英語民間試験利用の延期報道について

2019年11月1日 金曜日

2021年度大学入試に向けて利用予定であった英語の民間試験利用に関して、延期するとの報道がありました。文部科学省は制度設計をさらに検討ののち「2024年度導入を目指す」とのことです。 この民間試験利用延期に関する影響は以下の通りです。

① 大学入学共通テストと併用で、出願資格などに使われる大学の入試に関して民間試験は必須ではなくなる。

② 私立大学など、既に独自の利用を発表している制度に関しては何の影響もない。

③ 受験時期や回数は大学入学共通テストとの併用を元に設計されていたものなので、「高3の4月から12月の間に受験した2回のみ有効」などといった制約は無くなる 。

④大学入試利用を想定して新設される予定だった試験(英検1dayS-CBTなど)の実施については各実施団体から発表されると思われるが、現段階では不明

ひとまず現在の報道の範囲では、現高校2年生は、従来の「センター試験」と同じ時期に実施される「大学入学共通テスト」を受験、国公立大学へ出願、私立大学への利用となり、英語民間資格受験は必須ではなくなります。私立大学等で民間資格の利用も考えておらず、国公立受験でのみ必須なので受験しなきゃ、と思っていた高校生にとっては負担軽減となります。とはいえ、英語の4技能が大切なのは変わりませんので、いずれかのタイミングで検定に挑戦するようにしましょう。

英語民間試験を比較してみました(その2)

2019年10月30日 水曜日

最後にスピーキングに関する試験内容を比較してみました。 これまただいぶ差があります。

というわけで、高2以下の皆さん。これを参考に受験する試験を選んでください。リーディングやライティングの比較もまた近いうちにご紹介する予定です。

英語民間試験を比較してみました(その1)

2019年10月29日 火曜日

数日前に英語民間試験の利用についての大学の対応をこのエントリーで紹介しましたが、高校生に自分で英語民間試験を選んでね、といってもまともな比較表がありません。というわけで作ってみました。 まず、料金比較。TOEFL iBTは米ドルで235ドルとのことですので本日のレート1ドル108円で換算してみました。すると・・・。

こんなに価格差があるなんて・・・。もちろん試験によっては受験するグレードでもっと安いコースもありますが、IELTSやTOEFL iBTはこの価格です。 次に試験時間を比較してみました。

全体で2時間から4時間半を超えるものまで・・・。同じ「資格」とみなすのはちょいと雑なような気が・・・。(続く)

近大が滋賀にやってくる(Kindai is comin’ to Shiga)

2019年10月28日 月曜日

そろそろ年末。クリスマスソングの「サンタが街にやってくる」のメロディーでどうぞ。

ひとしきり楽しくなったところで本題です。滋賀の大学受験生の皆さん、お待たせしました。近畿大学が移転してくるという話ではなくて、滋賀にも入試会場ができましたよというお話です。

大学受験では年々一人当たりの出願回数が増える傾向にあり、受験料の総額も結構な金額になるのですが、忙しい受験生にとっては試験会場に行くための交通費や宿泊費に加えて、そのための時間もストレスとなります。というわけでキャンパス外に試験会場を設定するという配慮をしてくれる大学も増えてきました。

規模、知名度とも日本トップクラスの近畿大学も受験生の利便性を考えて札幌から沖縄まで50近い試験会場を設けていましたが、今回さらに滋賀の会場が追加されたとのことです。公募推薦入試はJR守山駅前の能開センターで行われます。そこに通っている生徒は有利かも、と思われる皆さん、ご安心ください。この校舎には小中学生しか通っていないそうです。

英語民間試験 4割の大学は使わない?

2019年10月23日 水曜日

文部科学省は21日、2021年度大学入試から導入される英語民間試験について、利用する大学を発表しました。それによりますと、全国1068校の大学・短期大学(学部生募集を行わない大学や省庁大学校を除く)のうち、630校は大学入試センターの成績提供システムへの参加を申し込んだ、つまり何らかの形で英語民間試験を入試に利用することを表明した、とのことです。この大学数を割合にすれば59.0%、つまり逆に言うと約4割の大学が利用しない、ということになります。

 但し、設置別にみてみると、国立は95.1%、公立は85.7%、短期大学を除く私立大学でも65.2%が参加するわけですから、大学入試に民間試験が不要になったわけではありません。今の高校2年生以下の皆さんは民間試験へ向けた準備もお忘れなく。

関西大学 入試説明会

2019年10月16日 水曜日

今年も秋の入試説明会の季節が巡ってまいりました。大阪府下最大の大学、関西大学でも各地で説明会が開催されます。(関西大学の学部学生数は今年5月時点で28,648名、4つのキャンパスはすべて大阪府下です。近畿大学は全学部学生数では33,370名のマンモス大学ですが、東大阪キャンパスと大阪狭山キャンパス(つまり大阪府下)に限ると24,835名と関西大学の次の規模になります。因みに日本で学部学生が最も多い国立大学は大阪大学ですが、同じく5月時点で15,285名です。) このような規模の関西大学の13の学部のうち、最も小さい(定員が少ない)のはどの学部でしょうか?・・・

実は今年創設10周年を迎えた外国語学部なのです。1学年165名定員、現在全学年合計705名の学部学生が学んでいます。1年間留学しても4年間で卒業できるというカリキュラムで、その留学も、台湾、韓国、キルギス、ドイツの協定校では、英語と現地語の2か国語が習得できるという珍しいシステムが導入されています。卒業生もCAやマスコミ、商社など語学力がものをいう分野で活躍しているとのことです。

