小学校英語 教科化 2018年より先行実施

2016年12月26日 月曜日

12月22日の毎日新聞によりますと、2020年から導入予定の新指導要領の目玉の一つである「小学校英語の教科化」が2018年より先行導入されるとの報道がありました。2020年導入ということは、関係するのは現在の小1以下の学年だと見られていましたが、この先行実施によって現在の小3以下の学年が影響を受けることになりました。

 

(毎日新聞Online http://mainichi.jp/articles/20161222/ddm/002/100/163000c より引用)

ここで、気を付けたいのは、指導要領によって「教科として」教えられる科目になるということは、今でも私立中学校入試で一部選択として扱われている英語が本格的に導入されるばかりでなく、公立中高一貫校の適性検査も変わってくることが予想されます。さらに、中学入試を考えていない生徒にとっても、中1の英語の教材から、現行のようなアルファベットと簡単な単語といった導入段階が消え、ある程度のまとまった会話文や文章からスタートすることになるなどの影響を受けることになります。

加えて新聞記事には最後に書かれていましたが、新指導要領では高校の間に学ぶ英単語の数を、現在の3,000語程度から5,000~6,000語程度に増やすとのことです。従って大学入試に出題される英語長文のレベルも上がると考えられます。(実は、今の大学入試で使われている英語の長文は、雑誌記事や小説を題材に使っているものが多いのですが、原文のままではなく、高校生でもわかるように、表現技法や単語のレベルを落として書き直しているものがほとんどです。)つまり、今の小3以下の学年が大学受験をするころには英語圏で実際に使われている本格的な素材文を早く読んで的確に理解する力が必要になるというわけです。

小学校が全面的に外国語を取り入れるのは史上初めてのことであり、教員の研修も含めて授業の質を保証する方法についての詳細が決められていないタイミングで、さらに工程を短くする答申に対しては今後議論も起こるでしょう。しかし、導入時期が決まったことによって一部の私立小学校や公立の研究校で行われている実践が紹介される機会も増えると思います。