大学の合格通知

2017年2月22日 水曜日

2月も下旬となり、私立大学の一般入試の結果も日々判明しています。今回は合格後の手続きについて紹介します。

これは立命館大学の合格通知の実物です。(一部画像を処理しています。)御覧のように、「合格通知」の部分より納付書の方が大きい面積を占めています。(大学によっては納付書が別に添付されている形式もあります。)それはさておき重要な情報は、納付期限です。図の赤丸で囲んでいるところに小さく印字されているので見落としがちですが、入学金と前期授業料の納付期限が異なっていますので注意が必要です。立命館大学の場合は入学金の納付期限は2月27日、授業料の納付期限は3月24日です。国公立大学受験生の場合、国公立前期試験(2月25日~26日)の手ごたえから入学金を納めるかどうかを判断することができますが、合格発表(3月8日頃)を見てから判断することはできません。ちなみに多くの大学では入学金とはその大学に入学しなくても、入学の権利を確保するために必要なものであったとして、返金されないのが通例です。

この入学金を払った後、登録カードや写真などを郵送することになります。そちらも期限が決まっているので確認が必要です。

納付期限までに入学金を納めなかった場合は入学の権利を放棄したとして処理されますので、うっかり日付を見落とすなど手続き上のミスで、せっかく合格したのに入学できないという事のないように気をつけましょう。かつて前期入試で失敗をして、落ち込みすぎて試験後泣きながら寝ていたために併願私立大の入学金納付ができなかったという生徒がいました。結果的に国立に合格したため、笑い話で済んだので良かったのですが、そうでなければ併願受験をした意味がなくなってしまうところでした。

もちろん、入試はまだまだ続きます。合格通知をすでに手にしている人も、いない人も、最後まで気を抜くことなく、体調管理と最後の知識確認を怠らないようにしましょう。

 

金曜日の答え

2017年2月20日 月曜日

では、金曜日の問題の答えです。

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1 「うつ」

a 「打つ」、つまり打ち水をすることですね。単に水を撒くだけでなく、その場を清めるといった宗教的なイメージになります。
b 印をつけることも「打つ」といいます。鏨(たがね)を槌(つち)で叩いて石に印をつけるイメージから、文章に読点を付けるときも「打つ」といいます。
c 本来は芝居の準備をする、つまり舞台を打って作ることを「打つ」といったようですが、「ひと芝居打つ」=(人をだますための演技をする)といったよくない使われ方もします。
d 周りにおもりの付いた投網(とあみ)を投げ入れる動きが水面に網を打ち込むように見えることから「打つ」といいます。川や浅瀬で行われる漁法ですので、その様子を一般の人が目にする機会も多かったのでしょう。

2 「かかる」

a 「掛かる」とは支えられる状態を示します。つまりお医者さんに支えられるというイメージの言葉ですね。
b 芝居を興行することを「芝居がかかる」といいます。感情表現などが大げさであたかも演技しているとして「芝居がかった口調で・・・」という使い方を思い出していただくとわかりやすいと思います。映画が大衆化されたのは20世紀ですが、芝居と同じイメージで「掛かる」を使ったのでしょう。
c 動物を捕まえるためのわなにはいろいろな種類があります。落とし穴にクマやイノシシが落ちても、「掛かる」というイメージがつかめないのですが、スズメなどの小鳥を捕まえるための「カスミ網」というわな(今日では特別の許可を得た人でなければ使うことはできません。)に足が網に絡まった小鳥がさかさまにぶら下がっている様子を「掛かる」と表現したものです。そもそも落とし穴のような大規模なわなを日常的に作る事はなかったようです。
d お金が掛かる、時間が掛かるという使い方も aの支えられるイメージからきた言葉でしょう

