【大阪府】大阪公立高校の倍率低下の原因と影響【私立はホクホク??】(後編)

2024年4月26日

(昨日からの続き)

公立高校の入学者数は公表されていませんが、募集定員以上の受験生がいた学校は募集定員が入学し、定員割れした高校は出願者が全員入学したとして、全日制普通科+専門学科の110校で試算してみました。すると、入学者合計は2022年度28,622名、2023年度は28,776名、そして2024年度は29,132名と今年は356名も増加しているではありませんか。実はこの110校合計で昨年度よりも定員が550名増えているので、定員割れの学校が増えた=公立の入学者が減った、とはならないのです。

また、これは第3回進路希望調査の数字ですが、通信制の高校を希望している人数も昨年度の4,280名から今年度4,655名と375名増加しています。そこで私学への入学が減る要因である「公立中学校卒業者の減少295名」+「公立高入学者増加356名」+「通信制の増加375名」を計算すると1,026名となり、これで私立高校の約1,200名入学者減少の説明が付きそうです。

そこで、最初の話に戻りますが、公立高校の定員割れが増えた原因は、そもそも公立が定員を増やしたから、それに私立専願が1,500名ほど増えたから、となります。その影響ですが、私立高校では、公立高校の入学者増に加え、併願戻り率の低下と通信制の台頭(大阪では中学校卒業者の約7%が通信制を希望。因みに兵庫県では3.83%)で入学者が減少した、ということになります。 理由がわかってすっきりしましたが、私立高校の立場で考えると、なんだか「もやもや」するのでした。