大阪国際中学校高等学校の新校舎にお邪魔してきました②

2022年3月17日 木曜日

特別教室は平屋の別棟が点在している形になっています。音楽棟は2つの音楽室と準備室から成り、実験棟は物理、化学、生物の実験室と、各準備室といった配置です。校舎との間には屋根付きの通路があり、雨の日でも移動に支障が出ないようになっています。

物理教室です。ご覧のように木製のトラスが天井を支えています。木材のにおいが心地よいです。

化学実験室の中には化学の実験で有害なガスが発生する可能性があるときに使う「ドラフトチャンバー」という機器と、薬品を浴びてしまったときに使う非常用シャワーの設備がありました。併せて200万円超だと思われますが、ここまで備えている学校は少ないと思います。このこだわりは化学のすごい先生がいらっしゃるという事でしょう。帝国女子薬科専門学校(現大阪医科薬科大)の附属校だった歴史を感じる一幕でした(そういえば今、大阪医科薬科大と同じ法人の高槻中高の化学実験室には緊急シャワーは無かったような気が・・・)。

調理実習のための調理室にはガスコンロが設置されています。安全性や設置コスト、手入れを考えるとIHだと思いますが、中華や炙り料理を作るにはガスが必須ですので、そこにこだわったのでしょう。

炉を切った茶室にも転用できる和室が2間用意された「作法室」も別棟になっています。こういう伝統も大切にする姿勢が形になっているわけですね。(続く)

大阪国際中学校高等学校の新校舎にお邪魔してきました①

2022年3月16日 水曜日

4月から開校の「大阪国際中学校・高等学校」の校舎が完成しました。パナソニックの工場跡で今まで大阪国際滝井のグラウンドとして使われていた土地に真新しい校舎が経っています。設計は安井建築設計事務所との事、JR神戸線からも見える大阪市西淀川区の江崎グリコの本社や東大阪のサクラクレパス大阪工場、大阪総合保育大学を設計した会社ですね。

入り口には「人間をみがく」という校訓が刻まれたモニュメントがあります。徳島県鳴門市にある大塚美術館でも使われている陶板を使ってくみ上げられたものだそうです。今の2校の伝統を示すパーツも組み合わさっています。(その中に「帝女」の文字が・・・。そういえば帝国女子という校名でしたね、その昔)

真新しい校舎は靴を脱いで、と思いましたが、下足箱がありません。実は一足制(土足のままで教室まで入る方式)なのです。従って傘立ても各教室に設置されています。

教室は部屋ごとに樹木の名前が付けられています。またその名前の木材で作られた扉が1枚ずつ設置され、その樹木の説明が書かれていたりします。校舎全体が図鑑のようになっています。

ここで問題です。この教室の写真に違和感はありませんか?

答えは教室の右手に窓があるという配置です。学校では右利きが多いために左手に窓が来るように教室配置を行うのが一般的ですが、十分な天井照明があるからでしょうか、利き手がどちらでも差が無いよというメッセージでしょうか、あえてこの配置です。因みに今年は車いすの新入生がいるそうですが、エレベーターも完備されているので問題ありません。(続く)

三田松聖高等学校でしゃべってきました

2022年3月15日 火曜日

このエントリーで5年前に「兵庫県で初年度納入金が最も安い高校」として紹介させてもらった三田松聖高校で、進路ガイダンスが開催されました。広大な校地でのびのびとスポーツに励む生徒が多い学校ですが、大学進学に特化した4つのコースを編成するなど、大学受験にも力が入っているようです。今日は前半では大学生になった先輩5名(女子3名、男子2名)へのインタビュー形式でのトークショー、後半は開成教育グループ入試情報室による講演の2部構成となっています。今日は1年生と2年生の特別進学コースと大学進学コースの生徒さんが集まってくれています。

先輩方のトークはなかなかリアリティーのある内容でした。受験勉強を始めた時期や、勉強の仕方や部活との両立、英検などの民間検定への取り組みや反省点など、これから受験を迎える高校生にとってはとても刺激的な内容で、生徒さんたちもメモを取りながら聞いていました。その後、今の大学入試の近況と勉強法についての講演を入試情報室から行いました。こちらも熱心に聞いていただきました。こちらとしても立派な施設で話をさせていただき、ありがたかったのですが、終わってからも質問してくるなど積極的な生徒が多いのが印象的でした。

年度末の忙しい時期であるにもかかわらず、次の週には学校から大学見学のツアーも企画されているそうで、大学進学に向けたモチベーションアップにも丁寧に取り組まれている学校だなと感じました。