3 「つる」

a 専門的な言葉で「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」と呼ぶそうですが、この痙も攣も「つ(る)」と訓読みします。何かで吊り上げられたかのような不随意性から「つる」という和語があてはめられたのでしょう。
b 「人につられる」という場合は、「連られる」と慣習的に書かれますが、「釣られる」の方が正しいようです。つまり、影響を受けて引っ張られるイメージです。
c これはまさに「釣り上げる」という使い方です。魚釣りは一般的ですが、土に穴を掘って暮らしている虫を、草の茎などを差し込んで釣り上げるという伝統的な遊びもあります。同じ方法で釣れる貝類もあります。
d これは「吊る」ですね。この「吊」という漢字はもともと「弔」の俗字で棒に蔓状のものが巻き付いて下にたれている状態を表す象形文字だそうですが、いまでは「吊」をとむらうという意味では使いません。
4 「とおる」

a 「その理屈は通らないな」と否定表現でしばし使われる言葉です。
b 議会などで案が可決されることを「通る」といいます。これも正当性が認められるというイメージからの言葉です。
c まんべんなくゆきわたるという意味でつかわれますが、肉の塊など大きな食材の中心部まで加熱されている状態が外からの熱が到達したというイメージから「通る」と使ったのでしょう。
d これも伝達したという結果よりも、その途中をイメージした使い方です。声の質を「よくとおる声」と表現したりします。

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どれだけの知識を持っているかというより、どのように思い出すのかという能力が試される良い問題だと思います。国語の学習では読解力、表現力に力点が置かれがちですが、正確な言葉の知識を的確に取り出す能力も大切だと教えてくれるような問題でした。

 

頭の体操?(中学入試問題より)

2017年2月17日 金曜日

今日は中学入試問題を一つ紹介しましょう。
灘中学校一日目の国語の3番です。

このような問題です。頭の体操のような問題ですが、受験生にとっては焦る問題だと思います。幅広い語彙力が要求される問題だといえるでしょう。

解答は月曜日に公開します。しばらくお楽しみください。

 

大阪私立高校入試 出願者数が多い学校②

2017年2月16日 木曜日

(続き)

5位の阪南大学高校はもちろん阪南大学の系列校ですが、国公立をはじめとして外部への進学者も多く出ています。人数で3割ほどの生徒を特進として外部受験に向けた指導を行っているところが評価されたかたちです。

6位の大阪高校は2008年から共学化し、受験者が大きく増えた学校です。阪急京都線相川駅から徒歩1分の好立地です。隣接する大阪成蹊女子も1,200名以上の受験生を集めましたので、相川駅に3,000人以上の受験生が集まったことになります。

7位の箕面自由学園高校は広大な校地の中に、小学校から高校まで擁する総合学園で、全国大会で優勝常連のチアリーダー部や吹奏楽部、放送部をはじめとして部活も盛んな学校です。オープンスクールで華やかな生徒の活動を見て受験を決める中学生も多いようです。

 

中学入試と同じように大学付属校が人気です。ベスト7の中に3校もランクインしています。高校からの募集が少ないのでランクインしていませんが、関西大学第一や中学入試でも志願者を増やした関西大(高槻)も多くの受験生を集めていました。

高校は一般的に3学年分の教室、つまり1学年の3倍の座席しかないはずですので、1学年の5倍近い受験生を収容するためには特別教室など臨時の受験会場の設営などが必要になったはずです。受験生も大変ですが、先生方もその準備や採点など大変なご苦労があったことでしょう。

 

大阪私立高校入試 出願者数が多い学校①

2017年2月15日 水曜日

2月10日に行われた京阪神の私立高校入試について、結果が順次発表されていますが、今年の出願者数が多かった学校のランキングを紹介します。大阪では7校が2,000名を超える受験生を集めました。

※高校からの募集を行っていない学校や学校の方針で定員を絞り込んでいる学校もありますので、このランキングが学校の難易度(入りにくさ)を表しているわけではありませんが、今人気のある学校の目安としてご覧ください。

