私立大学等 経常費補助金について

2021年12月3日 金曜日

私立大学の経営に関する不祥事が報道されると、「大学は税金から補助金をたくさんもらっているのにけしからん」と関係者以外も憤るという図式になっていますが、実際どの程度の金額が使われているのか気になったので調べてみました。

まず、2020年度に補助金の交付を受けた大学は577校(大学院大学含む)で、交付総額は291,330,742(千円)つまり3000億円近くが支出されています。まとめると結構な金額ですね。一番交付額が多かったのは早稲田大学で約93億円、2位が日本大学の90億円、3位が慶應義塾大学の82億円と続きます。4位の立命館大学は関西では1位の60億円。医学、歯学、薬学、保健と医療系の学部しかない昭和大学が5位の59億円と続きます。

さて、学生1人がどれほどの恩恵を受けているのかがわかるように、2020年度の学部学生数で補助金の合計を割ってみました。すると、1位の早稲田大学は一人当たり約24万円。学生全員が毎月2万円ずつ頂いている事になります。ありがたや。そう考えると2位の日本大学は医学部もあるのに一人当たり約14万円ですので、補助金が多いとはいえません。5位の昭和大学は189万円ということは、もし補助金が無くなったら学費が189万円値上げになる理屈ですので大変です。もっとインパクトがあるのが日本医科大学。一人当たり389万円は大きいです。私立の医学部は学費がとっても高いのですが、実は国も頑張って補助しているわけです。

逆に一人当たりの金額が低い大学も見つけてしまいました。

秋田県のノースアジア大学の補助金は757万円、学生数は792名と一人当たり年間9千558円ほどです。大阪経済法科大学も4237万円の補助金に対して学生は5354人ですから、年間1万2千円。月1000円ずつのお小遣い程度となっています。就職支援や資格取得で定評のある学校ですので、もっと国も支えてあげてほしいものです。

因みに東京大学の「国立大学運営費交付金」は822億円、学生は27,011人ですので、学生一人当たり304万円となっております。13億円と国立で最も交付額が少なかった鹿児島の鹿屋体育大学でも学生数は768人(2021年度)ですので、一人当たり169万円となります。そう考えると私学の補助金なんてかわいいものに見えてきます。景気対策も大切ですが、私立大学に対する補助金のための予算を増やしましょうよ、という議論も国会でしていただきたいものです。

(私立大学の補助金に関しては、「日本私立学校振興・共済事業団」のホームページ令和2年度 私立大学等経常費補助金交付状況の概要|私学振興事業(助成業務)|私学事業団 (shigaku.go.jp)から引用。国立大学の運営費交付金については、文部科学省のホームページ【資料1-2】国立大学法人運営費交付金の配分状況 (mext.go.jp)を参考にしています。大学の学生数については旺文社の螢雪時代編集部『大学の真の実力 情報公開BOOK』及び各大学のHP等を参考にしています)

【今年も好調】追手門学院大学 公募制推薦(前期)志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月2日 木曜日

今はまだ安威キャンパスと総持寺キャンパスに分かれていますが、総持寺キャンパスへの統合を目指して新たな建物も建築中で、利便性と学習環境もさらに充実していく追手門学院大学についてです。

昨年度入試日程の変更で大きく志願者数を伸ばしました。移転によって通学圏が広がったことも手伝って合計すると2022年度入試では2020年度入試の1.26倍の志願者を集めました。特に調子が良いのが社会学部。根強い人気の地域創造も続伸しています。経営学部は昨年の揺り戻しで減少しましたが、それでも2020年の1.3倍以上の志願者です。このグラフには表れていませんが、新設の文学部も1400名以上の志願者を集めました。

ここでコロナ禍の影響で国際学部だけ大きくマイナスになっていますが、逆に言えば一般入試も含めて今後の入試での狙い目となることが考えられます。若干続落の経済学部も併せてお勧めしておきます。

