【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報④

2021年12月21日 火曜日

一応昨日でこの公募推薦シリーズを終えるつもりでしたが、近畿大学と追手門学院大学の結果が入ってきたので、追加で紹介しておきます。

【近畿大学】

東大阪の10学部+医学部だけでグラフ化してみました。

まず、今年学科から学部に昇格した「情報学部」、なんと24.33倍!!! 大変なことになっています。今年は情報系の学部を志願する人が増えていますが、その分学部新設や定員増が行われているので心配ないよ、と思っていたのに、近畿大学の情報学部に対する期待感からでしょうか、いい意味でそれを裏切ってくれました。経営学部も7.84倍。昨年は5.84倍まで下がり、お得感が出たためでしょう、一気に反発です。国際も含めて2倍を割った学部はありませんでした。さすが近畿大学!

【追手門学院大学】

昨年13倍を超えた心理学部、反動で落ち着きましたが、それでも7.71倍。今年も受験生には厳しいです。一方、新設の文学部も4.34倍となかなかの人気です。心理、社会に続いて3番目の狭き門となっています。実は人気の地域創造が今回では最低倍率となりましたがそれでも2.37倍。以前狙い目として紹介した経済学部も2.46倍と落ち着きました。とはいえ追手門学院大学も近畿大学同様2倍を割った学部は皆無だったのでした。

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報③

2021年12月20日 月曜日

【関西外国語大学】

関西外大の志願者数は、コロナ禍の影響もあって、2年連続前年比15%前後の減少(2020年度を1とすると2022年度は0.71)と続落しています。その結果、いずれの学科でも志願倍率が低下しています。つまり航空業界、観光業界への就職に強い関西外大はコロナ禍の影響をまともに受けてしまったわけですが、語学のスキルを軸に、幅広い異文化理解の教育リソースは大変魅力ですので、今年は超狙い目だといえるのではないでしょうか。

【武庫川女子大学】

日本最大の女子大学である武庫川女子大学の状況も見てみましょう。短期大学を除く10学部の出願数は2020年度10,309件→2021年度8,238件(20%減)→7,874件(4.1%減)と連続して減少しています。2021年度の激減から食物栄養や教育のように反発して上昇した学部もありますが、看護や薬といった難易度の高い学部でも倍率が低下しています。募集人数としては少ないのですが、音楽の倍率が最も低くなっています。実はこの傾向はその他の音楽系の大学や学部でも見られており、演奏の機会が少なくなったコロナ禍の影響がここにも表れているのかもしれません。

というわけで、いくつかの大学の公募推薦入試の状況を見てきましたが、全体的には今年の公募推薦入試は多くの合格者が出たという意味で、それほど厳しい戦いではなかったといえるでしょう。しかし合格者数が増えても複数の大学に合格した人が増えただけなら入学者は増えないわけですから、まだまだ一般入試の枠には余裕のある大学もあると思います。

また、追加の情報が入りましたらここで紹介したいと思います。

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報②

2021年12月17日 金曜日

【摂南大学】

摂南大学は日程が二つあるのですが、今回紹介するのは結果が判明しているA日程のみです。まず、志願者数は2020年度16,111件→2021年度14,389件→2022年度14,101件と2年連続減少していますが、合格者数は4,951件→6,295件→8,313件と大幅に増加しています。その結果平均倍率は3.25倍→2.29倍→1.70倍と大幅に低下しています。

その中でも経営学部は3.66倍、安定の看護も3.30倍と高い倍率を付けましたが、農は1.09倍と、龍谷と同じく最も倍率の低い学部となりました。農学部といえば環境や食と直結する専門分野ですが、人は必ず食事はしますので、受験生の皆さん、狙い目ですよ。

【神戸学院大学】

神戸学院大学の出願数の推移ですが、2020年度6,667件→2021年度5,724件(14%減)→5,312件(7.1%減)と2年連続減少、それに対し合格数は1,557件→1,875件→2,717件と増加し、結果的に倍率は2.46→3.05→1.96と他大学とは少し違う動きが見られます。特に2021年度入試で7.85倍となった経営と隣接分野の経済は、今年はその揺り戻しでしょうか、大きく志願者が減っています。また、他大学では人気の法が、今回の結果では低い倍率となっていますので、一般入試での狙い目になるのではないでしょうか。(続く)

【大学入試】2022年度 近畿圏公募推薦入試 結果速報①

2021年12月16日 木曜日

最後の大学入試センター試験が行われた2020年度入試では、制度変更を嫌った受験生による「超安全志向」、コロナ禍の影響を受けた2021年度入試では、先行き不透明感から「早期決着」と大学入試の世界では2年連続で安全志向が続きました。そこで、今年はどうなるのだろう、という話になるのですが、9月以降のコロナ禍の鎮静化も手伝って、難関大学の秋のオープンキャンパスや説明会が大盛況と、強気の出願が増えるのでは、との説もあります。ところで、近畿圏では「産近甲龍」と呼ばれる規模の大きな大学群を中心に、公募推薦(学校推薦型選抜 公募制)が行われましたが、その結果をいくつか紹介してみたいと思います。

