2022年1月13日
今週末、大学入学共通テストが迫ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の第6波による感染者数も増加し受験生に影響する可能性も高まってきました。このタイミングで1月11日、文部科学大臣は新型コロナウイルス感染症への罹患等で共通テストを欠席した受験生に対し、国公立大学は2次試験だけで合否を判定するように要請する、と記者会見で発表しました。
共通テストに関しては、新型コロナウイルス感染者は別室受験も認めない、という昨年末の発表から、一転して個別試験を容認するよう方針変更し、今回はそれすらも受験できなかった場合に備え、国公立大学に異例の要請を出すようです。
今の感染者数程度に抑えられていればこの救済の対象となる受験生はそれほど発生しないと思いますので、調査書等他の資料も参考に個別に合否判定するのでしょうが、2次試験の科目数の少ない大学では、苦しい判断を迫られることになるかもしれません。しかし、このような救済措置が現時点で発表されたことは、受験生の不安の緩和につながるでしょう。
当グループでは教室内での感染防止のため、消毒と換気を徹底しておりますので今日も寒い教室で受験生は戦っております。
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2022年1月12日
英語の外部民間資格・検定(以下外部検定と表記)の大学入学共通テストへの利用は無くなりましたが、英語の外部検定を大学入試に個別に利用する動きは広がりつつあります。立教大学は昨年から、自校作成の英語の入試をほぼ取りやめ、外部検定か共通テストの結果を英語の成績として利用しています。
立教大学のこの新方式初年度の2021年度入試、英語の外部検定を取得していない受験生が避けることで出願者は減少するという世間の予測を裏切って志願者は44,099名(4,282名増)、受験者は42,363名(4,610名増)と大成功を収めました。(2020年度一般入試(全学部+学部個別)と2021年度(2月6~11日)日程の合計を比較)
定員の一部を「英語4技能テスト利用方式」として募集をしている早稲田大学の文化構想学部と文化学部(実は商学部も募集していますが、2021年度入試が最初ですので、5年間推移の取れる2学部のみ)の過去5年分の入試統計から受験者数÷合格者数で、受験倍率を計算してみました。すると・・・
受験者数が年々増加しており、それに伴って倍率も上がっています。昨年文学部は一般方式を超えています。しかし、入試は抽選ではありませんので倍率だけでは難易度の差はわかりません。そこで、合格最低得点率も発表している明治大学について調べてみました。まず、経営学部・・・
確かに検定利用の合格最低得点率が、一般方式よりも低くなっていますが、その差は少なくなり、2021年度にはあまり差が無くなってきています。次に商学部を見てみます。
何という事でしょう。2020年度入試から、検定利用の方が高い得点率でなければ合格できなくなっています。配点が違うので単に難易度が逆転していると判断するのも性急なのですが、少なくとも検定を持っている方が絶対にお得!という時代が終わったようです。外部検定取得者が増加しているにもかかわらず、大学側が検定利用による募集枠を広げていないため、逆に利用するほうが損をするという現象となっています。
というわけで、検定利用型の出願を考えている受験生は、それ以外の方法も併せて出願することをお勧めしておきます。
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2022年1月11日
大阪の公立中高一貫校3校の志願者数が確定しました。(1月7日大阪府教育委員会発表)
水都国際中学校と咲くやこの花中学校は、2022年度より大阪市から大阪府に移管されることに伴って、通学範囲が大阪市内から大阪府下に拡大されましたので、市外の府下からの受験生がどの程度増加するのか、というところが注目の的だったのですが、結果的に水都国際中学校は8名増、咲くやこの花中学校は66名増となりました。公立中高一貫校は「お試し受験」も多い開設初年度から、出願者数は次第に下がって少数精鋭になっていく傾向があるのですが、今回の通学範囲の拡大によって、特に環状線から近く、交通の便の良い咲くやこの花中学校では経年減少を跳ね返すだけの受験生を集めることになりました。特にスポーツ、芸術、の募集単位での増加が大きくなっています。
適性検査は1月22日(土)、合格発表は30日(日)となっています。
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2022年1月7日
以前このブログでも紹介した(札幌聖心女子学院 中学校・高等学校について « 学校選びの道しるべ|開成教育グループ 入試情報室 学校・入試情報ブログ (kaisei-group.co.jp))北海道札幌市の寮を併設している女子校、札幌聖心女子学院に関するお知らせです。
新入生は先輩方と一緒に育つ素晴らしい環境に恵まれ、北海道だけでなく、首都圏や近畿圏からの生徒も学んでいるのですが、ここ数年定員割れとなっていたようです。今回学校から発表された内容は、中学の募集停止ではなく、中学、高校とも今年の入試が最後の入学生。3年後(2025年3月)には閉校するとの事です。つまり今年入学の中学生は3年後には他の高校への進学となります。
本日(1月7日)中学校入試が行われ、発表は1月8日。1月13日が入学手続きの締め切りですので、そこで最後の新中1生の人数が確定します。
学びの多様性がまた一つ失われることになり、とても残念です。
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2022年1月6日
京都の公立中高一貫校5校の出願者数が発表されました。5校合計で、募集定員320に対し、934名と史上下から2番目の少なさ(昨年度が史上最低)となりました。2004年の開設時には10倍を超えた市立西京と府立洛北も3倍台に落ち着いています。また、2018年から募集を開始した府立南陽も志願者が減少し、史上最少の出願となっています。
一般的に公立中高一貫校は、開設当初には授業料も不要な公立で、特色のある教育が受けられるという「お得感」から受験生が集まるのですが、やはり「適性検査」でも受検準備をしておかなければ太刀打ちできないことが知られてきて、出願数は落ち着いてくるものです。つまり、競争が緩和されたわけではなく少数精鋭になっているだけですので、この出願数だけで、「公立中高一貫校の人気が無くなった」「入りやすくなった」と判断するべきではないと思います。
