大阪女学院中学・高校にお邪魔してきました(伝統編)

2016年6月22日

大阪市のど真ん中、大阪城公園の南、玉造駅の近く、上町台地にある大阪女学院にお邪魔してきました。ちょうど放課後の、生徒さんたちが部活をしている時間帯です。


 

ヴォーリズが設計したといわれる建物は、歴史を感じさせる雰囲気がありつつ、古さは感じません。南向きのこの校舎はむしろ2階まで立ち上がったひさしなどモダンなつくりになっています。この学校は太平洋戦争末期の1945年、大阪大空襲で校舎はほぼ全滅したそうなのですが、戦後、バラックで授業を受けていた当時の在校生たちが、アメリカの教会に抗議の手紙を送ったそうです。(元から英語教育が盛んな学校なので、きっと英語で書いたのでしょう。)それをきっかけに寄付が集まり、今の日本円で20億円近い資金が寄せられたそうです。その資金をもとにこの学校の戦後の復興は早く、1951年にはこの建物とチャペルは再建されたそうです。

 


チャペルの中も見せていただきました。2階席まである立派なホールです。舞台横にスタインウェイ社のコンサートグランドピアノもありますが、これがなんと珍しいドイツ製のもの。戦後間もないころにこれもアメリカから寄贈されたものだそうです。象牙の鍵盤を軽くたたいただけで、張りのある華やかな音が響きました。

 

廊下のロッカーはなんと無垢の木でできています。そこは体操着などを入れるところかと思えば、教科書やノートが詰まっています。(いわゆる「置き勉」状態)しかし、先生はこれをけしからんと思わずに、「こんなに重たいものを毎日全部持って帰れなんていう精神論は言わないことにしているんですよ。」とのこと。なるほどです。建築当時そのままのトイレも一か所ありますが、作ったばかりのテレビドラマのセットのようです。築65年のこの校舎、古いものを大切に使うという精神は大切にしているようです。生徒にも好評なのだそうです。(続く)