京都先端科学大学 教員対象説明会に参加してきました②

2021年6月1日 火曜日

その後、工学部の施設見学や授業見学に参りましたが、授業中だったので撮影はできず、画像はございません。しかし、学生さんは全員あたかも受験生のように真剣に取り組んでいる姿が印象的でした。数千万円もする大型の工作機械をはじめとして、様々な実習施設も見せていただきました。プリント基板を自動作成する機械はネイティブの先生から英語で説明していただきましたが、あら不思議、内容が全部聞き取れる!なるほど、日本人に聞き取りやすい発音とテンポ、平易な単語で説明してくださったのでした。今はコロナ禍の影響で開館時間が限られていますが、平時なら24時間365日開館している図書館も併設されています。

と、いうわけで、「2025年には関関同立を追い抜く」という永守理事長の言葉が大げさに思えなくなってきました。今後が楽しみです。

京都先端科学大学 教員対象説明会に参加してきました①

2021年5月31日 月曜日

緊急事態宣言が続く中、大学での教員向け説明会はオンラインで行うところが多いのですが、京都先端科学大学は実際に大学内(京都市右京区太秦)で行われました。(数日前に電話がかかってきたので、「もしや中止?」と思っていたら、説明後の施設見学の希望調査でした。ちょっとびっくり)

冒頭の前田学長挨拶から既に熱いです。

「若者の可能性は無限である。生き残るすべとしてのリベラルアーツ教育にも力点を置きたい。軸になる専門分野を持ちつつ、身に付けておくべき力を身につけて、自分の幅を広げる人材を育てたい。今元気な企業も将来わからない。そんな時代でも生き抜く力を育成する。

入学段階で英語や数学が不得意でも、元気なら身につく。」

いやぁ、熱い。

続いて入学センター長から教育内容についての説明がありましたが、ベルリッツを利用した(丸投げでない)英語教育を例に、TOEICの平均点が100点アップ。中には500点から900点に上昇した学生も紹介され、その教育力の高さが印象付けられました。

しかも、2022年から英語での授業によるMBAを開設予定とのこと。ここで、さらっとリークしておきます。

今春の入試では私大は全般的に出願者数が減ったので、その影響を受けていますが、過去5か年の推移はこの通り。

(続く)

勢いのある大学図書館はどこだ?(その2)

2021年5月27日 木曜日

しかし、冊数だけで判断するのも どうかな 、と思いましたので、図書館費も調べてみました。おおお、流石東大、図書館だけで27.5億円使っているのかぁ。すごいな。京大の約2倍です。

受け入れ冊数と図書館費の相関も出してみました。慶應義塾が抜きんでています。高~い本を買っているのか、本の購入以外の図書館充実に費用が掛かっているのかどちらかわかりませんが、日本で2番目に図書館にお金をかけている大学となります。関西では関西学院、同志社、京都、立命館、近畿・・・の順位になります。

緊急事態宣言が出ている地域では、大学図書館の利用にも制限がかかっているかも知れませんが、このように各大学は学生のために研究や教育環境の充実を図っています。 大学に入学したら、図書館も積極的に利用しましょう。

勢いのある大学図書館はどこだ?(その1)

2021年5月26日 水曜日

大学の教育力の指標の一つに附属図書館の充実が挙げられますが、一般の受験生が大学図書館を簡単に比較することは難しいでしょう。そこで、今回朝日新聞社出版の「アエラムック2022大学ランキング」という冊子に掲載されている数値を元に分析してみました。まずは蔵書数ランキングベスト20。

東京大学って980万冊もあるのですね。4年間365日24時間本を読み続けたとしても、12.8秒に1冊読まなければ読み切れない計算になります。頑張れ東大生。

次は受け入れ冊数のランキングです。つまり年間に蔵書が何冊増えたのかという数値です。ここでもトップは東京大学。毎年10万冊近く本を買っているのですね。図書館の職員さんの月間労働時間を160時間とすると、年間の労働時間は1920時間。9万6千冊の本にラベルを貼り付けてデータベースに登録し、書架に並べる作業を1分あたり約1冊、休みなしに続けなければならない計算になります。頑張れ東大職員。

という冗談はさておき、この二つの指標を掛け合わせると、現存の蔵書数に比べて受け入れ冊数の大小で、大学の研究や教育に力を入れているのかどうかが見えてきます。そこで、受け入れ冊数がわからない広島大学を除く蔵書数15位までの14大学で相関のグラフを作ってみました。この点線の上が受け入れ冊数が多い、つまりこれからの研究や教育に力を入れている大学という事になります。関西では関西学院と同志社が頑張っています。(続く)

【スクープ】奈良女子大 2022年工学部新設【国立女子大初】

2021年4月27日 火曜日

理系女子にとっては吉報です。奈良女子大は4月1日に、2022年度から工学部工学科を開設する方向で準備を始めると発表しました。国立の女子大といえば、東京のお茶の水女子大学と奈良女子大学の2校しかありませんが、どちらも、教員養成を含む文学系、理学部、生活科学系の3学部構成となっています。

