大学推薦入試 入学者ランキング①

2017年1月25日 水曜日

1月14日・15日の行われた大学入試センター試験も終わり、私立大の出願・入試、国公立の前期試験と大学受験生にとっては慌ただしい時期になりましたが、一方で既に進学する大学が決まって残り少ない高校生活を楽しんでいる人もいます。実際にはどの程度の人数がいるのでしょうか。
1年前の資料になりますが、推薦入試で入学した学生数の資料がありましたので、紹介します。この資料は付属(附属)校や系列校からの入学者は含まず、それ以外の指定校推薦と公募制推薦を経て入学した人数をまとめたものです。(数値は朝日新聞社刊「大学ランキング2017」から引用しています。)

 

1位の近畿大学は受験者数でも3年連続日本一の大学ですが、実は2,687人が一般入試を経ずに入学しています。もちろんこの中には公募推薦の合格切符を手にした後で、他の大学の一般入試にチャレンジした人もいると思いますが、近畿大学が第一志望だった受験生にとっては2か月も早く進路が決まったことになります。
2位の龍谷大も、定員規模からすると多い2,000人を超える入学者が決まっていたことになります。龍谷大は仏教系の大学ですが、同じ宗派の高校を指定校として入学枠を設けているために人数が多くなっています。同じようにキリスト教系の同志社大や関西学院大も同様の指定校を持っているようです。(明日に続く)

 

今年の中学入試問題から(香川誠陵)

2017年1月24日 火曜日

昨日に続いて、中学入試問題を紹介します。今日は香川誠陵中学校です。

円の問題なのに、円の半径が書いていません。ここで受験生は何度も問題を読み返したことでしょう。

三角形ABCの面積がわかっているだけです。

さて、解説です。まず、補助線を引いてみましょう。

すると、線からはみ出ている部分と、線より引っ込んでいる部分が一緒だということに気が付きますので、そこに移動させて考えます。すると、面積を求めるべき部分は次のようになります。

この青い線を引いている矢じりのような形は三角形ABCの2/3となりますので、答えは20㎠となります。

算数は「ひらめきだ」という人もいますが、円の補助線は、半径と接線というのが受験算数の基礎となりますので、図形問題の解き方の復習をしていた受験生であれば解けていたはずです。学校がどのような生徒を求めているのがわかるような問題でした。

 

今年の中学入試問題から(同志社女子中)

2017年1月23日 月曜日

先週末から続いていた関西地区の中学入試も、ひとまず落ち着いてきました。

やはり今年度も厳しい戦いになった中学校が数多くみられましたが、その中で受験生の手が思わず止まってしまうような問題を紹介しましょう。

今回は京都にあります「同志社女子中学校」前期日程の算数より、問題2の問4です。図形の問題です。

これだけの条件でADの長さを求めなさい、という問題です。

三角形ABCは正三角形の半分ですから、ABの長さはACの長さの2倍になっているというのは中学受験でよく使うネタですので、そこはわかっているとしましょう。ただし、中学生で習う(1:2:√3)や、AB:AC=BD:CD は使えません。

さて、解説です。

三角形ADCに注目します。この三角形も正三角形の半分ですので、DAはDCの2倍です。そこでDCの長さを①として、DAに②と書き込みましょう。

次に三角形ABCに着目して、∠ABCが30°と計算し、書き込んでおきます。

三角形ABDに着目すると、30°の角が二つありますので二等辺三角形だとわかります。そこで、DAとDBが同じ長さなのでDBにも②と書き込みます。

そこで、BCの10㎝は①+②の③だとわかりますので、①は10/3ということになります。

問題で聞かれているのはADの長さなので、DCの2倍、すなわち20/3(6と2/3)㎝となります。

このように二等辺三角形に気が付くところがポイントですが、緊張している受験生にとっては気が付かないことで焦ってしまう問題だといえます。同志社女子中では、算数の第2問はこのような小問が6題並んでいますが、一つ2分くらいで解かなければ全体の時間が無くなりますので、解法が浮かばなければ、悩むのをやめて次の問題に移るという思い切りも必要になります。

中学入試を勝ち抜くためには、十分な知識量や技能も必要ですが、その場の判断力や、わからなかった問題のことで悩まないという強い精神力も必要とされるのです。

また、面白い問題を紹介していきたいと思います。

 

早くも来年度入試の説明会が始まります!!

2017年1月20日 金曜日

1/14(土)に統一解禁日を迎えた近畿地区の中学入試。今週末には、大阪市立咲くやこの花中や初めての入試を迎える大阪府立富田林中などを控え、まだまだ合格へ向けて頑張っている受験生もたくさんいらっしゃることと思います。

そんな中、すでに来年度の入試へ向けた動きが始まっています。

日時・場所:
2017年3月4日(土) 13:30~15:00(13時受付開始) あべのハルカス 25階会議室

内容:
・新時代の女子教育とは
・平成29年度中学校入試報告

申込方法:
・帝塚山学院中ホームページより専用申込フォームにて申込
・添付のPDF(上記の画像をクリックしていただきますとPDFファイルが開きます)裏面に必要事項を記入し、FAXにて申込

あらかじめ定員が決まっているようですので、ご興味のあるみなさまはお早めにエントリーされることをお勧めします。自分の受験はまだまだ先のこと、などとは思わずに積極的に説明会へ参加してみましょう!!

