今日は高校入試に向けたお話です。大阪では私立中学校入試が続いていますが、実はそろそろ私立高校の出願が始まっています。中学校校長会による希望調査や出願速報もそろそろ新聞発表される時期ですが、毎年外部募集人数よりも専願希望者がオーバーしている学校があり、「ということは、併願で受験しても全員落とされるのでしょうか・・・」とのご心配の声を頂きますが、そんなことはありません。各学校の発表する「募集定員」というのは募集の目安で、ある程度それ以上の生徒を受け入れることができる余裕があるものです。実際昨年も募集人数以上の生徒が入学した私立高校もありました。というわけで、一部の超難関校は例外ですが、一般的に高校入試は難易度が例年から大きく変化するものではありませんので、いつもの実力が出し切れるように頑張りましょう。
大阪星光学院中学校 算数の入試問題より
2019年1月22日 火曜日19日土曜日から京阪神の私立中学入試が始まりましたが、大阪のトップ校「大阪星光学院」の入試問題から一つ紹介します。
算数の大問【3】ですが、古典的な問題のように見えて、少ない条件から考えるという良い問題です。まず(1)は240円と570円の公約数は30というところから、合計金額はどのような組み合わせでもかならず30の倍数になるので8000円では端数が出るという説明ができればいいと思うのですが、(2)は、おつりが最も少ないのは8000に一番近い30の倍数、すなわち合計が7980円、つまりおつりが20円と考え、ついでに公約数の30で割っておいて8と19の組み合わせで266を作る問題と単純化すると計算が楽になります。うまい具合に266は19(570円)が14個で割り切れてしまいますので、条件に合わせてその一部を8(240円のおかし)に置き換えると考えます。19と8の差が11ですから、1つ入れ替えるごとに11ずつ余り、その余りを8に置き換えると考えると、互いに公約数がありませんので8回入れ替えた場合(つまり14-8で19(570円のおもちゃ)が6個)しか考えられません。もしくは面積図で総数を先に14+11の25個と出してから、あとはつるかめ算で19(570円)が6個、8(240円)が19個と考えてもいいでしょう。難関校の算数の入試では補助線が複数必要な図形の問題がよく出題されますが、文章題で自ら条件を補っていくという、まさに思考力を問う問題なのでした。
近畿圏私立中学入試 まだ間に合います
2019年1月21日 月曜日この土日、私立中学校入試を受験した皆さんは如何だったでしょうか。大半の小学生にとっては人生最初の入試ということで、さぞかし緊張したと思います。ひとまずお疲れ様でした。
メインの日程はこの月曜日までで大体終了しましたが、ちょっと不安が残るという受験生の為に今からでも出願できる学校もあります。
例えば大阪府堺市の賢明学院はC日程を追加しました。試験は23日水曜日の16:00開始。願書受付はその1時間前の15:00までとなっており、受験料の2万円は現金で受け取ってくれますので、あとは筆記用具と顔写真を持っていくだけでOKです。
同じように明日以降出願可能なのは23日水曜日入試では、樟蔭、金光大阪、薫英女学院(以上大阪)、滝川第二、甲南女子、芦屋学園、百合学院(以上兵庫)、大谷(京都)など。
さらに24日の木曜日入試では金光八尾、大阪学芸中等教育、大阪国際大和田、園田学園など、25日の金曜日には追手門学院、相愛、箕面自由学園、大阪青凌、堺リベラル、羽衣学園の入試日程も用意されています。
明日から大学入試センター試験
2019年1月18日 金曜日昨年よりもカレンダーの都合で6日遅く開催される大学入試センター試験ですが、(12日以降の土日に実施されることになっているので、12日が土曜日だった今年は19日スタートとなるわけです。)出願は、57万6842人。そのうち現役は46万4949人で、高卒予定者の44.0%と過去最高だった昨年の44.6%をわずかに下回る史上2番目となっています。