大阪府私立高校「戻り率」2022

2022年3月14日 月曜日

17日(木)は大阪府公立高校入試の合否発表です。合否発表ですから不合格もあり得るわけです。残念ながら公立不合格となって併願合格していた私立に入学手続きを行うことを私立高校側からの視点で「戻り」と呼び、併願合格者のうちの「戻り」の割合を「戻り率」といいます。さて、とある私立高校の先生から「今年は募集が好調だったのであまり戻ってくると教室に入りきらなくて困ります」という、うらやましいお悩みを聞いてしまいました。そこで、どのくらい戻ってくるのかを地域と偏差値帯に分けて試算してみました。

空欄になっているところはこの偏差値帯合計では募集定員よりも受験者の方が少なかった学校群となります。難関校は志願倍率も高いのでこのように戻り率も高くなる傾向になります。ところが旧3学区の45~49だけは例外的に高くなっています。これはここに当てはまる高校は、いずれも人気の山本と阪南の2校しかないためです。

というわけで私立高校の教職員の皆様、何かの予測にお使いください。

【速報】京都府立大学に付属高校を設置??【京都の私学に激震走る?】

2022年2月28日 月曜日

京都府教育委員会は2月24日、京都府立大学に付属高校を2024年度設置の方向で検討に入ったとの情報を25日の京都新聞の片隅に見つけてしまいました。既存の府立高校を改編する形で付属高校化するとの事ですが、どの高校を改編されるのか気になるところです。

ここからは個人的な妄想だと思って読んでいただきたいのですが、府立大学に近いところで洛北高校や鴨沂高校も考えられますが、洛北には付属の中学校があり、鴨沂高校は仮移転してまで校舎を新築したばかりですから候補から外れると考えると、朱雀か北稜あたりが候補になるのでしょうか?しかし、ちょっとまてよ、京都府立大学には教育学部が無いぞ!教育学部が無いのに付属高校を作るということは教員養成のための「附属校」ではなくて京都府立大学への推薦枠がある学校になるのか?(今年開校の奈良県立大学附属高等学校は奈良県立大学へ50名の推薦枠を設ける、とされています)同志社、立命館、龍谷、京都産業等、大学への推薦枠を持った附属校が多い京都に公立大学への推薦枠を持った学校が出現!!?だとすると大事件ですよ。しかも、もし中学校も併設するとなると・・・おおおおお。いやまてよ、そうなればまさかの洛北!?

ともかく、今後の報道に注目です。

難関国公立大 推薦・特色選抜入試に強い高校【開明・雲雀丘学園】

2022年2月24日 木曜日

募集人数が少なく、なかなか合格を取ることができない難関大の「推薦・特色」選抜について今年も結果が発表されました。その中から突出した実績を出した2校を紹介します。

【開明中学校・高等学校】

2021年度は268名の卒業生のうち164名が国公立に合格するなど、進学校としての実績も申し分のない学校ですが、実は意欲の高い生徒も多く、過去5年間毎年京都大学の総合選抜への合格者を出しています。今年は過去最高の7名の合格が出ました。その内4名は同じクラスから!で、その担任の先生からお話を直接伺いましたが、ともかく2年のうちから徹底して準備を始め、志望理由書も何度も練り直す中で生徒自身の問題意識、意欲も向上していったとの事。入学後も楽しみでございます。開明高校はこの7名も含んで国公立合計40名の合格がすでに決まっています。

【雲雀丘学園中・高等学校】

こちらも2021年度の卒業生285名のうち、国公立に126名の実績を誇る進学校ですが、企業や研究機関と取り組んでいる本格的な「探究プロジェクト」を昔から行っている学校です。研究室訪問など、理系方面の取り組みをしている学校は多いのですが、こちらでは新聞社や大学の経営学部とのコラボなど、幅広い分野で行っているのが特徴で、加えて学校の先生方が主宰する「探究ゼミ」など主体的な学びを育む仕掛けが出来上がっている学校です。生徒たちの成果は論文集にまとめられるなど、本格的です。というわけで、推薦系の入試にも強いぞというわけで、今年はなんと大阪大学8名!阪大推薦入試ランキングで全国1位(詳しくは「サンデー毎日」3月6日号の115ページ参照)となりました。それも含めて既に24名が国公立大学の合格切符を手に入れております。

もちろん大学入学共通テストの点数や学校の成績が不要なわけではありませんので、基礎学力・受験学力養成の部分も大切なのですが、この2校は特に主体的な学びに向かう意欲を育む教育が本当にできているのですね、と感心した次第でございます。

