関西大学 2021年度入試結果分析(その3)

2021年3月15日 月曜日

今年の入学率(入学者数÷合格件数)でランキングを作ってみました。(化学生命工の生命生物工学、システム理工の数学は人数が少なく、極端な数値になりますので、集計から外しています)

一つ気になるのが文学部の初等教育学専修。第1志望率が高く、合格者の多くが入学をしていた募集単位なのですが、今では19.18%に急落しています。関関同立の中では、小学校教諭養成といえば関西学院、となるのですが、(立命館は産業社会学部に現代社会学科、子ども社会専攻がありますが、一般で36名募集の規模で、立命館のそれ以外の専攻や同志社では、他大学連携での取得も可能なはずですが、昨年度の取得実績は無かったようです)その関西学院の初等教育の入学率も昨年の44.4%から21.43%と半減しており、そちらへの流出でもなさそうです。因みにウチの受験生の動向では、早稲田、昭和女子、桃山学院教育など他大学の小学校教員養成課程でも同じような傾向が見られます。当グループだけでなく、全国的に他分野へ小学校教員を志していた人材が流出しているのでしたら、由々しき事態です。未来の人を育てるという大切なお仕事の魅力を、我々ももっとアピールしていきたいと思います。それはさておき、全体的な入学率は昨年よりも8ポイント以上低下しています。実は今年の関西大学は3月の入試日程をやめる代わりに2月の全学日程を増やし、共通テスト利用(併用)で複数判定方式を導入したため、一人当たりの出願数が昨年の3.44から3.96と増加しています。それに伴い一人で複数合格する受験生が増えています。しかし入学は一人で一人分しかできませんので、平均すると入学率が下がることになります。というわけで歩留まりの読みが難しい入試となり、補欠からの繰り上げ合格や追加合格を多く出す要因となったようです。

入試問題は例年通りの関西大学でしたが、結果に関しては異例ずくめだったといえるでしょう。次年度以降の受験生は、関西大学に限らず今年の合否結果が例年と異なっていますので、追跡調査を元に作られた資料だけで受験校を選ばないようにしましょう。出願数や実質倍率の大きな変化には、ウラがあります。受験生としては前年の入試データといった現象だけにとらわれず、合格点を取るために、早めの受験校決定とその対策をしましょう、というお話でした。

関西大学 2021年度入試結果分析(その2)

2021年3月12日 金曜日

次は入学者数前年比でのランキングです。集約時点でまだ国公立の結果がすべて判明していませんので、ここでのランキングで上位の学部―学科に関しては、ほぼ「専願」的な受験だったことになります。実はランキングトップの「システム理工―物理・応用物理」に関して、2019年の同時期には入学者がほぼいなかったのですが、昨年から増加し始め、今年はさらに前年比2.5倍といった伸びになっています。当グループからの進学率(進学者÷合格数)は関西大学全体で27.4%ですが、「システム理工―物理・応用物理」は41.67%と高い割合になっています。因みにこれを超えるのは、今年は「システム理工―機械工」「社会―社会 メディア」「環境都市工―都市システム」の3つですが、いずれも例年入学率の低い募集単位となりますので、今年は国公立大学との併願が減少したのかも知れません。(続く)

関西大学 2021年度入試結果分析(その1)

2021年3月11日 木曜日

今年は3月入試の無い関西大学について、まだ受験生からの合否結果連絡が届いていないなど集約作業の最中ですが、ひとまず大勢は判明したと思いますので、分析してみました。 元データは開成教育グループからの受験生ですので、大学発表の公式データとは異なった傾向になることをご了承ください。

