大卒内定率5年連続上昇

2016年3月28日

文部科学省と厚生労働省の調査により18日、今年の春卒業予定で就職を希望する大学生のうち、内定が決まった人の割合を示す就職内定率が2月1日時点で87.8%と、前年同期よりも1.1ポイント上昇したことがわかりました。こうして前年同期よりも上昇するのは5年連続のことで、文部科学省はこの結果について、経済の好循環により、企業の採用意欲は引き続き高いとの分析を示しています。

(調査は全国の国公私立大62校、4,700人の学生を抽出し、推計したものです。)

男女別に見てみると、大学生の男子の就職内定率は前年同期よりも1.2ポイント上昇して86.5%、女子の就職内定率は前年同期よりも1.0ポイント上昇して89.3%という結果であり、特に女子の内定率は2000年以降で最も高くなりました。理系・文系別にみてみると、理系が前年同期よりも1.5ポイント上昇して90.2%であり、2年ぶりに90%を上回りました。文系も前年同期よりも1.1ポイント上昇して87.3%となりました。
 

地域別に見てみると、すべての地域が前年同期よりも上昇しています。最も高かったのは関東地区で、91.8%で、次いで高かったのが中部地区で、87.9%となりました。近畿地区が87.7%、北海道・東北地区が87.3%、九州地区が80.9%と続いており、最も低かったのは中国・四国地区の80.1%となりました。

また、厚生労働省が発表した高校生の1月末時点の就職内定率も、前年同期よりも0.8ポイント上昇して93.6%となり、23年ぶりの水準となりました。こうして前年同期を上回るのはこれで6年連続であり、さらに14年から3年連続で90%を上回りました。男女別に見てみると、男子の就職内定率は前年同期から0.4ポイント上昇して94.5%、女子の就職内定率は前年同期から1.3ポイント上昇して92.4%となりました。

このように就職内定率が上昇するということは、就職するためには資格が必要、理系に行かなければ就職が難しいといった時期と異なり、文系学部に広く志願者が流れる「揺れ戻し」が続き、文系学部の定員が多い私立大学の受験者がさらに増えるといった影響が考えられます。来春受験を迎える皆さんは、大学の競争倍率にも注意が必要でしょう。