大学入試 「超安全志向」を検証する その2

2020年1月14日

先週に引き続き、大学受験生の受験動向について分析しておきます。 開成教育グループからの受験生について、各大学の状況をお知らせしましたが、今回は受験方法による合格件数推移を調べてみました。昨年と今年では変化がわかりにくいので過去4年間の数値を調べてみました。

まず、AO入試を経て合格した件数は、4年前の114件から順調に増え、2020年度募集では約2倍に増えています。今年の高校3年生は3年前の中3の時、開成進学フェアでの来場率も伸びるなど、教育関心の高い学年ですので、早くから志望する専門分野を研究しつつ、評定平均を上げるための学習にも1年生から継続的に取り組んだ層が増えたということでしょうか。

指定校推薦を経て入学資格を得た生徒も4年前の1.6倍となっています。こちらは安全志向の表れでしょう。不透明感を増す大学入試制度改革の影響でしょうか、昨年度より、特に今年度の伸びの方が大きくなっていることがわかります。

公募推薦は逆に2019年度入試が底、今年度は再び回復しているように見えます。大学の定員厳格化の影響でしょうか、公募推薦の合格率は下がっており、かつては受験科目も少なく、お手軽感があった公募推薦ですが、不合格者が多く出ている大学への出願を見合わすなど、公募推薦も十分研究してから出願するようになったと考えられます。実は昨年と今年の公募推薦入試への出願数はあまり変わっていないので、合格しやすい大学を選んで出願したとも考えられます。このような受験生は一般入試で第一志望校を目指すケースも増えるでしょうから、公募推薦での受験者が増えたのに入学率が下がる中堅大学も出てくるのではないでしょうか。