以前、このエントリーで紹介しましたように、当塾からの出願件数は増えています。但し、昨年は3月入試があったので、同日比で集計して見ると昨年が追い付いてきたため、3月9日比較では昨年比103.6%となっています。それに対して合格者数は145.1%と大きく伸びています。従って、受験者数が昨年と全く同じだとして比較すると、合格できる可能性は1.4倍になったことになります。 その「合格率」の変化だけを見て、募集単位ごとのランキングを作ってみました。なんと、「化学生命工 化学・物質工」以外ではすべてプラス。「化学生命工 化学・物質工」は合格しにくくなっているように見えますが、実際の合格者数は増えています。 このランキングで上位に位置する募集単位は次年度の模擬テストでの判定基準が下がる可能性がありますので、受験生が大きく増える可能性があります。今の高2以下の学年については、このように極端に難易度が動く学部-学科の受験には細心の注意が必要になります。(続く)

大阪工業大学 オープンキャンパス

2021年3月9日 火曜日

何とか緊急事態宣言が解除された大阪ですが、大阪工業大学から「対面型」オープンキャンパスの案内が届きました。版画調の垢ぬけたデザインが目を引きます。次の日曜日には阪急梅田駅東側すぐの「梅田キャンパス」での開催です。

研究室見学や学生団体の実演、個別相談コーナーもあります。完全予約制となっていますので、申し込みは大学のHPからどうぞ。

【大学入試】合格率と入学率【関西8大学】その2

2021年3月5日 金曜日

では、産近甲龍に関してはどうでしょうか。当グループからの京都産業大学への出願は4割減と記録的なマイナスになりました。但し、合格は23%減。ウチからは合否ラインの受験生が減ったことがわかります。一方近畿大学はほぼ昨年通りの出願だったのですが、合格者は27%増で、入学者は14%増。甲南大学は例年ウチからの受験も少ないので少し極端な数値になっていますが、それでも合格者の減少幅の方が小さいことがわかります。今年多くの受験生を集めた龍谷大学、当グループからは昨年並みの出願でしたが、合格者は2割以上増加、しかし入学者は昨年よりもちょっと少ない感じです。

さらに過去3年間の3月3日時点での入学率を12大学について調べてみました。すると、過去よりも低下している大学が見られます。ということは残念ながら合格通知がまだ届かない受験生も、繰り上げ合格通知がくる可能性も考えられますよ。

ところで、件数はまだ少ないのでここには数値を上げませんが、東洋大学、日本大学など首都圏の大きな大学に関しても合格率が大きく上がって、入学率が下がっています。首都圏でも何かが起こっています。次年度も要注意です。

【大学入試】合格率と入学率【関西8大学】その1

2021年3月4日 木曜日

3月に入り、大学の合否結果が次第に明らかになってきました。そこで、3月3日の当グループの合否結果を元に、中間集計をしてみたいと思います。元データは推薦系の入試から2月入試まですべての出願、合格、入学者数を合わせた件数です。ここの「入学者」とは「入学手続きをした人数」ではなく、進学先として選んだ人です。

まず、合格者数は、関西大学、近畿大学、龍谷大学で過去最高を記録しています。と、自慢めいたことをここに書くと、「どうせ大量に出願させて、数は増やせても、合格率は下がっているんじゃないの?」と意地悪な噂を流されそうなので、そうではございませんというお話をしたいと思います。

確かに関西大学の出願は、昨年比104.6%と増えています。しかし、合格者数は昨年同日比、146%。3月入試がなくなったため、同日で比較すると有利にはなるのですが、それにしても昨年よりも約200件多くの合格通知を頂戴しました。受験生も担当の先生もよく頑張りました。入試情報室もちょっと頑張りました。 一方関西学院大学では出願が昨年比94.5%、しかし合格件数は123%。えへん。 同志社大学は出願が減った分、合格も減っています。立命館大学は共通テスト利用を中心に出願が25%以上減少しましたが、合格件数は昨年比1割減と踏みとどまっており、結果的に昨年とほぼ同数が入学させていただきます。(続く)

【大学入試も新年度】関西学院大学 Webオープンキャンパス

2021年3月3日 水曜日

まだ共通テスト利用の出願が続いている関西学院大学ですが、並行して次の年度の募集作戦が動き出しました。ご覧のようにまだ、対面でのイベントは動員の面でも、運営の面でも難しいとの判断でしょうか、今年はオンラインでの開催となります。タブレットなどの機器やwifiの整備など家庭でのオンライン環境も向上してきましたので、参加できる高校生もこの1年で増えたことだと思います。