【京都産業大学】

京都産業大学の公募制推薦の出願数は、2020年度13,079件→2021年度12,154件(7%減)→2022年度12,332件(1.5%増)と推移しているのに対し、合格者数は2020年度2,523件→2021年度2,981件(18%増)、2022年度3,993件(34%増)と早めの入試で積極的に合格通知を出す傾向が見られます。その結果平均倍率は2020年度の5.18倍から2022年度の3.09倍まで低下しています。とはいえ、就職状況と研究実績で定評のある京都産業大学ですから、どの学部も2倍を下回ることはありません。

【龍谷大学】

龍谷大学の公募制推薦の出願数は、2020年度15,671件→2021年度17,644件(13%増)→2022年度20,350件(15%増)と続伸しています。それに対して、合格者数は2020年度2,885件→2021年度3,886件(35%増)、2022年度5,115件(32%増)とそれ以上の伸びを記録しています。その結果平均倍率(短期大学部除く)は2020年度の5.47倍から2022年度の3.98倍まで緩やかに低下しています。但しほとんどの大学で志願動向がマイナスとなっている「国際」が3.68倍と高止まり、「経営」では何と8.56倍という高倍率を維持するなど、龍谷大学の勢いを感じます。一方理系の2学部では志願者減がそのまま倍率低下につながった形です。(続く)

【教員志望者に】高野山大学 文学部教育学科 特待生制度【朗報】

2021年12月13日 月曜日

高野山大学と聞くと、あの和歌山の高野山の上、標高800メートル以上にある大学かぁ、通学は不可能だな、と思っている皆様、実は教育学科は大阪府河内長野市にあるのですよ。正確には協定校である大阪千代田短期大学(ちよたん)のキャンパスを間借りして開講しています。最寄りの千代田駅まで、南海難波駅から29分ですから大阪市内からでも通学できます。(駅から大学まではスクールバスで12分です)

さて、その教育学科からこのようなご案内を頂きました。何と入試成績上位者にはこのような手厚い優遇制度があります。しかも複数回チャレンジが可能な制度となっています。教員志望の方、利用してみては如何でしょうか。

首都圏の難関大学に強い関西の私立高校はここだ②

2021年12月9日 木曜日

次はMARCHランキングです。10%以上にランクインしているのはご覧の9校となっています。なんと2位は女子校である甲南女子です。立教大学に3年間で23人というのは関西最多となっています。甲南女子はキリスト教系でもないのに・・・。逆にキリスト教系の洛星がそれとは関係のない中央大学に強いという、これまた不思議です。(またの機会に、もう少し掘ってきます)一方、公立高校のランクインは大阪教育大学附属池田のみ。公立高校から首都圏の私立大学というのはまだ少数派であるようです。首都圏大学のキャンパスライフを夢見ている中学受験生、高校受験生は今回紹介した学校がお勧めとなります。受験校選定の参考にしてみてください。

ところで今年の大学入試では関西からの首都圏受験が回復するのでしょうか。2022年度入試でのランキングもどうなるのか楽しみです。

首都圏の難関大学に強い関西の私立高校はここだ①

2021年12月8日 水曜日

昨年はコロナ禍の影響で、住所地から大きく離れた大学を志願する受験生が減少したといわれていますが、超難関大学に関してはその傾向は当てはまらなかったと思います。早稲田・慶應義塾・上智・東京理科の4大学は私立大学でも全国区の知名度と難易度を誇ります。その4大学の合格者数を卒業生数で割った「占有率」で、関西圏の高校のランキングを作ってみました。単年度の波を補正するため、2021年度~2019年度入試の3か年を加算しています。(元データはサンデー毎日の「大学入試全記録」(毎日新聞社刊)を参考にしていますので、学校HPの数値とずれている可能性があることはご了承ください)

占有率が10%以上の学校はこの通りです。

東大+京大合格ランキングと似たような結果となっていますが、ちょっと意外なのが9位の須磨学園。東大京大ランキングで22位、関関同立でのランキングでは33位なのですが、ここでは9位。1位の西大和(東大京大5位、関関同立53位)と並んで東京シフトを敷いているようです。女子校では神戸海星女子学院が唯一ランクインしています。(続く)

