平成28年一級建築士試験「設計製図の試験」合格者3,673人の主な属性

2016年12月22日 木曜日

平成28年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者が発表されました。この「設計製図の試験」というのは、一級建築士の2次試験(最終試験)で、この試験に合格できれば資格が手に入るというシステムになっています。

一級建築士を受験するためには、二級建築士合格後、2年以上の実務経験が必要です。しかし大学院在学(および必要な単位)によってその代わりにすることもできます。つまり受験資格を得るためには大学院を卒業するか、学部卒業後、2年の実務経験を経る2つの方法があります。最短でも高校卒業後、6年間経なければ受験資格が手に入らないというハードルの高さですが、そのうえ1次試験の「学科」と2次試験の「製図」両方合格できたものは12.0%と資格試験としては難関の部類に入ります。

今年の設計製図試験の課題は「子ども・子育て支援センター」(保育所・児童館・子育て支援施設などの複合施設)を設計せよ、というものだったそうですが、今必要とされている施設という意味では実態に即した試験だといえるでしょう。

受験資格に「大学・各種学校」を書いている人は約76.2%ですが、その中でのランキングが発表されています。全国一位は日本大学の180名、2位は東京理科大学の123名、3位は芝浦工業大学の90名と関東勢がベスト3を独占しています。そこで、ここでは10名以上の合格者が出た近畿の大学・専門学校を紹介します。

 

近畿1位は全国では5位の近畿大学です。次は国立大学が3校続きますが、近畿で5位は関西大学、文系学部が多く、元気な関西大学ですが、理系の建築学部も目覚ましい実績を上げています。大阪工業大学と二つ下の摂南大学は同じ学校法人ですので、合計すると63名と近畿で3位ともいえます。

女子大で唯一ランクインしているのは武庫川女子大学。薬学、看護学も有名ですが、食物栄養なども含む生活環境学部の中に、建築学科があります。本学と少し離れたところにある建築学科ですが、近くの工場の中庭の設計や現在高架工事中の阪神電鉄の駅の見学など、実習や見学を数多く取り入れている実践でも有名です。

一級建築士という巨大な公共物の設計もできる資格があれば、文字通り「地図に残る仕事」ができるのです。これから大学選びをする皆さん、いかがですか?