大阪府公立高校入試、グローバル系学科の志願動向(1)

2021年9月8日 水曜日

我が国のグローバル化は年々進んでいます。企業は生産年齢人口がピークアウトした30年ほど前からグローバル化に舵を切っており、日本を代表するような自動車やエレクトロニクス系メーカーも生産拠点も市場も海外に依存しています。それに伴い社内での公用語を英語にする、または入社や昇進の条件にTOEICなどのスコアを要求する企業も増えてきました。さらに近年のGAFAをはじめとするIT系企業の台頭に、我が国のグローバル化はさらに加速しています。そのような社会環境で戦える人材育成の重要性はさらに増してきているといえるでしょう。

しかし、一方で出口の見えないコロナ禍の影響は、人や文化の交流に急ブレーキかけました。教育の分野にも大きな影響を与えています。昨年春からの一斉休校は2021年度の高校入試における出題範囲の削減など大きな影響が出ましたが、今年に入っても引き続き学校行事の延期や縮小、海外への語学研修、修学旅行の中止や、国内であっても宿泊を伴う語学研修の実施が難しいなど厳しい状況が続いています。このような中で、グローバル系学科では入試にどのような影響が出ているのでしょうか。

ここで、大阪府公立高校のグローバル系の学科を持っている14校の志願倍率を過去7年に関してまとめてみました。(2020年に英語科を廃止した大阪市立西高校は除外しています。)

まず、平均倍率です。

2015年入試までは、グローバル系の学科は前期入試(2月に行われる入試)でしたので、高倍率でしたが、後期日程に1本化された2016年度にひとまず1.55倍という落ち着きを見せます。次の年度には若干の揺り戻しが見られますが、それ以降4年連続で低下が続いています。2021年度入試では、ついに平均倍率が1.07倍と過去最低を記録しました。(続く)