土曜日は地歴公民、国語、外国語の試験ですので、文系志願者にとってはほぼここで大勢が決まることになります。平均点の中間発表は23日、最終発表は2月7日の予定です。
例年通り、定規・コンパス・電卓・そろばん・携帯電話(スマートフォン)・電子辞書などの使用禁止となっていますので、試験前にカバンにしまっておきましょう。
因みに今インフルエンザにかかってしまったなど本試験が受けられない場合は26日、27日の追試が準備されていますので、「受験案内」及び「受験上の注意」に従って手続きをお忘れなく。遅れると申請できません。病気の場合は診断書、事故の場合は事故証明、交通機関のトラブルの場合は遅延証明などの証明書類の添付が原則となっていますので、そうなってしまったときに慌てず入手しておきましょう。今年の追試会場ですが、西日本は京都教育大学、東日本は東京芸術大学音楽学部となっています。
しかし、できるだけ追試験にならないように当日は時間的にも余裕を持って、事故にも気を付けて会場に行きましょう。
近畿圏中学入試 トップ校の出願状況
2019年1月17日 木曜日昨日に続いて近畿圏中学入試出願ネタです。まだ、仮集計ですので数値変更の可能性があることをお断りしておきます。いま判明している範囲でそれぞれの地域のトップ校の競争倍率を調べてみました。複数回入試が行われる学校では、初回のみの人数となっています。初日午後や月曜日から入試が始まる奈良の西大和学園と東大寺学園は出願倍率が高くなっています。
昨年との出願倍率の差を出してみました。四天王寺は3科目選択も可能になり受験しやすくなったので例外ですが、どの学校も見事に差がありません。例えば灘は昨年735名に対し今年は731名。西大和学園は男子が昨年1032名に対し今年は1039名、女子は昨年231名に対し今年は232名と、まるで図ったようにほぼ同じ人数が出願しています。これはやはりトップ校を目指す受験生は模擬試験などで受験の可否を正確に測定できているというわけでしょう。トップ校受験生の本気度が感じられます。
因みにこの表は出願倍率の順に並べていますが、難易度を示しているわけではありません。受験者層がそれぞれ違います。
土曜日の京阪神は少し暖かく、晴れの天気予報です。大学入試センター試験も行われますので、ともかく公共交通機関が遅れないことを祈るばかりです。
夙川中学校(現夙川学院) 出願状況(14日現在)
2019年1月16日 水曜日現在はポートアイランドにありますが、次年度から運営する法人と校名を変更し、校地も移転すると発表された夙川中学校(現時点では「夙川学院中学校」)の出願状況が判明しました。まだ、出願締め切りは17日(19日入試分)ですので、あくまでも途中集計ですが、40名の募集に、昨年初日午前に行われる第1回目入試は10名出願だったのに対し、今年は33名。初日午後入試では昨年4名だったのに対し、今年はなんと79名が出願しています。現時点ではまだ運営法人変更の認可申請中の状態ですが、進学校としての地位を確立させた須磨学園が運営する予定だというニュースで人気が一気に高まった形です。昨年11月に行われたプレテストでも273人が受験していますので、最終出願数はもっと伸びるかもしれません。
もちろん入学手続きが終わらなければわかりませんが、おそらくこの様子からすると新生「夙川中学校」は賑やかなスタートを切ることが出来そうです。
有名大学の女子学生比率
2019年1月15日 火曜日世界経済フォーラム(WEF)による、世界各国の男女平等の度合いを指数化した2018年のジェンダー・ギャップ指数によると、日本は調査対象の149カ国中110位でした、という報道がありました。短期大学も多かった30年ほど前は4年制大学に進学する女子は少数派だったような気がしますが、今はどうなのでしょうか、というわけで、過去1993年からの男女学生数データがそろっている有名大学を比較してみました。
