大阪府立富田林中 大注目の大阪府立初の併設型中高一貫校

2016年5月24日

2017年より新たに大阪府立としては初となる併設型の中高一貫校となる、大阪府立富田林中の保護者・生徒対象の説明会に行ってまいりました。

当日は朝早くから説明会会場の富田林高校に500人を超える参加者が集まりました。説明会への参加は事前にWebでの申し込みが必要だったのですが、申込み開始から数日のうちに定員に達してしまうほどだったようで、みなさんの注目度の高さ、期待感がうかがえます。

同校は、南河内の誇りを胸に抱き、世界とつながり、国際社会で活躍する人材の育成を目指し、その上で、
・グローバルな視野とコミュニケーション力
・論理的思考力と課題発見、解決能力
・社会貢献意識と地域愛
という三つの資質能力を育むことを目標とされています。その目標を達成するべく、全講義室にタブレット端末をはじめとするICT機器を完備することになっています。またすでに富田林高校がユネスコスクールであることも活かしながら積極的に海外との交流を行い、先進的な英語教育を行う予定となっています。

中高一貫による6年間の教育の流れですが、中高の6年間を2年ずつ3つの期に分け、Ⅰ期は「基礎期」として学ぶことの意義・方法の理解・修得を図っていきます。Ⅱ期は「充実期」とし、授業を中心に高い学力や広い視野を身につけ、高校から入学してきた生徒と切磋琢磨していきます。Ⅲ期は「発展期」ととらえ、進路を見据えて自らを鍛え、高い志を実現できるよう取り組んでいきます。そして、イングリッシュキャンプをはじめとするさまざまな学校行事を可能な限り中高共催することで、中学段階から知的な刺激を与えていきたいとのことです。ちなみに気になる?!修学旅行の行き先は海外(台湾)となるとのことです。

予定されている教育課程ですが、毎日「7限×45分授業」となり、国語・数学・英語の授業は毎日あります。これにより、一般的な6限×50分授業と比べ、各教科とも回数・総時間を多くとることができ、目標にかかげるた一つの論理的思考力と課題発見、解決能力を育むための実験・演習授業に時間をかけることができるとしています。また放課後(15:35~)のクラブ活動を行う時間を確保できるので、充実した学校生活を送ることができるとのことです。

授業の具体的な内容としては、
・国語 中3で高1の古文文法を学習する
・数学 中1から積極的に高校の内容に踏み込んだ授業を行い、中3の早い段階から高1内容の授業を行う
・英語 中2で英検3級、中3で英検準2級程度を上回る英語の運用能力を身につけられるよう指導する
ということで、いずれも高いレベルの学習内容が設定されています。

また2020年からの大学受験改革で求められる新しい学力を育成するため、各教科での学習だけにとどまらずに、さまざまな体験、フィールドワークを行っていきます。そしてその体験を通じて、論理的思考力や自ら課題を発見し解決していく能力を養い、学力の向上へとつなげていくと説明されていました。それにより、同校1期生が大学受験を迎えた際の合格実績目標として、京大・阪大・神大の合格者数で合計30名とされています。今春、富田林高校の実績では合計7名(浪人含む)となっています。掲げられている目標はたいへん高いものと言えますが、それだけ中学校開校に期待をし、力を入れていかれるのだろうと思われます。

2017年入試に向けての情報についてです。細かな要項は7月頃に公表予定となりますが、発表されている内容をここに記載します。
・出願期日   2017年1月5日(木)、1月6日(金)
・適性検査日  2017年1月21日(土)
・合格者発表日 2017年1月28日(土)

・募集人員   1学年・3学級・120人
・通学区域   大阪府内全域とし、保護者のもとから通学すること。
・提出書類   出願時に提出する入学志願書には小学校校長の押印が必要。
ただし調査書は必要なし。
・適性検査等  適性検査Ⅰ(国語的問題・45分100点)、
適性検査Ⅱ(社会・理科融合的問題・45分100点)、
適性検査Ⅲ(算数的問題・45分100点)、作文(400字程度・30分・60点)
・選抜方法等  適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの成績および作文を選抜資料とし、
360点満点で選抜を行う。
・合格者の決定 1.総合点の高いものから、男女別に原則として募集定員の
45%にあたる者をそれぞれ合格とする。
2.残りの10%ついては、男女別を問わずに総合点の高いもの
から順に合格者を決定する。
3.入学辞退者が出た場合は、繰上順位に従い、順次入学の
意思を確認する。繰上順位は上記1・2で合格とならなかった
者のうち、男女を問わず総合点の高い者から決定する。

適性検査の内容は、小学校の学習指導要領に即して作られ、基礎的・基本的な知識や技能をみる問題と、身に付けた知識・技能を活用する力や論理的思考力をみる工夫をこらした問題を、総合的にバランスよく出題するとしています。なので単なる知識を問う問題というよりは、与えられた文章や問題をしっかりと読んだうえで、何を問われているかを正しく理解する力が問われる問題となりそうです。またそのような問題に対し、自分の考えや考え方を表現する力が必要となると思われます。
作文の出題方針も、中高一貫校で6年間学び続けていくことができる意欲・適性および自らの考えや意見を論理的かつ適切に表現する力をみる、としています。単に400字程度の文章を時間内に書くことができれば良いということではなく、まず設題の内容を理解し、それに対しどのような考えをなぜ持ったのかということを書ききる力が必要となってくると言えるでしょう。

最後に、事前に学校側へ寄せられた質問に対する回答がありました。ここまでにご報告できていない内容について紹介します。
・私立中学校等との併願を考えているが、富田林中学校に合格したら、必ず入学しないといけないのか?
⇒合格者は「入学確約書」か「入学辞退届」のいずれかを出すことになります。
「入学確約書」を提出すると、文字どおり入学が確定します。
・高校へ進学する際、内部進学者も試験があるのか?
⇒原則、全員が高校へ進学し、テストは不要となります。
・富田林高校以外の高校への進学は可能か?
⇒富田林高校への進学が前提ではありますが、制度上可能です。
とのことでした。

入試の要項はもちろんですが、受験を考えているみなさんは、どんな制服になるのかなども気になるところではないでしょうか。今後も、6月25日(土・すばるホール)、7月30日(土・すばるホール)、11月上旬(予定・富田林高校)の日程で説明会が行われる予定となっています。是非一度、足をお運びいただければと思います。

以上、大阪府立富田林中学校説明会についてでした。