 

外国語(英語)を習得するメリット

2017年1月19日 木曜日

現在、世界人口約70億人のうち、約17.5億人が実用レベルで英語を使用しています。つまり、全世界で4人に1人の割合で英語が話されていることになります。また、インターネット上でやりとりされる言語のうち26%は英語だという調査結果もあります。(2015年6月Internet World Stats(http://internetworldstats.com/stats7.html))

 

このように国際化され、英語が共通語となっている社会では、「英語ができないこと=デメリット」だと言わざるをえません。この「英語ができる」というのは、日常英会話程度なら話せる、英語の読み書きならできるという意味ではありません。外国の歴史・文化への理解があり、その上で外国の人々と積極的にコミュニケーションを取れるということです。日本でも、そうした「英語ができる」人材育成のために、平成23年度から小学5年生・6年生での外国語活動が必修化されています。

今、社会に求められているのは「Listening聞く」「Speaking話す」「Reading読む」「Writing書く」の4つの基本的な英語技能をバランスよく身につけ、「Communicate話し合う」ことに長けた人材なのです。

確かに日本国内で普通に生活していれば英語が必要な場面はそれほどありませんが、現代では「海外から原材料や人材の調達をしていない、海外で製造をしていない、海外で販売をしていない」といった「海外と一切関係のない企業」はほとんど無いといえます。近年、楽天やユニクロのように、社内での公用語を英語にしている企業、管理職の大半を外国人が占めている企業、人事採用の比率が日本人よりも外国人が上回る企業、そして英語力を人事採用の決め手の1つとしている企業が増えています。

 

TOEICが2011年に行った「上場企業における英語活用実態調査」では、回答した上場企業のうち84.5%の企業が業務で英語を使用していると答えています。これは「英語を使用する部署・部門がある」「特定の部署・部門はないが英語を使用することがある」「社内公用語が英語である」の割合の合計です。また、入社希望者が「資格・特技」として提出したTOEICスコアを参考にしている(参考にすることがある)企業は77.7%に上り、講師派遣をはじめとした様々な英語研修を実施している企業は66.5%にも上ります。その他に、TOEICのスコアアップ体制を敷いている企業やTOEICスコアを昇進昇格の条件にしている企業も近年増え続けています。

こうした調査結果からみて、英語力が社会人必須の「ビジネススキル」と考えられ始めていることが分かります。

小中学生は就職後のために、というよりも、ひとまず英検などの検定試験合格を目標に、明日から学校の勉強以上に英語を学習するのはいかがでしょうか。また高校でも「国際科」や「英語コース」といった、英語の時間数が多い学科やコースを設けているところが増えています。会話の力も含めて英語力を上げるには良い環境だと思われますので、一度見学会などに参加してみてはいかがでしょうか。

 

東京都 私立高校の無償化が始まります

2017年1月18日 水曜日

大阪では2011年から始まっている、私立高校の無償化が東京都でも実施されることとなりました。

17日の新聞各社の報道によりますと、東京都の小池百合子知事は都内外の私立高校に通う都内在住の生徒の授業料について、世帯年収760万円未満の家庭を対象に、実質無償化する方針を明らかにしました。都の試算によると、支給対象は都内の約5万1千人で、約3割の生徒が対象になるようです。この支給基準となる年収760万円というのは、大阪の590万円と比べてかなり高くなっています。

無償といっても施設費や制服、修学旅行の積立などは対象外となりますので、全く費用が必要なくなるというわけではありませんが、最大で年間44万2千円を受け取ることができるため、その効果は大きいと思います。

また、都内の私立高校だけでなく、都民であれば都外の私立高校に通っていても無償化が適用されるというのも魅力的です。私立高校によっては広い校地・充実した設備といった学習環境や、進学実績を特長としている学校もありますので、公立高校と経済的な負担があまり変わらないとなると、当然私立高校への入学希望者が増えることになるでしょう。また、私立高校の方が良いといった評判から、近年盛んになってきた都立高校の学校説明会に参加する人数が減少すれば、都立高校の魅力を知ってもらう機会が減る事にもなりますので、来年以降の都立高校受験者がさらに減少するかもしれません。

一方、年収400万円未満であれば、私立小学校・中学校に通う世帯には年間10万円が支給される制度も来年度から始まります。高校から私立に進むのではなく、もっと早く、小学校、中学校から入学するという動きも出てくることでしょう。

 

模擬試験の重要性(中学生の皆さんへ)