専願・併願合せて2,000名以上の出願があった高校をリストアップしました。

まず、1位は近畿大学附属高校。近畿大学の志願者数も日本一です。大学の知名度が上がるのに従って高校も人気が高まっています。

2位の大阪産業大学附属高校。野球やアメリカンフットボールでも有名な学校ですが、普通科に加えて有名私大への合格実績を誇る国際科も人気です。

3位の上宮は2011年に共学化し、志願者が急増した学校です。ここも国公立大学への進学実績が伸びてきている学校です。

4位の浪速、大阪では唯一の神道系の学校です。新校舎だけでなく空手・弓道・ボクシングといった部活の活躍でも注目されている学校です。

(続く)

 

 

今年も開催!! 神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

2017年2月14日 火曜日

神戸海星女子学院・松蔭・親和・甲南女子という、神戸市の東に位置する女子中高一貫校4校が今年も合同説明会を開催されることになりました。

神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

日時:2017年3月9日(木)10:00~11:40(9:30受付開始)
場所:東灘区民センター うはらホール(JR・六甲ライナー「住吉」駅 南へ徒歩約2分)
※ご予約は不要

添付しておりますPDF文書内には、次のような紹介文があります。
神戸市東地区の灘区・東灘区は、長い歴史と伝統をもつ私学が六甲山麓に集まる、学びの環境がととのった地。そのなかで仲間との出会いと素敵な女性へと成長する場を提供してきた、女子中高一貫校四校が女子教育の魅力と各校の特色を紹介します。

神戸市東地区の女子中高一貫校「神戸海星女子学院・松蔭・親和・甲南女子」の4校が、女子教育の魅力と各校の特色を各校による学校紹介を公演形式で行われるこの催しは見逃せません。お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。

 

帝塚山学院中の説明会が、追加で行われます

2017年2月13日 月曜日

こちらのエントリー「早くも来年度入試の説明会が始まります!!」でご紹介したとおり、3月4日(土)に帝塚山学院中の説明会が行われることになっていましたが、定員に達したとのことで第2回目となる説明会が追加開催となったようです。内容は初回と同じものになるとのことですので、初回にお申し込みができなかった方はこちらをお申込みされてはいかがでしょうか。

日時・場所:
3月7日(火) 13:30~15:00(13時受付開始) スイスホテル南海 8階白鳥

内容:
・新時代の女子教育とは
・平成29年度中学校入試報告

申込方法:
・帝塚山学院中ホームページより専用申込フォームにて申込
・添付のPDF裏面に必要事項を記入し、FAXにて申込

前回も申し込み開始から早い段階で定員に達したようですので、ご興味のあるみなさまはお早めにエントリーされることをお勧めします。学校を身近に感じる機会にされてはいかがでしょうか。

 

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/4)

2017年2月4日 土曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/4 同志社英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰ・Ⅱは長文と大問Ⅲは会話文という構成
記述の和訳と英作がそれぞれ1題ずつ出題
長文の設問内容は同意表現選択問題が大半をしめ、内容一致問題、空所補充問題など例年通りの構成
和訳問題は昨年度2/4は大問Ⅰで出題されたが、今年度は大問Ⅱで出題
特に目立った傾向の変化はないので、これまで行ってきたことを信じて試験にのぞみましょう。

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/2)

2017年2月2日 木曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/2 関西大英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰは会話文と文整序、大問Ⅱと大問Ⅲは長文という構成
2/1と同様大問ⅢのAの問題の設問指示文は英語
2/1では出題されていない”refer to”という指示文が登場
これから関西大を受験する人は関大の最新の問題と過去問でしっかり例年出題されている設問指示文を確認して、
本番で焦らないように備えておきましょう。

2/2関西学院大英語
例年通り、大問6題構成、大問Ⅰ~Ⅲまでは長文問題、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語句整序、大問Ⅵが会話文という構成
特に目立った変更はなし
大問Ⅵの会話文は2/2は例年通り、語彙、文法、語法、会話表現中心の出題

2/2 立命館大学英語
2/1同様大問5題構成、大問Ⅰ~Ⅱが長文問題、大問Ⅲが会話文、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語彙問題という構成
特に目立った変更はなし
立命館の大問Ⅴは単語知識の問題です。
2/1 2/2で出題されている単語の品詞の割合は①動詞:8/20 ②形容詞:7/20 ③名詞:4/20 ④副詞:1/20です。
これから立命館を受験する予定で単語力が不安な人は自分の持っている単語集の動詞と形容詞だけでも見直すとよいかもしれません。

