【第105回】薬剤師国家試験 合格者数 その2【2020年】

2020年6月2日 火曜日

 募集人数が大きな薬学部、それに伴って国家試験合格者数も多い薬学部は存在感があるのですが、大学としては人数というより、「合格率」も重視しています。そこで、新卒の合格率で並び替えてみました。こちらが合格率90%以上の30校です。

 (その1)で話題にした東京大学。現役では9人しか出願していないけど、全員受験して、全員合格だったのね、ほお・・・。という見方もできますが、人数、割合共にすごいな、と思うのは、静岡県立大、国際医療福祉大、名城大、東京理科大、明治薬科大、近畿大あたりでしょうか。人数ランキングでは上位だった近畿圏の京都薬科、大阪薬科、神戸薬科もすべて合格率90%以上をキープ。大したものです。というわけで、次年度入試でもこのあたりの薬学部の人気が衰えることはありませんので、受験生は早めにこれらの大学の入試科目を調べて、頑張りましょう。

 因みに、入試科目が多い大学のほうが、国家試験合格率も高いという傾向もあります。したがってあまり早くから科目の絞り込みをしないように、と付け加えておきます。

【第105回】薬剤師国家試験 合格者数 その1【2020年】

2020年6月1日 月曜日

 新型コロナウイルス感染症により2月末に学校の一斉休業が要請されましたが、その1週間前の滑り込みのタイミングで、第105回薬剤師国家試験が全国9都道府県の13会場で実施されました。2日間朝から夕方まで、総試験時間12時間40分というハードな試験です。ここ近年合格者数は1万人前後で推移していますが、3月24日に発表された今年の結果では受験者の69.58%にあたる9958名が合格しました。 因みに日本では薬剤師の国家試験を受験することができる大学は73校あります。そこで学校ごとの合格者数の順番で並べてみました。

 東京薬科、京都薬科、大阪薬科とベスト3はマンモス私立薬科大学が並びます。この3校だけで約1000名。全体の1割を占めることになります。近畿圏では6位に神戸薬科、16位に神戸学院、17位に武庫川女子、20位に摂南と有名どころが並んでいます。一方、募集人数が少ない国公立はランキングでは下のほうとなり、最も受験者も合格者も少ないのは東京大学、というわけです。実は東京大学薬学部は薬剤師の養成というより、研究に比重が置かれていますので、例年受験者はこの程度となっています。(続く)