大学のAO入試と男女比

2018年12月5日 水曜日

某医科大学の入試において女子が冷遇されていたというニュースがありましたが、やはり筆記試験のような客観テストだけでなく、志望理由書や面接のような採点基準がわかりにくい試験は、恣意的な扱いがなされる危険性が伴うものです。2020年度大学入試改革では受験生を点数だけでなく、多面的な評価をするべきだとの方針が示されていますが、居住地、性別、年齢など本人の努力以外の属性で有利不利が出ないようにしていただきたいものです。しかし、現状はどうなのでしょうか。

そこで、E-ポートフォリオの導入やAO入試に積極的な関西学院大学を例にとって、男女比を調べてみました。

ありがたいことに関西学院大学は昔から合格者数を男女別に公表しています。

https://www.kwansei.ac.jp/admissions/admissions_001056.html

そのデータを元に過去5年分を表にしてみました。(某出版社サイトにも同じような数値がありますが、こちらは大学発表のデータを使っています。)そして、女子の方が多い(つまり50%超の)枠に色を付けてみました。すると11学部5か年分で、合格者が居なかった2017年の文学部を覗いた54枠のうち、男子優勢は16枠のみ、つまり圧倒的に女子の合格者が多くなっています。理工学部や経済学部など、そもそも女子の出願者が少ない学部は合格者割合も小さくなっていますが、それでも合格率は高くなっています。(2018年度理工学部では、(合格者/出願数)を表すと男子は(4/14)女子は(2/3)となり、実質倍率に直すと男子は3.5倍、女子は1.5倍、つまり女子は男子の2.3倍合格しやすい事になります。)【スクープ】男子というだけで一律減点か??というのは冗談で、やはりこの手の入試に有利な女子が多いということでしょう。

というわけで、今後大学入試での採用が広がると思われる「多面的評価」に対応するためには、練りこまれた志望理由書が書けるように学習の過程をマメに記録する事はもちろん、面接や口頭試問でもぼろが出ないように日々のニュースや社会問題に対するアンテナも立てて、読みやすく丁寧な文字(←結構ここ大事)が書けるようにしておきましょう。