一目瞭然、元からその割合が高い南山大学は変化が少ないですが、いずれの大学も女子学生の割合が増えています。関西学院大学は既に約半数が女子、同じミッション系の同志社大も4割を超えています。早稲田大学、慶應義塾大学も4割に迫ってきています。そういえば大学案内のパンフレットにも女子学生が多く登場しているような気がします。一方東京大学、京都大学は全国区ということも影響しているのでしょうか、昔より増えたとはいえ女子の割合は2割前後とまだまだ少なくなっています。昨年から東京大学は女子学生に3万円の家賃補助を行うという、女子優遇策を始めましたが、入学者に占める女子の割合は19.5%とまだあまり効果は表れていないようです。
【首都圏の私立中学校は】首都圏中学入試イベント(2月)【動き出しが早い】
2019年1月11日 金曜日近畿圏の私立中高の教職員の皆様にとっては、いよいよ来週末から中学入試が始まり、2月には高校入試、3月は生徒の送り出しや受け入れ準備で大変な日々が続きます。首都圏の中学入試は2月1日から6日の間に集中していますので、さらに大忙しな2か月になりそうなのですが、その合否発表の次の週から、もう学校説明会が始まっています。
(株)森上教育研究所が調べていただいた資料によりますと、今判明しているものだけでも26校が2月に説明会や見学会など生徒募集、学校紹介に関するイベントを行います。今年は5月の10連休などイレギュラーなカレンダーになりますので、5月~6月の普通の土日に説明会が重なる事が予想されます。受験生に落ち着いて学校を見ていただくために、この大変な時期にあえて設定をされたのでしょう。というわけで受験生(といってもこの段階ではまだ5年生)も入試関連イベントの情報収集はお早めに、というお話でした。
【勉強したい人を】奨学金、全員から保証料【もっと応援してね】
2019年1月10日 木曜日新聞(日本経済新聞)に奨学金制度が変わるという記事が載っていました。
「財務省と文部科学省は2020年春にも日本学生支援機構の貸与型奨学金の仕組みを見直す。長期の延滞が増えて制度を圧迫しているため、奨学金を借りる全ての学生から、借入額に応じて一定額を保証料として徴収する方向で検討に入った。保証人を求める制度はなくす。保証料で延滞を補えば制度は安定するが、学生の負担は増える。」(以上引用)
その保証料の金額というのは標準支給額、月額5万4千円に対して、2千円程度だそうです。まあ、3.7%程度の手数料が取られるといったイメージでしょうか。今の奨学金の滞納率は約5%ですので、これでも足りないという理屈でしょうが、借りる側からするとこの低金利時代に厳しい負担だといえるでしょう。
大学進学率が50%を超え、もう6割近くなっている今となっては、大学に進学する事を「ぜいたく品」扱いする時代ではありません。高校並みとは言いませんが、高等教育の無償化についてもそれを参考にした「踏み込んだ議論」をお願いしたいと思います。
高校国語の学習指導要領も変わります②
2019年1月9日 水曜日もう一つの特徴は、国語力を「話す力・聞く力」「書く力」「読む力」に分け、それぞれに標準指導時間が示されたというところです。その時間の割合は、「話す力・聞く力」が約13%であるのに対し、「書く力」が約40%、「読む力」が約47%となっています。今回の改訂ほど明確ではありませんでしたが、旧指導要領では「書く力」が3割弱、「読む力」は約45%でしたので、今回の改定では特に「書く力」の強化を目指していることがわかります。
というわけで、2022年に高校に入学する今の小6生(新中1生)は「書く」ことを得意になっておいた方が高校生活を楽しむことが出来そうです。でもどうすれば書く力が身につくのでしょうか。どのような勉強をしたらいいのかわからない、というご心配は無用です。開成教育セミナーの「作文添削教室」
https://www.kaisei-group.co.jp/seminar/course/grade_write/
を利用すれば、正しい作文力を段階的に習得することができます。いかがでしょうか。