11月29日に東京有楽町「よみうりホール」で「第71回全日本中学校英語弁論大会」の決勝大会が行われました。この大会は1949年から始まり、後援には外務省や文部科学省、NHKなどがついているという日本最大かつ最も権威のある英語弁論大会です。 約10万人の中から各地区予選を勝ち抜いた151人が中央大会に進み、最初の2日間の間に27名に絞り込まれ、最終日の決勝大会で「高円宮杯」を目指すという大会です。持ち時間は5分。議題は自由ですが映像などは使用できませんので、まさに弁論のみの戦いです。

https://jnsafund.org/result20191129(公式ホームページより転載)
今年、この大会で優勝したのは和歌山の開智中学校の澤井さん。おめでとうございます。もちろんご本人の努力も大きいと思いますが、検定教科書をすべて利用し、とことん深堀りをする授業に加えて早朝読書や新聞を使った調べ学習など徹底した国語教育の成果なのでしょう。
近畿圏からはノートルダム女学院中学校の三林さんも7位に入賞しています。因みに三林さんは京都府代表として3年連続出場していますが、帰国子女というわけでも、渡航経験があるわけでもなく、(正確には中3の夏休みに3週間、学校での海外研修に参加したのみ)平素は学校 で行われているオンライン英会話を楽しんでいるという、話してみても普通に明るい女子です。但し、日本語でのプレゼン能力も高いお子さんで、生徒会でも副会長として活躍中です。
英語の4技能が重要だといわれていますが、中学校の時期にここまで英語が使いこなせるようになっていると、更に様々な問題意識を持つことができ、その後の進路選択にも活かすことができるでしょう。 このような大会に積極的にエントリーしているということも、学校選びの材料の一つではないでしょうか。

(こちらは和歌山の開智中学校・高等学校の前に掲げられている横断幕です。この写真も「中の人」撮影・・・。)









まず、一つ目の結果ですが、御覧のように「あまり評価できない」が44%と「評価できる」の18%の2倍以上となっています。複数回実施、記述式導入など概要が示された後で、複数回実施を今回は見送り、記述式問題を長短(難易)2種類に分けて、長い(難しい)方の記述の採点は個別の大学に任す、と方針が揺れ動くなど、実現に向けた議論・検討が不十分なようにも思えます。制度の変わり目というのは受験生にとってだけでなく、今までのシステムの中でノウハウを積み上げてきた進学校にもストレスがかかるところだと思いますが、具体的な内容がなかなか決まらないというのが一番心配なところだと思います。
一方、英語の4技能を重視する方向については66%の学校が「適切だ」と回答しています。国際化社会の中で、英語を使ったコミュニケーション能力は必要だと考えている先生が多いということでしょう。但し、これに関しては英検など既存の民間団体の試験も使うという点で、イメージがつかみやすく支持されているという側面もあると思います。 2020年といえば東京オリンピック開催の年です。もちろんオリンピックも大規模な準備が必要なイベントだと思いますが、新テストは日本の教育水準に直結し、今後も続けられる教育システムの根幹です。文部科学省をはじめ、関係機関の皆さんは、十分な議論と検討を尽くしていただき、より周到な準備をお願いしたいと思います。