2017年1月17日 火曜日

今年も高校入試シーズンが近づいてきましたが、来年以降に入試を迎える中1・2生の皆さんに模擬試験はなぜ受けなければいけないのかをお伝えしておきましょう。
同じ「テスト」と言っても、学校の定期テストと入試問題には様々な違いがあります。学校の定期テストでは、「授業内容をきちんと理解できているかどうか」を確認するために、「教科書の一定のテスト範囲」の中から、基本的事項を中心に問われます。しかし、入試は基本的な問題から応用的な問題まで、そしてあえて引っ掛けるような問題まで「中学3年間の全ての範囲」の中から出題されます。つまり、高校が入学生を選ぶためのテストなのです。
・試験の雰囲気とは?
・どういう流れで進むの?
・なじみのない場所・環境で試験に集中できるの?
・その集中を入試全科目が終わるまで維持させることができるの?
・力を出しきるためにどういう工夫をすればいいの?
―そういった不安を軽減し、入試を実感するために、「模試」で入試本番さながらの問題と雰囲気を体感してください。
模試は一般的に「腕試し」や「志望校判定」のためだけのもの、と考えられがちですが、実際には、実戦に慣れる場であり、復習する場であり、苦手な分野・得意な分野を明らかにする場です。模試を利用して、志望校合格へと近づきましょう。

 

大学入試センター試験が行われました

2017年1月16日 月曜日

今年の大学入試センター試験は寒波到来の中、土曜・日曜の2日間にわたって行われました。昨年より1万2199人多い57万5967人が、全国の691カ所の試験場で試験に取り組みました。1日目は北日本を中心に、2日目の15日は西日本でも、積雪の影響などで、交通機関の運休や遅れが相次ぎ、試験開始時間の繰り下げなどが行われました。大学入試センターによりますと、試験時間の繰り下げは過去10年間で最大規模となり、計約1万2千人に影響があったとのことです。

積雪や公共交通機関の遅延・運休などによって試験会場に時間までにたどり着けなかった場合、会場全体の試験時間を繰り下げる場合もありますが、人数によっては、遅刻した受験生のみ他の部屋で時間をずらして実施するなどの対応が行われます。これからも私立大学の一般入試や国公立大学個別試験などで悪天候や交通機関のトラブルに巻き込まれる恐れもありますが、そのような場合でも落ち着いて、安全を第一に、ともかく遅れていてもあきらめずに試験会場にたどり着くようにしましょう。また、不測の事態が生じた場合、連絡先が受験案内に詳しく書いている場合もあります。そのためにも、事前に注意事項をよく読み、必要な連絡先などは携帯電話に登録しておくなどの準備もしておきましょう。

今回の大学入試センター試験を事故や体調不良などで受験できなくても、1週間後の追試験を受験することができる場合があります。その申請は明日火曜日までとなっていますので、受験できなかった方は受験案内の追試験の申請方法を確認してください。追試験の会場は全国2か所となっています。昨年は東日本で114名、西日本で62名の合計176名が、それぞれ東京芸術大学と京都工芸繊維大学で追試験を受験しています。

センター試験受験後は、自己採点を元に出願校を選択することになります。ここからはデータとの勝負です。自分が目標としていた点数を下回っていても、平均点が下がっていれば強気の出願もできるわけです。主な3教科に関しては英語、数学はやや易化、国語は難化していると見られますが、ともかく分析を行う各社から木曜日以降に大体の集計結果が発表されますので、それも参考に出願校を決めていきましょう。

 

大阪でも私立中学入試 始まりました(その2)

2017年1月13日 金曜日

昨日に引き続き、私立中学入試の様子をお送りします。

次は9日に大阪福島にありますTKPガーデンシティ大阪梅田という会場で実施された愛媛県の愛光中学校の県外入試の様子です。

ビルの真ん中を高速道路が貫いているというユニークな構造のビルですが、受験生は面白がっている場合ではありません。ここは上の階にある受験会場までエレベーターで入場するのですが、1Fのエレベーターからは受験生だけが入場していくようになっています。

そこで、建物の外で受験生が塾ごとに集合して激励を受けたりすることになります。毎年同じなのですが、800人以上の受験生が集まるこの入試会場ではのぼりや応援の旗が林立して神社の縁日のようになっています。そこで開成ベガの塾生たちは、寒風と混雑を避けて近くの地下モールに集まり、先生たちから注意事項の伝達を受けていました。

こちらもすでに合否が発表されています。この後の日程の中学校を受験する場合は、合格した受験生はその通知を自信に変え、残念だった受験生は結果を反省材料として生かし、14日から本格化する京阪神の中学入試では力を出し切ってほしいと思います。

 

大阪でも私立中学入試 始まりました(その1)

2017年1月12日 木曜日

今週末には大学入試センター試験と京阪神の私立中学校入試が行われますが、近畿圏以外の私立中学校で大阪を会場とする入試(「県外入試」と呼ばれます)はすでに始まっています。

昨年9月に「開成進学フェア」の会場として使わせていただいた「マイドームおおさか」では、この8日(日)に函館ラ・サール中学校の入試が行われ、早くも合格発表が出ています。そこで、実際の入試会場の様子をお伝えしたいと思います。

御覧のように広い会場に机が並べられています。いつもと違う雰囲気で生徒たちは緊張していますが、試験開始直前まで保護者や塾の先生も試験場の中に入ることができますので、直前のアドバイスを与える姿なども見られました。

この週末は気温も下がり厳しい天候になるとの予報もありますが、受験生は体調管理に気を付けて、力を出しきってもらいたいと思います。