因みに試験日が京阪神私立中学校解禁日である1月16日と同一日という設定なので、私立との併願が組みにくい、というのもあるのかもしれません。
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2022年1月5日
2月1日が解禁の神奈川県の私立中学校入試に関してニュースが飛び込んできました。新型コロナウイルス感染症に罹患、または濃厚接触者と認定された受験生に対し、他の地域では学校ごとの追試日を設けるなどの対応が検討されていますが、神奈川県では私立中学高等学校協会が共通の試験問題を作成し、2月21日午前9時から神奈川県私学会館で一斉に追試(4科目)を実施、合否は利用する各学校が判断する、とのことです。
合否ラインやどの科目を判定材料に使うのかは学校ごとの裁量となりますので、特に受験生にとって不利になるわけではないと思います。それよりも事前にこのような機会がありますよ、と発表されていること自体、受験生やそのご家族にとって安心材料になるという事が重要です。但し神奈川県内すべての私立中学校がこの「共通追試」に参加するわけではありませんので、各校の生徒募集要項をご確認ください。
このシステム、他の都道府県でも広がると良いですね。
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2022年1月4日
このブログをご愛読の皆様、あけましておめでとうございます。
ゆっくりとお正月気分を味わいたかったのですが、学習塾ですからこの年末年始も教室での冬期講習に加え、大晦日には「関関同立近大 英語答案作成練習会」といった入試関連のイベントをオンラインで開催するなどフル稼働でございました。(お片付け中の段ボール箱に囲まれて、出入りが不便・・・)
とはいえ、ともかく新しい年になりましたので、気を引き締めて教育関連のトピックス、入試情報の収集・発信に努めてまいります。引き続きのお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
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2021年12月29日
早いもので、2021年もあとわずかです。今年も本ブログをお読みいただいた皆様、ありがとうございました。しかし、2019年12月に発生した中国での集団肺炎が、これほど世界に長期間に影響を与えるとは当時誰が予測したでしょうか。2つの世界大戦による中止以外は4年に1度行われてきたオリンピック・パラリンピックですら延期になったわけですから、大変な状況になったものです。
教育の世界でも2020年2月末の休校要請から始まり、卒業式や入学式も含め、ほとんどの学校行事への影響はもちろん、楽しいはずの昼休みも黙食の日々。その影響からか中高生が多いファーストフード店でも最近は妙に静かになってしまいました。2020年は高校野球をはじめとして全国レベルの大会やコンクールがことごとく中止になりましたが、今年に入ってからも部活動は断続的に活動中止となり、モチベーションが保てず中途退部者も続出・・・。
海外との交流も制限され、海外語学研修や異文化体験を特徴とする高校のコースや大学の学部は志願者減。また、エンタテインメント業界の冷え込みから、音楽や舞台芸術を志向する高校生も減少しています。一方でテレワークや遠隔授業の広がりから情報通信環境や技術は一気に進化し、大学受験の世界でも情報系の分野の志願者が増えるなど、急激な構造変化が進行しています。旅行やライブといった体験型・参加型のエンターテイメントに制約がかかる中で、読書時間が増えたのでしょうか、出版物の売り上げが15年ぶりに伸びるなど、思わぬ良い(?)影響も出てきています。
2019年12月末のブログを読み返してみましたが、近畿大学から頂いた「近大みかん」の写真を掲載した呑気な内容です。2022年の12月には、このようなのほほんとしたブログが書けるような世の中になっていれば良いなぁ、と祈りつつ、お読みいただいた皆様に於かれましても、来年は良い年になるように願っております。来年もよろしくお願い申し上げます。<m(__)m>
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2021年12月28日
【旧3学区】
昨年度入試では定員割れの学校が多かった地域ですが、今年は全体で3クラス減、但し例年人気校を中心に4校で1クラス増。多少の倍率の緩和はあるかもしれませんが、逆に入りやすくなったと判断して志願者も集まるような気がします。
【旧4学区】
この地域では定員の変動はほとんどありません。という事は昨年度と似たような動きが予想されます。定員増の高石は特に同レベル校からの流入は無く、多少緩和されると予測しています。
12月時点での予測ですから、私立入試の結果などから状況の変動が考えられます。また状況が変わればご紹介したいと思います。
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2021年12月27日
大阪府の公立高校の倍率を、塾生の志願動向などを元に「勝手に」予測してみました。定員増や過去の倍率、揺り戻しなどを総合的に判定して高倍率注意マーク(⚠)を入れています。
【旧1学区】
昨年度はその前の年度から大きく定員を減らしたために平均倍率が高くなった旧1学区ですが、今回は桜和高校の開校(6クラス)と昨年厳しい戦いになった数校が1クラス増となります。一方福井は2クラス減、2022年度が最後の入試となる島本が3クラス減というわけで、全体では1クラス増とほぼ変わりません。そんな中で、茨木・豊中・春日丘は昨年と変わらず高倍率、桜塚・山田も志願者が増えることから高倍率予測をつけています。逆に定員減の2校は、私立専願への流出も多く、定員割れになる可能性が高いと考えています。
【旧2学区】
比較的定員の変動の少ない地域となります。枚方と旭の2校が定員増となる一方、大正白稜が2クラス減、茨田が3クラス減となっています。過去4か年の状況から寝屋川と東、に加えて定員増の旭の倍率にも注意が必要です。(続く)
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