【ほぼ昨年並みだが】摂南大学 公募制推薦(A日程) 出願状況【狙い目はここだ!】

2021年11月29日 月曜日

まだ、A日程だけですが、摂南大学の公募制推薦入試の出願状況も発表されていますので、まとめてみました。全体的には昨年の98%とほぼ同じ出願数ですが、学部ごとの推移には大きな差があります。2020年度同日程の出願数を1として、その後2年分の推移をグラフ化してみました。

多くの他大学と同じように「国際学部」が2年連続マイナス。2020年に開設した「農学部」も同じくマイナス傾向が続いています。しかし、2020年度からのへこみが一番大きいのが「理工学部」。学部内での詳細を見てみると、減少幅が大きいのは住環境デザイン学科(理系入試)、次が電気電子工学科となっています。出願者の学力分布が不明ですので、実際どの程度の人数の公募制推薦での合格者が出るのか分かりません。しかし、これらの学科は今後の日程の入試で狙い目になる可能性が高いと考えられます。これからの出願作戦の参考までにどうぞ。

【絶好調】龍谷大学 公募推薦 出願状況【志願者連続増加】

2021年11月26日 金曜日

11月27日、28日に行われる龍谷大学の公募推薦(2科型)の出願状況が確定しました。

大学HPによりますと、4年制で昨年の約15%増の合計20,288件の出願があったようです。昨年来のコロナ禍の影響でしょうか、私立大学入試に関しては一人当たりの出願数が減少する傾向があり、昨年も多くの大学が志願者を減らしましたが、龍谷大学は一般も含めて志願者増、今年も公募推薦では増加に転じています。

そこで、コロナ禍前の2020年度入試の志願者数を「1」として、その後2年の推移をグラフにしてみました。

ご覧のように社会学部は2年前の1.6倍以上、法学部も続伸で2年前の1.46倍となっています。他大学では国際系の学部が志願者を減らしている中で、龍谷は昨年の微減から、ことしからの「英語資格利用方式」の導入もあって昨年比で1.4倍と一気に回復しています。特に留学必須の「グローバル・スタディーズ学科」での増加が特徴的です。

一般的に大学は、公募推薦に関しては、歩留まりも考慮して公表されている募集人数よりも多くの合格を出しますので、志願者の変動が難易度の変動に直結するものでもありませんが、この学部ごとの傾向は一般入試でも予想されますので、学部間併願の作戦にも生かしていきましょう。

【朗報】関西学院大学 一般選抜枠拡大か?

2021年11月24日 水曜日

関西の「関関同立」の中で、一般選抜による入学者の割合が一番低かった関西学院が、方針転換しつつあります。2020年度入試では一般選抜の「合格者数」は9,644名だったのに対し、2021年度入試では12,444名と2,800名も増加しています。また、受験日程も2月1日、2日の両日で全学部受験可能となり、地方会場も含めて拡大されました。文系学部に共通テスト利用の7科目型を追加し、さらに出願しやすくなりました。

というわけで、関西学院大学を志願する受験生は、これらの制度も活用して出願しましょう、というお話でした。

梅花中学校・高等学校・梅花女子大学 「星降るウィークエンド説明会」

2021年11月4日 木曜日

以前、行われていた「星降る夜のナイト説明会」は平日開催でしたが、週末の方が来場者にやさしいとの判断でしょうか、今年は「ウィークエンド」での開催です。先生方ご苦労様です。場所はグランフロント北館2F、南館からの連絡デッキをまっすぐ進んでクリスマスツリーのある吹き抜けの左手を進むとその「The Lab.」という会場です。保護者のみの参加もOKとのことですので、お出かけしてみては如何でしょうか。今では珍しくなった「予約不要」となっております。

【近畿圏】関西大学 入試説明会【各地に出張】

2021年10月29日 金曜日

先日もこのエントリーに立命館大の【各地に出張】説明会

【近畿圏】立命館大学 一般選抜入試説明会【各地に出張】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)

