九州大学に20名という大量合格を含む55名、現役でも33名という数値です。男子は寮がありますから福岡だけでなく、九州全域から優秀生を集めてのランクイン。5位のラ・サールと合わせると九州大医学部の約3割(定員111名を占めていることから、九州のこの2強が実績を分け合っている状況がわかります。長崎大医学部など九州の医学部がむつかしいのはその影響でしょうか。(続く)

現役で医学部に入りたい方にお勧めの高校は①

2019年4月5日 金曜日

まだ、少し寒いですが、各大学では入学式シーズン。受験勉強が終わった新入学生はあわただしい中でもほっとしている頃でしょう。私立大学の定員厳格化やここ数年の国際系、経営・経済系の人気上昇などで、専門分野による難易度の波はあるものですが、その中で今も昔も最難関であり続けるのが「医学部医学科」です。その医学部医学科は私立と国公立で授業料の差が大きいのでも知られています。正確には国公立はどの学部でも授業料は年間53万5800円(2018年度)が基本となっていますが、医学部医学科だけはそれに加えて実習費が4~15万円ほどかかる大学もありますので、最大でも年70万円ほど。一方私立は最安値の国際医療福祉大でも年間300万超、川崎医科大は788万円ほどになりますので、6年間で国公立との差は4000万を超えます。

この4000万を節約(?)するために3年間に1日余計に5時間勉強し、無事国公立に合格したとすると時給は4000万円÷1825時間=2万円!となりますので、頑張り甲斐もあるというものです。

とはいえ、勉強の方向性を誤るとそうはならないわけで、やはり学校としての経験値の高い、すなわち現役での医学部合格率が高い学校に進むのが手堅いといえるでしょう。(続く)