しかし、日本の大学では理系、特に工学系は男子が多く、女子の割合は約15%にしか過ぎません。この原因の一つに女性の理科教員に工学部出身者が少ないことが問題ではないか、女子に工学の魅力を伝える機会が少ないのではないか、ということで、あえて女子大に工学部を設置しようとなったようです。工学部といえば入試科目でも物理と数Ⅲが必須になると思うのですが、募集要項など詳細については今後の発表を待つことにしましょう。

【まだまだ迷走】大学入学共通テスト関連ニュース【将来も検定は使わない?】

2021年4月22日 木曜日

4月20日の午後に文部科学省15階の特別室で開催された「大学入試のあり方に関する検討会議(第25回)」によりますと、ひとまず令和5年度(2023年度)までは導入を見送った、英語の民間資格・検定について、令和6年度(2024年度)以降も活用を見送ることで一致したそうです。今までの議論でも指摘されていた、実施回数や受験料が異なる複数の検定を同一視することや、経済的・地理的な要因で格差が生まれる可能性があるなどの問題が解決できていない以上、利用を前提としていた制度設計には無理があると判断されたようです。当初は大学入学共通テストの英語は無くなり、すべて民間資格・検定に置き換えるとされていましたが、その可能性が消えた形です。つまり大きな改革を目指していた大学入学共通テストですが、結果的にセンター試験とあまり変わらない形に落ち着きそうです。

それに伴って、民間資格・検定と内容的に重なるために今年の大学入学共通テストから削除された、「発音・アクセント」や「語句整序」の復活も考えられることになります。制度切り替わりの影響を受けた去年の高3生も大変でしたが、次年度以降の受験生も最新のニュースに敏感になる必要がありそうです。

合格した大学に進学した受験生の割合(その3)【大学入試2021】

2021年4月2日 金曜日

京都産業大学は、出願者数も大きく減少した年でしたが、入学率も下がっています。ご覧のように昨年からの近畿大学への流出に加えて、今年は関西大学、龍谷大学への進学者も増加し、京都産業大学への入学者数が減少しています。近畿大学も2年連続で関西大学への入学者数が増加し、全体の合格者数は増加したのに入学率は下がってしまいました。甲南大学は関学、兵庫県立への進学者増が影響していますが、まだ、全体としては高めの入学率を維持しています。龍谷大学にとっては立命館大学と関西大学への入学者増がダブルパンチで効いた形です。

まだ、各大学の入学者数は公表されていませんが、志願者が増加し、合格者数が増えていても実際の入学者数が減った大学や学部に関しては、次年度の入試難易度にも影響が出てくることが考えられます。今後の情報にも注意していきたいと思います。

合格した大学に進学した受験生の割合(その2)【大学入試2021】

2021年4月1日 木曜日

それでは、それぞれのグループ内での状況を見てみましょう。まず、関関同立。開成教育グループからの受験生に関しては、去年に引き続き、関西、関西学院、同志社、立命館という並びになります。2020から関西大学の割合が上がったのは、国公立への進学者が減ったからです。2019では大阪、滋賀、京都工芸繊維、大阪教育、奈良女子など近畿圏の国立大への入学者がいたのですが、関西大学合格者の中でそれらの大学に進学した人が減少しています。

一方 関西学院合格者で、神戸、兵庫県立、奈良女子への合格者が増加しており、国公立の併願校としての機能を果たしています。同様に、同志社でも神戸の入学者数が増加したことが入学率の微減につながっています。立命館でも同様の傾向が見られます。(続く)

合格した大学に進学した受験生の割合(その1)【大学入試2021】

2021年3月31日 水曜日

いよいよ年度が変わります。今年大学受験をした皆さんもそろそろ行先が固まったかと思いますが、果たして合格者のうち、どの程度がその大学に進学するのでしょうか。各大学がホームページに発表している合格数は、一人で複数合格した数値ですので、実態はわかりにくくなっています。そこで、開成教育グループからの受験生を元に、それぞれの大学に合格した実人数のうち、その大学に進学するぞと申告してきた割合を計算してみました。まず、学校群別に計算してみました。例えば関関同立というのは、4大学の合格者のうち、それぞれの大学に入学した受験生の割合を表しています。

すると、なんということでしょう。関関同立はここ3年間増えているではありませんか。安全志向や地元志向でしょうか、遠隔地の国公立を避けて(?)関関同立を選んだ受験生が多かったようです。しかし、以前のエントリーで紹介したように、全体的に受験者数は減少し、合格率も上がっていますので、その分のしわ寄せがそれ以下のグループに波及したようです。(続く)

コロナ禍と大学入学共通テスト(その2)

2021年3月30日 火曜日

と、ここまでは今年のコロナ禍の影響とは関係ない話なのですが、以前このエントリーで紹介したように、今年の受験生は一人当たりの受験回数を減らし、早めに進路を確保する傾向が強く、結果的に共通テストを出願したものの、推薦系の入試で進学先が決まったということでしょうか、当日受験しなかったという受験生が例年以上に発生しています。「受験率」のグラフをご覧ください。全国平均でほぼ1割欠席と、ここ21年で最低の受験率(最高の欠席率)となっています。

龍谷大学は学校推薦型選抜(指定校推薦)でも共通テストの受験を必須にすると発表しました。その他の大学でも今年の志願者減を受けて、大学入学共通テストを利用した判定方式の導入や定員の増加も考えられます。次年度以降の受験生は共通テストに向けた準備もお勧めします。