それはさておき10月末から各地で開催される説明会は「英語対策講座」「入試説明」「個別相談会」がセットされています。事前予約不要、入退場自由とのことです。日程と場所を確認して参加しましょう。 因みに関西大学で学部学生が一番多いのは3,433名の学生が学ぶ社会学部なのでした。

【学科新設】大阪工業大学 2021年からデータサイエンス学科(仮称)新設【設置構想中】

2019年10月11日 金曜日

大阪工業大学は工学部、ロボティクス&デザイン工学部、情報科学部、知的財産学部の4つの学部からなる理系中心の大学ですが、2021年から情報科学部の中に「データサイエンス学科」(仮称)を新設するとのことです。 今日では加速度的に通信技術が向上し、それに伴って膨大な情報(ビッグデータ)が共有できるようになってきました。それに伴ってAIを応用したデータ分析やアルゴリズムの作成の重要性が増してきているわけですが、残念ながら国内でその技術が学べる大学は多くはありません。そこに着目したのが立教大学と大阪工業大学。立教大学は大学院からの設置ですが、大阪工業大学は新学科を作って学部の段階から人材育成を考えているようです。まだ設置申請も行っていない「構想中」という段階ですので、詳細については今後の発表に注目です。

【祝】武庫川女子大学 「経営学部」設置認可が答申される【新学部】

2019年10月8日 火曜日

今年80周年を迎える日本最大の女子大、武庫川女子大学は、甲子園球場の近く、阪神鳴尾駅の徒歩圏内に、文学部、教育学部、健康・スポーツ科学部、生活環境学部、音楽学部、看護学部、薬学部の7学部を持つ巨大総合大学で、たとえば文学部には日本語日本文学科、英語文化学科、心理・社会福祉学科が、生活環境学部の中には生活環境学科に加えて、食物栄養学科、建築学科、情報メディア学科といった理系分野の専門分野も充実するなど本来ならそれぞれ学部として独立してもよさそうな専門分野がそれぞれの学部に含まれているなぁと思っていたら、食物栄養と建築は新学部に独立するそうで、さらに組織拡大です。

これだけ様々な専門分野を持っている武庫川女子大が、2020年度から200人募集の経営学部を新設することになり、8月末に認可の答申がなされました。新学部の為の新しい8階建ての校舎も建設中です。3階から5階、5階から7階に移動できるエスカレータを中央に配置、開放的なゼミ室(コーナー)を設置するなど今風の造りとなっているようです。ビジネス界での即戦力養成というわけで、ファイナンシャル・プランナーや社会保険労務士、ITパスポートなどの資格取得支援や、英語系の検定対策も想定されているようです。また、アメリカの分校を利用しての留学プログラムもオプションで用意されています。

ところで最寄りの阪神鳴尾駅が何やら工事しているよと思えば、その高架下を利用した「ステーションキャンパス」もできるようです。そこに併設のカフェ「Lavy’s café」が昨日開店しました。因みにこの「Lavy(ラビー)」というのは武庫川女子のキャラクターである、ノンスリーブのワンピースを着て2足直立した痩せた黒ウサギなのですが、このように文字で表現すると全くかわいくないから絵を貼りたいのですが、絶対怒られるので、各自検索してご確認ください。 それはともかく、今年新設の経営学部の難易度は、この分野の人気の高さも手伝って、 おそらく教育学部と文学部の間か、文学部の日本語日本文学科と同水準になるのではと予想されます。 ひとまず公募推薦の受験をお勧めします。出願は、今日から10月22日までとなっています。ぴょんぴょんウサギでお急ぎください。

【祝】摂南大学 「農学部」設置認可が答申される【新学部】

2019年10月7日 月曜日

いやぁ、すみません、8月末から開成進学フェアの開催準備やなんやかやで戦っていたので文部科学省のHPをチェックするのを忘れていましたが、以前このエントリーで紹介した摂南大学農学部の設置がすんなり認可の答申がなされたようです。今までの学部の再編ではなく、完全な新設は結構ハードルが高いものですが、予定通り大学設置・学校法人審議会から判定可の答申がなされたとのことで。よかった、よかった。

当然基本は理系ですが、「食農ビジネス学科」のような文系分野からのアプローチを行う学科もあるようです。しかし「農学基礎演習」という農学部全員必修の授業では田植え、稲刈り実習も行うそうです。田植えでは泥だらけになりながらの手植えも行うのでしょうか。その昔の、今は無き高槻の試験農場での経験ですが、何時間も下を向いての作業は足も腰も痛くなりますが、一面植え終わった水田を眺めた時に得られる充実感はやった者にしか味わえません。 このような経験を経て、食べ物と真剣に向き合う人材育成をする「農学部」、今後どのような設備や講座が整備されていくのか楽しみです。

THE世界大学ランキング2020(「早慶近」本当だった編)

2019年10月4日 金曜日

それはさておき日本の大学はといいますと・・・

「教員一人当たりの論文の被引用数」が重視される指標を使っていますから医学系の単科大学が有利になっていますが、800位までで、日本の782大学(2018年に1年生を募集したのは768大学)のうち、ランクインしているのはわずか25校です。因みに私立大学では、早稲田大学と慶應義塾大学、近畿大学がランクインしていますが、関関同立は入っていませんでした。 そういえば2年前に近畿大学が「早慶近」というキャッチフレーズを使って広報していましたが、その根拠はこのランキングの2016年版でした。今年のランキングでもその地位を維持しているという点でも近畿大学の実力は本物だといえるでしょう。

 一方 同じ医学系の大学でも、ここにランクインしているのは研究を重視している大学であるといえますので、それはそれで大学選びの一つに使えそうなランキングなのでした。