ご覧のように詳細なタイムスケジュールによると、学生が企画したものもあるようです。詳しくは大学HPをご覧ください。

関西学院大学 2021年度入試分析(その2)

2021年3月2日 火曜日

実際に試験会場に行かずに合否が決まるこの方式を利用したのかもしれません。因みに国公立との併願率が高い同志社を確認してみますと、共通テスト利用の出願が政策は110%、経済101%と増えている学部もありますが、全体では78%に留まっています。昨年のセンター利用の実質倍率がグローバル地域文化で8.2倍、心理が6.0になるなど、同志社の共通テスト利用はハードルが高すぎるため、今年の出願が抑制されたのではないでしょうか。

まだ、3月入試も残っていますので、4月に入ればもう少し詳しく分析してみたいと思います。

関西学院大学 2021年度入試分析(その1)

2021年3月1日 月曜日

関西学院大学のホームページに出願者数や合格者数などの入試統計が出ていましたので、分析してみました。出願者数÷合格者数で実質倍率を算出し、3年間の推移を出してみました。

2021年度入試では、地方からの流入減、早めに入学校を決めるという受験生心理も働いて関西の私立大学は軒並み一般入試の出願者数が減少しています。そんな中で関西学院の一般入試も例外ではなく、募集が少ないため極端な動きになっている神学部は除いたとしても、ほとんどの文系学部が実質倍率を落としています。但し、コロナ禍の影響で、全国的には出願が抑制された「国際」が関学の場合、2019年度水準まで競争倍率が戻っています。関学の「国際」のブランド力を感じます。 学部改編が行われた理系学部に関してですが、昨年の理工学部が2.6倍だったのに対し、理は3.0倍、建築は5.9倍、生命環境は4.2倍、工は4.3倍(4学部合計で4.0倍)と一気に難化した形です。受験生にとっては厳しい戦いになったわけですが、大学としては専門分野をあえて絞ることで志望動機が明確で意識の高い受験者を集めることができたという事になりそうです。(続く)

【大学受験生】関西私大入試戦線 異常有り【まだまだ頑張れ】

2021年2月22日 月曜日

先週は1月末~2月上旬に行われた私立大学一般入試の合否発表がありました。今年は全体的に関西の私立大学の出願者数は減少しており、合格ラインをどの程度で引くのか注目していましたが、現在判明している数値を見れば、少し緩めになっている募集単位が多いようです。

例えば、関西大学の一般入試で、昨年比90.3%の出願に留まった法学部は101.5%の合格者を、同じく一般で出願率が79.5%だった人間健康では、合格者数を昨年比120%出すなど、実質倍率が下がっている状況が見られます。一方で、関関同立の中では一般入試での入学者数の割合が一番高い立命館大学で予想通り地方からの受験生が減少し、実質倍率が下がっているとの情報もあります。この2大学に関してダブル合格した受験生の手続き率に影響があると考えると、立命館の3月入試は緩めになると考えられます。しかし、関西大学は今年から3月入試がありません。もしかすると補欠合格者の繰り上げが行われるかもしれません。

一方、関西学院大学は理工学部の改編によって一般入試の志願者が昨年の214.5%という活況を呈しました。合格者数も昨対比177.1%と増やしましたが、それでも実質倍率は上がったことになります。次年度以降もこの傾向が続くと考えると、目標偏差値も1ランク上で考えておく必要があるでしょう。

産近甲龍の一般入試の出願に関しては、龍谷の一人勝ち、近畿は揺り戻しで、プラス。京都産業の2割以上減、甲南の2割弱減と明暗が分かれました。しかし、いずれの大学も合格者は昨年よりも多く発表しています。従って摂神追桃に関しては、手続き率の低下が避けられなくなります。というわけで、3月入試での合格率は今年に関しては上がると考えた方が自然だと思います。まだ合格通知を手にしていない受験生諸君、がっかりしなくても良いです。出願を急ぎましょう!