【乱高下】神戸学院大学 公募制推薦 志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月6日 月曜日

神戸学院大学の公募推薦出願状況も見てみましょう。

学部ごとの変動が大きいので、昨年比だけではなく、この大学についても2020年度入試の志願者数を1とした3年変動のグラフで説明します。

G・C(グローバルコミュニケーション)といった国際系の学部が続落しているのは他大学と同じ状況ですが。まさかの法学部が続落しています。旺文社の「蛍雪時代2022年度用・大学の真の実力 情報公開BOOK」で法学部の就職状況を調べてみると、昨年公務員になったのは卒業生449名中56名と、割合にすれば関西学院大学や甲南大学とほぼ同率となっていますので、もっと評価されるべきだと思います。一方、昨年倍率が跳ね上がった人文と栄養は揺り戻しで急落しています。これらは一般入試で狙える学部となるのではないでしょうか。逆に昨年の急落から反発した心理は昨年比では増加していますが、2020年水準と比べるとほぼ変わりませんので、過度に心配する必要は無いでしょう。

一般入試出願の参考にお使いください。

私立大学等 経常費補助金について

2021年12月3日 金曜日

私立大学の経営に関する不祥事が報道されると、「大学は税金から補助金をたくさんもらっているのにけしからん」と関係者以外も憤るという図式になっていますが、実際どの程度の金額が使われているのか気になったので調べてみました。

まず、2020年度に補助金の交付を受けた大学は577校(大学院大学含む)で、交付総額は291,330,742(千円)つまり3000億円近くが支出されています。まとめると結構な金額ですね。一番交付額が多かったのは早稲田大学で約93億円、2位が日本大学の90億円、3位が慶應義塾大学の82億円と続きます。4位の立命館大学は関西では1位の60億円。医学、歯学、薬学、保健と医療系の学部しかない昭和大学が5位の59億円と続きます。

さて、学生1人がどれほどの恩恵を受けているのかがわかるように、2020年度の学部学生数で補助金の合計を割ってみました。すると、1位の早稲田大学は一人当たり約24万円。学生全員が毎月2万円ずつ頂いている事になります。ありがたや。そう考えると2位の日本大学は医学部もあるのに一人当たり約14万円ですので、補助金が多いとはいえません。5位の昭和大学は189万円ということは、もし補助金が無くなったら学費が189万円値上げになる理屈ですので大変です。もっとインパクトがあるのが日本医科大学。一人当たり389万円は大きいです。私立の医学部は学費がとっても高いのですが、実は国も頑張って補助しているわけです。

逆に一人当たりの金額が低い大学も見つけてしまいました。

秋田県のノースアジア大学の補助金は757万円、学生数は792名と一人当たり年間9千558円ほどです。大阪経済法科大学も4237万円の補助金に対して学生は5354人ですから、年間1万2千円。月1000円ずつのお小遣い程度となっています。就職支援や資格取得で定評のある学校ですので、もっと国も支えてあげてほしいものです。

因みに東京大学の「国立大学運営費交付金」は822億円、学生は27,011人ですので、学生一人当たり304万円となっております。13億円と国立で最も交付額が少なかった鹿児島の鹿屋体育大学でも学生数は768人(2021年度)ですので、一人当たり169万円となります。そう考えると私学の補助金なんてかわいいものに見えてきます。景気対策も大切ですが、私立大学に対する補助金のための予算を増やしましょうよ、という議論も国会でしていただきたいものです。

(私立大学の補助金に関しては、「日本私立学校振興・共済事業団」のホームページ令和2年度 私立大学等経常費補助金交付状況の概要|私学振興事業(助成業務)|私学事業団 (shigaku.go.jp)から引用。国立大学の運営費交付金については、文部科学省のホームページ【資料1-2】国立大学法人運営費交付金の配分状況 (mext.go.jp)を参考にしています。大学の学生数については旺文社の螢雪時代編集部『大学の真の実力 情報公開BOOK』及び各大学のHP等を参考にしています)

【今年も好調】追手門学院大学 公募制推薦(前期)志願状況【狙い目はここだ!】

2021年12月2日 木曜日

今はまだ安威キャンパスと総持寺キャンパスに分かれていますが、総持寺キャンパスへの統合を目指して新たな建物も建築中で、利便性と学習環境もさらに充実していく追手門学院大学についてです。

昨年度入試日程の変更で大きく志願者数を伸ばしました。移転によって通学圏が広がったことも手伝って合計すると2022年度入試では2020年度入試の1.26倍の志願者を集めました。特に調子が良いのが社会学部。根強い人気の地域創造も続伸しています。経営学部は昨年の揺り戻しで減少しましたが、それでも2020年の1.3倍以上の志願者です。このグラフには表れていませんが、新設の文学部も1400名以上の志願者を集めました。

ここでコロナ禍の影響で国際学部だけ大きくマイナスになっていますが、逆に言えば一般入試も含めて今後の入試での狙い目となることが考えられます。若干続落の経済学部も併せてお勧めしておきます。