個別指導学院フリーステップ 教育技術研究所より(関関同立英語分析2/1)

2017年2月2日 木曜日

関関同立大入試2017 英語の問題

2/1に関関同立大の中で関西大、関西学院大、立命館大の入試が始まりました。
各大学の英語の問題を例年の出題傾向と比較して、確認してみます。
塾生の人はフリーステップの教室または開成NETで、塾生でない人はフリーステップの教室に実際の問題を掲示しています。

2/1 関西大英語
例年通り、大問3題構成、大問Ⅰは会話文と文整序、大問Ⅱと大問Ⅲは長文という構成です。ただ、2/1の問題では一部例年と違う部分があります。大問ⅢのAの問題の設問指示文が例年は日本語で書かれていましたが、2/1の問題では英語で書かれています。問題指示文が英語に変わっているので、2/1に関西大を受験した生徒さんの中には驚いた人もいるでしょう。ただ、落ち着いて読めば、例年、日本語で書かれている「下線部の意味に最も近いものはどれか」「下線部の意味の具体例はどれか」「下線部から読み取れるものはどれか」がそのまま英語になっているだけですので、問題の意図は変わっていません。この傾向はおそらく今後も続くと予想されます。見た目が変わっているだけですので、これから関西大を受験する人は過去問でし
っかり例年出題されている設問指示文を確認して、本番で焦らないように備えておきましょう。

2/1 関西学院大英語
例年通り、大問6題構成、大問Ⅰ~Ⅲまでは長文問題、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語句整序、大問Ⅵが会話文という構成です。特に目立った変更はありませんが、2/1の問題では関西学院大の問題としては珍しい問題が散見されました。大問Ⅵの会話文の問題です。
例年、関西学院大の会話文の問題は、会話の流れに合うような内容を選ばせる文脈で考える一般的な問題ではなく、単語の知識、文法・語法、会話表現などを適切に選択させる知識重視の問題です。ただ、2/1の問題では10題中4問程度は文脈に合う内容で正解を選ぶ問題が出題されています。今後、この傾向が続くかはわかりませんが、これから関西学院大を受験する人で特に大問Ⅵの会話文は知識だけで解けると思い込んでいる人は注意してください。長文以外の大問4~6を先に解答して、大問1~3の長文は後回しにする作戦で解く人も多いと思いますが、大問6で思わぬ時間をかけて長文問題にかける時間がない!ということがないように注意してください。

2/1 立命館大学英語
昨年度2016年の入試で大問を1題削除、立命館英語の特徴であった誤文訂正問題の削除など問題傾向に大きな変化があった立命館大ですが、2017年度は昨年度と同じ大問5題構成でした。大問Ⅰ~Ⅱが長文問題、大問Ⅲが会話文、大問Ⅳが文法・語法、大問Ⅴが語彙問題という構成です。特に2016年度の出題傾向と違いはありません。おそらく今後もこの傾向が続くと予測されます。ただ、今出題されている構成は過去問題としては昨年度のものしかないため、数が限られています。これから立命館大学を受験する人で全体の時間配分の調整のチェックなどを行う場合は昨年度の過去問題または2017年度の問題で行うようにするとよいでしょう。

なお2016年に立命館大学の英語の問題で誤文訂正問題が消えたこと、2017年に関西大学の英語の問題で設問指示文が英語に変わったこと、関西学院大学の英語の問題で会話文問題において知識ではなく、読解力が問われる問題が出題されるようになったことは偶然ではありません。当然、現在進行中の大学入試改革、英語の4技能重視への改革が入試問題に具体的に表れてきていることだと思われます。今後、この動きは加速していくことになると予想されるため、「設問指示文が英語に変わる」、「単語、文法、語法知識だけを問う問題が減少する」ことは他大学の問題でも多く見られるようになるのではないでしょうか。