大学入試センター試験と科目選択

2016年12月5日

大学入試センター試験は、科目によっては選択が可能なものがあります。例えば「地理・歴史」の中から、世界史や日本史を選ぶことができるわけです。もちろんその後に受験する大学によっては、特定の教科を必須にしている場合もありますので、選択できる幅は多少異なりますが、社会や理科は選択になっている場合がほとんどです。

しかし、毎年話題になるのですが、実は科目によって平均点、つまり難易度が異なる場合があります。そこで、昨年どの程度の差があったのかをひとまず見ていただきましょう。

満点が200点や50点の教科も、比較しやすくするため、すべて100点満点に換算しています。

 

御覧のように、科目による差は確かにあります。理科で、「○○基礎」の科目が2科目必要な受験生が、「化学基礎」と「生物基礎」を選んだ場合と、「物理基礎」「地学基礎」を選んだ場合では、すべて平均点だった場合で27.84点(200点満点)の差がつくことになります。

 

100点満点に換算して20点以上の差がついた場合は得点調整が行われる対象となりますが、その科目の受験者数が1万人以下の場合は行われないことになっています。昨年の「地学」の平均点は38.64という他の科目よりも20点以上低い平均点でしたが、受験者が全国で2,126人しかいませんでしたので、調整は行われませんでした。

さて、科目選択の状況を見てみましょう。御覧のように社会のB科目では、世界史選択者は日本史の4割程度しかいません。

 

理科の基礎科目では圧倒的に生物基礎が1番人気、地学の3倍近くが生物を受験しています。中には実質地学が開講されていない高校もありますので、その影響も考えられます。

 

基礎なしの科目は、さすが理系の受験生が多いので、物理・化学が圧倒的になります。

 

因みに外国語も選択制ですが、99.8%が英語を選択しています。中国語の平均点が8割近くありますが、これは中国語の問題が簡単なわけではありません。受験のために中国語を習得したのではなく、最初から中国語が母語である受験生も多いため、点数が「取れてしまう」というのが実情でしょう。

 

今年の大学入試センター試験の平均点はどのようになるかわかりませんが、受験生の多い国語や英語の平均点の変動は、個別学力試験への出願に大きく影響を与えます。センター試験までの頑張りも大切ですが、その後の分析資料や報道、それを元にした学校や塾の進路指導も参考にしてください。