を紹介しましたが、関西大学も各地での出張説明会を昨年よりもさらに拡充した形で実施します。本学開催の日程は24日に終わっていますが、この日は申し込み定員いっぱいの満員御礼状態だったそうですので、ここで参加できなかった受験生は、逆に出張説明会の方が落ち着いて説明を受けることができそうです。平日の夕刻の設定が多いようですので、高校生は放課後忘れずご参加ください。お申し込みはQRコードからどうぞ。(業務連絡です。この日授業が入っているフリーステップ生は早めに振替希望を申し出ておいてくださいね。)

【近畿圏】立命館大学 一般選抜入試説明会【各地に出張】

2021年10月20日 水曜日

一般選抜による入学者の割合が関西8大学では最も高い(蛍雪時代特別編集「大学の真の実力情報公開」より)の立命館大学ですが、地理的にも広い範囲から受験生が集まっています。しかしさらに、近畿圏の受験生にもっと知ってもらいたいとの思いでしょうか、京阪神奈を巡る平日の出張説明会が企画されています。各地日程が異なりますので、確認の上お申し込みください。オンラインでの説明会も用意されていますので、18:00という時刻に会場に行くことができない人でも大丈夫です。申し込みページからご確認ください。

【いろいろと】大阪経済法科大学 併願の各種入試制度【お得】

2021年10月19日 火曜日

大阪府八尾市の今年50周年を迎える大阪経済法科大学は、資格試験に対するフォローや高い就職率で知られている中堅大学ですが、とてもお得な併願制の年内入試を設けています。

①公募制推薦試験(前期)

基本は英国2教科の試験ですが、今年から英語のみの受験が可能な「E方式」というのが追加されました。英語100点、調査書50点で判定されます。また、逆に英語の点数が安定しないという受験生に向けて数学100点+(国語or英語)100点+調査書100点、という評価方式もあります。将来公務員を目指す受験生はこの方式でひとまず合格通知を確保しましょう。

②専門学科・総合学科推薦試験

商業科や情報科といった専門学科や、総合学科などの普通科でない学校の出身者のみが対象の試験です。こちらは(国語or英語)50点+調査書50点+取得資格といった評価や、(国語or英語)の代わりに小論文をプラスする方式に加え、資格が無い場合はその代わりに面接を行うなど様々な入試方式が用意されています。普通科以外の皆さん、是非どうぞ。

③資格利用入試(併願制)

こちらは英検や簿記など今までに取得した資格が利用できる制度です。学科は関係ありません。(国語or英語)50点+調査書50点+資格100点という入試です。

ここで大きいのが、まず検定料が50周年という事で1万円!不合格になった場合は以降の検定料が5000円に減額されるという、とても受験生にやさしい設定です。

次に、手続き締め切りは12月17日ですが、ここでは入学金のみで、前期授業料の振り込みは2月18日まで待っていただけることになっています。2月入試の他大学の結果を見てから対処できるわけですから、こちらもお得です。

というわけで、詳しくは大学HPをご覧ください。

大学入学共通テスト 出願状況(速報値)

2021年10月12日 火曜日

10月7日に、独立行政法人大学入試センターより、令和4年度(2022年度)大学入学共通テストの出願状況が発表されました。昨年の10月7日速報値との比較ですが、高校経由出願(現役)の出願数が昨年度より7,064名減少、個人出願(主に既卒)が5,606名減少となっています。割合では現役は1.6%減、既卒では7.6%減少となっています。昨年度の減少率と比較すると、現役の減少幅が大きくなっていることがわかります。昨年度に引き続き、学校推薦型の入試を利用している受験生も増えているという体感が数字に表れた形です。また、昨年のような大きな動きではありませんが、既卒の割合がさらに後退している様子もわかります。出願は7日の消印有効となっていますので、今後数値の変更はあると思います。12月上旬の最終集計の発表を待ちたいと思います。