獣医師に近い大学

2016年12月19日 月曜日

「動物が好きなので、獣医さんになりたい」という相談を生徒さんから、時々聞くことがありますが、獣医師になるためには「獣医学科」のような養成機関に6年間在籍してから国家試験の受験資格を得て、その試験に合格して初めて「獣医師」になることができます。

ところが、その受験資格を手に入れられる大学が日本には16校しかありません。医学部医学科は80校(国立43校、公立8校、私立29校)ありますから、それと比べると学校数はちょうど5分の1ですが、定員の合計は医学部の約10分の1の930名と狭き門になっています。

 

難易度はベネッセの数値です。大学名を薄く色を付けているところは私立大学です。御覧のように近畿圏では大阪府立大の「生命環境科学域・獣医学類」が唯一の国家試験の受験資格が得られる教育機関となります。

 

さて、国家試験の合格率はどのようなものか見てみましょう。この表は2016年の獣医師国家試験の合格率の高い大学を順に並べたものです。東京農工大は全員合格。先ほど挙げた大阪府立大も9割近くと高い数値になっています。(サンデー毎日12月25日号より引用)

昔は、獣医師はペットの病気を治すというより、産業動物と呼ばれる家畜の健康管理が主な守備範囲でした。今年も家畜の伝染病のニュースが報道されていますが、その診察や対策は獣医師が中心となって行われています。このように、獣医師の資格を手に入れた後はその専門性を生かして約半数が公務員や農業関係団体、製薬メーカーの研究員や大学の研究者になっています。動物園にも獣医師が必要ですが、そもそも動物園の数が少ないので、それほど大きな就職先にはなっていません。そして動物病院に就職したり、開業したりしているのは51%と約半数がペットのお医者さんになっているようです。

大阪府立大の獣医学類はセンター試験で80%以上の得点が必要です。獣医さんを目指す方は、ひとまずそこを目標に頑張りましょう。