新型コロナウイルス感染症の公立高校入試への影響

2022年2月14日 月曜日

都道府県によって異なりますが、「前期」「特色・推薦」といった日程の入試は始まっています。しかし今年はこの受験時期に新型コロナウイルス感染症が広がっており、各都道府県教育委員会もそれに対する対応を発表しています。

そこで、わが社の教室のある都府県のみ、その対応についてまとめてみました。

まず、出願に関して一番進んでいるのは東京。一部の高校ではWEB出願も導入されています。換気や消毒、お手洗いの混雑を避けるという趣旨でしょう、東京と千葉では当日の休憩時間を長めに設定しています。合格発表は「掲示」というところが多いのですが、昨年大阪ではWEB上でも「掲示」されましたので、そのような対応もなされると思いますが、滋賀県は「WEB発表をしない」と明記しています。その代わり受験生が密にならないようにという配慮でしょうか、校内の複数個所で掲示するという作戦です。追試験についても各都府県、日程設定していますが、奈良の「個別に口頭試問」というのは珍しいです。

今後の日程に関して追加の変更が発表される可能性もありますので、公立高校を受験する皆さんは情報に注意しておきましょう。

【ついに】全国高校生花いけバトル 相愛高校準優勝【近畿から】

2022年1月28日 金曜日

2017年から行われている「全国高校生花いけバトル」は全国8ブロックでの予選会を勝ち抜いた8校+香川県大会の優勝校の9校で行われる華道の競技会です。2名1組で、その場で器と花が指定されて5分間で作品に仕上げるというこのバトル、先週の土日に行われた全国大会で大阪の相愛高等学校が準優勝に輝きました。2019年にも全国大会に出場した相愛高校ですが、今年は地区大会の1回戦でまさかの敗戦からの敗者復活で優勝、出場権を獲得し、しかも本選で近畿勢初の準優勝を勝ち取りました。今年も無観客とはなりましたが、その様子はYouTubeでライブ配信され、指定された大きな花器に自分の背丈よりも大きな花材を選んで立体的に構成していく迫力のパフォーマンスが見られました。相愛高校のペアは大きく横に広がった大胆なアレンジを時間ぴったりで仕上げていました。しかし今回は優勝の茨城県立土浦第一高校と僅差での準優勝でしたので、ご本人たちは悔しかったことでしょう。

このようなお茶やお花といった伝統文化を学ぶことができる希望者向けの講座が用意されている学校もあります(女子校に多い印象)。学校を選ぶにはこのような文化面の充実にも着目してはいかがでしょうか。

【続報】東京都立高校 スピーキングテスト活用【CBT方式で】

2022年1月27日 木曜日

東京都教育委員会は2023年度入試から、スピーキングテストの活用を行うと発表していました【2023年度入試から】東京都立高校入試 スピーキングを採用【東京都独自】 « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp)が、その詳細が次第に明らかになってきました。次年度の中3生(今の中2生)は11月末までに会場実施されるスピーキングテストを受けることになっているのですが、その方法は「ESAT-J」というシステムが入ったパソコンかタブレット利用のCBT方式で行うようです。(CBT方式=「Computer Based Testing」の略称で、コンピュータを使った試験方式のこと)

内容は、(A)英文の読み上げ、(B)図示された情報を基に質問に答える、(C)日常の出来事を伝える、(D)身近なテーマについての自分の意見とその理由を述べる、という4パートの分かれており、それぞれ「コミュニケーションの達成度」「言語使用」「音声」の3つの観点を2~5段階でAIと人が採点する、との事です。なんだか難しそうだ。

入試に対する配点は1020点の中の20点分ですので、決して比重が高いわけではありませんが、全く準備をしないという選択肢も無いでしょう。中学校でも対策用のICT教材の導入など、これから急ピッチで対策が行われることでしょう。

【コロナ対応】大阪の私立高校入試 面接中止の動きあり【今年も…】

2022年1月17日 月曜日

残念なことに新型コロナウイルス感染症(covid-19)の感染(第6波)が拡大しております。昨年に引き続き、今年度入試にも影響が出てきました。今年も面接試験を見直すお知らせが届き始めました。

昨年も面接を中止した大阪高校は、昨年同様2日目の面接を取りやめ、学科試験を1日目、2日目の午前中に実施するとの事です。お弁当は不要です。

その他の学校でも面接の中止や試験時間の変更等の可能性があります。入試前には各校のホームページを確認するようにしましょう。